【完】左手だけの婚約者~Hanamun Life~一緒にワープした婚約者は、左手だけなのに最強です!?

国府知里

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5、ハナムンは存在しない

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 体格のいい僧侶のうちふたりが、支度を整えてすぐに寺を発った。
 その間にも聞いておかなければならないことは沢山あったけれど、胸がいっぱいで、とてもそんな気になれない。
 旬さんの左手が死んでしまっていたら、どうしよう……。
 東京にいるはずの旬さんは?  
 やはり痛みを感じるだろうか、苦しんでいるのだろうか。

 旬さんの手が動かなくなったあと、マージンくんは土に埋めたということだ。
 有難くはないけれど、丁寧にお経も上げてくれたらしい。
 ひょっとしたら、獣に食べられたり、肉体が朽ちてしまっているのかもしれない。
 骨だけになっていたら……。
 想像に身が震える。
 旬さんの左手と、話が出来なくなったら……。
 目の前が真っ暗になりそう。
 
 部屋に戻っても、落ち着かない。
 クランさんが用意してくれた朝食も、気がついたらお昼のお膳と入れ替わっていた。
 なにか口にしたほうがいいのはわかっていたけれど、今はなにも食べたくない。
 わざわざゼンジさんが淹れてくれた甘いお茶も、ひと口も喉を通らなかった。
 
 旬さんがいなかったら、わたしはどうしていいかわからない。
 クランさんもゼンジさんも心配してくれるのはわかる。
 だけど旬さんがいなくなるかもしれない不安と孤独を身に感じて、……怖い。
 お願いだから、旬さん、無事に帰って来て……。

 眠れない、その晩。
 夜空を見るのは、森の中にきてはじめての夜以来だった。
 それ以降は、疲れていたか、熱が出ていたかのどっちかで、ゆっくり眺める余裕などなかったのだ。

 森の中で染めたように色づいて見えていた月だけれど、ここから見るとごく普通だ。
 変わっているのは、星のほう。
 雲のない晴れた夜空には、満天のきらめきが広がっている。
 星にはそんなに詳しくはないけれど、北極星ぐらいはわたしにもわかるはず……。

「たしか、カシオペア座と北斗七星の……」

 しばらく空を仰いで、眉をしかめた。
 空気が澄んでいて、赤や青、緑や紫、黄色や橙の色合いまではっきり見える。
 なのに、知っている星の並びがない。
 ……まさか。

 怖くなって、考えるのをやめた。
 星が沢山見えすぎて、わからなくなってしまっているんだ。
 きっと、そうだ……。 

 ――翌朝、わたしは日が昇ると同時に部屋を出た。
 本堂へむかうと、僧侶たちが掃き掃除をしていた。

「おはようございます……。えっと、ハラン、アウシュウ……」

 自信のない覚えかけのあいさつ。
 僧侶たちは礼儀正しく返してくれた。

「ここで、待っていてもいいですか?」
「……」

 言葉はつたわらないが、意図はつたわったらしい。
 僧侶のひとりが境内に腰掛けるように勧めてくれた。

 初夏の日差しに照らされて、あっという間に色づいていくいく景色。
 部屋に閉じこもっていたころはよくわからなかったけれど、トラントランは修行僧の集うお寺で、あたりは広大な自然に囲まれている。
 日本でいえば、比叡山みたいなところなんだろうか。
 ただ、クランさんのような女性もいるので、女人禁制というわけではないみたい。

「ミナミ・フーシャ。ココニイラシタノデスカ」

 クランさんが袂をひらひらとさせてやってくると、わたしの隣に腰掛けた。
 着ている着物は、他の僧侶やゼンジさんに比べると、だいぶ質がいい。
 クランさんの立場がどういうものかよくわからないけれど、勝手に寺の跡取り娘みたいなものかと想像している。
 
「ハランアウシュウ、クランさん」
「モウ、アイサツマデ……。オボエガ、ハヤイ、デスネ」
「少しは……」
「モウスグ、チョウショクガ、デキマス」
「……」
「マダ、タベル、キブン、アリマセンカ?」
「すみません……」

 クランさんが困った顔を向けてくる。
 だけど、どうしようもない。
 旬さんの左手が無事であることを確かめない限りは、食べたくないし、ここを動きたくもない。
 わたしが動かないせいか、食事どきになってもクランさんがそばを離れようとしない。

「わたしのことは気になさらず、食事してきてください」
「イエ、アタシャ、ダイジョウブデス。ソレニ、モウスグ、モドッテクル、ト、オモイマス」

 その言葉の通り、腕時計で九時をまわったころ、門のほうが騒がしくなった。
 ふたりで駆けつけると、昨日旅だったふたりの僧侶と、マージンくんの姿がそこにあった。
 三人とも、険しい道を短い時間で駆けてきたらしく、汚れと疲労に染まっていた。

「イナイトオモッタラ、ヤハリ。マージンハ、ダマッテ、ツイテイッタ、デス」

 ふたりの僧侶に比べると、体のできていないマージンくんには辛い道のりだったばずだ。
 きっと、責任を感じたのだろう。
 マージンくんの僧衣はひとりだけ、汗と汚れでぐっしょりしていた。
 そんな彼らをねぎらう余裕もなく、わたしは三人の間に目をさまよわせた。

「しゅ、旬さんは……」
「ミナミ・フーシャ。コチラヘ」

 いつの間にか、コルグさんが来ていた。
 コルグさんの前に紐でがんじがらめに縛られた木箱がある。
 この中に、旬さんの左手が……?

