キミと駆ける、星の蹄跡

こおえい

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第7章:暴かれる真実、それぞれの選択

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すめらぎさんがシステムに不正アクセスしていたという衝撃的な事実は、私たちの心に重くのしかかっていた。信じていた人からの裏切りに、私は混乱していた。そんな中、アカデミーは年間最大のイベント、「ギャラクシー・スターズ・カップ」の開催に向けて、一層活気づいていた。

私は、真実を確かめるため、直接すめらぎさんに会うことにした。彼がオフィスにいると聞いて、私は意を決して彼の元へ向かった。

すめらぎさん……お話があります」

私の言葉に、彼は静かに顔を上げた。その瞳の奥には、いつもと変わらない自信と、しかし僅かな悲しみが宿っているように見えた。

「来たか。君が、私の隠し事に気づくとはな」

すめらぎさんは、あっさりと不正アクセスを認めた。私の心臓が、ドクンと大きく鳴った。

「どうして……どうしてこんなことを? あなたは、サイバーホースには『魂』があるって……」

私の問いに、すめらぎさんは椅子から立ち上がり、窓の外、煌めくギャラクシー・ターフを見つめた。

「確かに、サイバーホースには感情がある。だが、その感情はあまりにも脆い。人間が作り出したシステムの中で、彼らは時に、予測不能なエラーを引き起こす。過去にも、サイバーホースの感情暴走によって、大規模な事故が起きたことがあったのだ」

彼の声は、苦しげだった。

「私は、サイバーホースを守りたかった。彼らの感情を制御し、完璧なレースを作り出すことで、二度と悲劇が起こらないようにしたかったんだ。そのためには、感情データを最適化し、勝利を導く必要があった」

すめらぎさんの言葉は、彼の「守りたい」という強い思いから来るものだった。しかし、それはサイバーホースたちの自由な意志を奪い、彼らが持つ可能性を閉ざす行為でもある。彼の行動は、サイバーホースを「守る」という善意から生まれたものだったが、その手段は間違っていた。

「それは……サイバーホースたちの心を縛ることになる! 彼らには、自由に走る権利があります!」

私の言葉に、すめらぎさんは静かに目を閉じた。彼の表情は、深い苦悩に満ちていた。

オフィスを出た私は、複雑な感情のまま、訓練施設に戻った。そこで、私は天宮あまみやユウジと出会った。彼は、私の顔を見るなり、鋭い視線を向けてきた。

「何かあったのか? 君の顔色は良くない」

私は、すめらぎさんの話と、彼がシステムに不正アクセスしていたことを、ユウジさんに全て打ち明けた。ユウジさんの表情は、私の話を聞くうちに、徐々に険しくなっていった。

「……やはりそうだったか」

ユウジは、静かにそう呟くと、自身の過去を語り始めた。

「僕のパートナーだったサイバーホースは、かつてレース中に感情が暴走し、大きな事故を起こした。僕はその時、何もできなかった。だから、完璧なデータと、感情の制御こそが、サイバーホースを守る唯一の道だと信じてきた」

ユウジの過去は、すめらぎさんの行動の背景と重なる部分があった。彼は、私を突き放すような態度を取っていたが、それは彼なりのサイバーホースを守るための信念だったのだ。

「だが……君とエトワールを見ていると、感情が、時にデータを超える奇跡を生み出すこともあると、思い始めていた。君の『信じる心』は、僕にはなかったものだ」

ユウジさんの言葉に、私は胸が熱くなった。彼もまた、私と同じように、葛藤を抱えていたのだ。

「私、すめらぎさんを止めたい。そして、サイバーホースたちが、本当に自由に、心を込めて走れるレースを、みんなで作りたいんです」

私の決意に、ユウジさんは深く頷いた。彼の表情には、これまで見せたことのない、強い意志の光が宿っていた。

「僕も協力しよう。君の、そしてサイバーホースたちの未来のために」

ユウジさんの言葉は、私にとって何よりも心強いものだった。彼は、自分の信念と向き合い、私と共に未来へと踏み出す選択をしてくれたのだ。ギャラクシー・スターズ・カップはもう目前。私たちは、この大会で、全ての真実を明らかにする決意を固めた。
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