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ルステイン狂想曲。
種族の連帯への一歩。
僕はラシェルアルテの言葉に一瞬沈黙し、そして静かに頷いた。
「それはとてもありがたいね。風精の力が加われば、夢が現実になるかもしれないの」
ラシェルアルテは微笑んだ。だがその眼差しは鋭く、僕の内にある『何か』を見透かすようでもあった。
「私達風精は長く森に生きてきました。風を読み、葉のざわめきに未来を聞く種族です。輸送の道を切り開くこと、それ自体は難しくありません。ただあなた方がどのようにそれを使うか。私はそれを見定めたいのです。風精伯は風の神にして森の神アネーシャ神様の天啓を受けたと言っております。だからこそ私は見たいのです」
「…見定めてもらって構わないよ。僕は最終的には人間の進化を促したいと思っているの。そのためにまずは交易の道をつなぎ、人と人をつなぎ、種族と種族をつなぐんだ」
その言葉に、ラシェルアルテはふっと目を細めた。
「…風は確かに、あなたに吹いている。風精伯も同じように申しておりました。あなたの背には、争いよりも秩序を求める“気”があると」
「それは…きっと、ナビのせい」
「にゃにゃ」
その場が少し和やかになった。
トッドアコック氏族のアコンキットが前に出てくる。トッドアコック氏族の装束に葉を編んだ意匠がある彼は、森における技術と知識の象徴とも言える存在だとヂョウギは言っていた。
「さて、我々としても準備を始めたいと思っています。地精の皆さんと連携して、風精が森に安全な輸送路を設ける。魔法的な『目印』を森に設けて、獣人や獣たちが迷わぬようにすることが可能ですし、物流に便利な魔法道具を色々作りたいです」
「それは…すごい。ということは、森の中でも高速輸送ができるようになるの?」
「そうです。ただし、自然との調和は忘れぬように。道は『通らせていただくもの』であると、我々は考えます」
ミザーリが感心したように腕を組む。
「驚いた。風精が本格的に協力してくれるなら、本当に森越えの輸送路が可能になる」
お父さんも深く頷く。
「物流を通じて連帯を生む。地精、獣人、風精。この異種族同盟、まるで夢のようだが…リョウ、お前が言うなら本気で考えてみよう」
「兄さんには?」
「ロイックはもうすぐ帰ってくるから会議をしよう。お前の言う事を実行するには王都支店もそれに合わせた体制にする必要があるだろう」
「わかった。予定しておく」
お父さんとその日は帰った。久しぶりに馬車に2人で乗って色々な話をしたよ。
ドワーヴンベースの片隅、新たに整備された中庭のような空間に、子どもたちの笑い声が響いていた。その中心にいたのが、青の技…アインス、ツヴァイ、ドライ、フィア、フュンフ、ゼクスの六人だった。普段は僕直属の兵士であり、裏では僕が命令して特殊任務にも赴く者達。しかし今回は特別任務だった。
「フィア、あの子!また地精の道具箱に入ってるわ!」
「はいはい。ドライ、ちょっと手貸して!ツヴァイはあのヤク牛を引き離して!」
「子守って、護衛より大変だな…!」
ゼクスが汗をぬぐいながら呟いた。ドワーフの子ども、獣人の子ども、学校帰りの友人達が十人以上集まっていた。学校の友人達が新たに出来た拠点を見たがったので連れてきた。彼らは初めて見る異種族同士、最初は戸惑っていたが、数時間もすればあっという間に打ち解けて、今やちょっとした『小さな異種族連合』になっていた。
その光景を、アインスは静かに見守っていた。
「ここがリョウ様の描く未来の一端でやすか…」
彼の目に映るのは、種族の違いを越えて共に笑い合う子どもたちの姿が。リョウ様が築こうとしている新たな世界が、ほんの少しだけ形になったように思えた。
そんな中、僕は中庭に出た。
「お疲れさま、みんな。すごく楽しそうだね」
「子どもは元気の塊ですからね…でもこの任務は悪くありません」
フィアが少し微笑んで答えた。僕は少し照れくさそうに頭を掻き、言った。
「実はね、こういう光景を見ると僕もやっぱり間違ってなかったって思えるの。地精、獣人、風精、そしてヒト族。次の世代が互いに壁なく笑える場所を作るの。それが一番大事なことだってね」
「我々も、その志に従いやしょう」
アインスの言葉に、仲間たちも頷いた。青の技は、剣を振るうだけが任務ではない。未来を守ること、それが本当の『護衛』なのだと、誰もが感じ始めていた。
「さて、おやつにしよう。さっき地精達に厨房を借りてクッキーを作ってたの。みんなあちこちに散らばってるね。アインスとツヴァイは集めてきてくれるかな?」
「「はい」」
「フィアとフュンフは手を洗わせてあげて。手を洗わない子にはおやつ抜きって伝えて」
「「はい」」
