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第1章 始まりの創造主
#6 創造主、連れ帰る
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ダイアの案内で予め確認していた鉱脈へと向かう。
「あの…ミズキ、本当にこの先にミズキの欲しい物があるん?」
「ああ、実はこの星の鍛冶屋と勝負することになってしまってさ。その為に鉱石が必要なんだが、それを買う程のお金もない。それでここに目をつけたんだ」
だが途中でダイアがボクの前に立ち、両手を広げて立ち塞がった。
「どうした?」
「あ、あかん、ここから先はあかん」
いやいやと首を振るダイア。何事かと体を乗り出し、その先にある物を確認する。
「あ、あかんって!」
「何をそんなに慌ててるんだ。お、あったあった」
そのには大量の鉄鉱石が山のように積み上げられていた。見たところ良質なものばかりだ。
事前にフェリスに聞いていた鉄鉱石の値段から換算すると、これだけの資源があれば白金貨500枚に相当しそうだ。
ボクは鉄鉱石を一掴みし、純度を調べる。ボクが創造する鉄鉱石が100点だとしたら、リュアラの街で見たミィの鉄に使われていた鉄鉱石は凡そ40~50。だがこの鉄鉱石は80点以上をつけてもよい程の純度だ。
「うむ、これは良いものだ」
この鉄鉱石の山を全て持ち帰る事は出来ないが、可能な限り持って行こう。
運び出しを手伝ってもらおうとダイアに声をかけようと振り返ると、当のダイアはうずくまって悶絶していた。
「こんな恥ずかしい事されるやなんて…もうお嫁にいかれへん…」
お前は女だったのか。
いや、髪の長さからもしやとは思っていたが、全身が石でできたストン人に性別があるとは思わなかった。
それよりも、なぜそんな苦悶の表情を浮かべているのだろうか。その答えはこの後に続くダイアの言葉で判明する。
「ミズキは変態やぁ…ウチの排泄物を…そないに撫でくりまわして…」
「………はい?」
ボクは思わず手の中にある鉄鉱石を見下し、そして鉄鉱石の山を見上げる。言われてみれば、手頃なサイズの大きさの鉄鉱石がこれだけ積まれているのは不自然だ。
排泄物…排泄物か。
しかし鉱石として良質なのも確かなのだ。ボクは立ち上がってダイアの傍に歩み寄り、優しく肩に手を置く。
「頼む、キミの排泄物をボクにくれ」
◆◇◆◇
ボクは頰に赤い紅葉を残した状態でダイアの排泄物もとい鉄鉱石を石でできた荷車に乗せる。
ダイアはストン人としてはまだ少女だ。そんな彼女にあの発言は不適切だったかもしれない。彼女のビンタは痛かった。
あれからストン人の生態を創造主のデータ画面から調べた。ストン人は土や石を主食として体内に取り込み栄養とする。そして体質にもよるが、良質な鉱石とて排出される場合もあると記されていた。体質によって銅や鉄鉱石、中には金やダイヤモンドを排出する可能性も示唆されていた。ダイアの場合は鉄鉱石だったのだろう。
「ダイア、キミはずっとここに隠れ住むつもりか?」
荷造りを済ませ、リュアラの街に戻る前にそう訊ねる。
「仕方ないやん…ウチみたいな生き物なんて、恐がらせるだけやし…」
「でもこの世界には亜人もいるし、少し珍しい人種程度で収まる気はするんだがな…」
一度千里眼で確認した事はあるが、人間が生息している土地は星からしたらほんの一部だ。その生活圏外では様々な生命体が存在している。確認されていない人種がいてもおかしくないだろう。しかしそれでもダイアは不安そうに俯いている。
「そないな事言うても…ミズキは同じような姿やからそんな事言えるんや。ウチなんて絶対討伐されるんや…無責任な事言わんでよ…」
「もしそんな事になったらボクが守ってやるよ」
「………へ?」
