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旅立つ者。
イゼルに会う。
「ご主人様、これからどうされます?」
「んー。ご主人様は、いい。リョウで」
「かしこまりました、リョウ様」
「マックスさん、どうすれば良い?」
「うん。レイ、契約の書き換えを」
「かしこまりました」
部屋を移動して会議室みたいなところに入る。
「レイ、イゼルという人に会わせて」
「エメイラヒルデ様、どうされたんで?」
「私が両方冤罪にあった事を証明するわ。マックス、鼻垂れ小僧にその事を知らせてくれる?」
「こら。エメイラヒルデ、国王様も良い年になったし子持ちだからあんまり昔の事をいうもんじゃないよ。失礼だし」
「そう。全然会ってないからあの印象は抜けないわ」
「失礼ですが、陛下が何歳の時お会いになられたんですか?」
「11歳だったかしら。私の事を聞きつけて私に会いにきたわ。レイ、覚えてるわね?」
「ええ。陛下はエメイラヒルデ様にひっついて歩いてましたな」
「私は物心ついたばかりの頃で全く記憶に残っていないが、後から聞いてひやひやしたよ」
「マックスも一緒にひっついてきたわよ。あなた、あの頃は可愛かったわね」
「やめてくれ」
なんだこの会話。面白くて笑っちゃうよ。
「あー。もう。レイ、連れてきて。城にいるんでしょ?」
「はい。かしこまりました」
「ストーク、彼はとても優秀なのね?」
「はい。優秀でございます。商人としてだけでなく人間としても素晴らしい男だと思っております」
「それならロイックを連れてきたかったわよね。あの子の手足になりそうだし」
「呼びに行かせようか?」
「そうね……お願いできるかしら」
「わかった。スサン商会のロイックエンを連れてきてくれ。内容はお前の手足となりそうな優秀な商人を紹介したいと言ってくれ」
「かしこまりました」
侍従が外に出ていく。
「ストーク、出たら服、買おう」
「自分で用意致しますが?」
「黒い燕尾服を、びしっと、着てもらいたい」
「あなたなんで貴族みたいな格好させるのよ?」
「リョウ様、一般的には、普通のスーツと決まっております」
「えー。燕尾服に、ピシッとネクタイで、グレーのズボンに、白手袋がいい」
「リョウ、それは貴族の夜会の服だぞ」
「そうなのか……」
「リョウ様、では黒いスーツでグレーのズボンならいかがでしょうか?」
「まあ、それで、良い」
「なぜスーツにこだわるのかわからないが、スーツを着るのは上級貴族の執事だけだぞ」
「そうなんだ。残念」
「お待たせいたしました」
「初めまして。私、元キトレ伯爵御用商会の番頭のイゼルと申します。この度は私のためにありがとうございます」
「私はエメイラヒルデよ」
「エメイラヒルデ様、はい、存じております」
「あなたにいくつか質問をするわよ。答えても良いし、答えなくてもいいからちゃんと聞いてね」
「はい。よろしくお願いいたします」
「『読心』。あなたはサウロン商会に所属していた番頭よね」
「はい、その通りでございます」
「あなたは真っ当な商売をしていた?」
「はい。自分ではそう思っております」
「ジェン、えーと風花だったかな、その子の事は知っていた?」
「はい。用心棒兼剣闘士の方ですよね。ここに来るまで借金奴隷だとは知りませんでした」
「なるほど。単なる商会所属の人だと思っていたのね」
「左様です」
「あなたは今回の犯罪には加担していない?」
「はい。全くしりませんでした。突然伯爵の兵士が来てつかまり、犯罪奴隷とされました」
「なるほど。全部真実よね」
「はい」
「具体的にあなたはどんな仕事をしていたの?」
「はい。ほぼ全ての事を担っておりました」
「まって。あなた主人のやる事までやってたの?」
「どういうことですか?」
「得意先まわりや接待、仕入れ業者とのやりとり、全部見させてもらったわ。あなた、よく体を壊さなかったわね」
「時々ポーションに頼ってました。今はゆっくり休めて良い養生になっております」
「マックス、この人完全な被害者だわ。サウロン商会の商会長はろくでもない男よ」
「うん。大体の話は聞いている」
