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アレクサンドル・クロムウェル
帰還とお引越し / 謁見
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近衛の先導で謁見の間に入ると、中央に敷かれた絨毯を挟んだ両側に、役職付きの貴族など、主要な者達が居並んでいた。
俺の手をとり、静々と進むレンの姿に響めきがおこった。
頬を染め、目を潤ませる者、苦し気に胸を押さえる者と反応は様々だが、皆がレンの美しさに、釘付けになっていることに違いはない。
そうだろう。そうだろう。
俺の番は美しかろう。
皆の者、レンの前に這いつくばって
崇め讃えるがいい。
と鼻高々な俺だったが、最初の衝撃から立ち直った誰かが呟いた。
「あの大公の番とは、お可哀想に」
この呟きは、レンの耳にも届いてしまった。
呟きを聞いたレンは、その場でピタリと立ち止まり、声のした方に目を向けた。
そして、眉を顰めるでも、怒りを見せるでもなく、声の主が居た堪れず顔を赤らめて俯くまで、凛とした表情で黙って見つめ続けた。
バツが悪そうにモジモジとする様子を見て、満足したレンは、俺を見上げて花が綻ぶように微笑んだ。
俺の為に怒ってくれたんだな。
俺は幸せ者だ。
妖怪ジジイどもから
俺が、守って見せるからな。
レンの微笑みに新たな響めきが起こったが、今度はグリーンヒルが咳払い一つで響めきを押さえ込んだ。
グリーンヒルは、他人の目の無い所でウィリアムと一緒に居ると、ただの苦労人だが。宰相としては、それなりに恐れられては居るのだ。
玉座の前、階の下で立ち止まると、玉座の皇帝が立ち上がり、階を降りてレンへ片膝を付き首を垂れた。
差し出されたレンの右手を取った皇帝は、手の甲に唇を寄せ、手を取ったまま立ち上がり、レンを玉座へと導いた。
これには貴族達も驚愕を隠さなかったが、この様な場で、皇帝の行いに異を唱える豪の者はいない様だ。
ここまでの演出は、普段のレンなら、恐縮し照れてしまって、絶対にできなかっただろうが、必要だからと昨日のうちに何度か練習をした。
勿論練習相手は俺だ。
ウィリアムには、”絶対に“レンの手に唇を当てるな、レンの手を取った自分の親指に口付けしろ、と脅・・・言い聞かせた。
玉座にレンを座らせ、その右側に皇帝が、左側に俺が立ち、皇帝の斜め後ろにアーノルドが立つ。これで煩い貴族にも、愛し子が至高の存在であると示し、位階に関係無く、レンの立場は、皇帝の上だと認知させことができる。
婚約式と同時に、レンの公爵への叙爵が決定してはいるが、この爵位は俺と同じく、レンの1代限り。今の所、拝領は無く、レンの今後の働き次第で下賜される可能性有りとされている。
アーノルドとロイド様もレンの事を気に入ってくれた。
俺たちが子をもうけたとしても、その子はクロムウェル家を継ぐ事になる為、皇位の継承についても問題はないと話した所、2人とも、そんなことは気にしないと言って、俺の差別主義者に対する決意も含め、全面的に後押しをしてくれる事となった。
ロイド様には、差別主義者への対応について、“図体ばかりで、決断が遅い”と言われてしまった。あまり話したことは無かったが、見た目と違いロイド様は豪胆なお方だった。
今回の謁見での演出も、ロイド様曰く“やるなら徹底的に”と言う事で、祭り上げる、と言ったら語弊があるかもしれないが、レンを後押しするために、国政から完全に手を引いた上皇を除く、皇家全員とグリーンヒルの話し合いで決まったことだ。
「大司教ゼノンを此れへ」
グリーンヒルの声に、入口のドアが開き、大司教ゼノン以下、アガスを含めた司教5名が、顔を伏せたままゾロゾロと進み、階の手前6ミーロの所で立ち止まり、膝をついて首を垂れた。
「帝国の太陽、皇帝陛下にご挨拶申し上げます。また創世神アウラ様の御使、愛し子様に拝謁を賜り、恐悦至極に存じます」
ここでゼノンは一つ決定的な間違いを犯した。その間違いに気づいた貴族達がヒソヒソと囁きあっているが、顔を伏せたままのゼノンには何の事か理解できないだろう。
「面を上げよ」