「それにいつまでも一人きりというのは辛いだろう? もし本当に嫌でなければ、一緒に来ないか?」
長い時間ひとりきりというのは、とても孤独なのだ。ダイアは100年程だろうか。自分は100億年近くひとりだった。このゲームに囚われる前は、ひとりでいる事は苦ではなかった。逆に好んでいたように思う。しかし10年も経つと人恋しくなる。今は長い年月を経て人との交流が出来ているが、同じように一人ぼっちになっているダリアの姿を見過ごしたくない。
ボクはダイアに手を差し伸べた。ダイアはボクのその手と顔を交互に見て迷っているようだ。
「…ミズキは本当に変わった人やなぁ。そんなら、少しだけ信用するわ…」
そう言ってボクの手に自分の手を添えてくれた。
◆◇◆◇
急にウチの住処にやっていたミズキという人間はとても変わっていた。ストン人は生まれながらの魔力もちが多く、ストン星にも精霊が存在していたのでこちらの精霊を使役することは容易かった。
この山は全てウチの領域。誰かが足を踏み入れれば直ぐに分かる。今回はたったひとりだったから、てっきり迷い人かと思うた。でも吹雪も毒もその人間には通用しなかったんや。
それに精霊への使役の上書きって何やそれ! ウチは思わず慌てて転げ回ってもうた。いかんいかん。このままやとあの人間がここまで辿り着いてまう。こうなったらストン人の特殊能力解放や。ストン人は石を体に取り込む事でどこまでも大きくなり、姿を変える事ができる。この姿やと威圧に難ありやし、カッコええドラゴンになって登場する事にしよ。
でも誤算やった。
人間はこの姿を見てもビビるどころか、信じられないくらいの魔力を放出したんや。それはウチの魔力の100倍…いや、1000倍以上や。ウチは思わずツッコミを入れてしもうた。
そんな規格外でウチの星の事も知っとったミズキと、今は一緒におる。ミズキは吹雪く山に向かってこれまた信じられない量の魔力を放出した。やるならやるて言うて欲しい。そないな巨大な魔力を真近で放たれると、思わず腰が抜けそうになる。
「今何をしたんや?」
「ダイアがここから離れるから、一応人避けの魔法をかけておいたんだ。ダイアのように毒をかけるような事はしないが、この山に近付くと濃い霧が発生して追い返すようにした。これには人の方向感覚を狂わせる魔法も含まれていて、知らぬ間に麓に逆戻りって寸法さ」
「…簡単に言うけど、ミズキはおかしなことしてるって自覚した方がええと思う」
人が立ち入った時に発生するという条件つきの魔法。条件つき遅延魔法という概念はストン星にもあるにはある。やけどそれを実現させるにはとても複雑な魔力式を展開しないといけない。莫大な魔力もちであるのは大前提や。
それを難なく行うミズキの正体は一体何なんやろうか。
そしてリュアラの街というところへもミズキの魔法で一瞬で到着した。
「行きは風の精霊に頼んで飛んできたが、時間がかかるのが難点だったな。今回は違う方法で帰るか」
そう言ったミズキは魔力を目の前の空間に流し、円を描く。すると空間が歪み、見える景色が変化した。円よりも外は麓の景色。でも円より内側には街の景観が映し出されている。
「ふむ、空間移動をイメージしたが、上手くいったようだ」
「もうウチは驚かんからな!」
もう目の前の人物を推し量る事は諦めた。いちいち驚かされていたら体が保たへん。
◆◇◆◇
既に深夜であったが、冒険者ギルドにはフェリスが残って仕事をこなしていた。ダイアの姿を見て驚いてはいたが、仲間であることを伝え、ダリアから礼儀正しい挨拶を受けるとフェリスの警戒も薄れ、普通に対応してくれた。この時間でも鍛冶場を使えるか確認すると、問題ないようだ。
フェリスに案内された鍛冶場は冒険者ギルドの地下1階にあった。そこにも受付があり、レビィという小さな女性が担当していた。
「彼女はドワーフのレビィ。鍛冶の知識もありますから、分からない事があったら何でも聞いてください」
