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勇者と村人
クエスト失敗!
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「うおおおおおい、ヤベェ。ヤベェよ、モンスターが、モンスターが大量に――――」
叫びながら逃げ惑うのは一応勇者である。魔王を倒して平和を取り戻す為に神から認められた存在、勇者である。
それが――
勇者の後ろから火事でも起こったのかと思える程の黒い土煙を上げながら大量のモンスターが押し寄せていた。全てのモンスターが勇者に敵意を向けている。
「一応仮にもお前は勇者だろっ。いずれ魔王と対峙しなきゃいけないならその辺の雑魚モンスターくらい葬れなくてどうする? 分かったら戦え、そしてこっちに来んなァァァ!」
自己紹介が遅れたが俺の名前はクラーク、勇者とはかけ離れた存在の村人だ。そんな俺がなんで勇者と一緒にいるのか、それは全くの偶然だ。あぁ運命とかそういうのではなく偶然だ、偶然だと信じたい。
親元を離れ冒険者家業の道を進んだ俺。何故冒険者になったのか、それは一度俺の故郷に訪れた冒険者パーティー『紅蓮の炎舞』がかっこよかったから、幼き頃の俺に憧憬を抱かせたからに過ぎない。
そして冒険者登録を行ったその日俺は出会った。同日に冒険者登録を行ったのはなんと勇者であった。ギルドでは騒がれ、どんちゃん騒ぎ。新米の俺には全く目もくれないにも関わらず勇者はどこのパーティーからも引っ張り凧さ。
だがここで揉め事が発生する。そら勇者が仲間にいるともなれば自分たちの名前も跳ね上がるからな。どこも自分のパーティーに入れようと必死になる。ライバルパーティーになんて尚更取られたくない。冒険者達が剣を抜き始めたときギルド職員が止めに入り、話し合いで解決するよう促した。
そこで円満に解決する方法として話し合いが行われた結果、同日に冒険者登録をしたまだソロであった俺とパーティーを組む事となった。
――そして、今に至る。
今この状況は勇者のカルラ=アステスと一緒に初級冒険者のクエストを受けに来た訳なのだが、何故か雑魚モンスターに追われている始末。
俺にモンスターと戦える術などありはしないので勇者が倒すしかないのだが……まぁ一体なら勇者も頑張っただろう。だがこの数だ、俺だってちびりそうな圧倒感。まだモンスターを倒したことすらないカルラが立ち向かえるとは到底思えない。
俺は咄嗟に逃げ出した。それは生きるための本能と言ってもいい。
「クラーク、なんで逃げるんだよ。戦ってよっ! てかあいつら倒してよ!」
「それはこっちの台詞だ。村人の俺が戦えるわけないだろっ。勇者のお前が倒せよ、ってこっちに来んなって!」
「なんで、もしかして俺を囮にするつもりか?」
「囮もなにもお前がこの大群を引き連れて来てんだよ。どこまで俺を巻き込むつもりだ!」
こんな会話をしている途中でもモンスターは怯む事なく襲い掛かってくる。
こうなったら仕方ない。
「クエスト失敗だァァァ」
「クソー、今日もクエスト失敗かぁ」
お前のせいだろと言いたいところだったのだがこの危うい状況では言葉を発することすらはばかられ、ただただ逃げ惑う事しか出来なかった。
これで俺達が失敗したクエストの総数は記念すべき五十回目に到達だ。
◆◇◆
「いやー、それにしてもあのモンスターの大群はヤバかったな」
「そうだな……どうしたらあんなものをおびき寄せられるのか不思議でならないんだけど」
「え? そんなものその辺をほつき歩いててたらわらわらと寄って来るだろ」
「来ねえよ」
全くこれで本当に勇者なのだろうか?
