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6歳の力走。
救った子供達は。
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翌朝、修行を終えた僕は食堂に行くとお爺さんと家族一緒に朝ごはんを食べた。ロイック兄さんとお姉さん達は楽しそうに目で会話しながらごはんを食べている。ストラ兄さんを見るとほっといてやれ、と小声で言ったのでほっといてごはんを食べた。その後エメイラの授業を終えてストークが迎えに来たので工房に向かう。中に入ると地精たちがもう壁の工事をしていた。昨日結構お酒渡したのに元気だねえ。
そしてダンスホールでは何人かの人足が来ていて3階の倉庫に机と椅子を片付けていた。元置いていた椅子、テーブルは既に下に降りている。僕はストークに酒手を弾んでやって、と言うと人足達は喜んでいた。そのまま作業しようとしてたらストークに話があると言われ、ダイニングに座って話を聞いた。
「リョウ様、先日救った子供達ですが誘拐ギルドが誘拐した子供達でした」
「やっぱりそうか」
「リョウ様の行動のおかげで奴らのアジト一つは潰れたという報告がございました」
「これで誘拐ギルドは潰れた?」
「いいえ。肝心の本拠地が見つかってない模様です」
「なるほど。アインスを呼んで」
「かしこまりました」
僕は考える。あんな子供達を誘拐する誘拐ギルドは許せないと。僕ができる事は少ないけどこの街の為少しは手を貸したい。
「お呼びですか?」
「うん。何人か使って、誘拐ギルド、調べて欲しい。できれば、本拠地を見つけたい。でも、無理はしないで」
「了解でさ」
「これ、支度金」
金貨50枚渡す。
「これで、情報集めて」
「了解でさ」
「足りなかったら、言って」
「わかりやした。ストークさん、フィアとフュンフ連れてきやすので、スケジュール変更願いやす」
「かしこまりました」
「よろしくね」
「はい!」
さて、僕は作業でも…。
「それからリョウ様、何人かの貴族様の名代が本日リョウ様を尋ねてまいります」
「なんで?」
「はい。恐らくですがなんらかのメッセージをリョウ様に伝えにくると思います。私も立ち会いますのでお会いしてくださいませ」
「わかった」
「とりあえずサロンは工事中なので、ダイニングで話をさせていただく形に致しましょう」
「そうだね」
一人目はグロッサム侯爵様の名代だった。
「グロッサム侯爵領で今度オープンさせるお店の参考になる場所を探して来いと言われましたが、どちらに行けば良いでしょうか?」
僕はルステイン新料理マップを取り出して言う。
「グロッサム侯爵様が、おっしゃってる形のレストランは、こことここ。味は、『スサンの天使』が一番だけど、どこも得意料理があるから、グロッサム侯爵領の、特色にあった料理を、探すと良いよ」
「ありがとうございました。侯爵様には良くしてくれたと伝えておきます。また質問があれば来て良いですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます」
二人目はナータリア伯爵家の名代だった。
「ナータリア伯爵家の作るお店でメイン料理となるものがなかなか決められず困っているようでして。伯爵様が尋ねるように言っていたのですが、何か良い方法があれば教えてください」
「ナータリア伯爵様は、グルメだから、ナータリア伯爵様の、好物が、本当に美味しいものだと、思うの。まずはそれを選ぶのが、一つ。あと、ナータリア伯爵領で、特産物、使うのが、一つ。それから、シェフの、得意料理、選ぶのが、一つ」
「わかりました。持って帰って伯爵様に伝えます。本当にありがとうございました」
次はマックスさんと仲が良い貴族の名代だね。
「今度コリントホールで展示会に出展するのですが、どういった物が喜ばれるか聞いてきてくれと言われたのですが」
「うーん。領がどんな所か分かりやすく書いてあるもの、商売につながりそうな特産品や名物、あとは何かを体験できたり、が良いかな」
「ありがとうございます。体験というのはなかったと思いますのでそれを伝えてみます。ありがとうございました」
「うん」
次はロイック兄さんのお客様の貴族の名代だ。
「お館様はリョウエスト様のお兄様からお聞きしたと言っておりましたが、リョウエスト様は大変地精との付き合い方を良くわかってらっしゃる。できれば極意なんかを教えていただきたいとお館様は申しております」
「どういう、付き合いしてる?」
「はい。地精は我が領にある鉄鉱山で働いており、労働力としてはヒト族以上なので重宝しております。が、一度酒が切れると全くと言うほど使い物になりません。常に酒を用意している形です。また何かにつけて文句を言うので困っています」
「わかった。まず、気持ちよく、仕事してもらう、環境を作る。働いて、くれたら、ありがとうを言う。たまには、美味しい酒を、呑ませる。良い仕事と、良い酒、まずは大事。忘れたら地精は去る」
「ありがとうございます。お館様に伝えます。このご恩はいつか必ず」
「うん」
最後はスクワンジャー公爵とゼローキア侯爵の家臣の人が一緒に来たよ。なんでだ?
