10 / 11
1章
7話
しおりを挟む
俺の通知表にはアヒルがいっぱいいると、母親に言われたことがある。2という数字がアヒルに見えるからだそうだ。現在のレベルはアヒルである。ステータスだけで見れば1であるが、自己暗示という思いがけない才能が僕の特殊スキルとして輝いている。
因みに、2という数字が陰〇の様に見えてしまうのは俺だけだろうか。そうだ。俺だけだろう。別の角度から見れば2という数字は、ひらがなの”て”に見える。どうでもいい。なぞなぞにでも使うといいだろう。
スライム狩りは続いた。戦闘に慣れる為に、経験値を稼ぐ為に、己の為に……
現段階での俺の目標は、この世界で何不自由なく生活できるようになるという事だ。異世界転生前は、養ってもらっていたのだけれども……高校生だから仕方あるまい。社会の仕組みというやつだ。
社会のルールに守られていたのだけれでも、その偉大なる加護は、転生と同時に効力を失った。もしかすると、異世界転生前の方が、強かったのではないのかと思ってしまった。
月が替わればお小遣いを貰い、高校生なのにバイトもせずに、誕生日が来ればプレゼントを貰い、高校生なのにゲーム機を、聖なる夜にはプレゼントを貰い、高校生だけれども、お正月が来ればポチ袋を貰い、高校生は貰ってもいいだろう。
自立できていない、おんぶに抱っこであったのである。
しかし、異世界転生してしまった今、一刻も早く自立する事が必要だと感じている。ここには他人しか存在しないのだから。赤の他人しか存在しないのだから、一刻も早く自立しなければならないのである。
カルさんは別として。
「スライム5匹倒しましたよ。これで晴れて初級冒険者の仲間入りですかね」
「たわけ、スライム5匹程度で冒険者を名乗っていいと思っているのか? ラルフを狩る事が出来れば認めてやらんでもないが」
四足歩行の魔物という情報しかない三文字。ラルフ。四足歩行とは、どの四足歩行を指すのだろうか? 大まかに、ゴリラタイプ・犬タイプの2種類と考えている。この場合、厄介なのはゴリラタイプともいえる。体力が半分になったところで二足歩行モードになり体力全回復というモンスターを俺は知っている。ゲームの話である。
「ラルフってどんな感じなんですか」
「ほれ、あれがラルフだ」
ネズミのような顔立ちに、オオカミのような野性的な毛並みと尻尾。そうか、ラットとウルフでラルフなのか。納得してしまった。しかし、見れば見るほど気持ち悪い見た目である。せめて、顔がオオカミであればとも考えたのだけれどもそれはそれで気持ちがわるい。混ぜるな危険とはこのことなのだろう。
「気持ち悪いですね」
「そうか? 愛らしいとは思わぬか」
「いえ、全く」
「私は、愛らしいと思うのだがな。とりあえず、倒し方を見せてやる」
カルさんは例の如く、唐突に走り始め、ずばっと一太刀浴びせどや顔でこちらを眺める。
「このようにだな……」
「全く説明になってないですから、それに、愛らしいは何処へ行ってしまったんですか」
カルさんには虚言癖があるのかもしれないと俺は思った。
現在のレベルは3である。レベルを上げてもステータスは上昇しないが、レベル=ステータスという公式を当てはめる事は可能である。つまり、3レベル分の強さは保証されているという事になるのだ。3レベルあれば勝てる相手なのかどうかは知らない。カルさんがゴーサインを出したのだから勝てるという事だろう。
「自己暗示で既にステータスは上昇している。この勢いのままやってやりますよ」
「そうか、それでは狩ってみろ」
カルさんの声の表情から察するに、出来るモノならやってみろというニュアンスを感じた。もしかしたら、レベル3で相手にするには無謀なのかもしれない。
「ちょっとタイム」
「どうした? またビビっているのか」
「一旦、深呼吸させて下さい」
「深呼吸か、ラマーズ法じゃなくて大丈夫なのか」
「それは、忘れて下さい。あの時は少しテンパっていただけですよ。今は冷静ですから」
「そうか、つまらないの」
本当につまらなそうだった。俺にボケを求めるな。どちらかというと俺は、ツッコミだ。
気を取り直して、ラルフを直視する。どんな戦術で行けばいいのか皆無である。腰に携えてあるショートソードをとりあえず抜き取り攻略法を模索する。