勇者本来の目標『魔王討伐』なんてものを忘れてしまいそうになる。それくらいまでに悲惨なのだ。
「なぁそろそろモンスターの一体でも倒せるようになろぜ」
その言葉を聞きカルラは少し押し黙る。
それは本人が一番承知している事。いつも気にしてなさそうなので軽く言ったが本当は凄く傷ついていたのかも――
「本当になぁ。てかクラークは戦い覚えようとは思わないわけ?」
やっぱ気にしてなさそうだ。
ヘラヘラとしたその態度からは勇者の自覚があるとは到底思えない。だいたいこんな奴を勇者に選んでしまった神が馬鹿なのだ。
「俺は覚える気はある。けどな、俺はこの世界で一番貧弱とされる村人だ。お前みたいな恵まれた奴とは違うんだよ、だからこうして現実を見せつけられ絶望している。所詮俺が見ていたのは夢物語だったんだよ」
「そっかー、じゃ次頑張るしかないな」
軽いな。絶対に俺の話聞いてなかったろ。
「本当に頼むぜ、俺達今収入ゼロなんだからな。借金してるまであるぞ」
「はいはい、どうせ俺のせいだとか言いたいんだろ、分かってるよ、分かってるから、言わなくていいよ。明日絶対勝つからさ」
お前のせい以外になんの選択肢があると言うのだ。まぁ全て勇者であるこいつに任せっきりにしている俺も悪いっちゃ悪いんだがな……
けどよ、明日絶対、というのを聞くのは何度目だろうな、おい。その台詞だけを聞くとギャンブルに溺れたクズにしか見えないぞ。
けど、こいつは勇者なのだからいつかはモンスターを倒し、強敵までをも倒し大金が流れ込んでくること間違いなし! ……なんて思えたら苦労しないよな。
「本当に頼むぜ。明日には借金をチャラにしてくれねぇと、そろそろ伝が無くなって危ない輩に借りなくてはいけなくなる」
もう今は明日がどうとか言っている場合ではないのだ。本当に命の危険がそこまで来ている、というのに、
「大丈夫だって。なんたって俺は勇者だぜ」
そうか……勇者だもんな、とはならない状況まで陥れられているんだよ。いつまでもチャラチャラ笑顔で済むと思ってんのか?
チャラチャラした態度で借金もチャラになればいいけどチャラになるのは俺たちの人生だけだろうよ。何も無しの人生で終わるのだけは嫌だぜ全く。まぁモンスターに追われ続けた日々というのは立派な思い出として刻まれるのかもしれないけどな。
◆◇◆
日光が隙間から差す、目覚めの悪い朝だ。
勇者が全く稼ぎをくれないせいで俺達は男二人の共同生活、しかも獣臭い馬小屋で。いつも藁の上で寝ているために熟睡できている感じがしない。実際藁の上で寝るのなんて俺達かこの小屋で飼われている馬くらいだろうに。
そんな中、隣では気持ち良さそうに眠るカルラ。まったく何でこうも気楽なんだろうね、お前と言うやつは。危機感というものがないのかね、もう少し自覚をもってくれよ、仮にも勇者だろ。それとも神に期待された勇者ともなると危機感というものがなくなるのかな?
それにしてはモンスターに追いかけ回されて泣きわめいている気がするが。
「おい、起きろよ。朝だ、朝、そして仕事だこの野郎。今日こそはクエストに成功してもらうからな」
今日こそは家賃払ってもらうからなと、金をせがむ嫌な奴のように俺はカルラを叩き起こす。因みに家賃を払えといつも吠えているのは馬小屋の管理者であるばあさんだ。
「うぉ、もう朝か。もう少し寝かせてくれ、どうせギルド行ってもクエストは張り出されてないだろー」
こいつ……何がギルドに行ってもだ。
ここからギルドまでどれだけあると思ってんだこの野郎、今から出発しないとギルドに着いた頃にはクエストが大半無くなって上級者向けクエストしか残らないんだよ。
俺は拳を振りかざすとカルラの腹目掛けて降り下ろした。勇者であるカルラと今の俺はさほど筋力に差はないため、
「グッ……ってぇ。何すんだよ、人が気持ちよく寝てるってのに」
「寝てるから俺がありがたく物理的に叩き起こして差し上げたんじゃないか。感謝しろよ」