「ハァイ、アンタが噂の新人冒険者だね。こんな夜更けにもご苦労なことさね。鍛冶の経験はあるのかい?」
「いや、何も知らない。なので簡単な説明をしてもらえると助かるのだが…」
「それじゃここの1日使用料とレクチャー代として銀貨で6枚だよ」
レビィから言われた料金を支払い、徐々に減ってきた所持金に心許なさを感じてしまう。また何かで稼ぐ必要がありそうだ。
「フェリス、ここは私の担当だ。あんたは戻って自分の仕事をしな」
「う…わ、分かりましたよぉ。それではミズキさん、頑張って下さいね」
フェリスは残念そうな表情を浮かべ、足取り重く戻っていった。そしてボクはレビィから簡単なレクチャーを受ける。ここは簡易だが個室が設けられており、それは日本のカラオケルームを連想させる。
「鉱石も受付で販売してる。もし材料が無いようだったら買いにおいでよ」
「助かります」
レビィはボクらを個室に案内し、それだけ言い残して受付に戻っていった。レビィは最後までダイアを気にしていたが…。
鉱石は潤沢だ。しかし正直、素人が一朝一夕で剣を作れるとは思わない。完成に至ったとしてもそれは粗が目立つ粗悪品だ。ボクとミィとでは鍛冶のレベルが違いすぎるのだ。誰でも分かっている事だが、最初から勝負になっていない。レビィからレクチャーは受けたが、話を聞いて更に敗色が濃厚になった。だからといって勝負に負けてミィの子分になるのは勘弁してもらいたい。
ボクが炉をじっと眺めていると、ダイアはボクの前に躍り出て嬉しそうに「ミズキにも心配な事あるんやな」と笑った。
お前はボクを何だと思っているんだ。
「この鍛冶場で剣を作るんやな? それじゃウチが手伝ったるわ」
ダイアはそう言うと体の一部を切り離し、その一部がどんどんと姿を変えていく。僅か数秒で鍛冶用のハンマーが出来上がった。
「この距離ならそのハンマーにもウチの意思が届く。ウチが手取り足取り教えたるから、安心しぃ!」
ストン人にとって、鉱石の扱いは人が空気を吸うレベルの容易さだとデータには記載されていた。ボクはダイアからの指導を受けながら剣作りを開始した。
「あの…ミズキ、本当にこの先にミズキの欲しい物があるん?」
「ああ、実はこの星の鍛冶屋と勝負することになってしまってさ。その為に鉱石が必要なんだが、それを買う程のお金もない。それでここに目をつけたんだ」
だが途中でダイアがボクの前に立ち、両手を広げて立ち塞がった。
「どうした?」
「あ、あかん、ここから先はあかん」
いやいやと首を振るダイア。何事かと体を乗り出し、その先にある物を確認する。
「あ、あかんって!」
「何をそんなに慌ててるんだ。お、あったあった」
そのには大量の鉄鉱石が山のように積み上げられていた。見たところ良質なものばかりだ。
事前にフェリスに聞いていた鉄鉱石の値段から換算すると、これだけの資源があれば白金貨500枚に相当しそうだ。
ボクは鉄鉱石を一掴みし、純度を調べる。ボクが創造する鉄鉱石が100点だとしたら、リュアラの街で見たミィの鉄に使われていた鉄鉱石は凡そ40~50。だがこの鉄鉱石は80点以上をつけてもよい程の純度だ。
「うむ、これは良いものだ」
この鉄鉱石の山を全て持ち帰る事は出来ないが、可能な限り持って行こう。
運び出しを手伝ってもらおうとダイアに声をかけようと振り返ると、当のダイアはうずくまって悶絶していた。
「こんな恥ずかしい事されるやなんて…もうお嫁にいかれへん…」
お前は女だったのか。
いや、髪の長さからもしやとは思っていたが、全身が石でできたストン人に性別があるとは思わなかった。
それよりも、なぜそんな苦悶の表情を浮かべているのだろうか。その答えはこの後に続くダイアの言葉で判明する。
「ミズキは変態やぁ…ウチの排泄物を…そないに撫でくりまわして…」
「………はい?」
