198 / 806
旅立つ者。
ロイック兄さんは幸せ者。
「その話はこの前終わったじゃないか」
「でも。やっぱりそう思うの」
「そこまでロイックを買ってくれるのは嬉しい。だがそれで良いのかね?」
「はい。私はそれが良いと思っています。父母にも手紙を書きました。多分父は賛成してくれると思います」
「確かに兄貴の器はでかいけどマリカさんが不幸になることはないの?」
「私思うんです。この人はそんなことで私を捨てたり蔑むことは絶対しないと。むしろ複数の嫁を包み込む包容力があるんです」
「恋は盲目っていうのかしら、一時的にそう思うことはよくあるんじゃないかしら」
「エメイラヒルデさん、」
「エメイラで良いわ」
「はい。エメイラさん、そんなものではないのです。もう二人同じように体験している子がいるんです。ロイックさんも薄々気づいているけど私に遠慮してて」
「まあ。兄さんも隅におけないわね」
「でも僕は一人が良いと思ってるんだ」
「でも、私は…」
「ロイック、あなたちゃんと話を聞きなさい。頭ごなしで否定するのはあなたの悪いところよ」
「わかった。母さん。聞くよ」
「一人目は私とロイックさんが一緒に会った商会の娘さんです。彼女も話を聞いたら同じようにロイックさんじゃなきゃ嫌だって思ったみたいです。だから商会の仕事を頑張ってたって言ってました。会ってからもそう思うみたいで。私、彼女と文通しているんですが諦めたくない、と言ってます」
「ロイックは彼女の事、どう思ったんだね?」
「うん、初めて会った気はしなかったな。昔から知ってたみたいな」
「私に遠慮して断ってるってすぐにわかりました。順番が逆なら私が断られたと思ったんです」
「でも、僕は一人が良いなって思ってたから」
「氷菓、出そう」
「そうね。お茶にしましょうか」
「今日は葡萄の、氷菓。美味しいよ」
「キーカ、サッチも食べなさいね。もちろんギピアも」
「「ありがとうございます」」
「ありがとうございます」
「ミシェ姉さん、僕が言おうと、したの」
「あら、ごめんね」
「ストーク、フィグさんも、休ませてね」
「かしこまりました」
「美味いな」
「ほんと氷菓って美味しいわね」
「私大好き。マリカさんもどうぞ」
「はい。頂きます…んー。美味しい」
「あんまり冷たいものは好きではなかったがこれは良いな」
「リョウはいっぱい料理の種類増えたな」
「ムーヤさんと、ロマさんには、教えてるよー」
「ありがとう」
「さて、2人目だったな。3人目は誰かな?やっぱりお見合いの子かね?」
「私わかったわ、3人目」
「姉さんすごいね」
「あら、私もわかったわ」
「お母さんもやっぱりそう思う?」
「そうね」
「私は全然わからないわ」
「正解言っていい?」
「どうぞ」
「ジェンでしょ?」
「そうです、ジェンさんです。ジェンさんと劇的な出会い方していて、ジェンさんの気持ちになんとなく気づいているのに気持ちに蓋をしているんですよ、ロイックさん」
「だってジェンは商会員になったし、あれだけの金を手にしたからこれから自由になれば良いと思うし」
「うーん。俺もまだ全然わからないけど全員受け止めれば良いんじゃないかな。ストークさんはどう思うの?」
「私ですか?僭越ですがお答えさせていただきますと、それだけ思われているロイック様は幸せだと思うのです。あとは男の甲斐性ではないかと」
「そうよね。ロイックは幸せ者よね。マリカさんはそれで良いっていうし、その商会の娘さんもそうでしょ。ジェンもきっとそうよね」
「はい。ジェンさんにも確認しました。陰ながら守るつもりだったみたいです」
「ジェン、不憫な子」
「リョウが言うとおかしく聞こえるわね」
「えー」
「外見5歳だからな」
「うー」
「ともかくロイック、あなたはきちんと気持ちを受け止めてそれからどうするか考えなさい」
「そうだぞロイック。まずはもう一人の娘さんに手紙を書きなさい。それからマリカさんとジェンと話をしなさい」
「わかった」
「兄貴、男は甲斐性なんだって」
「ストラ、あなたもよ。甲斐性見せなさいね」
「母さん、なんで俺も言われるんだ?」
「あのね、もうちょっと女性の機微を二人とも考えた方が良いわね」
「ストラはこれから学園なんだし、ちゃんとしなさいね」
「ちゃんとしてるよ。試験免除だし」
「そうじゃなくて、友情だけじゃなくて愛情もちゃんとわかる男になりなさいって事」
「はーい」
「ストラ兄さん、頑張って」
「おお。頑張る」
「リョウも今はわからないと思うけど、ストラぐらいになったらしっかりしなさいね」
「わかった」
「家族で話すのもあとちょっとかぁ」
「たまには帰ってきても良いのよ」