「キヲツケテクダサイ。サッキマデ、ハコノナカデ、アバレテイタソウデス」

 暴れていた?
 つまり、生きているっていうこと?
 駆け寄り、夢中で紐を解いた。

「旬さん、わたしよ! いま出してあげるから!」

 蓋を外すと、そこに、見慣れた左手があった。
 土で汚れていたけれど、薬指のプラチナリング、中指と同じ長さの薬指。
 間違いようもなく、旬さんの左手だった。

「旬さん……」

 両手でそっと救い上げると、指がぴくっと動き出した。
 よく見ると、マージンくんと格闘したときにできたらしい青あざの跡や小さな傷、爪の間には埋められていたときに入ったと思しき土が詰まっている。
 
 優しく土を払うと、その手の甲に「みなみ」と書いた。
 旬さんの左手が、すぐさま手を握り返してきた。

「……旬さん、よかった……! よかったあ……」
 
 安堵が込み上げてきて、また泣いてしまった。
 ぼろぼろとこぼれた涙が、旬さんの土を溶かしていく。
 裾で拭こうとすると、旬さんの左手が、するすると腕を登ってきた。
 その指が、わたしの頬の涙を拭いた。
 それだけで、気持ちが痛いほど伝わってきた。

 旬さん、もう二度と離れない。
 二度と、この手を離さないから……。
  
 旬さんの手を大事に抱えて、部屋に戻ると、クランさんに助けを借りながら、旬さんの手を手当した。
 湯を張った桶の中で、優しく泥を落とし、たわしで爪の間の土を洗う。
 あざや傷を確認して、軟膏と包帯を巻く。
 このぬくもり、この重さ。
 傷のひとつひとつが、わたしを守るために傷ついた証拠。
 愛しくて、たまらない……。

「旬さん……」

 包帯の上から、優しくキスをした。
 旬さんがやさしく髪をなで、頬をなでてくれた。
 うれしくて、また涙が出そう。
 旬さんの指が、わたしの手のひらに「ぶじか?」と書いた。

「わたしは無事よ。近くのお寺の人に助けられたの。旬さんは?」
「いたい」
「だ、大丈夫?」

 思わず、旬さんの甲に書くのをためらってしまう。

「ぼこぼにされて、うめられたとき、なにもできなくてくやしかった。みなみがぶじで、ほんとうによかった」
「旬さん……。そんな、わたしを守ってくれたんでしょ? ありがとう……。わたしは、旬さんがいない間、すごく心細くてさみしかったよ。もう絶対に離れない」

 もう一度、優しく口付けた。
 旬さんのぬくもり、優しい手つき。
 左手が確かめるようにわたしの手を握る。
 ずっとこうしていたい。

「てらの、ばしょは」
「それが、ちょっと変なの……」
「へん?」

 トラントランという地名のこと、奇妙な地図と地球儀のこと、アジア風の時代めいた服装、クランさんの妙な下町言葉。
 気になっていたことを思いつくままに、旬さんに打ち明けた。
 きっと旬さんなら、遭難したときのように、なにをどうすべきか、的確にアドバイスをくれるはずだ。

「ネットでしらべた。トラントラン、みつからない」
「……発音が違うのかな」
「くにのなまえ、しゅような、としのなまえ」
「国名と都市名。うん、まずはそこだね」

 後片付けに出て行ったクランさんを追いかけて部屋を出た。
 角を曲がると、コルグさんとクランさん、ゼンジさんがそろって話をしていた。

「あ、あの……、この国の名前って……」
「ミナミ・フーシャ」

 わたしの手の中にある旬さんの左手に目を落とし、コルグさんはわたしに強い視線を向けた。
 なにかわからない迫力に、言葉を失う。

「ヘヤデ、オハナシシテモ、ヨロシイデスカ」

 部屋に戻り、各人が椅子に座った。
 窓は開いているけれど、少し蒸し暑い。
 この暑さで、エアコンやサーキュレーターがないのは、慣れない私からすると少しきついかもしれない。

「ヒダリテノ、グアイハ、ドウデスカ」
「おかげさまで、ひとまず無事のようです」
「ソレハヨカッタ……。コノクニノ、ナデスガ、ハナムン、トイイマス」
「ハナムン……」