「ドライとゼクスは引き続き子供の相手を」
「「はい」」
「それはとてもありがたいね。風精の力が加われば、夢が現実になるかもしれないの」
ラシェルアルテは微笑んだ。だがその眼差しは鋭く、僕の内にある『何か』を見透かすようでもあった。
「私達風精は長く森に生きてきました。風を読み、葉のざわめきに未来を聞く種族です。輸送の道を切り開くこと、それ自体は難しくありません。ただあなた方がどのようにそれを使うか。私はそれを見定めたいのです。風精伯は風の神にして森の神アネーシャ神様の天啓を受けたと言っております。だからこそ私は見たいのです」
「…見定めてもらって構わないよ。僕は最終的には人間の進化を促したいと思っているの。そのためにまずは交易の道をつなぎ、人と人をつなぎ、種族と種族をつなぐんだ」
その言葉に、ラシェルアルテはふっと目を細めた。
「…風は確かに、あなたに吹いている。風精伯も同じように申しておりました。あなたの背には、争いよりも秩序を求める“気”があると」
「それは…きっと、ナビのせい」
「にゃにゃ」
その場が少し和やかになった。
トッドアコック氏族のアコンキットが前に出てくる。トッドアコック氏族の装束に葉を編んだ意匠がある彼は、森における技術と知識の象徴とも言える存在だとヂョウギは言っていた。
「さて、我々としても準備を始めたいと思っています。地精の皆さんと連携して、風精が森に安全な輸送路を設ける。魔法的な『目印』を森に設けて、獣人や獣たちが迷わぬようにすることが可能ですし、物流に便利な魔法道具を色々作りたいです」
「それは…すごい。ということは、森の中でも高速輸送ができるようになるの?」
「そうです。ただし、自然との調和は忘れぬように。道は『通らせていただくもの』であると、我々は考えます」
ミザーリが感心したように腕を組む。
「驚いた。風精が本格的に協力してくれるなら、本当に森越えの輸送路が可能になる」
お父さんも深く頷く。
「物流を通じて連帯を生む。地精、獣人、風精。この異種族同盟、まるで夢のようだが…リョウ、お前が言うなら本気で考えてみよう」
「兄さんには?」
「ロイックはもうすぐ帰ってくるから会議をしよう。お前の言う事を実行するには王都支店もそれに合わせた体制にする必要があるだろう」
「わかった。予定しておく」
お父さんとその日は帰った。久しぶりに馬車に2人で乗って色々な話をしたよ。
ドワーヴンベースの片隅、新たに整備された中庭のような空間に、子どもたちの笑い声が響いていた。その中心にいたのが、青の技…アインス、ツヴァイ、ドライ、フィア、フュンフ、ゼクスの六人だった。普段は僕直属の兵士であり、裏では僕が命令して特殊任務にも赴く者達。しかし今回は特別任務だった。
「フィア、あの子!また地精の道具箱に入ってるわ!」
「はいはい。ドライ、ちょっと手貸して!ツヴァイはあのヤク牛を引き離して!」
「子守って、護衛より大変だな…!」
ゼクスが汗をぬぐいながら呟いた。ドワーフの子ども、獣人の子ども、学校帰りの友人達が十人以上集まっていた。学校の友人達が新たに出来た拠点を見たがったので連れてきた。彼らは初めて見る異種族同士、最初は戸惑っていたが、数時間もすればあっという間に打ち解けて、今やちょっとした『小さな異種族連合』になっていた。
その光景を、アインスは静かに見守っていた。
「ここがリョウ様の描く未来の一端でやすか…」
彼の目に映るのは、種族の違いを越えて共に笑い合う子どもたちの姿が。リョウ様が築こうとしている新たな世界が、ほんの少しだけ形になったように思えた。
そんな中、僕は中庭に出た。
「お疲れさま、みんな。すごく楽しそうだね」
「子どもは元気の塊ですからね…でもこの任務は悪くありません」
フィアが少し微笑んで答えた。僕は少し照れくさそうに頭を掻き、言った。
「実はね、こういう光景を見ると僕もやっぱり間違ってなかったって思えるの。地精、獣人、風精、そしてヒト族。次の世代が互いに壁なく笑える場所を作るの。それが一番大事なことだってね」
「我々も、その志に従いやしょう」
アインスの言葉に、仲間たちも頷いた。青の技は、剣を振るうだけが任務ではない。未来を守ること、それが本当の『護衛』なのだと、誰もが感じ始めていた。
「さて、おやつにしよう。さっき地精達に厨房を借りてクッキーを作ってたの。みんなあちこちに散らばってるね。アインスとツヴァイは集めてきてくれるかな?」
「「はい」」
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「「はい」」
「ドライとゼクスは引き続き子供の相手を」
「「はい」」
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