「誰がするか、毎度毎度人の腹をサンドバッグのように。ったく目覚めの悪い朝だな、もう完全に起きちまったから寝ようにも寝れねぇぜ、おい」
「それはよかった、また眠りに入ったら俺のパンチがもう一度炸裂するとこだったからな」
俺が拳を顔の前で見せつけ柔和に笑って見せる。カルラは狂人を見たかのような表情でこちらを見ると、「よっこらせ」と立ち上がり、大きく伸びをした。
寝間着から動きやすい服に着替え、狭い小屋の壁に立て掛けてあったロングソードを掴み取った。ロングソードを手元でくるりと一回転させ、どや顔を決めると腰に巻いた布の間に差し込んだ。無論鞘に入っているため怪我をする心配はない。柄部分が丁度引っ掛かっているらしく走っている途中で落ちるということもないようだ。因みにこのロングソードはお金がなく碌に装備を揃えられない俺達のような冒険者への支給品だ。
「よし、じゃ行こうぜー」
眠りを阻害されたときの怒りは消え、今はもういつものカルラ、チャラチャラ勇者のカルラに戻っている。
御機嫌な笑みを浮かべながら俺を手招きする。
「分かったよ。今行く」
俺は護身用の武器ナイフを掴み取り足を踏み出した。
毎度ながら思うのだが、何故に村人である俺がモンスター討伐クエストに付き添わなくてはいけないんだろうな。
そんな思いを馳せながらカルラの背中を追った。
◆◇◆
「今日はどうするか、腕試しにドラゴンでも行くかいな?」
「今日こそ初心者冒険者を卒業だ!」
「ちぃと酒がのこぉとるがゴブリンくらいならたぉせるかの」
「初めてのクエスト緊張するなぁ、いつかは冒険者パーティーを組んでドラゴン討伐してみたいよ」
ギルドは今日も賑わっているようだ。
人間から亜人種まで多岐にわたる面々が今日のクエストについて語り合っている。実力があり、上級冒険者として名を連ねている者や、今日から冒険者生活の仲間入り新人君まで、大勢の者達がギルドという狭い場所に密集していた。
そんなむさ苦しい場所へ俺達二人も足を踏み入れる。
カランカランと鈴の音を立てながら扉が開いた。
その音に反応してみんながこちらを見る。
「うおおぉ、未だモンスター討伐クエストの一つもこなせない勇者様の登場だぜ」
「おいおい、今日こそはしっかりとやってくれよ。何であれ、お前は勇者なんだからなぁ」
「勇者様に会えるなんて光栄!」
「スライムすらも倒せない敗北の勇者さんより今日ドラゴン討伐に行こうとしている俺達の方がよっぽど勇者なんじゃないのか?」
勇者カルラが登場しただけでいつもこの賑わいよう。因みに彼らはクエスト一つも無難にこなせないカルラを馬鹿にしているわけではなく、ただからかって遊んでいるに過ぎない。そのため彼らとカルラの喧嘩勃発ということは今までに一度としてありはしないのだ。
「今日こそは勇者の威厳というものを見せてやるぜ」
清々しい笑顔で親指をビシッと立てる。
いや見せてやるぜ!じゃなくて、早く見せてくれよ。
そんな俺の気持ちを他所に、
「期待してるぞー」
「そうだなー勇者だもんなー」
「頑張って下さい!」
「やれるもんならやってみなはれや」
彼らは面白がっていた。
まぁ平和なのはいいことだ。その平和もいつまで続くのやら……
こいつが魔王を討伐するまでは本当の平和というものは訪れないのではないか?
「な、クラーク。大丈夫だぜ、借金なんて俺が肩を持ってやるよ」
「アホか、この借金は誰のせいだと思ってんだ。そんなことより早くクエスト成功という文字を見せてくれ」
はぁ、不安しかない。
というかこの会話も今日で何度目だろうな。
「はいはーい、今日のクエストを貼り出しますよー! 退いて退いてー」
大量に積まれた紙を手で抱えながら銀髪のギルド職員の女性が現れる。その姿を見て冒険者達は、
「おおお、待ってました、待ってました!」
「今日のはどんなのがあるかな?」
「あれ、ちょっ、見えない」
「ドラゴン討伐はあるかいな?」
よってたかって、掲示板に集まり一枚一枚張り出されていくクエスト用紙に目を通していく。