皇帝の声に顔を上げたゼノンは、玉座に座るレンを見て、ギョッとして固まった。
ゼノンは挨拶の順番を間違えた。
あってはならない失態だ。
我々がここまで徹底的に、レンを遇するとは予想していなかったのだろう、至高の座に着くレンを見上げる顔が強張っている。
皇帝はレンと目を合わせ、一つ頷いた。
「ゼノン。愛し子様のお許しを頂いた、其方の陳情を述べよ」
「・・・許諾を頂き感謝申し上げる。愛し子様には、我らアウラ神に侍る者、全ての望みをお聞き届け願いたい」
と大層な前置きの後に、ゼノンがくどくどと語ったのは、予想通りのくだらない話しだった。
要約すると、愛し子は清廉な神の御使であるから、世俗に塗れる事なく、神の忠実な僕である神官が住まう神殿で共に暮らし、祈りを捧げましょう。と言ったところか?
「もう結構です」
同じ話を繰り返そうとするゼノンを遮ったのは、鈴を振るようなレンの声だった。
「愛し子様には、ご理解いただけましたか?」
まるで子供相手の説法の様な態度だ。
「私はこちらの方に比べて、体は小さいですが、大人です。何度も同じ話しを繰り返さなくとも、仰っていることは理解できます」
「では、我らと共に神殿へいらしていただけますな?」
ゼノンの決めつけた物言いに、俺は喉がなるのを奥歯を噛んで堪え、貴族達からもヒソヒソと不満の声が上がった。
「何故そうなるのかしら?」
「はい?いまご理解いただけたと」
「理解したのは、あなたが何を話しているのかであって、私は、その内容に共感も納得もしていませんよ?」
「それは・・・」
「では、今から私があなたに質問をします。その答えに私が納得出来たら、神殿に行くことを“考えてみても”宜しくてよ?」
「おお。大変ありがたく。何でもご質問ください」
ゼノンは、喜色を浮かべたが、レンは神殿に行くとは一言も言っていない。
行くのを考えると言っただけだ。
レンは、本当にこういう物言いが上手い。
いつもと口調が違うのは、アルケリスの時の様に、演技をいているのだろうな。後は、レンがアルケリスにやった様に、どうゼノンを捌くのかだが・・・。
気だる気な表情に、酷薄な笑みを浮かべている皇帝も、同じ考えのようで、瞳の光が強くなっていた。
「神殿は、武力をお持ちかしら?」
「武力?」
想定外の質問だったのだろう、ゼノンは目を白黒させている。
「私の言葉を理解していますか?」
レンは普通に通じているか、心配だったのだろう。しかし、周りの貴族達は、嘲笑のネタが出来たと喜び、彼方此方で忍び笑いが起こった。
「えぇ、分かりますとも。神殿には神兵が居ります」
「まぁ、そうなんですね?よかった」
ニッコリと微笑うレンに、ポーっと見惚れたゼノンだが、それも束の間、レンが次々に発する質問に顔を歪める事となった。
「では当然、神兵の方々は魔物を倒せますでしょ?」
「魔物・・・ですか?」
ゼノンは、意味が解らないと言いた気だ。
それに対してレンも、“あれ?違うの?”と小首を傾げている。
「ええ、魔物です。武力と仰るなら、魔物を討伐できますわよね?」
「神兵は、神殿や神官の警護が仕事です。神の膝元に侍る者が、魔物の討伐などで穢れるなど許されません。言語道断です」
「そうなんですか?困りましたね・・・」
と頬に手を当てたレンは、いかにも困惑している様に見える。
「何を困る事がありますか?神の僕として当然の事です」
「・・では、神官の方々は、治癒魔法が優れていると聞いています。それを活かして討伐に従軍され、騎士様の治癒にご協力なさっているのですね?」
「ですから、私共は、そのような荒事には一切関わりません」
馬鹿なことを言うな、とレンを呆れたように見るゼノンを、レンはただ静かに見つめ返すのだった。
俺の手をとり、静々と進むレンの姿に響めきがおこった。
頬を染め、目を潤ませる者、苦し気に胸を押さえる者と反応は様々だが、皆がレンの美しさに、釘付けになっていることに違いはない。
そうだろう。そうだろう。
俺の番は美しかろう。
皆の者、レンの前に這いつくばって
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と鼻高々な俺だったが、最初の衝撃から立ち直った誰かが呟いた。