「さっさと契約しましょう。ストークもイゼルも真っ白だわ」
「レイ、頼む。後ほどやりとりを書記してくれ。それも同封する」
「かしこまりました。エメイラヒルデ様、こちらに」
「わかったわ」
エメイラとレイさんが出ていった。
「良かったな二人とも。エメイラヒルデが国王に証明すれば犯罪奴隷のレッテルが剥がれる日も近くなるぞ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「やっぱ、ストークは、スーツを、着てもらう」
「リョウ、お前は王の直属の配下だから良いと思うよ」
「良かった」
「かしこまりました。用意いたします」
「うん。なるべく、上質なもので」
しばらく四人で話をする。イゼルって話上手だな。ロイック兄さんと同じような喋りだ。あ、エメイラが戻ってきた。
「やってきたわ。あとは頼むわね」
「わかった。私は執務に戻る。二人とも期待しておくと良い」
「「ありがとうございます」」
「ではリョウ、エメイラヒルデまたな」
「はい!」
「またね」
侍従がやってきた。
「ロイックエン様ご到着です」
「リョウ、エメイラ、急いでこいって言われたけどどうしたの。なんかすごい商人に会わせてくれるって聞いたけど」
「ロイックエン、よく聞いてね。彼はイゼル。元キトレ伯爵の御用商会サウロン商会の番頭だったものよ。彼、サウロン商会の商会長に冤罪をかけられて犯罪奴隷にされてしまったの。私の魔術で調べたけど全くの白だったわ。仕事はできるわ。ダメな商会長の仕事を全部やってきたから。ロイックエン、まずは色眼鏡で見ずに二人で話してみて。きっとあなたの役に立つ者になるわ」
「わかった。イゼルさん、私はスサン商会のロイックエンと申します。お話を聞かせてください」
「ご高名はお聞きしております。よろしくお願いいたします」
「じゃあ私たちは先に帰るわね。リョウ、ストークの契約の書き換えをして帰りましょう」
「ロイック兄さん、よろしく」
「リョウ、エメイラ、ありがとう」
翌日、僕の後ろにはストークが立ち、ロイック兄さんの横にはイゼルが立っていた。
「んー。ご主人様は、いい。リョウで」
「かしこまりました、リョウ様」
「マックスさん、どうすれば良い?」
「うん。レイ、契約の書き換えを」
「かしこまりました」
部屋を移動して会議室みたいなところに入る。
「レイ、イゼルという人に会わせて」
「エメイラヒルデ様、どうされたんで?」
「私が両方冤罪にあった事を証明するわ。マックス、鼻垂れ小僧にその事を知らせてくれる?」
「こら。エメイラヒルデ、国王様も良い年になったし子持ちだからあんまり昔の事をいうもんじゃないよ。失礼だし」
「そう。全然会ってないからあの印象は抜けないわ」
「失礼ですが、陛下が何歳の時お会いになられたんですか?」
「11歳だったかしら。私の事を聞きつけて私に会いにきたわ。レイ、覚えてるわね?」
「ええ。陛下はエメイラヒルデ様にひっついて歩いてましたな」
「私は物心ついたばかりの頃で全く記憶に残っていないが、後から聞いてひやひやしたよ」
「マックスも一緒にひっついてきたわよ。あなた、あの頃は可愛かったわね」
「やめてくれ」
なんだこの会話。面白くて笑っちゃうよ。
「あー。もう。レイ、連れてきて。城にいるんでしょ?」
「はい。かしこまりました」
「ストーク、彼はとても優秀なのね?」
「はい。優秀でございます。商人としてだけでなく人間としても素晴らしい男だと思っております」
「それならロイックを連れてきたかったわよね。あの子の手足になりそうだし」
「呼びに行かせようか?」
「そうね……お願いできるかしら」
「わかった。スサン商会のロイックエンを連れてきてくれ。内容はお前の手足となりそうな優秀な商人を紹介したいと言ってくれ」
「かしこまりました」
侍従が外に出ていく。
「ストーク、出たら服、買おう」
「自分で用意致しますが?」
「黒い燕尾服を、びしっと、着てもらいたい」
「あなたなんで貴族みたいな格好させるのよ?」
「リョウ様、一般的には、普通のスーツと決まっております」