ボクは思わず手の中にある鉄鉱石を見下し、そして鉄鉱石の山を見上げる。言われてみれば、手頃なサイズの大きさの鉄鉱石がこれだけ積まれているのは不自然だ。
排泄物…排泄物か。
しかし鉱石として良質なのも確かなのだ。ボクは立ち上がってダイアの傍に歩み寄り、優しく肩に手を置く。
「頼む、キミの排泄物をボクにくれ」
◆◇◆◇
ボクは頰に赤い紅葉を残した状態でダイアの排泄物もとい鉄鉱石を石でできた荷車に乗せる。
ダイアはストン人としてはまだ少女だ。そんな彼女にあの発言は不適切だったかもしれない。彼女のビンタは痛かった。
あれからストン人の生態を創造主のデータ画面から調べた。ストン人は土や石を主食として体内に取り込み栄養とする。そして体質にもよるが、良質な鉱石とて排出される場合もあると記されていた。体質によって銅や鉄鉱石、中には金やダイヤモンドを排出する可能性も示唆されていた。ダイアの場合は鉄鉱石だったのだろう。
「ダイア、キミはずっとここに隠れ住むつもりか?」
荷造りを済ませ、リュアラの街に戻る前にそう訊ねる。
「仕方ないやん…ウチみたいな生き物なんて、恐がらせるだけやし…」
「でもこの世界には亜人もいるし、少し珍しい人種程度で収まる気はするんだがな…」
一度千里眼で確認した事はあるが、人間が生息している土地は星からしたらほんの一部だ。その生活圏外では様々な生命体が存在している。確認されていない人種がいてもおかしくないだろう。しかしそれでもダイアは不安そうに俯いている。
「そないな事言うても…ミズキは同じような姿やからそんな事言えるんや。ウチなんて絶対討伐されるんや…無責任な事言わんでよ…」
「もしそんな事になったらボクが守ってやるよ」
「………へ?」
「それにいつまでも一人きりというのは辛いだろう? もし本当に嫌でなければ、一緒に来ないか?」
長い時間ひとりきりというのは、とても孤独なのだ。ダイアは100年程だろうか。自分は100億年近くひとりだった。このゲームに囚われる前は、ひとりでいる事は苦ではなかった。逆に好んでいたように思う。しかし10年も経つと人恋しくなる。今は長い年月を経て人との交流が出来ているが、同じように一人ぼっちになっているダリアの姿を見過ごしたくない。
ボクはダイアに手を差し伸べた。ダイアはボクのその手と顔を交互に見て迷っているようだ。
「…ミズキは本当に変わった人やなぁ。そんなら、少しだけ信用するわ…」
そう言ってボクの手に自分の手を添えてくれた。
◆◇◆◇
急にウチの住処にやっていたミズキという人間はとても変わっていた。ストン人は生まれながらの魔力もちが多く、ストン星にも精霊が存在していたのでこちらの精霊を使役することは容易かった。
この山は全てウチの領域。誰かが足を踏み入れれば直ぐに分かる。今回はたったひとりだったから、てっきり迷い人かと思うた。でも吹雪も毒もその人間には通用しなかったんや。
それに精霊への使役の上書きって何やそれ! ウチは思わず慌てて転げ回ってもうた。いかんいかん。このままやとあの人間がここまで辿り着いてまう。こうなったらストン人の特殊能力解放や。ストン人は石を体に取り込む事でどこまでも大きくなり、姿を変える事ができる。この姿やと威圧に難ありやし、カッコええドラゴンになって登場する事にしよ。
でも誤算やった。
人間はこの姿を見てもビビるどころか、信じられないくらいの魔力を放出したんや。それはウチの魔力の100倍…いや、1000倍以上や。ウチは思わずツッコミを入れてしもうた。
そんな規格外でウチの星の事も知っとったミズキと、今は一緒におる。ミズキは吹雪く山に向かってこれまた信じられない量の魔力を放出した。やるならやるて言うて欲しい。そないな巨大な魔力を真近で放たれると、思わず腰が抜けそうになる。
「今何をしたんや?」
