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-2nd stage- NHKドラマ「ひとりでしにたい」ご覧になりましたか?
ドラマ「ひとりでしにたい」わかりみがありすぎる件-2
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さっそく、第1回のログをお届けします。おさらいですが、あらすじはコチラ。
―引用(ここから)―
(1)39才、×婚活 ○終活、はじめました
初回放送日:2025年6月21日(土)
山口鳴海(綾瀬はるか)は仕事に趣味の推し活に、独身生活を謳歌していた。しかし、憧れていたキャリアウーマンの伯母が思いもよらない孤独死をしたことをきっかけに、焦って婚活を始めるが年齢の壁によってあえなく撃沈。さらに年下の同僚・那須田優弥(佐野勇斗)から「結婚すれば安心って昭和の発想ですよね?」とバッサリ切り捨てられる。そこで鳴海は「婚活」から180度方針転換して「終活」について考え始めるが…。
―引用(ここまで)―
もはやいろんな人が「ひとりでしにたい」についてレビューしているので、改めて詳しくあらすじをなぞることもないですね。事前にコミックスを読んだことのある方は、ドラマのギャグテイストもすんなり入っていけてたことでしょう。ただ、やはり昨今のテレビ不況の中でもここまで美術館やコメディの演出に力を入れられるのはさすが。他のテレビ局にはなかなか出来ない芸当じゃないでしょうか。麿赤兒さんが白塗りで孤独の化身を演じて出てきた時には思わず、うわ~と声が出ました。
個人的にはNHKはドラマよりも、海外みたいにニュースと天気予報だけの24時間チャンネルを作っておいて欲しいけど、なんだかんだ社会的意義のあるドラマづくりはやっぱり支持が強いのでしょうか。前クールのTBSテレビ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』は、わりかし女性のライフスタイルについて話題になっていたようですが、NHK社会派ドラマに比べると、一定のレベルを超えては来ないというか。使えるコネや資金、あとかけられる時間が違うんですかね、知らないですけど。私は見てませんが、これまでも『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(2023)や、『一橋桐子の犯罪日記』(2022)といった社会問題とコメディを織り交ぜたタイトルは評判がいいらしいです。余談でした。
というわけでコメディ要素たっぷりの「ひとりでしにたい」は、孤独死・介護・終活というヘビーなテーマを扱っていますが、重い気持ちにならずにテンポよく楽しめます。綾瀬はるかさんのコミカルな演技も相変わらず素敵ですし、いろいろな演出に斬新さはあまり感じられず手垢ついてる感はありつつも、それはそれで楽しめます。
さて、ここからが本題。
ここに残しておきたいことの【ひとつ】め。
1話の中で我に返って納得してしまったのは、やはり鳴海(綾瀬はるか)と那須田(佐野勇斗)のやりとり。
ひとことでいうなら、【鳴海の価値観の古さ】です。
昭和ど真ん中世代の親を持つ鳴海は、父・和夫(國村隼)が、「やっぱり、女ひとりの老後ってのは、みじめだな」「結婚もせず、子どもも産まず、ひとりでずっと好き勝手してきたから、最後にバチが当たったってことか」と言う言葉にもやもやしつつも、「ひとりで死にたくないから婚活をする!」と言い出したりと、まさに昭和と令和の価値観のはざまにいます。
年下のリアリスト那須田から見ると、頭のゆるいアプデが間に合ってないアラフォー女性、と映っているようです。
鳴海は鳴海で推し活やタワマン住まいなど、日々を楽しんでいるのでそれはそれで良いのですが、彼女は那須田にこう言われて撃沈します。
「令和になって、もう7年って知ってます? 結婚すれば安心って、昭和の発想ですよね?」
那須田いわく、鳴海は「微妙に古い」。この古さ。わかる~。すごくわかる。
