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キューンとAR戦線!~ちびマスコットといく電脳ウォーズ~
第1話「ログインしたら、ちびが戦車に乗ってた」--1--
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VRMMO《WAR-META.EXE》の世界に、ログイン直後から混沌が広がっていた。
エックハルト・ゲルツァー、通称エクは、バグったように揺れる視界を手のナノロボットアームで強引に調整しながら、溜息をひとつ。
「またかよ、初期リスポーン地点、ここって……戦車群のど真ん中じゃねえか!」
ログインした瞬間、目の前をドゴォン!と通り過ぎていったのは、どう見ても幼児サイズのマスコット――キューンだった。
「お、おい!それ戦車だぞ!?」
「キューン!キューン戦車は速い~!しゅばばばばばばっ!」
音速並みのエンジン音を鳴らして駆けていく、チビマスコットと最新鋭ステルス戦車の組み合わせ。
《WAR-META.EXE》は、リアルとリンクする完全没入型MR(複合現実)VRMMO。だが、最新すぎるがゆえに――ゲームバランスもバグも、盛大にぶっ壊れていた。
「……とりあえずログアウト申請――」
《ERROR: イベントフラグ中のためログアウト不能》
「なんだよその仕様ぉぉおおおお!!!」
「アー、エクくん!遅い遅い!ちびがまた兵器泥棒したの!」
そう言って走り寄ってきたのは、ディートリンデ・プライス・泉源寺。金と銀のメカツインテールを左右に跳ねさせながら、ホロ端末を操作する姿はまるで、電子の女神――というより、電子の迷惑神。
「そもそも、あれ“チュートリアル用のNPC”じゃなかったのか?」
「ううん、あれ正式実装された新種AIマスコットらしいよ。β時代の開発陣の娘がデザインして、名前も娘のぬいぐるみから取ったとか」
「おい、個人の趣味持ち込みすぎだろ……!」
そこへ、爆音とともにまたやってきた、ステルス戦車「メタ・パンツァーⅣ」。頭だけちょこんとハッチからのぞかせてるのが、当のキューンである。
「キューン! 敵陣地へゴーゴーごーごー!」
「やばい、あの戦車、ドイツ戦史マニアしか知らない特殊モードに入ってるぞ……」
「エクくん!止めて!てか、なんで右腕だけ光ってるの!?」
「ちょっとこっちも暴走中なんだがッ!!」
エクの右腕――ナノロボット製の義手が、キューンに反応して強制ハッキングを開始していた。どうやら戦車が搭載している旧式AIに“指導”を始めているらしい。
「ハッキング成功。メタ・パンツァーは我の右手に従うッ!」
「えー!?マスター制御権乗っ取ったの!?」
「ついでに、砲塔も90度回転させ――」
ドゴォン!!!
「味方ベース吹き飛ばしてんじゃねぇかァァアアア!!!」
エックハルト・ゲルツァー、通称エクは、バグったように揺れる視界を手のナノロボットアームで強引に調整しながら、溜息をひとつ。
「またかよ、初期リスポーン地点、ここって……戦車群のど真ん中じゃねえか!」
ログインした瞬間、目の前をドゴォン!と通り過ぎていったのは、どう見ても幼児サイズのマスコット――キューンだった。
「お、おい!それ戦車だぞ!?」
「キューン!キューン戦車は速い~!しゅばばばばばばっ!」
音速並みのエンジン音を鳴らして駆けていく、チビマスコットと最新鋭ステルス戦車の組み合わせ。
《WAR-META.EXE》は、リアルとリンクする完全没入型MR(複合現実)VRMMO。だが、最新すぎるがゆえに――ゲームバランスもバグも、盛大にぶっ壊れていた。
「……とりあえずログアウト申請――」
《ERROR: イベントフラグ中のためログアウト不能》
「なんだよその仕様ぉぉおおおお!!!」
「アー、エクくん!遅い遅い!ちびがまた兵器泥棒したの!」
そう言って走り寄ってきたのは、ディートリンデ・プライス・泉源寺。金と銀のメカツインテールを左右に跳ねさせながら、ホロ端末を操作する姿はまるで、電子の女神――というより、電子の迷惑神。
「そもそも、あれ“チュートリアル用のNPC”じゃなかったのか?」
「ううん、あれ正式実装された新種AIマスコットらしいよ。β時代の開発陣の娘がデザインして、名前も娘のぬいぐるみから取ったとか」
「おい、個人の趣味持ち込みすぎだろ……!」
そこへ、爆音とともにまたやってきた、ステルス戦車「メタ・パンツァーⅣ」。頭だけちょこんとハッチからのぞかせてるのが、当のキューンである。
「キューン! 敵陣地へゴーゴーごーごー!」
「やばい、あの戦車、ドイツ戦史マニアしか知らない特殊モードに入ってるぞ……」
「エクくん!止めて!てか、なんで右腕だけ光ってるの!?」
「ちょっとこっちも暴走中なんだがッ!!」
エクの右腕――ナノロボット製の義手が、キューンに反応して強制ハッキングを開始していた。どうやら戦車が搭載している旧式AIに“指導”を始めているらしい。
「ハッキング成功。メタ・パンツァーは我の右手に従うッ!」
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「ついでに、砲塔も90度回転させ――」
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「味方ベース吹き飛ばしてんじゃねぇかァァアアア!!!」
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