「同じ質問なので一緒に来ました」
「あの。もう少しでストラスト様の学園のご入学ですが」
「何か喜ばれるものがあったらお教えくださいませんか?」
「我々の主人はストラスト様に入学祝いをお贈りしたいと申しております」
「んー。ストラ兄さん、特に集めてる物ないよ。何を贈っても、喜ぶと思う」
「そうですか、これと言う物はありませんか?」
「ないと思う。でも気持ちがこもった、物をもらったら喜ぶ」
そしてダンスホールでは何人かの人足が来ていて3階の倉庫に机と椅子を片付けていた。元置いていた椅子、テーブルは既に下に降りている。僕はストークに酒手を弾んでやって、と言うと人足達は喜んでいた。そのまま作業しようとしてたらストークに話があると言われ、ダイニングに座って話を聞いた。
「リョウ様、先日救った子供達ですが誘拐ギルドが誘拐した子供達でした」
「やっぱりそうか」
「リョウ様の行動のおかげで奴らのアジト一つは潰れたという報告がございました」
「これで誘拐ギルドは潰れた?」
「いいえ。肝心の本拠地が見つかってない模様です」
「なるほど。アインスを呼んで」
「かしこまりました」
僕は考える。あんな子供達を誘拐する誘拐ギルドは許せないと。僕ができる事は少ないけどこの街の為少しは手を貸したい。
「お呼びですか?」
「うん。何人か使って、誘拐ギルド、調べて欲しい。できれば、本拠地を見つけたい。でも、無理はしないで」
「了解でさ」
「これ、支度金」
金貨50枚渡す。
「これで、情報集めて」
「了解でさ」
「足りなかったら、言って」
「わかりやした。ストークさん、フィアとフュンフ連れてきやすので、スケジュール変更願いやす」
「かしこまりました」
「よろしくね」
「はい!」
さて、僕は作業でも…。
「それからリョウ様、何人かの貴族様の名代が本日リョウ様を尋ねてまいります」
「なんで?」
「はい。恐らくですがなんらかのメッセージをリョウ様に伝えにくると思います。私も立ち会いますのでお会いしてくださいませ」
「わかった」
「とりあえずサロンは工事中なので、ダイニングで話をさせていただく形に致しましょう」
「そうだね」
一人目はグロッサム侯爵様の名代だった。
「グロッサム侯爵領で今度オープンさせるお店の参考になる場所を探して来いと言われましたが、どちらに行けば良いでしょうか?」
僕はルステイン新料理マップを取り出して言う。
「グロッサム侯爵様が、おっしゃってる形のレストランは、こことここ。味は、『スサンの天使』が一番だけど、どこも得意料理があるから、グロッサム侯爵領の、特色にあった料理を、探すと良いよ」
「ありがとうございました。侯爵様には良くしてくれたと伝えておきます。また質問があれば来て良いですか?」
「いいよ」
「ありがとうございます」
二人目はナータリア伯爵家の名代だった。
「ナータリア伯爵家の作るお店でメイン料理となるものがなかなか決められず困っているようでして。伯爵様が尋ねるように言っていたのですが、何か良い方法があれば教えてください」
「ナータリア伯爵様は、グルメだから、ナータリア伯爵様の、好物が、本当に美味しいものだと、思うの。まずはそれを選ぶのが、一つ。あと、ナータリア伯爵領で、特産物、使うのが、一つ。それから、シェフの、得意料理、選ぶのが、一つ」
「わかりました。持って帰って伯爵様に伝えます。本当にありがとうございました」
次はマックスさんと仲が良い貴族の名代だね。
「今度コリントホールで展示会に出展するのですが、どういった物が喜ばれるか聞いてきてくれと言われたのですが」
「うーん。領がどんな所か分かりやすく書いてあるもの、商売につながりそうな特産品や名物、あとは何かを体験できたり、が良いかな」
「ありがとうございます。体験というのはなかったと思いますのでそれを伝えてみます。ありがとうございました」
「うん」
次はロイック兄さんのお客様の貴族の名代だ。
「お館様はリョウエスト様のお兄様からお聞きしたと言っておりましたが、リョウエスト様は大変地精との付き合い方を良くわかってらっしゃる。できれば極意なんかを教えていただきたいとお館様は申しております」
「どういう、付き合いしてる?」
「はい。地精は我が領にある鉄鉱山で働いており、労働力としてはヒト族以上なので重宝しております。が、一度酒が切れると全くと言うほど使い物になりません。常に酒を用意している形です。また何かにつけて文句を言うので困っています」
「わかった。まず、気持ちよく、仕事してもらう、環境を作る。働いて、くれたら、ありがとうを言う。たまには、美味しい酒を、呑ませる。良い仕事と、良い酒、まずは大事。忘れたら地精は去る」
「ありがとうございます。お館様に伝えます。このご恩はいつか必ず」
「うん」
最後はスクワンジャー公爵とゼローキア侯爵の家臣の人が一緒に来たよ。なんでだ?
「同じ質問なので一緒に来ました」
「あの。もう少しでストラスト様の学園のご入学ですが」
「何か喜ばれるものがあったらお教えくださいませんか?」
「我々の主人はストラスト様に入学祝いをお贈りしたいと申しております」
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