大抵の冒険者は今日受けるクエストをおおまかではあるが決めているため、自分が望むクエストが貼り出されるのを待つだけだ。かくいう俺達二人は未だにクエストを成功させたことがないので、どれが一番楽に出来るかとかは分からない。というかそういう方法で選ぶということが出来ないのだ。
そのため計画性はまったくのゼロである。
「うし、今日はこれだな」
「アホか」
カルラが意気揚々と剥ぎ取ったクエストは『オーガ討伐』、注意事項にはしっかりと1等級以上の冒険者の方と書いてある。
この1等級とは冒険者の中でのランク分けみたいなもので10~1等級まであり、その上に特等級と聖等級がある。聖等級なんかはこの世界に数少ない神に選ばれし者達しかおらず、賢者や聖級召喚師、神剣術師などだ。普通ならば勇者カルラもこの中に入れる実力の持ち主の筈なのだが(職業的には)、中身が聖等級でも外身がこれだからな……
話を戻すが、下級冒険者と言われるのは10~7等級、中級冒険者が6~4等級、上級冒険者は3等級以上だ。そして俺達は今下級冒険者である、しかも最底辺の10等級だ。
つまり、1等級以上なんてクエスト受けられる筈がないのだ。まったく何を考えているんだこいつは。
俺はカルラからクエスト用紙を奪い取ると掲示板に貼り戻す。そしてクエスト掲示板をまばらに見渡すと、一番適任そうな『スライム討伐』のクエストを剥ぎ取った。
「今日はこれだな」
カルラに見せつけるようにそのクエスト用紙を顔の前でヒラヒラさせてやるとカルラは面白くなさそうに「えー」と不満を溢した。これほど適任なクエストを選んでやったというのに何が不満なんだ。
「いつもこれやって失敗してるだろ。だから気分転換に違うクエスト受けようぜ」
「余計にダメだろうが。下級冒険者で倒せて当たり前のスライム倒せず何が倒せるというんだ、ん? ほら言ってみろよ 」
「だから、この――」
「アホか、お前は1等級じゃないだろ」
何故そんなにも『オーガ討伐』に拘るんだ。倒せるはずがないんだから大人しく『スライム討伐』を受けてればいいものを。
「1等級以上って書いてあるけどさ、俺は勇者だぜ。本当の力が発揮出来たら聖等級くらいは軽く」
「はいはい、そうですか」
その本当の力とやらを発揮出来たら苦労ないんだよ。このエセ勇者が。今までに一度でもその力を発揮したことがあったのか? 否、一度たりとも力発揮どころかモンスター討伐クエストを成功させたことがない。つまりモンスターを倒したことがない。
「今日もしここでこのクエストを成功させられたら考えなくもないかな」
「本当か!? うし、いっちょ頑張るか」
はい、甘い言葉で釣る作戦成功。まったく単純だな。どうせ成功出来やしないんだから。
カルラは機嫌良くスキップで受付へと向かって行った。
「ほー、俺はこれかな?」
手に取ったのは初級も初級、モンスター討伐すらしないクエスト、通称『素材集め』である。
この『素材集め』には多岐にわたる種類があるが一番メジャーなのが採取系クエストだ。そして今回俺が選んだのも例に違わない採取系クエスト、『キリギリ草採取』だ。因みにキリギリ草とは応用性に優れた魔草の一種で薬草や毒消しに使われる。
近年は冒険者業が盛んになり、憧れる少年よろしく強敵討伐ばかりに目が眩みモンスター討伐だけがどんどんと消化されていくため、こういった地味にも関わらず大切な『素材集め』のクエストが残ってしまうのだという。まったく、強敵討伐が悪いとは言わない、確かに凶暴なモンスターに頭を悩ましている人もいるわけだから、しかしその強敵討伐の為に用意している大量の回復薬や予備武器は誰のお陰だと思っているんだ。少しは自分達で請け負ってくれよ。モンスター討伐の帰りに近くに寄ってちょちょいと採取するだけじゃないか。報酬金がモンスター討伐に比べて極端に少ないものだから面倒くさがっている人が多い気がするけど、塵も積もれば山となるんだよ。
けどまぁこうして実力派冒険者達が『素材集め』系統のクエストを残していくおかげで俺がクエストを受けて僅かだが金が入ってくるわけだし……そこは感謝する……ところなのか? まぁいいや、感謝している。
