【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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旅立つ者。

執事を迎えにいく。

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 朝お店に出ていると、移住組の家族の中で見つかった者を届けにきたと領軍の兵士が先触れで来た。呼ばれた移住組の人達が店先に並ぶ。マックスさんは5人といってたけど9人の人が見つかったそうだ。領軍の兵士達に守られた9人の人は肉親を見つけると我先に走ってくる。
 抱き合って泣きあう家族。良かったな、と言ってもらい泣きする先輩組。店先での感動の再会に周りの人達も拍手を送っていた。
 片親になってしまったり、子供を亡くしてしまったり、両親を亡くして兄弟だけになった人もいるけど、誰かしら肉親がいるという状態になり、全くの独り者はいなくなった。これで捜索は打ち切りになってしまったけど、誰一人文句を言う者がいなかった。マックスさん達が精一杯頑張ってもらった事を移住組の人達は理解してくれたのだろう。領軍の人達が捜索打ち切りになった事を告げ、すまないと謝るとみなは口々にお礼を言っていた。
 
 お父さんは家族が戻った移住組の商会員かぞくに今日はゆっくりしてくれと告げると生活必需品と衣服を買えと言ってお金を渡している。ロイック兄さんは食堂に人々をいざなうと美味しい食事を作ってくれとマスに頼んでいる。


 今回の事件は一旦幕引きとなった。


 そんな事があった後、僕はエメイラとミザーリを連れて城に向かった。例の執事バトラーを迎えに行くためである。
 今回の件、最初家族の反対があった。でも最終的にエメイラが『読心マインドリーディング』をかけて確かめてから雇うという事になった。エメイラはあまりお城に行きたがらないのだが、今回はついてきてくれた。 
 お城に着くとレイさんが出迎える。

「リョウ様お待ちしておりました。エメイラヒルデ様、おかえりなさいませ」
「何度も言うけど私の家ではないわ」
「いえ。この城の持ち主は代々あなた様をいつでもお迎えするようにしております。ここはあなた様の家でもあるのです。お忘れなきよう」
「だから嫌なのよ。代々の人は私を持ち上げ過ぎだわ。イザークはもっと軽い気持ちで私を『外部顧問』にしたのよ」
「ですがエメイラヒルデ様、あなたが『外部顧問』として果たされている仕事はあまりにも多い。我々にできるのはあなたを温かく迎える家を用意する事だけです。困りましたらいつでも我が城の門を叩いてください。お待ちしております」
「この前叩いたじゃない」
「あれは些細なことです。もっと甘えてください」
「あー。もう。わかったわ」
 
 色々手助けしてきたんだね。レイさんとのやりとりに笑っちゃった。レイさんにマックスさんの執務室に案内してもらうとマックスさんが執務していた。

「リョウ、ちょっとだけ待っ…あれ?エメイラヒルデ?お帰り」
「ただいま…って、ここは私の家ではないわよマックス。何度も言ってるじゃない」
「ああ。でもいつでも戻ってきてくれ。今日は彼の件で来たのかな?」
「そうだわ。早くその執事バトラーに会わせてくれる?」
「わかった。着いてきてくれ」

 マックスさんとレイさんに連れられて城の中をぐるぐると歩いて、部屋にたどり着いたようだ。レイさんがノックすると返事があった。

「ストーク、入るぞ」

 マックスさんが入っていく、僕達も促されて中に入った。

「これはマクシミリアン閣下。ようこそお越しくださいました」
「うん。先日言ってた通りお前の新しい主人となるものを連れてきた。リョウだ」
「はい。リョウ様、ストーク・カイと申します。ストークとお呼びください」

 ストークは水色の髪で緑の目、長身で魅力的な容姿を持つ男性だった。どことなくエキゾチックな感じだ。

「ストーク、僕は、リョウエスト・スサン。リョウと呼んで」
「リョウエスト・スサン様、失礼ですが史上最年少で名誉子爵になられましたリョウエスト・スサン様でございますか?」
「そう。僕『王国の料理番』」
「左様ですか……マックス様。せっかくの話なのですが……」
「なぜなの?」
「あなたは?」
「私はエメイラヒルデというものだわ。リョウが気に入らないの?」
「エメイラヒルデ様……ルステインの守護神様…いえ、そういう訳ではございません。私のような犯罪奴隷が仕えて良い方ではないのでそう申しました」
「『読心マインドリーディング』。あなたは冤罪で捕まったのでしょう?」
「その通りでございますが……」
「リョウ、この人とサウロン商会の番頭イゼルという人が両方冤罪で捕まったみたいだわよ」
「なぜお分かりで?」
「ふふふ。内緒。あなたはどうしたいの?復讐をしたい?また執事バトラーとして働きたい?」
「復讐をしたって意味はないのです。私は私の執事バトラーとしての地位を奪われました。もう、おそらく誰も信用しないでしょう」
「真実だわ。リョウ」
「んー。僕は、信じるよ。そんな事、する人に、見えない」
「ありがとうございます。ですが周りはそうは見ないでしょう」
「関係ないよ。僕は、ただの、料理番だし、ストークの仕事を、見ているわけじゃ、ないけど誠実なのは、わかったし、良いと思うよ」
「あなた、本当は執事バトラーに戻りたいんじゃない?」
「戻れないじゃないですか!」
「戻れるよ。少なくても、僕は、ストークを、信じるし、雇うよ」
「名誉を失うかもしれませんよ」
「名誉?別にいらない」
「陰口を叩かれても良いんですか?」
「僕、5歳だから、わかんないよ」
「私を雇ってどんなメリットがあるんですか?」
「信頼できる部下、欲しいの。ストークなら、なれるでしょ?」
「どうなっても知らないですからね」
「良いよ」
「……わかりました。我がご主人様マイロード、ご命令を」
「奴隷として、の制約は、一切、かけないから、思うままに、動いて。これは当座のお金」

 僕は金貨の袋を渡す。

「仰せのままに。身命を賭してお仕えいたします」

 
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