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第4章 弟子の魔法使いは試験よりも魔神と一騎討ち(でも試験荒らして学園トップ共を蹴落とす)
特別企画 クリスマスはサバイバル(弟子はミニサンタのプレゼントを欲した)。
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本日12月25日はクリスマス。前日のイブではマドカとジィちゃんとで、昼は子供会のサンタ祭りに参加。本格的なジィちゃんサンタとマドカのミニサンタに子供達が大はしゃぎ。夜は家でアイドル選挙の大バトル生放送を見て盛り上がっていたが(ジィちゃんだけ)。
今日はなんとマドカと二人っきり。ジィちゃんは昔の付き合いの人達と集まるらしく、本日は遅くまで俺たちだけとなる。家では本当に珍しい事だった。
少しだけハメを外したくなった俺は、マドカと一緒に最新ゲームでもしないかと誘おうとしたところ……。
「これよりゲームをしましょう。雪合戦です」
ミニ(スカートもミニな)サンタが雪で出来たようなバズーカと片手に白い袋を背負って雪が積もる中庭で待っていた。……ワッツ?
「ルールを説明します」
まだ何も喋ってないのに説明が始まった。
「武器は全て雪関係とします」
武器が雪という時点で普通じゃない。そのバズーカも雪だからありってことか?
「相手を戦意喪失するか消し去るか、もしくは参ったと言わせたら勝ちとします」
それ実質二つしか勝利条件ないよね? 雪で戦意喪失とかどんだけ過激な雪合戦なの?
「あなたが勝ったらこちらを差し上げます」
と言って大きな白い袋を見せる。何が入ってるか知らないけど勝負は決定なの?
「はい」
「心を読まないで」
というわけで始まりました雪合戦(みたいな魔法戦)。
プレゼントを賭けてまさかのマドカとの魔法勝負。いつの間にか中庭がサバゲーみたいに雪の壁や高台まで出来ている。……何処から用意したか、雪色の銃まで出来ていた。
「まぁ、撃ちまくる方が良さそうだな」
一応ハンドタイプも二丁付けるが、片手用のマシンガンで挑む。
合図の雪玉が空に上がると花火のように光って破裂した。
「行きます! 刃!」
「いきなりか!」
プレゼント争奪戦が開始された。
壁の隙間からバズーカを撃ってくるマドカ。スピードはまぁまぁだが、相当圧縮されて固められた雪玉(ボーリングサイズ)がこちらの雪壁を粉々に破壊して攻めて来た。……兵器やん。
「……っ危ないな!」
遠慮していた吹き飛ばされる。片手用のマシンガンで豆粒の雪玉を連射する。
「『雪の壁』」
だが、マドカは異世界の雪魔法で張った障壁で雪の連射を防ぐ。
トンと壁の上に飛び乗ると微笑を浮かべてバズーカを向けた。
「って、ヤバ……!」
発射される大玉が俺の地面を吹き飛ばす。
マシンガンを盾にするが、反動で跳ね上がる俺の体。咄嗟に身体強化を使って体に掛かる反動の押し殺す。
「まだだ……!」
無くしたマシンガンの代わりに左右のハンドガンを抜いて……撃った。
「っ……雪よ!」
しかし、マドカも想定してなかったわけじゃない。
無詠唱の操作魔法プラス精霊の力も込めた雪の操作。沢山の太い蔓のようにして俺のハンドガンの雪玉を全て弾いたが……。
「え……銃が消えた?」
撃っていた銃が無くなった俺の片手を見て、呆然とした顔をして……。
「天地魔法───『入れ替わる運命』」
俺は放り投げていた銃が彼女の側に落ちそうになったところで派生魔法を発動。俺の位置が移動した。
「──ッ!?」
彼女の側で俺は落ちる銃をキャッチして、そのままマドカへ向けようとしたが、寸前で反応したマドカの雪壁に銃ごと弾かれる。
「ッ!」
「させません!」
だが、空いているもう一丁を向け──かけたところで、マドカの雪蔓が銃を持つ俺の腕に絡み付く。雪とは思えない硬さですぐには振り解けない。
