【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

文字の大きさ
161 / 806
旅立つ者。

執事を迎えにいく。

 朝お店に出ていると、移住組の家族の中で見つかった者を届けにきたと領軍の兵士が先触れで来た。呼ばれた移住組の人達が店先に並ぶ。マックスさんは5人といってたけど9人の人が見つかったそうだ。領軍の兵士達に守られた9人の人は肉親を見つけると我先に走ってくる。
 抱き合って泣きあう家族。良かったな、と言ってもらい泣きする先輩組。店先での感動の再会に周りの人達も拍手を送っていた。
 片親になってしまったり、子供を亡くしてしまったり、両親を亡くして兄弟だけになった人もいるけど、誰かしら肉親がいるという状態になり、全くの独り者はいなくなった。これで捜索は打ち切りになってしまったけど、誰一人文句を言う者がいなかった。マックスさん達が精一杯頑張ってもらった事を移住組の人達は理解してくれたのだろう。領軍の人達が捜索打ち切りになった事を告げ、すまないと謝るとみなは口々にお礼を言っていた。
 
 お父さんは家族が戻った移住組の商会員かぞくに今日はゆっくりしてくれと告げると生活必需品と衣服を買えと言ってお金を渡している。ロイック兄さんは食堂に人々をいざなうと美味しい食事を作ってくれとマスに頼んでいる。


 今回の事件は一旦幕引きとなった。


 そんな事があった後、僕はエメイラとミザーリを連れて城に向かった。例の執事バトラーを迎えに行くためである。
 今回の件、最初家族の反対があった。でも最終的にエメイラが『読心マインドリーディング』をかけて確かめてから雇うという事になった。エメイラはあまりお城に行きたがらないのだが、今回はついてきてくれた。 
 お城に着くとレイさんが出迎える。

「リョウ様お待ちしておりました。エメイラヒルデ様、おかえりなさいませ」
「何度も言うけど私の家ではないわ」
「いえ。この城の持ち主は代々あなた様をいつでもお迎えするようにしております。ここはあなた様の家でもあるのです。お忘れなきよう」
「だから嫌なのよ。代々の人は私を持ち上げ過ぎだわ。イザークはもっと軽い気持ちで私を『外部顧問』にしたのよ」
「ですがエメイラヒルデ様、あなたが『外部顧問』として果たされている仕事はあまりにも多い。我々にできるのはあなたを温かく迎える家を用意する事だけです。困りましたらいつでも我が城の門を叩いてください。お待ちしております」
「この前叩いたじゃない」
「あれは些細なことです。もっと甘えてください」
「あー。もう。わかったわ」
 
 色々手助けしてきたんだね。レイさんとのやりとりに笑っちゃった。レイさんにマックスさんの執務室に案内してもらうとマックスさんが執務していた。

「リョウ、ちょっとだけ待っ…あれ?エメイラヒルデ?お帰り」
「ただいま…って、ここは私の家ではないわよマックス。何度も言ってるじゃない」
「ああ。でもいつでも戻ってきてくれ。今日は彼の件で来たのかな?」
「そうだわ。早くその執事バトラーに会わせてくれる?」
「わかった。着いてきてくれ」

 マックスさんとレイさんに連れられて城の中をぐるぐると歩いて、部屋にたどり着いたようだ。レイさんがノックすると返事があった。

「ストーク、入るぞ」

 マックスさんが入っていく、僕達も促されて中に入った。

「これはマクシミリアン閣下。ようこそお越しくださいました」
「うん。先日言ってた通りお前の新しい主人となるものを連れてきた。リョウだ」
「はい。リョウ様、ストーク・カイと申します。ストークとお呼びください」

 ストークは水色の髪で緑の目、長身で魅力的な容姿を持つ男性だった。どことなくエキゾチックな感じだ。

「ストーク、僕は、リョウエスト・スサン。リョウと呼んで」
「リョウエスト・スサン様、失礼ですが史上最年少で名誉子爵になられましたリョウエスト・スサン様でございますか?」
「そう。僕『王国の料理番』」
「左様ですか……マックス様。せっかくの話なのですが……」
「なぜなの?」
「あなたは?」
「私はエメイラヒルデというものだわ。リョウが気に入らないの?」
「エメイラヒルデ様……ルステインの守護神様…いえ、そういう訳ではございません。私のような犯罪奴隷が仕えて良い方ではないのでそう申しました」
「『読心マインドリーディング』。あなたは冤罪で捕まったのでしょう?」
「その通りでございますが……」
「リョウ、この人とサウロン商会の番頭イゼルという人が両方冤罪で捕まったみたいだわよ」
「なぜお分かりで?」
「ふふふ。内緒。あなたはどうしたいの?復讐をしたい?また執事バトラーとして働きたい?」
「復讐をしたって意味はないのです。私は私の執事バトラーとしての地位を奪われました。もう、おそらく誰も信用しないでしょう」
「真実だわ。リョウ」
「んー。僕は、信じるよ。そんな事、する人に、見えない」
「ありがとうございます。ですが周りはそうは見ないでしょう」
「関係ないよ。僕は、ただの、料理番だし、ストークの仕事を、見ているわけじゃ、ないけど誠実なのは、わかったし、良いと思うよ」
「あなた、本当は執事バトラーに戻りたいんじゃない?」
「戻れないじゃないですか!」
「戻れるよ。少なくても、僕は、ストークを、信じるし、雇うよ」
「名誉を失うかもしれませんよ」
「名誉?別にいらない」
「陰口を叩かれても良いんですか?」
「僕、5歳だから、わかんないよ」
「私を雇ってどんなメリットがあるんですか?」
「信頼できる部下、欲しいの。ストークなら、なれるでしょ?」
「どうなっても知らないですからね」
「良いよ」
「……わかりました。我がご主人様マイロード、ご命令を」
「奴隷として、の制約は、一切、かけないから、思うままに、動いて。これは当座のお金」

 僕は金貨の袋を渡す。

「仰せのままに。身命を賭してお仕えいたします」

 
感想 9

あなたにおすすめの小説

異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~

夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する! 農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。 逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。 これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。

最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~

gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。 なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。 一人称視点、独り言多め、能天気となっております。 なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。 ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A ご指摘あればどんどん仰ってください。 ※2017/8/29 連載再開しました!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

ひだまりのFランク冒険者

みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。 そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。 そんな中 冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。 その名は、リルド。 彼は、特に何もない感じに毎日 「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。 この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
 女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!  HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。  跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。 「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」  最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!

子ドラゴンとゆく、異世界スキル獲得記! ~転生幼女、最強スキルでバッドエンドを破壊する~

九條葉月
ファンタジー
第6回HJ小説大賞におきまして、こちらの作品が受賞・書籍化決定しました! ありがとうございます! 七歳の少女リーナは突如として前世の記憶を思い出した。 しかし、戸惑う暇もなく『銀髪が不気味』という理由で別邸に軟禁されてしまう。 食事の量も減らされたリーナは生き延びるために別邸を探索し――地下室で、ドラゴンの卵を発見したのだった。 孵化したドラゴンと共に地下ダンジョンに潜るリーナ。すべては、軟禁下でも生き延びるために……。 これは、前を向き続けた少女が聖女となり、邪竜を倒し、いずれは魔王となって平和に暮らす物語……。