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朝はいつもと同じ挨拶を交わし私にとっての昨日は昼、街に出掛ける予定にした為、料理には夕食のメニューを依頼した。
侍女と共に街を散策しながら時間を潰した後、お茶をして帰宅した。
夕食には両親と同じ会話をしてから、食後に読書をして眠りについた。
いつもなら寝落ちしたら本は書庫へ戻るのに今は枕横に残っていた。
……本当に日が進んでいる現状に放心してしまう
これからは日が巡るのが当たり前になると思っていた。
それなのに、あの毎日繰り返す日々から抜ける事はなく、何が悪かったのか、何が良かったのか判らないまま、気紛れかのように稀に日が進む様になっていた
ある日侍女の一言でループ回避の糸口が見えた気がした。
「お嬢様はこの所毎日街に行かれますが何をお求めなのですか?」
「?!」
私は同じ日をグルグルしているが最近たまに日が進む、だけれども私以外は普通に1日1日を過ごしていて、その1日の私を記憶している
日記を書こうもループしたら消えてしまうため何がきっかけかさえ判らずに進む日時に開くのさえやめていた
今侍女は毎日街に行かれますがと言った
私は街に行った日に日が進んでいる!
……違う、街に行って何かした時だ、街に行っただけでは進まない時が多々あったから街がヒントだけれども答えではない
「そうね、何の為だと思う?」
更なるヒントが出ないか侍女に問うてみた
「そうですね、いつも街を歩かれてからお茶をされ帰宅されますから何か新しい事業などお考えとか?」
「あら、事業などと私には無理よ」
クスクス笑いながら否定し、頭では‘お茶’とのキーを頭に叩き込んでいた
「そんな事ございません、お嬢様はセンスもよろしいですし」
「ありがとう、人々の暮らしを視たくなって行くだけなの深い意味はないのよ、いつも付き合わせてごめんなさいね」
「いえ、お供できるのはとても光栄ですので、いつでも仰って下さいませ」
「えぇ、そうね今日も行く予定よ、大丈夫かしら?」
「はい、では馬車の準備いたします」
「本当にいつもありがとう」
ふと思った。何時からループは始まった?
同じ日を繰り返す内に私は長い日々を過ごしてきた、でも他の人達は数日しか過ぎていない
「ねぇ、私が街に行くようになってどれぐらいかしら?」
「お嬢様が街に行きだしたのは華祭りの時からですかね?あの日は楽しかったですね」
「えぇ、そうね街が輝いていたわ賑わいも人々の生き生きした表情も忘れられないわね」
「他にも忘れられない事がございましょ?」
クスクス笑いながら部屋を後にする侍女を見送り、書き込まなくなった日記を開く
書かれいる最後のページをみる
華祭り、素敵な思い出
そして素敵な出会いが記されている
侍女が最後言っていた忘れられない事、この事だろう
侍女と共に街を散策しながら時間を潰した後、お茶をして帰宅した。
夕食には両親と同じ会話をしてから、食後に読書をして眠りについた。
いつもなら寝落ちしたら本は書庫へ戻るのに今は枕横に残っていた。
……本当に日が進んでいる現状に放心してしまう
これからは日が巡るのが当たり前になると思っていた。
それなのに、あの毎日繰り返す日々から抜ける事はなく、何が悪かったのか、何が良かったのか判らないまま、気紛れかのように稀に日が進む様になっていた
ある日侍女の一言でループ回避の糸口が見えた気がした。
「お嬢様はこの所毎日街に行かれますが何をお求めなのですか?」
「?!」
私は同じ日をグルグルしているが最近たまに日が進む、だけれども私以外は普通に1日1日を過ごしていて、その1日の私を記憶している
日記を書こうもループしたら消えてしまうため何がきっかけかさえ判らずに進む日時に開くのさえやめていた
今侍女は毎日街に行かれますがと言った
私は街に行った日に日が進んでいる!
……違う、街に行って何かした時だ、街に行っただけでは進まない時が多々あったから街がヒントだけれども答えではない
「そうね、何の為だと思う?」
更なるヒントが出ないか侍女に問うてみた
「そうですね、いつも街を歩かれてからお茶をされ帰宅されますから何か新しい事業などお考えとか?」
「あら、事業などと私には無理よ」
クスクス笑いながら否定し、頭では‘お茶’とのキーを頭に叩き込んでいた
「そんな事ございません、お嬢様はセンスもよろしいですし」
「ありがとう、人々の暮らしを視たくなって行くだけなの深い意味はないのよ、いつも付き合わせてごめんなさいね」
「いえ、お供できるのはとても光栄ですので、いつでも仰って下さいませ」
「えぇ、そうね今日も行く予定よ、大丈夫かしら?」
「はい、では馬車の準備いたします」
「本当にいつもありがとう」
ふと思った。何時からループは始まった?
同じ日を繰り返す内に私は長い日々を過ごしてきた、でも他の人達は数日しか過ぎていない
「ねぇ、私が街に行くようになってどれぐらいかしら?」
「お嬢様が街に行きだしたのは華祭りの時からですかね?あの日は楽しかったですね」
「えぇ、そうね街が輝いていたわ賑わいも人々の生き生きした表情も忘れられないわね」
「他にも忘れられない事がございましょ?」
クスクス笑いながら部屋を後にする侍女を見送り、書き込まなくなった日記を開く
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