「ダイアがここから離れるから、一応人避けの魔法をかけておいたんだ。ダイアのように毒をかけるような事はしないが、この山に近付くと濃い霧が発生して追い返すようにした。これには人の方向感覚を狂わせる魔法も含まれていて、知らぬ間に麓に逆戻りって寸法さ」
「…簡単に言うけど、ミズキはおかしなことしてるって自覚した方がええと思う」
人が立ち入った時に発生するという条件つきの魔法。条件つき遅延魔法という概念はストン星にもあるにはある。やけどそれを実現させるにはとても複雑な魔力式を展開しないといけない。莫大な魔力もちであるのは大前提や。
それを難なく行うミズキの正体は一体何なんやろうか。
そしてリュアラの街というところへもミズキの魔法で一瞬で到着した。
「行きは風の精霊に頼んで飛んできたが、時間がかかるのが難点だったな。今回は違う方法で帰るか」
そう言ったミズキは魔力を目の前の空間に流し、円を描く。すると空間が歪み、見える景色が変化した。円よりも外は麓の景色。でも円より内側には街の景観が映し出されている。
「ふむ、空間移動をイメージしたが、上手くいったようだ」
「もうウチは驚かんからな!」
もう目の前の人物を推し量る事は諦めた。いちいち驚かされていたら体が保たへん。
◆◇◆◇
既に深夜であったが、冒険者ギルドにはフェリスが残って仕事をこなしていた。ダイアの姿を見て驚いてはいたが、仲間であることを伝え、ダリアから礼儀正しい挨拶を受けるとフェリスの警戒も薄れ、普通に対応してくれた。この時間でも鍛冶場を使えるか確認すると、問題ないようだ。
フェリスに案内された鍛冶場は冒険者ギルドの地下1階にあった。そこにも受付があり、レビィという小さな女性が担当していた。
「彼女はドワーフのレビィ。鍛冶の知識もありますから、分からない事があったら何でも聞いてください」
「ハァイ、アンタが噂の新人冒険者だね。こんな夜更けにもご苦労なことさね。鍛冶の経験はあるのかい?」
「いや、何も知らない。なので簡単な説明をしてもらえると助かるのだが…」
「それじゃここの1日使用料とレクチャー代として銀貨で6枚だよ」
レビィから言われた料金を支払い、徐々に減ってきた所持金に心許なさを感じてしまう。また何かで稼ぐ必要がありそうだ。
「フェリス、ここは私の担当だ。あんたは戻って自分の仕事をしな」
「う…わ、分かりましたよぉ。それではミズキさん、頑張って下さいね」
フェリスは残念そうな表情を浮かべ、足取り重く戻っていった。そしてボクはレビィから簡単なレクチャーを受ける。ここは簡易だが個室が設けられており、それは日本のカラオケルームを連想させる。
「鉱石も受付で販売してる。もし材料が無いようだったら買いにおいでよ」
「助かります」
レビィはボクらを個室に案内し、それだけ言い残して受付に戻っていった。レビィは最後までダイアを気にしていたが…。
鉱石は潤沢だ。しかし正直、素人が一朝一夕で剣を作れるとは思わない。完成に至ったとしてもそれは粗が目立つ粗悪品だ。ボクとミィとでは鍛冶のレベルが違いすぎるのだ。誰でも分かっている事だが、最初から勝負になっていない。レビィからレクチャーは受けたが、話を聞いて更に敗色が濃厚になった。だからといって勝負に負けてミィの子分になるのは勘弁してもらいたい。
ボクが炉をじっと眺めていると、ダイアはボクの前に躍り出て嬉しそうに「ミズキにも心配な事あるんやな」と笑った。
お前はボクを何だと思っているんだ。
「この鍛冶場で剣を作るんやな? それじゃウチが手伝ったるわ」
ダイアはそう言うと体の一部を切り離し、その一部がどんどんと姿を変えていく。僅か数秒で鍛冶用のハンマーが出来上がった。
「この距離ならそのハンマーにもウチの意思が届く。ウチが手取り足取り教えたるから、安心しぃ!」
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