「えー。燕尾服に、ピシッとネクタイで、グレーのズボンに、白手袋がいい」
「リョウ、それは貴族の夜会の服だぞ」
「そうなのか……」
「リョウ様、では黒いスーツでグレーのズボンならいかがでしょうか?」
「まあ、それで、良い」
「なぜスーツにこだわるのかわからないが、スーツを着るのは上級貴族の執事だけだぞ」
「そうなんだ。残念」
「お待たせいたしました」
「初めまして。私、元キトレ伯爵御用商会の番頭のイゼルと申します。この度は私のためにありがとうございます」
「私はエメイラヒルデよ」
「エメイラヒルデ様、はい、存じております」
「あなたにいくつか質問をするわよ。答えても良いし、答えなくてもいいからちゃんと聞いてね」
「はい。よろしくお願いいたします」
「『読心』。あなたはサウロン商会に所属していた番頭よね」
「はい、その通りでございます」
「あなたは真っ当な商売をしていた?」
「はい。自分ではそう思っております」
「ジェン、えーと風花だったかな、その子の事は知っていた?」
「はい。用心棒兼剣闘士の方ですよね。ここに来るまで借金奴隷だとは知りませんでした」
「なるほど。単なる商会所属の人だと思っていたのね」
「左様です」
「あなたは今回の犯罪には加担していない?」
「はい。全くしりませんでした。突然伯爵の兵士が来てつかまり、犯罪奴隷とされました」
「なるほど。全部真実よね」
「はい」
「具体的にあなたはどんな仕事をしていたの?」
「はい。ほぼ全ての事を担っておりました」
「まって。あなた主人のやる事までやってたの?」
「どういうことですか?」
「得意先まわりや接待、仕入れ業者とのやりとり、全部見させてもらったわ。あなた、よく体を壊さなかったわね」
「時々ポーションに頼ってました。今はゆっくり休めて良い養生になっております」
「マックス、この人完全な被害者だわ。サウロン商会の商会長はろくでもない男よ」
「うん。大体の話は聞いている」
「さっさと契約しましょう。ストークもイゼルも真っ白だわ」
「レイ、頼む。後ほどやりとりを書記してくれ。それも同封する」
「かしこまりました。エメイラヒルデ様、こちらに」
「わかったわ」
エメイラとレイさんが出ていった。
「良かったな二人とも。エメイラヒルデが国王に証明すれば犯罪奴隷のレッテルが剥がれる日も近くなるぞ」
「ありがとうございます」
「ありがとうございます」
「やっぱ、ストークは、スーツを、着てもらう」
「リョウ、お前は王の直属の配下だから良いと思うよ」
「良かった」
「かしこまりました。用意いたします」
「うん。なるべく、上質なもので」
しばらく四人で話をする。イゼルって話上手だな。ロイック兄さんと同じような喋りだ。あ、エメイラが戻ってきた。
「やってきたわ。あとは頼むわね」
「わかった。私は執務に戻る。二人とも期待しておくと良い」
「「ありがとうございます」」
「ではリョウ、エメイラヒルデまたな」
「はい!」
「またね」
侍従がやってきた。
「ロイックエン様ご到着です」
「リョウ、エメイラ、急いでこいって言われたけどどうしたの。なんかすごい商人に会わせてくれるって聞いたけど」
「ロイックエン、よく聞いてね。彼はイゼル。元キトレ伯爵の御用商会サウロン商会の番頭だったものよ。彼、サウロン商会の商会長に冤罪をかけられて犯罪奴隷にされてしまったの。私の魔術で調べたけど全くの白だったわ。仕事はできるわ。ダメな商会長の仕事を全部やってきたから。ロイックエン、まずは色眼鏡で見ずに二人で話してみて。きっとあなたの役に立つ者になるわ」
「わかった。イゼルさん、私はスサン商会のロイックエンと申します。お話を聞かせてください」
「ご高名はお聞きしております。よろしくお願いいたします」
「じゃあ私たちは先に帰るわね。リョウ、ストークの契約の書き換えをして帰りましょう」
「ロイック兄さん、よろしく」
「リョウ、エメイラ、ありがとう」
翌日、僕の後ろにはストークが立ち、ロイック兄さんの横にはイゼルが立っていた。
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