【完結保証】僕の異世界攻略〜神の修行でブラッシュアップ〜

リョウ

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6歳の力走。

初等学校に入学する。

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 ストラ兄さんが王都に発ってしばらくは修行と実戦を繰り返す毎日を送った。ゴブリンとはよく遭遇し、白兵戦中心に戦ったし、オークには時々出会い全て魔法を使い倒した。オークは身長が違いすぎて槍でもきついので遠距離からの攻撃にならざるを得なかった。
 ある日ゴブリンの変異種と出会ったがこれがかなり強敵だった。人間と同じような背丈をしていて、剣を使う敵だった。とにかく間合いが広い。懐に飛び込むか距離をとって戦うしかなく、長期戦となった。できればナビの力を借りたくなかったので、目潰しの光弾を撃ちつつ隠れながらひたすらヒットアンドウェイをした。運良く武器落としに成功したので『魔力の矢マギボルト』の連発で仕留めたが、一撃を食らいそうな危ない場面もあり、終わった時にひざが笑うほど恐怖していた。エメイラが終わった時にこれで一皮剥けたわね、と言っていたが本当にそうなのかは疑問だ。変異種の持っていた剣はなかなか造りと拵えが良く、価値のあるものだったので収納に入れ、かなり前に誘拐ギルドのお宝部屋で見つけた拵えの良い剣は剣帯を作ってメディルにあげた。メディルは事の他喜んでいつも剣を腰に差している。お料理をする時ぐらいは外してほしいな。


 そんな毎日を過ごしていたが僕の自由な時間はある日を境に終わりを告げた。そう、初等学校が始まったのだ。入学式にお父さんとお母さんと一緒に行く。受付に行って名前を言うと明らかに校長室という感じの部屋に通されて待たされた。しばらく待っていたらナミリアが来た。マックスさんとレイアムさんが一緒についている。レイアムさん、お腹大きくなったなあ。もしかして双子かな?そんな感じがする。

「リョウー」
「うん」

 ナミリアがひっついてくる。いつもの流れだ。はいはい、とされるがままになる。

「リョウ、お前学校必要か?」
「マックスさん、僕もそう思う」
「あなたも、リョウも。お友達を作るのも大事よー」
「リョウは友達いるか?」
「んー。エフェルト公爵様とルマーニ様?」
「そういうお友達じゃないわ。同じ年で近所で遊ぶ子を作るのよ。ナミリア、リョウ、わかりましたね?」
「はーい」
「はい」

 学校の職員らしき人が来た。

「お待たせいたしました。閣下と奥様は来賓で先にホールにお入り下さい。
子爵様とナミリア様は新入生入場の最初にお二人で入場お願いします」
「わかった。ナミリア…しっかりな」
「はい」
「頑張りなさいね」
「はーい」

 マックスさん達は案内されて出ていった。

「はい、ナミリア、行くよ」
「わかった」

 僕達も案内されて新入生の列の最初に並ぶ。最上級生か、かなり年上の女の子が前に来る。

「新入生さん、入場します!お姉さんについてきてねー!」
「「「はーい」」」

 ホールに入る。なんか音楽が鳴ってる。手拍子の中入るのか。ナミリアを先頭に行かせて僕はのんびり後ろを歩く。ナミリア、ものすごく元気よく歩いてるなあ。
 ナミリアと僕は明らかに他の子と違う椅子に座る。仕方ないよね。貴族と貴族令嬢だもの。あ、そういえばレウフォ叔父さんの息子が同じ年だっけ。あの子も一応貴族の子息だから同じような事になってるのかなあ。王様に手紙を送ったけどレウフォ叔父さん解放されたかな、そんな事を考えてたら入場が終わってた。
 学校長の挨拶が始まる。開始10秒でわかる。あ、この人話長いわと。坊主と校長の長い話は嫌いだ。頭の中でかなりの時間色々と考えて遊んでたら校長の話が終わった。絶対校長に注意しようと心に決めた。
 次に来賓紹介だった。というか領地貴族以外騎士爵以上の貴族のほとんどがいるってどう言う事?ナミリアが入学するからだよね。そうに違いない。お爺様がニヤリと僕に笑いかける。こっちは苦笑いするしかないよ。
 次にマックスさんの挨拶だった。新入生入学おめでとう、から始まり色々話したのだが、最後にうちの娘とちょっと変わった貴族が入ったからよろしく、と話が結ばれてみんなこっちを見ているからいたたまれなかった。
 さっさと終わりましょうと思っていたが次は担任の紹介だった。担任はナミリアのとこで家庭教師やってた人だったわ。確か貴族子女でビッキーさん。さらにうちのクラスだけ副担任がいる。そっちは経験豊富そうな人だったわ。とりあえずは安心した。
 それでルステインの歌斉唱と言ってみんなで立って歌を歌うって事だったが全然知らないのでぼーっと立ってた。けどなんとなく覚えがあるなあ、と思ったらナミリアを昔街に招待した時に合唱となった歌だった。ナミリアも覚えていて僕の手を握り「あれ、あれだ」と言ってひたすらぶんぶん振っていた。袖がもげそうなのでやめて。
 それで閉会。お疲れ様でした、と思ってお父さん、お母さんのところへ行こうとしたら今度は教室に行くとの事。ビッキーさんの案内で教室に移動する。

「ビッキーさんはなんで担任になったの?」
「はい、貴族子女で教えられるのが私しかいなくて…」
「なんかごめんね」
「いえ。一度やりたかったんですよね、学校の先生」
「それなら良かった。がんばってね」
「わかりました。子爵様」
「それはやめよう。学校だし、リョウエストで良いよ」
 








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