「なら!」
パパパパパパパパンッ!とそのまま銃を乱射。全く関係ない方向へ球が飛んでいくが、その球には俺の魔力が込められている。
「ッ、天地で操作しましたか!」
軌道変えて迫ってくる球を見て、咄嗟に絡めていた蔓を振るって俺を球の方へ投げ飛ばすが、全ての球は俺が支配している。飛ばされながらも雪玉を操作した。
「『曲がる歪な弾丸』!」
「『雪国の樹』!」
……正直ここまで白熱するとは思わなかった。
相手に軌道を読めせない魔弾のスキルは、俺の十八番の一つだ。雪属性は決してマドカの得意属性ではない筈だが、歪に飛ぶ俺の雪球を全部弾いてみせた。
「──魔力融合」
「──血統覚醒」
気付いたらお互いに本気の状態に入った。
二つの魔力が一つになる『魔力融合』。
眠る魔王の血を覚醒させる『血統覚醒』。
「『全弾発射』ッ!『曲がる歪な弾丸』ッ!」
「『雪国の祝祭』ッ!『白き雪王』ッ!」
用意していたマガジンを十消費した雪球の弾幕嵐。
それに対抗するようにマドカは巨大な雪ダルマで迎え撃って来た。
途中からなんとなく気付いたが……これは絶対雪合戦じゃない。
雪を利用した魔法戦はさらに白熱していく。いよいよ用意していたマガジンが尽きそうになったところで……。
「崩れろ『属性優劣』」
「それは……ッ!?」
不動なマドカに隙が生まれた。
溶けるように崩壊する雪ダルマ。背に乗っていたマドカの体勢が崩れたところで、弾切れの銃を捨てる。
「ミヤモト流──八式改」
「ッ……!? 『雪国……」
雪で剣を作ったのを見て、慌てて新たに魔法を発動しようとしたが───。
「遅い!『雪桜・白華乱れ桜』ッ!」
素早く繰り出された雪刀の乱舞がマドカを斬り裂いた。峰打ちだけど、勝敗は決した。
「プレゼントってこれ?」
袋の中に入っていたのは、雪ダルマのぬいぐるみ。大きいやつで多分手作りだが……。
「俺ってぬいぐるみ好きって思われてる?」
偶にマドカの考えが分からない時がある。なんてリビングで眠っている彼女を見て、ふとぬいぐるみを弄っていると……鼻のあたりがスイッチになっていた。
「え、何これ?」
ポチッと押したら雪ダルマが変形。
ガシャガシャと音をたてて雪ダルマだった物が雪色のバズーカに変わった。
「……」
試しに残った壁を的に片手で引き金を引いた。
マドカが使っていた物と同じで大玉が発射されて、壁が粉々に吹き飛んだ。
「……」
もう一度思った。……うちのメイドさんは俺の事どう思ってるんだろうと。
こうして高校の受験前、ちょっとした二人っきりのクリスマスイベントは幕を閉じた。
……プレゼントは雪ダルマ(バズーカ)のぬいぐるみであった。
*作者コメント*
ちょっと遅いですが、クリスマスの特別編になります。
本編待っていた人には申し訳ありませんが、受験前のクリスマスの話を追加しました。
ちなみに貰ったぬいぐるみ(バズーカ)を使う機会は未定です(笑)。
今日はなんとマドカと二人っきり。ジィちゃんは昔の付き合いの人達と集まるらしく、本日は遅くまで俺たちだけとなる。家では本当に珍しい事だった。
少しだけハメを外したくなった俺は、マドカと一緒に最新ゲームでもしないかと誘おうとしたところ……。
「これよりゲームをしましょう。雪合戦です」
ミニ(スカートもミニな)サンタが雪で出来たようなバズーカと片手に白い袋を背負って雪が積もる中庭で待っていた。……ワッツ?
「ルールを説明します」
まだ何も喋ってないのに説明が始まった。
「武器は全て雪関係とします」
武器が雪という時点で普通じゃない。そのバズーカも雪だからありってことか?
「相手を戦意喪失するか消し去るか、もしくは参ったと言わせたら勝ちとします」
それ実質二つしか勝利条件ないよね? 雪で戦意喪失とかどんだけ過激な雪合戦なの?
「あなたが勝ったらこちらを差し上げます」
と言って大きな白い袋を見せる。何が入ってるか知らないけど勝負は決定なの?