「あの大公の番とは、お可哀想に」
この呟きは、レンの耳にも届いてしまった。
呟きを聞いたレンは、その場でピタリと立ち止まり、声のした方に目を向けた。
そして、眉を顰めるでも、怒りを見せるでもなく、声の主が居た堪れず顔を赤らめて俯くまで、凛とした表情で黙って見つめ続けた。
バツが悪そうにモジモジとする様子を見て、満足したレンは、俺を見上げて花が綻ぶように微笑んだ。
俺の為に怒ってくれたんだな。
俺は幸せ者だ。
妖怪ジジイどもから
俺が、守って見せるからな。
レンの微笑みに新たな響めきが起こったが、今度はグリーンヒルが咳払い一つで響めきを押さえ込んだ。
グリーンヒルは、他人の目の無い所でウィリアムと一緒に居ると、ただの苦労人だが。宰相としては、それなりに恐れられては居るのだ。
玉座の前、階の下で立ち止まると、玉座の皇帝が立ち上がり、階を降りてレンへ片膝を付き首を垂れた。
差し出されたレンの右手を取った皇帝は、手の甲に唇を寄せ、手を取ったまま立ち上がり、レンを玉座へと導いた。
これには貴族達も驚愕を隠さなかったが、この様な場で、皇帝の行いに異を唱える豪の者はいない様だ。
ここまでの演出は、普段のレンなら、恐縮し照れてしまって、絶対にできなかっただろうが、必要だからと昨日のうちに何度か練習をした。
勿論練習相手は俺だ。
ウィリアムには、”絶対に“レンの手に唇を当てるな、レンの手を取った自分の親指に口付けしろ、と脅・・・言い聞かせた。
玉座にレンを座らせ、その右側に皇帝が、左側に俺が立ち、皇帝の斜め後ろにアーノルドが立つ。これで煩い貴族にも、愛し子が至高の存在であると示し、位階に関係無く、レンの立場は、皇帝の上だと認知させことができる。
婚約式と同時に、レンの公爵への叙爵が決定してはいるが、この爵位は俺と同じく、レンの1代限り。今の所、拝領は無く、レンの今後の働き次第で下賜される可能性有りとされている。
アーノルドとロイド様もレンの事を気に入ってくれた。
俺たちが子をもうけたとしても、その子はクロムウェル家を継ぐ事になる為、皇位の継承についても問題はないと話した所、2人とも、そんなことは気にしないと言って、俺の差別主義者に対する決意も含め、全面的に後押しをしてくれる事となった。
ロイド様には、差別主義者への対応について、“図体ばかりで、決断が遅い”と言われてしまった。あまり話したことは無かったが、見た目と違いロイド様は豪胆なお方だった。
今回の謁見での演出も、ロイド様曰く“やるなら徹底的に”と言う事で、祭り上げる、と言ったら語弊があるかもしれないが、レンを後押しするために、国政から完全に手を引いた上皇を除く、皇家全員とグリーンヒルの話し合いで決まったことだ。
「大司教ゼノンを此れへ」
グリーンヒルの声に、入口のドアが開き、大司教ゼノン以下、アガスを含めた司教5名が、顔を伏せたままゾロゾロと進み、階の手前6ミーロの所で立ち止まり、膝をついて首を垂れた。
「帝国の太陽、皇帝陛下にご挨拶申し上げます。また創世神アウラ様の御使、愛し子様に拝謁を賜り、恐悦至極に存じます」
ここでゼノンは一つ決定的な間違いを犯した。その間違いに気づいた貴族達がヒソヒソと囁きあっているが、顔を伏せたままのゼノンには何の事か理解できないだろう。
「面を上げよ」
皇帝の声に顔を上げたゼノンは、玉座に座るレンを見て、ギョッとして固まった。
ゼノンは挨拶の順番を間違えた。
あってはならない失態だ。
我々がここまで徹底的に、レンを遇するとは予想していなかったのだろう、至高の座に着くレンを見上げる顔が強張っている。
皇帝はレンと目を合わせ、一つ頷いた。
「ゼノン。愛し子様のお許しを頂いた、其方の陳情を述べよ」
「・・・許諾を頂き感謝申し上げる。愛し子様には、我らアウラ神に侍る者、全ての望みをお聞き届け願いたい」
と大層な前置きの後に、ゼノンがくどくどと語ったのは、予想通りのくだらない話しだった。
要約すると、愛し子は清廉な神の御使であるから、世俗に塗れる事なく、神の忠実な僕である神官が住まう神殿で共に暮らし、祈りを捧げましょう。と言ったところか?