てなわけで、俺のクエストも決定したため受付所へとそのクエスト用紙を持って足を運ぶ。先にスキップで向かって行ったカルラはクエスト受諾を済ませたようだ。
「おい、カルラ。俺もこれを済ませるからそこで待ってろよ」
るんるん気分で外に出て行きクエストに向かおうとしていたカルラを呼び止める。カルラはあからさまに嫌そうな顔をしたが素直に従うあたり良く出来た勇者である。勇者とは人柄までもが完璧で勇者とか聞いたことあるし。
「じゃぁそういうことでちゃんと待ってろよ」
「へいへい」
カルラの適当な返事を受けて俺は受付に出来た長蛇の列の最後尾に並んだ。
叫びながら逃げ惑うのは一応勇者である。魔王を倒して平和を取り戻す為に神から認められた存在、勇者である。
それが――
勇者の後ろから火事でも起こったのかと思える程の黒い土煙を上げながら大量のモンスターが押し寄せていた。全てのモンスターが勇者に敵意を向けている。
「一応仮にもお前は勇者だろっ。いずれ魔王と対峙しなきゃいけないならその辺の雑魚モンスターくらい葬れなくてどうする? 分かったら戦え、そしてこっちに来んなァァァ!」
自己紹介が遅れたが俺の名前はクラーク、勇者とはかけ離れた存在の村人だ。そんな俺がなんで勇者と一緒にいるのか、それは全くの偶然だ。あぁ運命とかそういうのではなく偶然だ、偶然だと信じたい。
親元を離れ冒険者家業の道を進んだ俺。何故冒険者になったのか、それは一度俺の故郷に訪れた冒険者パーティー『紅蓮の炎舞』がかっこよかったから、幼き頃の俺に憧憬を抱かせたからに過ぎない。
そして冒険者登録を行ったその日俺は出会った。同日に冒険者登録を行ったのはなんと勇者であった。ギルドでは騒がれ、どんちゃん騒ぎ。新米の俺には全く目もくれないにも関わらず勇者はどこのパーティーからも引っ張り凧さ。
だがここで揉め事が発生する。そら勇者が仲間にいるともなれば自分たちの名前も跳ね上がるからな。どこも自分のパーティーに入れようと必死になる。ライバルパーティーになんて尚更取られたくない。冒険者達が剣を抜き始めたときギルド職員が止めに入り、話し合いで解決するよう促した。
そこで円満に解決する方法として話し合いが行われた結果、同日に冒険者登録をしたまだソロであった俺とパーティーを組む事となった。
――そして、今に至る。
今この状況は勇者のカルラ=アステスと一緒に初級冒険者のクエストを受けに来た訳なのだが、何故か雑魚モンスターに追われている始末。
俺にモンスターと戦える術などありはしないので勇者が倒すしかないのだが……まぁ一体なら勇者も頑張っただろう。だがこの数だ、俺だってちびりそうな圧倒感。まだモンスターを倒したことすらないカルラが立ち向かえるとは到底思えない。
俺は咄嗟に逃げ出した。それは生きるための本能と言ってもいい。
「クラーク、なんで逃げるんだよ。戦ってよっ! てかあいつら倒してよ!」
「それはこっちの台詞だ。村人の俺が戦えるわけないだろっ。勇者のお前が倒せよ、ってこっちに来んなって!」
「なんで、もしかして俺を囮にするつもりか?」
「囮もなにもお前がこの大群を引き連れて来てんだよ。どこまで俺を巻き込むつもりだ!」
こんな会話をしている途中でもモンスターは怯む事なく襲い掛かってくる。
こうなったら仕方ない。
「クエスト失敗だァァァ」
「クソー、今日もクエスト失敗かぁ」
お前のせいだろと言いたいところだったのだがこの危うい状況では言葉を発することすらはばかられ、ただただ逃げ惑う事しか出来なかった。
これで俺達が失敗したクエストの総数は記念すべき五十回目に到達だ。
◆◇◆
「いやー、それにしてもあのモンスターの大群はヤバかったな」
「そうだな……どうしたらあんなものをおびき寄せられるのか不思議でならないんだけど」
「え? そんなものその辺をほつき歩いててたらわらわらと寄って来るだろ」
「来ねえよ」
全くこれで本当に勇者なのだろうか?
