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第5部 不自然な表現・誤字脱字
1 不自然な用語・用法
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なろう小説では、誤字脱字や不自然な表現が頻繁に登場する。そこで、一般的に頻出するものについて列挙してみた。分類については、不自然な用語・用法については、文法・語法・誤字脱字等の間違いはないものの、リアリティの観点から不自然に思われるものを挙げたが、それ以外のものについては誤字とも誤用とも文法・語法上の間違いともいえるため、判然と分類することは困難であった。
1 不自然な用語・用法
「王都」
都市名を考えていない場合はもちろん、都市名があり、しかも複数の王国が登場しているにもかかわらず、主人公から現地人までが都市名ではなく「王都」と呼ぶ。「俺は◯◯王国の王都から△△王国の王都に行くんだ」というような発言が当たり前になされている。日本で「アメリカ合衆国の首都から中華人民共和国の首都に行くんだ」などと友達としゃべっている奴がいたら違和感を感じるはずである。
中世ヨーロッパ風異世界ファンタジーだし、「王都」というと何だかロイヤルな感じを出せるような気がするのかもしれないし、あるいはカタカナ名を覚えきれない読者への配慮なのかもしれないが、東京をいちいち「首都」とか「帝都」と呼ぶ日本人が一体どれだけいるのか、作者は想像したことはないのだろうか。
「王国」「帝国」
王都同様、国名ではなく「王国」とか「帝国」と呼ぶ。帝国は悪のイメージを持たせられていることがほとんど。
現国王の名「〇〇1世」
「1世」を付けるのは、当該国王の後代に同名の国王が即位した時点以降。それより前であれば付けない。なぜなら、同名の国王を区別するために付すものだからである。
「◯◯第△王女殿下」
生まれ順まで付けて呼び掛ける。
「商業都市」「港湾都市〇〇」
具体的な都市名を設定していても、主人公から現地人までがこのような説明的な語を付して「港湾都市〇〇」などと当該土地を指称する。おそらく、いろいろなカタカナ名が登場するために読者の記憶(もしかしたら作者の記憶も)を補助するためにこのような説明を毎回付しているのかもしれないが、地の文でならともかく会話文内では付けるべきではない。
怠惰な作者は、具体的な都市名を設定せず、一貫して「商業都市」などと現地人に言わせる。
「〇〇の魔物」
例えば「狼の魔物」とか「猪の魔物」というような名前の魔物を登場させる作品があり、生粋異世界人にまでもこのような呼び方をさせる。このような説明的な呼び方はかなり不自然であり、現地人の間では何らかの固有名詞(「魔狼」とか「マモノオオカミ」とか「デビルウルフ」とか「デビルフ」でも何でもよいが)が付けられて普及しているはずである。これは明らかに作者の怠慢である。
「◯爵家の次男」
後述。
「王家の直系」
後述。
「◯爵家の長男」
後述。
異邦人
異邦人は、外国人という意味だが、なろう界隈では異世界人の意味で用いられる。確かに異世界人も外国人ではあるだろうが、異世界人であることを強く念頭に置いた文脈で、あるいは異世界人という意味で、わざわざ異邦人の語を用いるのは不自然であろう。
「だろう」とか現在形の乱用
「だろう」は推測ないし弱めの断定を意味する助動詞であるが、作者が語呂というか言葉のリズムを重視しすぎたためか、語り部の記憶又は自覚に照らして明らかであるはずの事柄についてまで「だろう」と書かれている。同様に、大過去の対象となる事柄、すなわち直近の過去のように語調のため現在形を用いるのもありな時点のことではなく、絶対的に「~した」などで記されるべき時点のことも現在形にしていることがある。
「屠る」
なろう界隈以外の作品や日常語では滅多に用いられない言葉。「屠る」を辞書で引くと、打ち負かすとか、切り裂くとか、打ち滅ぼすとかいう意味だとされているが、これらの言葉は、逆になろう界隈ではあまり用いられない。
「嗤う」
なろう界隈以外の現代的作品や日常語では滅多に用いられない言葉。古めかしい作品ではたまにあるかもしれないが。「屠る」もそうだが、日常的に用いられない言葉を使うことで、文学的価値を付加しようという心づもりなのかもしれないが、屠ると嗤う以外の言葉の使い方が間違っていたりするのだから、オウム返しをしているだけで、これらの言葉の意味もわかっていないのかもしれない。
ジョブとしての「勇者」「英雄」
勇者とか英雄というのは功績に対する評価であって、何もしていない段階で言われるのはおかしい。
「詠唱短縮」
詠唱破棄の項にも関連するが、魔法を発動するための呪文を短縮して詠唱することを「詠唱短縮」と書く作品が多い。しかし、これも定義とネーミングがミスマッチしている。というのは、詠唱短縮は、文理上は、詠唱行為を短縮するということであって、つまり、呪文を短くするのではなく元のままで、例えば詠唱する際に長音を長く伸ばしたり間を空けたりするようなところを短縮するような行為を意味する。呪文自体を短くするのであれば呪文短縮とか短縮呪文というべきである。
くだけた口語「ている」「ていた」