「もう結構です」
同じ話を繰り返そうとするゼノンを遮ったのは、鈴を振るようなレンの声だった。
「愛し子様には、ご理解いただけましたか?」
まるで子供相手の説法の様な態度だ。
「私はこちらの方に比べて、体は小さいですが、大人です。何度も同じ話しを繰り返さなくとも、仰っていることは理解できます」
「では、我らと共に神殿へいらしていただけますな?」
ゼノンの決めつけた物言いに、俺は喉がなるのを奥歯を噛んで堪え、貴族達からもヒソヒソと不満の声が上がった。
「何故そうなるのかしら?」
「はい?いまご理解いただけたと」
「理解したのは、あなたが何を話しているのかであって、私は、その内容に共感も納得もしていませんよ?」
「それは・・・」
「では、今から私があなたに質問をします。その答えに私が納得出来たら、神殿に行くことを“考えてみても”宜しくてよ?」
「おお。大変ありがたく。何でもご質問ください」
ゼノンは、喜色を浮かべたが、レンは神殿に行くとは一言も言っていない。
行くのを考えると言っただけだ。
レンは、本当にこういう物言いが上手い。
いつもと口調が違うのは、アルケリスの時の様に、演技をいているのだろうな。後は、レンがアルケリスにやった様に、どうゼノンを捌くのかだが・・・。
気だる気な表情に、酷薄な笑みを浮かべている皇帝も、同じ考えのようで、瞳の光が強くなっていた。
「神殿は、武力をお持ちかしら?」
「武力?」
想定外の質問だったのだろう、ゼノンは目を白黒させている。
「私の言葉を理解していますか?」
レンは普通に通じているか、心配だったのだろう。しかし、周りの貴族達は、嘲笑のネタが出来たと喜び、彼方此方で忍び笑いが起こった。
「えぇ、分かりますとも。神殿には神兵が居ります」
「まぁ、そうなんですね?よかった」
ニッコリと微笑うレンに、ポーっと見惚れたゼノンだが、それも束の間、レンが次々に発する質問に顔を歪める事となった。
「では当然、神兵の方々は魔物を倒せますでしょ?」
「魔物・・・ですか?」
ゼノンは、意味が解らないと言いた気だ。
それに対してレンも、“あれ?違うの?”と小首を傾げている。
「ええ、魔物です。武力と仰るなら、魔物を討伐できますわよね?」
「神兵は、神殿や神官の警護が仕事です。神の膝元に侍る者が、魔物の討伐などで穢れるなど許されません。言語道断です」
「そうなんですか?困りましたね・・・」
と頬に手を当てたレンは、いかにも困惑している様に見える。
「何を困る事がありますか?神の僕として当然の事です」
「・・では、神官の方々は、治癒魔法が優れていると聞いています。それを活かして討伐に従軍され、騎士様の治癒にご協力なさっているのですね?」
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