勇者本来の目標『魔王討伐』なんてものを忘れてしまいそうになる。それくらいまでに悲惨なのだ。
「なぁそろそろモンスターの一体でも倒せるようになろぜ」
その言葉を聞きカルラは少し押し黙る。
それは本人が一番承知している事。いつも気にしてなさそうなので軽く言ったが本当は凄く傷ついていたのかも――
「本当になぁ。てかクラークは戦い覚えようとは思わないわけ?」
やっぱ気にしてなさそうだ。
ヘラヘラとしたその態度からは勇者の自覚があるとは到底思えない。だいたいこんな奴を勇者に選んでしまった神が馬鹿なのだ。
「俺は覚える気はある。けどな、俺はこの世界で一番貧弱とされる村人だ。お前みたいな恵まれた奴とは違うんだよ、だからこうして現実を見せつけられ絶望している。所詮俺が見ていたのは夢物語だったんだよ」
「そっかー、じゃ次頑張るしかないな」
軽いな。絶対に俺の話聞いてなかったろ。
「本当に頼むぜ、俺達今収入ゼロなんだからな。借金してるまであるぞ」
「はいはい、どうせ俺のせいだとか言いたいんだろ、分かってるよ、分かってるから、言わなくていいよ。明日絶対勝つからさ」
お前のせい以外になんの選択肢があると言うのだ。まぁ全て勇者であるこいつに任せっきりにしている俺も悪いっちゃ悪いんだがな……
けどよ、明日絶対、というのを聞くのは何度目だろうな、おい。その台詞だけを聞くとギャンブルに溺れたクズにしか見えないぞ。
けど、こいつは勇者なのだからいつかはモンスターを倒し、強敵までをも倒し大金が流れ込んでくること間違いなし! ……なんて思えたら苦労しないよな。
「本当に頼むぜ。明日には借金をチャラにしてくれねぇと、そろそろ伝が無くなって危ない輩に借りなくてはいけなくなる」
もう今は明日がどうとか言っている場合ではないのだ。本当に命の危険がそこまで来ている、というのに、
「大丈夫だって。なんたって俺は勇者だぜ」
そうか……勇者だもんな、とはならない状況まで陥れられているんだよ。いつまでもチャラチャラ笑顔で済むと思ってんのか?
チャラチャラした態度で借金もチャラになればいいけどチャラになるのは俺たちの人生だけだろうよ。何も無しの人生で終わるのだけは嫌だぜ全く。まぁモンスターに追われ続けた日々というのは立派な思い出として刻まれるのかもしれないけどな。
◆◇◆
日光が隙間から差す、目覚めの悪い朝だ。
勇者が全く稼ぎをくれないせいで俺達は男二人の共同生活、しかも獣臭い馬小屋で。いつも藁の上で寝ているために熟睡できている感じがしない。実際藁の上で寝るのなんて俺達かこの小屋で飼われている馬くらいだろうに。
そんな中、隣では気持ち良さそうに眠るカルラ。まったく何でこうも気楽なんだろうね、お前と言うやつは。危機感というものがないのかね、もう少し自覚をもってくれよ、仮にも勇者だろ。それとも神に期待された勇者ともなると危機感というものがなくなるのかな?
それにしてはモンスターに追いかけ回されて泣きわめいている気がするが。
「おい、起きろよ。朝だ、朝、そして仕事だこの野郎。今日こそはクエストに成功してもらうからな」
今日こそは家賃払ってもらうからなと、金をせがむ嫌な奴のように俺はカルラを叩き起こす。因みに家賃を払えといつも吠えているのは馬小屋の管理者であるばあさんだ。
「うぉ、もう朝か。もう少し寝かせてくれ、どうせギルド行ってもクエストは張り出されてないだろー」
こいつ……何がギルドに行ってもだ。
ここからギルドまでどれだけあると思ってんだこの野郎、今から出発しないとギルドに着いた頃にはクエストが大半無くなって上級者向けクエストしか残らないんだよ。
俺は拳を振りかざすとカルラの腹目掛けて降り下ろした。勇者であるカルラと今の俺はさほど筋力に差はないため、
「グッ……ってぇ。何すんだよ、人が気持ちよく寝てるってのに」
「寝てるから俺がありがたく物理的に叩き起こして差し上げたんじゃないか。感謝しろよ」
「誰がするか、毎度毎度人の腹をサンドバッグのように。ったく目覚めの悪い朝だな、もう完全に起きちまったから寝ようにも寝れねぇぜ、おい」
「それはよかった、また眠りに入ったら俺のパンチがもう一度炸裂するとこだったからな」
俺が拳を顔の前で見せつけ柔和に笑って見せる。カルラは狂人を見たかのような表情でこちらを見ると、「よっこらせ」と立ち上がり、大きく伸びをした。
