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10話

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「え?………」

私は言葉を失った

「大丈夫ですよ、れなさん。ただの風邪です」

優斗は言う。だけど、私は知っていた

「優斗…嘘つかないでよ」

「嘘なんかついてないですよ」

「私は知ってるんだよ………」

「………」

「優斗って………」

「やっぱり、れなさんは知っていましたか」

「うん…」

「ちょっと来てもらっていいですか?」

~外~

「優斗…」

「れなさん…“死ぬ”ってどんな感じなんでしょうか?」

「…」

「想像がつかないからこそ、怖い気持ちが大きいです」

「………うん」

「僕が死んだら………ちゃんと“天国”に行けますかね………」

「………行けるよ………うん…大丈夫」

「…そうですかね」

「うん」





~マンション~

「もう寝てるのか」

優斗は寝ているゆなちゃんに毛布をかけた

「ねぇ…今日泊まっていい?」

「…はい」








~深夜 ~

「…」

「…」

「あの………なんで僕たち一緒のベッドで寝てるんですか?」

「だってベッド1つしかないもん」

「……あ、はい」
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