青の嬢王と勿忘草

咲月檸檬

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坂本学園のミスコン女子大生失踪事件。

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私の名前は【松岡咲乃】坂本大学の学生だ。

そして私の親友は失踪して、今だに見つかっていない。

私の父は【松岡月夜】元刑事で有名な探偵だった。

父は刑事の時犯罪者の恨みをかいその犯罪者に母が殺された。

その事件後父は刑事を辞め、探偵になった。

元刑事の勘で次々と事件を解決していたが、ある事件で知り合った政治家の警備をいている最中その政治家の身代わりに撃たれた。

父は今もまだ意識不明の重体だ。

私は犯罪者達のせいで両親との掛買いのない時間を奪われたのだ。



  失踪していた私の親友の【木吉碧】が遺体で見つかった。

彼女が発見されたのは、私達の大学の音楽室。

死因は刃物で複数回刺され、首を切断されていた。

とても酷い殺され方をしている彼女の死を、嘲笑うかの様にピアノの上にある彼女の周りには、勿忘草が散らばっていたという。

犯人は強盗が捕まっている。

誰もが分かる、その強盗は真犯人じゃない。

しかし警察は再捜査はしてくれなかった。



  彼女の死を自宅で悲しんでいると、そこに彼女の兄を名乗る【木吉淏】という男性が現われた。
目を腫らした私に言った。

「真犯人を一緒に探して?」

『なんで私なんですか?』

「君を選んだ理由は3っ、1つ目は君の父親が有名な探偵だと知ったから、2つ目は生前に碧は君は探偵に向いていると言っていたから、3つ目は俺が真犯人は碧の大学にいると思っているからだ。」

え?

真犯人は大学にいるの、、、。

『真犯人の目星はついているんですか?』

「怪しい人物は大学だけで、5人いる、そいつらに話しを聞きたくても俺1人では難しいだろ?」

『私は碧の友人とは仲良く無いのでお役にたてないかと…』

碧の死の真相は知りたいけど、私は事件に関わってお父さんみたいにはなりたくない。

「君はなんで躊躇うの?本当は知りたいんじゃないの?」

『私は父の様にはなりたくないんです。』

「俺はお前のことも父親の事も何も知らない。でもこれだけは約束する絶対お前の事守る、絶対もうそんな目を腫らす様な事無いようにする。だからお前の探偵としての才能を認めた碧の事裏切らないでくれ。」

私は目の前の真実を追う彼の瞳に吸い込まれた。

碧の為に真犯人を捕まえて、真実を追う瞳の下から隈を無くしてあげよう。

『分かりました、協力します。』

「ありがとう。」

私達の操作が始まった。



  次の日、私達は碧の遺留品のスマホをチェックした。

そこには信じられない人間関係があった。

恋人は女含めて3人。

碧の友人グループではいじめがあり。

タクシー扱いしている男の子。

パパ活相手2人。

不倫相手1人。

ホスト2人。

碧の親は大物政治家だと聞いていた。

碧…私の知ってる碧はどこにいったの?