徐々に距離を詰めていく。攻略法なんて、1つも思いつかないままラルフにこちらを認識されてしまった。しまった。焦り。とりあえずは、考えていた対処方法が全て吹き飛んでしまった。緊張とは恐ろしいモノである。記憶とは脆いもので、こういった緊張する場面において全くと言っていいほど頼りにならない。
受験勉強の時に、いつもは解けていたはずの問題が解けないなんて事があった。今まさにそれと同じことが起こっているのだ。
闘争逃走反応。なんて面白い響きなのだろうか。この、闘争逃走反応によって火事場の馬鹿力というモノを発揮する事が出来る。闘うのか、逃げるのか、俺は前者を選択している。
ラルフも同じく前者を選択したようだった。先制攻撃されたのは俺だった。
噛みつかれそうになったところをショートソードで凌いだ。ラルフは攻撃からのしなやかな切り返し、そして再び飛びつく身のこなし。到底、俺には倒せる相手でないことを悟ってしまった。
ラルフに飛びつかれ、地面へと倒れ込んでしまった。ショートソードをかじりながら器用に押し倒すラルフは、魔物ながら賢いなと感心してしまった。
ラルフの武器は、牙だけではない。爪も立派な武器として機能しているのだ。つまり、牙と両前足の爪が武器であるのだ。言ってみれば、三刀流みたいなものである。まさか、三千世界なんて大技繰り出さねぇよな……なんて思ってみたり。
爪が肩に刺さる。激痛のあまり一瞬白目をむきかけた。左肩がやられた。カルさんは平然とその姿を見ている。草原にいる低レベルのモンスターに殺されそうな俺の姿を、ただ平然と風景を見るように眺めている。
「痛ってぇーーーー。ふざけんなよ。お前みたいな低レベルモンスターにやられるヨザクラではないぞ」
更に右肩に爪が刺さる。
叫んだ。叫ぶことしか出来なかった。次の瞬間、首をあんぐりといかれた気がした。
目の前が真っ暗になった。初級冒険者にもれず異世界生活を謳歌する事は出来なかった。転生したらチート級に強いとか……あれはフィクションだ。実際はこんなもんである。
真っ暗なこの空間。何もないこの空間。無。俺がいつ死神のノートに名前を書いたっていうのだろうか。
コンコン。
確かに、聞こえた。ノックオンだ。因みに2回はトイレを意味する。職員室を尋ねる時は、3回ノックと教わった。俺は、悪意を込めて毎回2回ノックだった。
コンコン。
間違いなく聞こえた。もしかして、異世界転生夢オチなんて事が……
「朝だよ。起きてーー」
さよなら。俺の異世界生活。まさかの夢オチだなんて……
「夜桜、私の結界はどうだ? いい気分だったか」
眩しい太陽とカルさんがそこにはいた。
「あれ、俺の異世界生活夢オチじゃないんですか」
「何が、夢オチじゃ。この結界はな、お前の体力が限りなく0に近づいた時に発動するように私が細工したものなのだよ」
「はい?」
「いいから早く出て来い」
俺は謎の青黒い箱の中から出た。外観はどう見ても棺桶だった。蓋があるし、蓋に十字架ついてるし、形がいかにもそれだった。どちらかと言えば、ヴァンパイアなんかが出てきそうな見た目だった。
「この結界は、私しか開ける事が出来ないのだ」
どや顔で言われても。
「この結界の中にいる時は、安心安全だから心配する事は無いぞ。それに傷も完治するしな」
「確かに、肩も怪我していない。傷痕も無い。でも、内側からは開けられないんですか」
「そうだが、問題でもあるか?」
大ありだ。カルさんしか開けられないって。最早呪いではないか。
「もし、仮に俺がこの先一人で冒険していてモンスターに瀕死状態にさせられこの箱に閉じ込められたらどうすればいいんですか」
「私を待て」
「やっぱり、呪いだ」
「呪い呼ばわりするな。直ぐに駆けつけてやるぞ」
「もし、あの箱の中に閉じ込められてる時に、カルさんが死んだら永遠に閉じ込められたままってことですよね」
「そんな訳あるか、私が死ねば箱は消える。夜桜は消えないから安心しろ」
「とりあえず、納得するとしましょう」
「ともあれ、お前はまだまだ経験を積む必要があるな」
「そうみたいですね」
カルさんは、ステータスを上げる必要があるとは言わなかった。経験を積む必要があると言ったのだ。何だかよく分からない呪いのようなものに掛けられたけれども、俺は異世界生活が楽しくなっていた。