寝間着から動きやすい服に着替え、狭い小屋の壁に立て掛けてあったロングソードを掴み取った。ロングソードを手元でくるりと一回転させ、どや顔を決めると腰に巻いた布の間に差し込んだ。無論鞘に入っているため怪我をする心配はない。柄部分が丁度引っ掛かっているらしく走っている途中で落ちるということもないようだ。因みにこのロングソードはお金がなく碌に装備を揃えられない俺達のような冒険者への支給品だ。
「よし、じゃ行こうぜー」
眠りを阻害されたときの怒りは消え、今はもういつものカルラ、チャラチャラ勇者のカルラに戻っている。
御機嫌な笑みを浮かべながら俺を手招きする。
「分かったよ。今行く」
俺は護身用の武器ナイフを掴み取り足を踏み出した。
毎度ながら思うのだが、何故に村人である俺がモンスター討伐クエストに付き添わなくてはいけないんだろうな。
そんな思いを馳せながらカルラの背中を追った。
◆◇◆
「今日はどうするか、腕試しにドラゴンでも行くかいな?」
「今日こそ初心者冒険者を卒業だ!」
「ちぃと酒がのこぉとるがゴブリンくらいならたぉせるかの」
「初めてのクエスト緊張するなぁ、いつかは冒険者パーティーを組んでドラゴン討伐してみたいよ」
ギルドは今日も賑わっているようだ。
人間から亜人種まで多岐にわたる面々が今日のクエストについて語り合っている。実力があり、上級冒険者として名を連ねている者や、今日から冒険者生活の仲間入り新人君まで、大勢の者達がギルドという狭い場所に密集していた。
そんなむさ苦しい場所へ俺達二人も足を踏み入れる。
カランカランと鈴の音を立てながら扉が開いた。
その音に反応してみんながこちらを見る。
「うおおぉ、未だモンスター討伐クエストの一つもこなせない勇者様の登場だぜ」
「おいおい、今日こそはしっかりとやってくれよ。何であれ、お前は勇者なんだからなぁ」
「勇者様に会えるなんて光栄!」
「スライムすらも倒せない敗北の勇者さんより今日ドラゴン討伐に行こうとしている俺達の方がよっぽど勇者なんじゃないのか?」
勇者カルラが登場しただけでいつもこの賑わいよう。因みに彼らはクエスト一つも無難にこなせないカルラを馬鹿にしているわけではなく、ただからかって遊んでいるに過ぎない。そのため彼らとカルラの喧嘩勃発ということは今までに一度としてありはしないのだ。
「今日こそは勇者の威厳というものを見せてやるぜ」
清々しい笑顔で親指をビシッと立てる。
いや見せてやるぜ!じゃなくて、早く見せてくれよ。
そんな俺の気持ちを他所に、
「期待してるぞー」
「そうだなー勇者だもんなー」
「頑張って下さい!」
「やれるもんならやってみなはれや」
彼らは面白がっていた。
まぁ平和なのはいいことだ。その平和もいつまで続くのやら……
こいつが魔王を討伐するまでは本当の平和というものは訪れないのではないか?
「な、クラーク。大丈夫だぜ、借金なんて俺が肩を持ってやるよ」
「アホか、この借金は誰のせいだと思ってんだ。そんなことより早くクエスト成功という文字を見せてくれ」
はぁ、不安しかない。
というかこの会話も今日で何度目だろうな。
「はいはーい、今日のクエストを貼り出しますよー! 退いて退いてー」
大量に積まれた紙を手で抱えながら銀髪のギルド職員の女性が現れる。その姿を見て冒険者達は、
「おおお、待ってました、待ってました!」
「今日のはどんなのがあるかな?」
「あれ、ちょっ、見えない」
「ドラゴン討伐はあるかいな?」
よってたかって、掲示板に集まり一枚一枚張り出されていくクエスト用紙に目を通していく。
大抵の冒険者は今日受けるクエストをおおまかではあるが決めているため、自分が望むクエストが貼り出されるのを待つだけだ。かくいう俺達二人は未だにクエストを成功させたことがないので、どれが一番楽に出来るかとかは分からない。というかそういう方法で選ぶということが出来ないのだ。
そのため計画性はまったくのゼロである。
「うし、今日はこれだな」
「アホか」
カルラが意気揚々と剥ぎ取ったクエストは『オーガ討伐』、注意事項にはしっかりと1等級以上の冒険者の方と書いてある。