文章語やくだけていない場面では、「ている」「ていた」とするのは当然だが、くだけた口語でそう話す者はほぼいない。国語の授業などで「てる」「てた」と書くなと指導されたことだけが頭に残っている作者、あるいはプライベートな会話をしない作者が分別できなかったのだろう。
1 不自然な用語・用法
「王都」
都市名を考えていない場合はもちろん、都市名があり、しかも複数の王国が登場しているにもかかわらず、主人公から現地人までが都市名ではなく「王都」と呼ぶ。「俺は◯◯王国の王都から△△王国の王都に行くんだ」というような発言が当たり前になされている。日本で「アメリカ合衆国の首都から中華人民共和国の首都に行くんだ」などと友達としゃべっている奴がいたら違和感を感じるはずである。
中世ヨーロッパ風異世界ファンタジーだし、「王都」というと何だかロイヤルな感じを出せるような気がするのかもしれないし、あるいはカタカナ名を覚えきれない読者への配慮なのかもしれないが、東京をいちいち「首都」とか「帝都」と呼ぶ日本人が一体どれだけいるのか、作者は想像したことはないのだろうか。
「王国」「帝国」
王都同様、国名ではなく「王国」とか「帝国」と呼ぶ。帝国は悪のイメージを持たせられていることがほとんど。
現国王の名「〇〇1世」
「1世」を付けるのは、当該国王の後代に同名の国王が即位した時点以降。それより前であれば付けない。なぜなら、同名の国王を区別するために付すものだからである。
「◯◯第△王女殿下」
生まれ順まで付けて呼び掛ける。
「商業都市」「港湾都市〇〇」
具体的な都市名を設定していても、主人公から現地人までがこのような説明的な語を付して「港湾都市〇〇」などと当該土地を指称する。おそらく、いろいろなカタカナ名が登場するために読者の記憶(もしかしたら作者の記憶も)を補助するためにこのような説明を毎回付しているのかもしれないが、地の文でならともかく会話文内では付けるべきではない。
怠惰な作者は、具体的な都市名を設定せず、一貫して「商業都市」などと現地人に言わせる。
「〇〇の魔物」
例えば「狼の魔物」とか「猪の魔物」というような名前の魔物を登場させる作品があり、生粋異世界人にまでもこのような呼び方をさせる。このような説明的な呼び方はかなり不自然であり、現地人の間では何らかの固有名詞(「魔狼」とか「マモノオオカミ」とか「デビルウルフ」とか「デビルフ」でも何でもよいが)が付けられて普及しているはずである。これは明らかに作者の怠慢である。
「◯爵家の次男」
後述。
「王家の直系」
後述。
「◯爵家の長男」
後述。
異邦人
異邦人は、外国人という意味だが、なろう界隈では異世界人の意味で用いられる。確かに異世界人も外国人ではあるだろうが、異世界人であることを強く念頭に置いた文脈で、あるいは異世界人という意味で、わざわざ異邦人の語を用いるのは不自然であろう。
「だろう」とか現在形の乱用
「だろう」は推測ないし弱めの断定を意味する助動詞であるが、作者が語呂というか言葉のリズムを重視しすぎたためか、語り部の記憶又は自覚に照らして明らかであるはずの事柄についてまで「だろう」と書かれている。同様に、大過去の対象となる事柄、すなわち直近の過去のように語調のため現在形を用いるのもありな時点のことではなく、絶対的に「~した」などで記されるべき時点のことも現在形にしていることがある。
「屠る」
なろう界隈以外の作品や日常語では滅多に用いられない言葉。「屠る」を辞書で引くと、打ち負かすとか、切り裂くとか、打ち滅ぼすとかいう意味だとされているが、これらの言葉は、逆になろう界隈ではあまり用いられない。
「嗤う」
なろう界隈以外の現代的作品や日常語では滅多に用いられない言葉。古めかしい作品ではたまにあるかもしれないが。「屠る」もそうだが、日常的に用いられない言葉を使うことで、文学的価値を付加しようという心づもりなのかもしれないが、屠ると嗤う以外の言葉の使い方が間違っていたりするのだから、オウム返しをしているだけで、これらの言葉の意味もわかっていないのかもしれない。
ジョブとしての「勇者」「英雄」
勇者とか英雄というのは功績に対する評価であって、何もしていない段階で言われるのはおかしい。
「詠唱短縮」
詠唱破棄の項にも関連するが、魔法を発動するための呪文を短縮して詠唱することを「詠唱短縮」と書く作品が多い。しかし、これも定義とネーミングがミスマッチしている。というのは、詠唱短縮は、文理上は、詠唱行為を短縮するということであって、つまり、呪文を短くするのではなく元のままで、例えば詠唱する際に長音を長く伸ばしたり間を空けたりするようなところを短縮するような行為を意味する。呪文自体を短くするのであれば呪文短縮とか短縮呪文というべきである。
くだけた口語「ている」「ていた」
文章語やくだけていない場面では、「ている」「ていた」とするのは当然だが、くだけた口語でそう話す者はほぼいない。国語の授業などで「てる」「てた」と書くなと指導されたことだけが頭に残っている作者、あるいはプライベートな会話をしない作者が分別できなかったのだろう。
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