因みに、2という数字が陰〇の様に見えてしまうのは俺だけだろうか。そうだ。俺だけだろう。別の角度から見れば2という数字は、ひらがなの”て”に見える。どうでもいい。なぞなぞにでも使うといいだろう。
スライム狩りは続いた。戦闘に慣れる為に、経験値を稼ぐ為に、己の為に……
現段階での俺の目標は、この世界で何不自由なく生活できるようになるという事だ。異世界転生前は、養ってもらっていたのだけれども……高校生だから仕方あるまい。社会の仕組みというやつだ。
社会のルールに守られていたのだけれでも、その偉大なる加護は、転生と同時に効力を失った。もしかすると、異世界転生前の方が、強かったのではないのかと思ってしまった。
月が替わればお小遣いを貰い、高校生なのにバイトもせずに、誕生日が来ればプレゼントを貰い、高校生なのにゲーム機を、聖なる夜にはプレゼントを貰い、高校生だけれども、お正月が来ればポチ袋を貰い、高校生は貰ってもいいだろう。
自立できていない、おんぶに抱っこであったのである。
しかし、異世界転生してしまった今、一刻も早く自立する事が必要だと感じている。ここには他人しか存在しないのだから。赤の他人しか存在しないのだから、一刻も早く自立しなければならないのである。
カルさんは別として。
「スライム5匹倒しましたよ。これで晴れて初級冒険者の仲間入りですかね」
「たわけ、スライム5匹程度で冒険者を名乗っていいと思っているのか? ラルフを狩る事が出来れば認めてやらんでもないが」
四足歩行の魔物という情報しかない三文字。ラルフ。四足歩行とは、どの四足歩行を指すのだろうか? 大まかに、ゴリラタイプ・犬タイプの2種類と考えている。この場合、厄介なのはゴリラタイプともいえる。体力が半分になったところで二足歩行モードになり体力全回復というモンスターを俺は知っている。ゲームの話である。
「ラルフってどんな感じなんですか」
「ほれ、あれがラルフだ」
ネズミのような顔立ちに、オオカミのような野性的な毛並みと尻尾。そうか、ラットとウルフでラルフなのか。納得してしまった。しかし、見れば見るほど気持ち悪い見た目である。せめて、顔がオオカミであればとも考えたのだけれどもそれはそれで気持ちがわるい。混ぜるな危険とはこのことなのだろう。
「気持ち悪いですね」
「そうか? 愛らしいとは思わぬか」
「いえ、全く」
「私は、愛らしいと思うのだがな。とりあえず、倒し方を見せてやる」
カルさんは例の如く、唐突に走り始め、ずばっと一太刀浴びせどや顔でこちらを眺める。
「このようにだな……」
「全く説明になってないですから、それに、愛らしいは何処へ行ってしまったんですか」
カルさんには虚言癖があるのかもしれないと俺は思った。
現在のレベルは3である。レベルを上げてもステータスは上昇しないが、レベル=ステータスという公式を当てはめる事は可能である。つまり、3レベル分の強さは保証されているという事になるのだ。3レベルあれば勝てる相手なのかどうかは知らない。カルさんがゴーサインを出したのだから勝てるという事だろう。
「自己暗示で既にステータスは上昇している。この勢いのままやってやりますよ」
「そうか、それでは狩ってみろ」
カルさんの声の表情から察するに、出来るモノならやってみろというニュアンスを感じた。もしかしたら、レベル3で相手にするには無謀なのかもしれない。
「ちょっとタイム」
「どうした? またビビっているのか」
「一旦、深呼吸させて下さい」
「深呼吸か、ラマーズ法じゃなくて大丈夫なのか」
「それは、忘れて下さい。あの時は少しテンパっていただけですよ。今は冷静ですから」
「そうか、つまらないの」
本当につまらなそうだった。俺にボケを求めるな。どちらかというと俺は、ツッコミだ。
気を取り直して、ラルフを直視する。どんな戦術で行けばいいのか皆無である。腰に携えてあるショートソードをとりあえず抜き取り攻略法を模索する。
徐々に距離を詰めていく。攻略法なんて、1つも思いつかないままラルフにこちらを認識されてしまった。しまった。焦り。とりあえずは、考えていた対処方法が全て吹き飛んでしまった。緊張とは恐ろしいモノである。記憶とは脆いもので、こういった緊張する場面において全くと言っていいほど頼りにならない。