私達はどうしたらいいかわからなくなってきた。

すると淏が口を開いた。

「あいつがどんな事していたとしても、殺していい事にはならないんだ。あいつを殺した真犯人は俺らの手で見つけて、罪を償わせよう。」

『それは分かる。ただ私が知っている碧は、素直じゃない所もあったけど困ってる人を放っておけない、優しい人だったのに。本当は違うんだ、、、。』

「咲乃、俺は見失いたくない。たとえあいつがどんな事をしていても。」

私も、、、

私が知っている碧を見失いたくない。

『分かりました。私も私の知っている碧を見失いたくないです。』

「今日のところは終わりにしよう。明日また集まろう、送るから。」

『はい。ありがとうございます。』



  帰り道を歩いていると、淏さんは私の好きな‘レモンティー’を買ってくれた。

『私がレモンティーが好きだと、碧から聞いたんですか?』

「うん、あいつとは仲が良くていつも色んな話しをしていたんだ。」

『碧もよく私にお兄さんの話をしてくれました。』

「あいつはお喋りだからな。」

私は碧がお兄さんの話を、しているのを思い出した。

碧がお兄さんの話をしていると、いつも最後は

《おにぃは誰かといないと生きて行けないんだよぉ》

『ふふ』

「どうしたの?」

『碧がお兄さんの話をすると必ず最後に言う言葉があるんです、それを思い出したら笑えてきて。』

「そうなんだ。だいたい予想はつくよ。」

『予想?』

「碧はいつも俺に《靴下あっちこっちに置かないで‼︎》て言っていた。碧と俺は2人暮らしをしていたから、家事はほぼ碧に
任せきりだったんだ。」

淏さんは少し笑みを浮かべながら言った。

私はそんな淏さんの見ていたら安心できた。

『違います。ふふ、淏さんって面白いですね。』

「じゃこうしない?この事件が解決したら教えて、俺もその間考えておくから。」

『いいですね!そうしましょう!』

碧もその方がいいよね‼︎

私達は碧の楽しい思い出話をしながら帰った。



  私が家に着く頃には深夜0時を過ぎていた。

私は今日あった事を考えながら、眠りについた。

その日私は夢を見た。

「咲乃?起きて?」

『んん?碧?』

なんで?碧はもういない、亡くなったはずなのに、、、。

「あたしの話を聞いて?」

『碧?なんでここに?』

「咲乃と話をしたくて、おにぃと捜査してるんでしょ?」

碧はチャコールグレーのドレスを着ていた。

そのドレスはデザインのみミスコンで着ていたドレスと同じだった。

ミスコンのドレスは私と碧がデザインした思い出のドレスだった。

ミスコンでは色は赤だったはず、色は碧が決めたはず。

『そのドレスは何?なんで碧が。』

「そんなことは今どうでもよくない?咲乃は面白いなぁ」

『だってこれは夢でしょ?碧はもういない。』

「そんな寂しい事言わないでよ。私達親友じゃない・」

碧は茶化すように言った。

『ふざけないでよ!碧は沢山秘密があったじゃない‼︎』

「あたしのスマホ見たんだ。もしかしておにぃも見た?」

碧の顔が少し曇ってきた、淏さんに知られたくなかったのかな?

『もちろん、淏さんが私に見せてけれたんだから。恋人が3人って、のぞみをいじめて、男の子をタクシー扱いして、不倫し

て、パパ活ってどう言う事なの?碧はそんな人じゃないよね?』

碧は開き治った様に言った。

「私は咲乃が思っている様な人間じゃないんだよ?もうわかったでしょ?」

確かに碧の秘密を知った時、悲しくて、裏切られた気持ちになった。

でも私は淏さんが言ってくれたように私が知ってる碧を信じたいんだ。

『私は碧がどんな事をしていたとしても、私が知ってる碧を信じたいし助けたいよ。だから教えて?碧を殺した真犯人は誰な
の?』

「ありがとう、でも私は言えない。」

『もしかして碧も真犯人を知らないの?』

「知ってる。でも2人に見つけてほしい。真犯人を助けてあげて?」

真犯人を助ける?

『どう言う事なの? 』

「あたし真犯人を恨んではないの。だから罪を償う機会を咲乃が作ってあげて?」
淏さんも似たような事を言っていた 。


『でも真犯人を見つけられなかったら?』

「大丈夫! 咲乃は探偵松岡月夜の1人娘でしょ?」

 また碧は茶化す。

「そろそろ戻らないと。」

『待って!私まだ碧とさよなら何て出来ないよ?』

「咲乃には新しい朝が来る、あたしにはもう来ないんだよ?」

『碧…』

「またね」

え?

ピピピピピピピピ

『碧!!!!』

私には新しい朝が来た。
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