「でも私決めたの。将来の男爵夫人てやる事がいっぱいあるの。こなせるようになるまで勉強する事が山ほどあるわ。だからしばらくは戻らないの」
「ミシェさんは男爵夫人に?」
「そうなの。嫁ぎ先が陞爵して男爵になるの。正式に貴族と認められるから社交もやっていかないと」
「そうなんですね。私のお友達をいずれご紹介いたしますわ。きっと仲良くなれると思います」
「ありがとう」
「でも。やっぱりそう思うの」
「そこまでロイックを買ってくれるのは嬉しい。だがそれで良いのかね?」
「はい。私はそれが良いと思っています。父母にも手紙を書きました。多分父は賛成してくれると思います」
「確かに兄貴の器はでかいけどマリカさんが不幸になることはないの?」
「私思うんです。この人はそんなことで私を捨てたり蔑むことは絶対しないと。むしろ複数の嫁を包み込む包容力があるんです」
「恋は盲目っていうのかしら、一時的にそう思うことはよくあるんじゃないかしら」
「エメイラヒルデさん、」
「エメイラで良いわ」
「はい。エメイラさん、そんなものではないのです。もう二人同じように体験している子がいるんです。ロイックさんも薄々気づいているけど私に遠慮してて」
「まあ。兄さんも隅におけないわね」
「でも僕は一人が良いと思ってるんだ」
「でも、私は…」
「ロイック、あなたちゃんと話を聞きなさい。頭ごなしで否定するのはあなたの悪いところよ」
「わかった。母さん。聞くよ」
「一人目は私とロイックさんが一緒に会った商会の娘さんです。彼女も話を聞いたら同じようにロイックさんじゃなきゃ嫌だって思ったみたいです。だから商会の仕事を頑張ってたって言ってました。会ってからもそう思うみたいで。私、彼女と文通しているんですが諦めたくない、と言ってます」
「ロイックは彼女の事、どう思ったんだね?」
「うん、初めて会った気はしなかったな。昔から知ってたみたいな」
「私に遠慮して断ってるってすぐにわかりました。順番が逆なら私が断られたと思ったんです」
「でも、僕は一人が良いなって思ってたから」
「氷菓、出そう」
「そうね。お茶にしましょうか」
「今日は葡萄の、氷菓。美味しいよ」
「キーカ、サッチも食べなさいね。もちろんギピアも」
「「ありがとうございます」」
「ありがとうございます」
「ミシェ姉さん、僕が言おうと、したの」
「あら、ごめんね」
「ストーク、フィグさんも、休ませてね」
「かしこまりました」
「美味いな」
「ほんと氷菓って美味しいわね」
「私大好き。マリカさんもどうぞ」
「はい。頂きます…んー。美味しい」
「あんまり冷たいものは好きではなかったがこれは良いな」
「リョウはいっぱい料理の種類増えたな」
「ムーヤさんと、ロマさんには、教えてるよー」
「ありがとう」
「さて、2人目だったな。3人目は誰かな?やっぱりお見合いの子かね?」
「私わかったわ、3人目」
「姉さんすごいね」
「あら、私もわかったわ」
「お母さんもやっぱりそう思う?」
「そうね」
「私は全然わからないわ」
「正解言っていい?」
「どうぞ」
「ジェンでしょ?」
「そうです、ジェンさんです。ジェンさんと劇的な出会い方していて、ジェンさんの気持ちになんとなく気づいているのに気持ちに蓋をしているんですよ、ロイックさん」
「だってジェンは商会員になったし、あれだけの金を手にしたからこれから自由になれば良いと思うし」
「うーん。俺もまだ全然わからないけど全員受け止めれば良いんじゃないかな。ストークさんはどう思うの?」
「私ですか?僭越ですがお答えさせていただきますと、それだけ思われているロイック様は幸せだと思うのです。あとは男の甲斐性ではないかと」
「そうよね。ロイックは幸せ者よね。マリカさんはそれで良いっていうし、その商会の娘さんもそうでしょ。ジェンもきっとそうよね」
「はい。ジェンさんにも確認しました。陰ながら守るつもりだったみたいです」
「ジェン、不憫な子」
「リョウが言うとおかしく聞こえるわね」
「えー」
「外見5歳だからな」
「うー」
「ともかくロイック、あなたはきちんと気持ちを受け止めてそれからどうするか考えなさい」
「そうだぞロイック。まずはもう一人の娘さんに手紙を書きなさい。それからマリカさんとジェンと話をしなさい」
「わかった」
「兄貴、男は甲斐性なんだって」
「ストラ、あなたもよ。甲斐性見せなさいね」
「母さん、なんで俺も言われるんだ?」
「あのね、もうちょっと女性の機微を二人とも考えた方が良いわね」
「ストラはこれから学園なんだし、ちゃんとしなさいね」
「ちゃんとしてるよ。試験免除だし」
「そうじゃなくて、友情だけじゃなくて愛情もちゃんとわかる男になりなさいって事」
「はーい」
「ストラ兄さん、頑張って」
