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11話

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~数日後~

優斗は入院した

私は毎日見舞いに行った

~病院~

「優斗…体は大丈夫?」

「はい…なんとか」

「………」

「………泣かないでください」

「無理だよ………そんなの」

「……」

「……優斗の病気って治らないの…?」

「………治らない………かもしれません…」

「…」











~数時間後~

看護師「調子はどう?」

「今のところは大丈夫です」

看護師「それは良かった」

「………どこも痛くも、なにもないのに……もう少しで死んでしまうんですよね」

看護師「!」

「…」

看護師「心配しなくても大丈夫よ、今、先生たちが必死にあなたのために薬を開発してるわ」

「…」

看護師「だから、余計なことを考えずに、元気になったら何をするかを考えなさい」

看護師「 あの女の子、あなたの彼女さんでしょ?女の子のためにも、死ぬなんて考えるのはいけないはずよ」

「…はい」

看護師は静かに病室を出て行った














「………本当に優しい人だ…あの人は……」

優斗は机に置いてあった本を手に取った

【花図鑑】



「………」











~数時間前~

「あんた暇でしょ?」

「来てはじめに言う言葉がそれですか」

「で、どうなの?」

「………暇です」

「でしょー!?だから私、これ持ってきたの!特別にあんたに貸してあげる!」

「それ私の宝物なのよー?大切に使いなさいよ!」

「………なぜ【花図鑑】なんですか?」

「私が小さい時に、おばあちゃんに買ってもらったんだぁー」

「それ読んでるとすぐに時間が過ぎるの。だから、あんたもこれ読めば、暇を潰せるわよ!」














「せっかく持って来てくれたんだ…読んでみるか」











「へぇ~、花言葉かぁー」

気がつけば、図鑑に載っていた花言葉に夢中になっていた


















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