この1等級とは冒険者の中でのランク分けみたいなもので10~1等級まであり、その上に特等級と聖等級がある。聖等級なんかはこの世界に数少ない神に選ばれし者達しかおらず、賢者や聖級召喚師、神剣術師などだ。普通ならば勇者カルラもこの中に入れる実力の持ち主の筈なのだが(職業的には)、中身が聖等級でも外身がこれだからな……
話を戻すが、下級冒険者と言われるのは10~7等級、中級冒険者が6~4等級、上級冒険者は3等級以上だ。そして俺達は今下級冒険者である、しかも最底辺の10等級だ。
つまり、1等級以上なんてクエスト受けられる筈がないのだ。まったく何を考えているんだこいつは。
俺はカルラからクエスト用紙を奪い取ると掲示板に貼り戻す。そしてクエスト掲示板をまばらに見渡すと、一番適任そうな『スライム討伐』のクエストを剥ぎ取った。
「今日はこれだな」
カルラに見せつけるようにそのクエスト用紙を顔の前でヒラヒラさせてやるとカルラは面白くなさそうに「えー」と不満を溢した。これほど適任なクエストを選んでやったというのに何が不満なんだ。
「いつもこれやって失敗してるだろ。だから気分転換に違うクエスト受けようぜ」
「余計にダメだろうが。下級冒険者で倒せて当たり前のスライム倒せず何が倒せるというんだ、ん? ほら言ってみろよ 」
「だから、この――」
「アホか、お前は1等級じゃないだろ」
何故そんなにも『オーガ討伐』に拘るんだ。倒せるはずがないんだから大人しく『スライム討伐』を受けてればいいものを。
「1等級以上って書いてあるけどさ、俺は勇者だぜ。本当の力が発揮出来たら聖等級くらいは軽く」
「はいはい、そうですか」
その本当の力とやらを発揮出来たら苦労ないんだよ。このエセ勇者が。今までに一度でもその力を発揮したことがあったのか? 否、一度たりとも力発揮どころかモンスター討伐クエストを成功させたことがない。つまりモンスターを倒したことがない。
「今日もしここでこのクエストを成功させられたら考えなくもないかな」
「本当か!? うし、いっちょ頑張るか」
はい、甘い言葉で釣る作戦成功。まったく単純だな。どうせ成功出来やしないんだから。
カルラは機嫌良くスキップで受付へと向かって行った。
「ほー、俺はこれかな?」
手に取ったのは初級も初級、モンスター討伐すらしないクエスト、通称『素材集め』である。
この『素材集め』には多岐にわたる種類があるが一番メジャーなのが採取系クエストだ。そして今回俺が選んだのも例に違わない採取系クエスト、『キリギリ草採取』だ。因みにキリギリ草とは応用性に優れた魔草の一種で薬草や毒消しに使われる。
近年は冒険者業が盛んになり、憧れる少年よろしく強敵討伐ばかりに目が眩みモンスター討伐だけがどんどんと消化されていくため、こういった地味にも関わらず大切な『素材集め』のクエストが残ってしまうのだという。まったく、強敵討伐が悪いとは言わない、確かに凶暴なモンスターに頭を悩ましている人もいるわけだから、しかしその強敵討伐の為に用意している大量の回復薬や予備武器は誰のお陰だと思っているんだ。少しは自分達で請け負ってくれよ。モンスター討伐の帰りに近くに寄ってちょちょいと採取するだけじゃないか。報酬金がモンスター討伐に比べて極端に少ないものだから面倒くさがっている人が多い気がするけど、塵も積もれば山となるんだよ。
けどまぁこうして実力派冒険者達が『素材集め』系統のクエストを残していくおかげで俺がクエストを受けて僅かだが金が入ってくるわけだし……そこは感謝する……ところなのか? まぁいいや、感謝している。
てなわけで、俺のクエストも決定したため受付所へとそのクエスト用紙を持って足を運ぶ。先にスキップで向かって行ったカルラはクエスト受諾を済ませたようだ。
「おい、カルラ。俺もこれを済ませるからそこで待ってろよ」
るんるん気分で外に出て行きクエストに向かおうとしていたカルラを呼び止める。カルラはあからさまに嫌そうな顔をしたが素直に従うあたり良く出来た勇者である。勇者とは人柄までもが完璧で勇者とか聞いたことあるし。
「じゃぁそういうことでちゃんと待ってろよ」
「へいへい」
カルラの適当な返事を受けて俺は受付に出来た長蛇の列の最後尾に並んだ。
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