「はい」
「心を読まないで」
というわけで始まりました雪合戦(みたいな魔法戦)。
プレゼントを賭けてまさかのマドカとの魔法勝負。いつの間にか中庭がサバゲーみたいに雪の壁や高台まで出来ている。……何処から用意したか、雪色の銃まで出来ていた。
「まぁ、撃ちまくる方が良さそうだな」
一応ハンドタイプも二丁付けるが、片手用のマシンガンで挑む。
合図の雪玉が空に上がると花火のように光って破裂した。
「行きます! 刃!」
「いきなりか!」
プレゼント争奪戦が開始された。
壁の隙間からバズーカを撃ってくるマドカ。スピードはまぁまぁだが、相当圧縮されて固められた雪玉(ボーリングサイズ)がこちらの雪壁を粉々に破壊して攻めて来た。……兵器やん。
「……っ危ないな!」
遠慮していた吹き飛ばされる。片手用のマシンガンで豆粒の雪玉を連射する。
「『雪の壁』」
だが、マドカは異世界の雪魔法で張った障壁で雪の連射を防ぐ。
トンと壁の上に飛び乗ると微笑を浮かべてバズーカを向けた。
「って、ヤバ……!」
発射される大玉が俺の地面を吹き飛ばす。
マシンガンを盾にするが、反動で跳ね上がる俺の体。咄嗟に身体強化を使って体に掛かる反動の押し殺す。
「まだだ……!」
無くしたマシンガンの代わりに左右のハンドガンを抜いて……撃った。
「っ……雪よ!」
しかし、マドカも想定してなかったわけじゃない。
無詠唱の操作魔法プラス精霊の力も込めた雪の操作。沢山の太い蔓のようにして俺のハンドガンの雪玉を全て弾いたが……。
「え……銃が消えた?」
撃っていた銃が無くなった俺の片手を見て、呆然とした顔をして……。
「天地魔法───『入れ替わる運命』」
俺は放り投げていた銃が彼女の側に落ちそうになったところで派生魔法を発動。俺の位置が移動した。
「──ッ!?」
彼女の側で俺は落ちる銃をキャッチして、そのままマドカへ向けようとしたが、寸前で反応したマドカの雪壁に銃ごと弾かれる。
「ッ!」
「させません!」
だが、空いているもう一丁を向け──かけたところで、マドカの雪蔓が銃を持つ俺の腕に絡み付く。雪とは思えない硬さですぐには振り解けない。
「なら!」
パパパパパパパパンッ!とそのまま銃を乱射。全く関係ない方向へ球が飛んでいくが、その球には俺の魔力が込められている。
「ッ、天地で操作しましたか!」
軌道変えて迫ってくる球を見て、咄嗟に絡めていた蔓を振るって俺を球の方へ投げ飛ばすが、全ての球は俺が支配している。飛ばされながらも雪玉を操作した。
「『曲がる歪な弾丸』!」
「『雪国の樹』!」
……正直ここまで白熱するとは思わなかった。
相手に軌道を読めせない魔弾のスキルは、俺の十八番の一つだ。雪属性は決してマドカの得意属性ではない筈だが、歪に飛ぶ俺の雪球を全部弾いてみせた。
「──魔力融合」
「──血統覚醒」
気付いたらお互いに本気の状態に入った。
二つの魔力が一つになる『魔力融合』。
眠る魔王の血を覚醒させる『血統覚醒』。
「『全弾発射』ッ!『曲がる歪な弾丸』ッ!」
「『雪国の祝祭』ッ!『白き雪王』ッ!」
用意していたマガジンを十消費した雪球の弾幕嵐。
それに対抗するようにマドカは巨大な雪ダルマで迎え撃って来た。
途中からなんとなく気付いたが……これは絶対雪合戦じゃない。
雪を利用した魔法戦はさらに白熱していく。いよいよ用意していたマガジンが尽きそうになったところで……。
「崩れろ『属性優劣』」
「それは……ッ!?」
不動なマドカに隙が生まれた。
溶けるように崩壊する雪ダルマ。背に乗っていたマドカの体勢が崩れたところで、弾切れの銃を捨てる。
「ミヤモト流──八式改」
「ッ……!? 『雪国……」
雪で剣を作ったのを見て、慌てて新たに魔法を発動しようとしたが───。
「遅い!『雪桜・白華乱れ桜』ッ!」
素早く繰り出された雪刀の乱舞がマドカを斬り裂いた。峰打ちだけど、勝敗は決した。
「プレゼントってこれ?」
袋の中に入っていたのは、雪ダルマのぬいぐるみ。大きいやつで多分手作りだが……。
「俺ってぬいぐるみ好きって思われてる?」
偶にマドカの考えが分からない時がある。なんてリビングで眠っている彼女を見て、ふとぬいぐるみを弄っていると……鼻のあたりがスイッチになっていた。
「え、何これ?」
ポチッと押したら雪ダルマが変形。
ガシャガシャと音をたてて雪ダルマだった物が雪色のバズーカに変わった。
「……」
試しに残った壁を的に片手で引き金を引いた。
マドカが使っていた物と同じで大玉が発射されて、壁が粉々に吹き飛んだ。
「……」
もう一度思った。……うちのメイドさんは俺の事どう思ってるんだろうと。
こうして高校の受験前、ちょっとした二人っきりのクリスマスイベントは幕を閉じた。
……プレゼントは雪ダルマ(バズーカ)のぬいぐるみであった。
*作者コメント*
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本編待っていた人には申し訳ありませんが、受験前のクリスマスの話を追加しました。
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