受験勉強の時に、いつもは解けていたはずの問題が解けないなんて事があった。今まさにそれと同じことが起こっているのだ。
闘争逃走反応。なんて面白い響きなのだろうか。この、闘争逃走反応によって火事場の馬鹿力というモノを発揮する事が出来る。闘うのか、逃げるのか、俺は前者を選択している。
ラルフも同じく前者を選択したようだった。先制攻撃されたのは俺だった。
噛みつかれそうになったところをショートソードで凌いだ。ラルフは攻撃からのしなやかな切り返し、そして再び飛びつく身のこなし。到底、俺には倒せる相手でないことを悟ってしまった。
ラルフに飛びつかれ、地面へと倒れ込んでしまった。ショートソードをかじりながら器用に押し倒すラルフは、魔物ながら賢いなと感心してしまった。
ラルフの武器は、牙だけではない。爪も立派な武器として機能しているのだ。つまり、牙と両前足の爪が武器であるのだ。言ってみれば、三刀流みたいなものである。まさか、三千世界なんて大技繰り出さねぇよな……なんて思ってみたり。
爪が肩に刺さる。激痛のあまり一瞬白目をむきかけた。左肩がやられた。カルさんは平然とその姿を見ている。草原にいる低レベルのモンスターに殺されそうな俺の姿を、ただ平然と風景を見るように眺めている。
「痛ってぇーーーー。ふざけんなよ。お前みたいな低レベルモンスターにやられるヨザクラではないぞ」
更に右肩に爪が刺さる。
叫んだ。叫ぶことしか出来なかった。次の瞬間、首をあんぐりといかれた気がした。
目の前が真っ暗になった。初級冒険者にもれず異世界生活を謳歌する事は出来なかった。転生したらチート級に強いとか……あれはフィクションだ。実際はこんなもんである。
真っ暗なこの空間。何もないこの空間。無。俺がいつ死神のノートに名前を書いたっていうのだろうか。
コンコン。
確かに、聞こえた。ノックオンだ。因みに2回はトイレを意味する。職員室を尋ねる時は、3回ノックと教わった。俺は、悪意を込めて毎回2回ノックだった。
コンコン。
間違いなく聞こえた。もしかして、異世界転生夢オチなんて事が……
「朝だよ。起きてーー」
さよなら。俺の異世界生活。まさかの夢オチだなんて……
「夜桜、私の結界はどうだ? いい気分だったか」
眩しい太陽とカルさんがそこにはいた。
「あれ、俺の異世界生活夢オチじゃないんですか」
「何が、夢オチじゃ。この結界はな、お前の体力が限りなく0に近づいた時に発動するように私が細工したものなのだよ」
「はい?」
「いいから早く出て来い」
俺は謎の青黒い箱の中から出た。外観はどう見ても棺桶だった。蓋があるし、蓋に十字架ついてるし、形がいかにもそれだった。どちらかと言えば、ヴァンパイアなんかが出てきそうな見た目だった。
「この結界は、私しか開ける事が出来ないのだ」
どや顔で言われても。
「この結界の中にいる時は、安心安全だから心配する事は無いぞ。それに傷も完治するしな」
「確かに、肩も怪我していない。傷痕も無い。でも、内側からは開けられないんですか」
「そうだが、問題でもあるか?」
大ありだ。カルさんしか開けられないって。最早呪いではないか。
「もし、仮に俺がこの先一人で冒険していてモンスターに瀕死状態にさせられこの箱に閉じ込められたらどうすればいいんですか」
「私を待て」
「やっぱり、呪いだ」
「呪い呼ばわりするな。直ぐに駆けつけてやるぞ」
「もし、あの箱の中に閉じ込められてる時に、カルさんが死んだら永遠に閉じ込められたままってことですよね」
「そんな訳あるか、私が死ねば箱は消える。夜桜は消えないから安心しろ」
「とりあえず、納得するとしましょう」
「ともあれ、お前はまだまだ経験を積む必要があるな」
「そうみたいですね」
カルさんは、ステータスを上げる必要があるとは言わなかった。経験を積む必要があると言ったのだ。何だかよく分からない呪いのようなものに掛けられたけれども、俺は異世界生活が楽しくなっていた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
チート魔力はお金のために使うもの~守銭奴転移を果たした俺にはチートな仲間が集まるらしい~
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる