獣人騎士団長の愛は、重くて甘い

こむぎダック

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千年王国

白虎まっしぐら*

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 side・アレク


「せっかく休暇を捥ぎ取って、蜜月を楽しもうと思っていたのにな。レンだってここに来るのを楽しみにしてくれてたじゃないか。それなのに嫌な思いをさせてしまって、申し訳なくてな」

 レンは俺の領に来ることを楽しみにしてくれて居た。俺もここなら、面倒事の全てを忘れ、二人で楽しく過ごせると思っていた。

 それなのに・・・・。

 4人の爺さん達は、事有る毎に、チクチクとレンと俺が番として釣り合わないと言って来る。

 爺さん達は俺が自分を貶める物言いに、無関心を貫いて来た事を知っている。だからこそ、俺の容姿を平気で嘲って来るのだ。
 
 レンを持ち上げ、俺を貶める言い方でだ。

 それは一見レンを褒めているように見えるが、裏を変えせば、俺の番として認めない、と言っているようなもの。

 この爺さん達に、俺の身の振り方に口を出す権利は、微塵もないにも関わらずだ。

 思えば初対面の時からそうだった。

 隣に立つウィリアムを高貴で麗しい坊ちゃんだと持ち上げ、俺の事は不細工でも、騎士として生きるなら、御面相は関係ないと、揶揄って来た。

 傭兵に身を窶してはいたが、騎士として生きて来た者の発言とは思えず、あの時は、俺よりもウィリアムの方が不愉快そうにしていたことを思い出す。

 獣人同士の気安さからだったのだろうか。

 同じ血が流れていても、どれ程の研鑽を積んでも、玉座を望めぬ俺に対する戒めだったのか・・・。

 それとも、辺境に飛ばされては居ても、玉座に近いウィリアムへ、阿っていただけなのだろうか。

 今となっては、どうでもいい事だ。

 しかしそれで、レンが心を痛めているとなれば話は別だ。

 爺さん達が俺の容姿を貶す度、レンは心底怒ってくれて、番として認めないと臭わされる度に、傷付き悲しんでいる。

 こんな思いをさせる為に、ここに連れて来たのではないのに。

 それでもレンは「気にしないで。今だって雪の中に二人っきりなんて、ロマンチックだと思わない?」と優しく微笑んでくれる。

 なんと懐が深く、優しい人なのだろうか。

 この人が俺の番で本当に良かった。

 真っ白な雪の中に二人きり。

 白い雪にくっきりと浮かび上がる黒髪と、熟れた赤い唇のなんと官能的な事か。

 交わした口付けは熱く、甘露の味がする。

 5日も禁欲生活を強いられた、俺の理性が弾け飛ぶまであっという間だった。

 襟から差し入れた手で、まろい胸を揉みしだき。
 乱暴に寛げさせた衣装の下に隠された、雪の様に白い肌。

 寒さに震える赤く淫猥な胸の蕾を口に含めば、番の唇から濡れた鳴き声が零れて来る。

 俺と揃いのズボンの上から、一番感じる処をくりくりと転がすと、フルフルと震える内腿が愛おしくて仕方がない。

 ボタンを外すのももどかしく、下穿きの中に指を滑り込ませると、俺を求め熱く泥濘んだ秘所が迎えてくれた。

 甘い芳香を放つ蜜を指に絡め、熱い泥濘に沈み込ませて、中のふっくらと膨らんだ部分を押し上げ擦りたてた。

 潤んだ瞳を見つめながら、つい意地の悪い事を言ってしまったが、それもレンが可愛すぎるのが悪いんだぞ?

 嗚呼。
 今直ぐに繋がりたい。
 一つになって、溶けあいたい。

 痛いくらいに張り詰めた屹立を取り出そうとした時。

「へっ・・・・へっくちゅっ!」

 ・・・そうだよな。
 こんな雪の中で肌を晒したら、寒いに決まってる。

「・・・・すまん。屋敷に帰ろう」

「うぅ・・ごめんなさい。そうして下さい」

 鼻を啜りながら、申し訳なさそうに俺を見上げる番。

 悪いのは自制の利かなかった俺の方なのに。

 だがこれは、続きをしても良いって事だよな?ならば番がその気でいる内に、迅速に屋敷に帰らねば!