「おお。頑張る」
「リョウも今はわからないと思うけど、ストラぐらいになったらしっかりしなさいね」
「わかった」
「家族で話すのもあとちょっとかぁ」
「たまには帰ってきても良いのよ」
「でも私決めたの。将来の男爵夫人てやる事がいっぱいあるの。こなせるようになるまで勉強する事が山ほどあるわ。だからしばらくは戻らないの」
「ミシェさんは男爵夫人に?」
「そうなの。嫁ぎ先が陞爵して男爵になるの。正式に貴族と認められるから社交もやっていかないと」
「そうなんですね。私のお友達をいずれご紹介いたしますわ。きっと仲良くなれると思います」
「ありがとう」
あなたにおすすめの小説
異世界転生したので、文明レベルを21世紀まで引き上げてみた ~前世の膨大な知識を元手に、貧乏貴族から世界を変える“近代化の父”になります~
夏見ナイ
ファンタジー
過労死したプラントエンジニアの俺が転生したのは、剣と魔法の世界のド貧乏な貴族の三男、リオ。石鹸すらない不衛生な環境、飢える家族と領民……。こんな絶望的な状況、やってられるか! 前世の知識を総動員し、俺は快適な生活とスローライフを目指して領地改革を開始する!
農業革命で食料問題を解決し、衛生革命で疫病を撲滅。石鹸、ガラス、醤油もどきで次々と生活レベルを向上させると、寂れた領地はみるみる豊かになっていった。
逃げてきた伯爵令嬢や森のエルフ、ワケありの元騎士など、頼れる仲間も集まり、順風満帆かと思いきや……その成功が、強欲な隣領や王都の貴族たちの目に留まってしまう。
これは、ただ快適に暮らしたかっただけの男が、やがて“近代化の父”と呼ばれるようになるまでの物語。
最強魔法は生活魔法!? ~異世界ではモンスター退治も生活のうち~
gagaga
ファンタジー
神の気まぐれにより異世界へと転移した主人公田辺竜太(大学生)が生活魔法を駆使して冒険したり町の人と触れ合ったりする物語です。
なお、神が気まぐれすぎて一番最初に降り立つ地は、無人島です。
一人称視点、独り言多め、能天気となっております。
なお、作者が気ままに書くので誤字脱字は多いかもしれませんが、大目に見て頂けるとありがたいです。
ただ、敢えてそうしている部分もあり、ややこしくてすいません。(^^;A
ご指摘あればどんどん仰ってください。
※2017/8/29 連載再開しました!
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
ひだまりのFランク冒険者
みなと劉
ファンタジー
ここは異世界。
そこの冒険者ギルドでは毎日仕事がてんこ盛り。
そんな中
冒険者ギルドには万年Fランクの冒険者が一人いる。
その名は、リルド。
彼は、特に何もない感じに毎日
「薬草採取」「石集め」Fランク向け「討伐」場合によっては「ポーション生成」をする。
この話はこの万年Fランク冒険者リルドの物語である。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
【完結】うさぎ転生 〜女子高生の私、交通事故で死んだと思ったら、気づけば現代ダンジョンの最弱モンスターに!?最強目指して生き延びる〜
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
女子高生の篠崎カレンは、交通事故に遭って命を落とした……はずが、目覚めるとそこはモンスターあふれる現代ダンジョン。しかも身体はウサギになっていた!
HPはわずか5、攻撃力もゼロに等しい「最弱モンスター」扱いの白うさぎ。それでもスライムやコボルトにおびえながら、なんとか生き延びる日々。唯一の救いは、ダンジョン特有の“スキル”を磨けば強くなれるということ。
跳躍蹴りでスライムを倒し、小動物の悲鳴でコボルトを怯ませ、少しずつ経験値を積んでいくうちに、カレンは手応えを感じ始める。
「このままじゃ終わらない。私、もっと強くなっていつか……」
最弱からの“首刈りウサギ”進化を目指して、ウサギの身体で奮闘するカレン。彼女はこの危険だらけのダンジョンで、生き延びるだけでなく“人間へ戻る術(すべ)”を探し当てられるのか? それとも新たなモンスターとしての道を歩むのか?最弱うさぎの成り上がりサバイバルが、いま幕を開ける!
[完]異世界銭湯
三園 七詩
ファンタジー
下町で昔ながらの薪で沸かす銭湯を経営する一家が住んでいた。
しかし近くにスーパー銭湯が出来てから客足が激減…このままでは店を畳むしかない、そう思っていた。
暗い気持ちで目覚め、いつもの習慣のように準備をしようと外に出ると…そこは見慣れた下町ではなく見たことも無い場所に銭湯は建っていた…