 わたしは旬さんの甲に「ハナムン」と書いた。
 聞いたことがない。
 でも、旬さんがネットで調べてくれるはず。

「ハナムンハ、ジュウナナノ、リョウチニワカレテイマス。ココハ、ダイジュウヨンノチ、サイシュエン。コノクニデモットモ、セイホウニアル、トチデス。ソシテ、ココハ、トラントラン。セイホウノ、テラ。ソウリョガ、ギョウノタメニ、スマウ、テラデス」

 第十四の領地、サイシュエン。
 西方の行寺、トラントラン。
 続けざまに、指で書いた。

「わたしは日本から来ました。どうして、それに、どうやってここへ来たのかはわかりませんが……。ハナムンの日本大使館に連絡していただけませんか? パスポートもないので、再発行もお願いしたいのですが」
「……」

 ……なに、この沈黙……。

「アナタハ、フーシャ」
「……え?」

 コルグさんは袂から、紐綴じの帳面と細い筆を出した。
 書きつけると、帳面を差し出してきた。
 そこには、「浮者」と書かれていた。
 なんだ、漢字があるんだ!
 あの地図の文字は読めなかったけれど、漢字なら大体の意味がわかる。
 でも、浮かぶ者ってどういう意味……?

「ケツロンカラ、モウシアゲルト、フーシャハ、カエルコトハデキマセン」
「えっ、どうして……」

 まさか、不法入国の罪で投獄とか……?
 違法輸入品の持ち込みの疑いとか……?
 どっちもしてないし、そんなつもりもない。
 だいたい、いつどうやって、この国に来たのかもわからないのに!

「あの、わたし悪いことはしてません! その確かに、身の上を保証するものはなにも持ってないし、……動く左手と一緒だし! なんか変だなとは思われるでしょうが、自ら罪をおかそうとするつもりは、誓って、全くありません……!」

 わたしの弁明を、コルグさんとクランさんはなんともいえない顔で聞いている。
 ゼンジさんは雰囲気しかわからないのだろう、視線をあっちとこっちの間でせわしく行き来させている。
 なに、この空気……。
 怖いんだけど……、早くなにか言って……。

「ハナムンニ、タイシカンナルモノハ、アリマセンシ、パスポートナルモノモ、ソンザイシマセン。デモ、アンシンシテクダサイ。コノクニデ、フーシャハ、タットバレ、カンゲイサレマス。ハナムンハ、フーシャノ、フノチカラヲ、ヒツヨウトシテイルノデス。ミノキケンニ、サラサレルコトモ、イショクジュウニ、コマルコトモアリマセン。ショダイミョウヤ、クニニヨッテ、テアツイ、ホゴガ、ウケラレルノデス」

 ちょっと……、ちょっと待って……。
 急に、話がおかしいんだけど。
 つまり、この国には日本との国交がないっていうこと?
 国交がないから、出られないの?
 
 それに、諸大名? って、江戸時代みたいな言い方。
 通訳のアップグレード、遅れてない……?
 
 しかもわからないのは、フーシャのフの力って?
 人材スキルとか、企業秘密とかそういう意味?
 日本のエンジニアが、外国企業に技術や知識を見込まれて、破格の年俸でヘッドハンティングされるって、聞いたことがあるけれど……。
 
 そうだとしても、リース会社の一介のOLに、そんな高い技能があるわけない。
 あっ、そういえば、コルグさんがわたしに、フの力が弱いとかなんとか、いっていたような……。
 ひょっとして、わたし、間違って連れてこられたんじゃないの?

 えっ、だけど、じゃあ、あの黒い穴は……?
 わたしと旬さんの左手を吸い込んだ、あの穴は、なんだったの……?

「ミナミ・フーシャ」

 呼ばれて、パニックになりかけていたことに気がついた。

「す、すみません。頭がいっぱいで……。ちょっと、旬さんと相談してみていいですか?」
「オシリニナリタイコトガアレバ、イツデモ、オキキニナッテクダサイ」
「は、はい……」

 三人が出て行った後、すぐに旬さんに新しい情報を伝えた。

「どうしよう。なんか、すんなり返してくれないみたい」
「みなみ おちついて」
「う、うん」  

 やっぱり、旬さんは頼りになる。
 わたしひとりだったら、際限なく取り乱してまた熱を出していたかもしれない。

「くにのなまえ、しらべた」
「うん、それで?」
 
 一拍おいて、旬さんの指が、わたしの手のひらにこう書いた。

「そんざいしない」

 どういう意味なのか分からなくて、頭の中でひらがなの読み方を再構成した。
 なんどかやってみたけど、そんざいしないは、「存在しない」にしかならなかった。

「どういう意味?」
 
 指で書くことも忘れて、ただそうつぶやいた。
 旬さんが続けて、指を走らせていく。

「異世界かもしれない」

 いままでずっとひらがなやカタカナでやり取りをしていたのに。
 はじめて書かれた漢字。
 異世界。
 見たこともない言葉に思えた。
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