 番の開けたはだけたコートを掻き合わせ、雪を蹴って焚火を消した後は、身体強化を掛けて屋敷に向けてまっしぐらだ。

 屋敷の扉を蹴破る勢いで開け、驚いている使用人を置き去りに、3歩で階段を駆け上がり寝室へ飛び込むと同時に、遮音魔法を掛けた。

 ベットにたどり着く前に、番の衣装を全てはぎ取り、熱く潤んだ番の秘所に我儘な俺の猛りをねじ込んだ。

「やぁっ!! おなか苦しい!」

 でも本当は嫌じゃないって事を、俺は知っている。

 レンは奥を擦られるのが好きだ。
 そして立位だとレンのより深い所をあばくことが出来る。

 首に縋り付く番の体をガツガツと突き上げ、合間に俺の張り出した先端で最奥をぐりぐりと擦り立てると、番の肌は淫らな緋色に染まっていく。

 よがり乱れて、突き出された赤い蕾を口に含んで、舐め転がし強く吸い上げた。

「やだぁ・・・こわい・・・とけちゃう」

 なんて可愛い事を言うんだ。
 もっと。もっとだ。
 もっと深く。
 溶けて混ざって、一つに・・・・!


 ・・・・とっぷりと日も暮れて、ベットの上でクッタリと手足を放り出した番を抱いて、風呂に入り、今更ながらレンの秘所にそれ用の軟膏を塗り込んだ。

 両手で顔を隠して恥じらう姿が可愛くて、必要以上に塗ってしまったが、少なくて効果が無いよりは良いだろうと思う。

 風呂から出ると、セルジュが食事の用意をしてくれて居た。

 手足に力が入らずクタリとしているレンに、何故かセルジュは痛ましそうな視線を向けて来たが、特に文句をいう事も無く静かに部屋から出て行った。

 俺がレンを可愛がると、何故他の奴らは、レンを痛ましげに見たり心配したりするのだ?

 ベットの上では俺にしか見せない姿で、乱れ喜んでくれているのだぞ?

 それに最近は、やっとおねだりをしてくれるようになったのだからな。この美しい人の、恥じらいながらのおねだりの攻撃力を、お前達は知らんだろう?

 いや俺以外の人間が、あの破壊力を知る必要はない。

 この人は俺の、俺だけのものだ。

 美しく聡明で、ベットの上では蠱惑的で、淫靡に乱れる姿が可愛い、俺だけの番。

 事後の疲れでボーっとしながら、俺が差し出した物を一生懸命食べる姿も可愛い。

 もきゅもきゅ動く小さい口を、俺が食べてしまいたい!

 俺は心からレンを愛いているし、それはレンも同じだと俺は信じている。

 ・・・・・番であるという事は、他人に認めて貰う事では無い。

 番を求め焦がれる想いは、欠けてしまった魂の片割れを、渇望するに等しいと俺は感じている。

 そして分かれてしまった魂が、混ざり合い溶けあう事で、一つの完成された魂になるのではないか?
 
 その事に、他人が関与出来る事など何一つない。
 
 それをあの4人は、何故執拗に口を出し、認めようとしないのか、まったくもって理解出来ん。

 あの4人を完成したばかりのこの屋敷に迎えた頃は、ここ迄してもらう必要はない。と恐縮していた。

 それがいつの間にか、屋敷に住まう事を当然の権利と思うようになり、留守がちな俺に対し、自分達は命の恩人なのだと、恩を着せるような言動を取り始めた。

 何が彼等を意固地にさせているのだろう。

 食事を済ませると、レンは俺に寄り掛かり、義孝の記した本を読んでいたが、暫くすると、何度か欠伸をかみ殺していた。

 遠出の疲れが出たのだと思う。
 俺も散々可愛がった事でもあるし、眠くなっても仕方がない。

 寝支度を済ませ、ベットに潜り込んだ番は、俺にぴったりとくっ付いて直ぐに寝息を立て始めた。

 このまま軟らかい体を抱いて、朝まで一緒に眠りたい衝動にかられたが、昼間の爺さん2人の言動や、これまでの4人の様子から、今後の処遇や処罰の相談を、イワン達としなければ成らない。

 体の一部と言っても良い程、腕の中にぴったりと納まった番から、身を剥がすのは、後ろ髪を引かれる思いだった。

愛しい番の額にキスを落とした俺は、スヤスヤと眠る番を起こさぬ様、そっとベットから抜け出したのだった。
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