もはや結婚が安泰じゃないとわかっている。けど、鳴海が思い込んでいた結婚という形式から醸される謎の安心感みたいなものは、遠い憧れとか幻想と言い換えてもいいかもしれない。もはや昭和型の幸せな結婚はファンタジーの中にしかなく、映画化された「わたしの幸せな結婚」(原作小説著者 顎木あくみ)やとドラマ化された「波うららかに、めおと日和 」(原作漫画著者 西香はち)なんかが、その幻想を懐古主義の中で表現しています。
それくらい親の世代からの刷り込みや影響が、なんだかんだ大きいのがこの鳴海の世代なんじゃないかと思います。さらに言えば、親世代にしてきてもらったことを、自分は子どもにしてあげられなくて苦しいというふうに考える人も居ると思う。親にウェディングドレスを見せてあげられなくて、孫の顔を見せてあげられなくて申し訳ないと心苦しく思う人も。個人的な肌感覚ですが、それなりに親から教育にお金をかけてもらって自由にさせてもらった女性ほど、特にそう感じる人が多いんじゃないでしょうか。
男女雇用均等法以降の社会に出て、それなりに社会的地位や経済力を掴むことのできた女性は、結婚しなくてもお金や仕事に寄りベがある。一方で、就職氷河期で非正規を転々としお金もキャリアも築けなかった女性も多い。結婚したくても相手の男性にも安定がないし、この世代の男は家事を均等にはやってくれない。田舎では特に。結婚しても理想のそれとはまったく違っていて、モラハラ夫や家族に耐え続けるか、離婚してシンママとして困窮するか。「ひとりでしにたい」の鳴海は前者ですが、後者の女性たちが「懐古的結婚ファンタジー」や「復讐もの」を支持する理由は明らかだと思います。
若い世代はもうだいぶ前からとっくに気づいているようです。自分たちよりセンパイ方が大失敗しているのを見て、頭のいい若い子たちは早々と結婚し子どもを産み育てた後にようやくキャリアを積み始めることにシフトチェンジ。大手企業より公務員や、食うに困らず親世代の支援を受けやすい農家の嫁。安定して子どもを産み育てられるタイミングと場所を見極めています。とはいえ、全員が公務員や農家の嫁になれるわけでもないので、そこからあぶれた若者は、とてもクールに現代日本を見据えているのでしょう。
そんな若い世代の代弁者が那須田です。微妙に古い鳴海をバッサバッサと切っていく様は、ああまさにと思います。わかっちゃいるけど、なぜかまとわりついて切り離せなかった価値観や思い込みの残滓。「その考え、このさきいる? いらんでしょ」とばかりにあっさり切り落としてくれます。「うん、そうしよう」もしくは、「あれ、やばいじゃん自分」と、鳴海と同じように那須田に切られて(ある意味)身軽になり、背中を押されて、足踏み状態から前に進む気力をもらったという人もいるのではないでしょうか。
那須田にはこのあとも、もっとバサバサと令和切りをしてほしいですね。
次に、残しておきたいことの【ふたつ】め。
ひと言でいうと、【死を意識して生まれた鳴海の気づき】。
孤独や不安が人をバカにする、ということです。
確実にやってくる介護や死を意識して、鳴海は強い不安に苛まれ、いつもならしないようなことを弟夫妻に対してしでかしてしまいます。自分が死んだとき世話になるだろうことが先に立ち、義理の妹に子育てに関係する不安煽り系のメッセージを連投で送りつけてしまうのです。
「私って、こんなにバカだった…?」
自分を見失っていると、変なことをしてしまうのは誰もが経験があることですが、本当にそうです。不安になっているときほど、周りとのバランスや距離感が見えなくなってしまいます。そして鳴海は気付きます。宗教にはまり、家はゴミ屋敷と化し、孤独死を迎えた叔母。ひとりで自由を謳歌していた叔母が、最後には正常な判断ができず、誰にも「助けて」といえずこの世を去って行ってしまった。
「自由と思っていたものは、年を取ると孤独と不安に変わってしまうんだ」
これは普遍的な気づきですが、今不自由を感じていないことに気づく、というのはやはり難しいことです。今ある自由を愛し楽しんでいればいるほど、将来の影は見えにくいでしょう。とはいえ、「そんなこといわれなくてもわかっているから、婚活にはげんどるんじゃ」とか「それはもうわかっているから、具体的になにをすりゃいいか教えて」という人もいるわけです。
というわけで、それに対するアンサーは次回のドラマで鳴海と那須田が示してくれていますので、次のログへ。
―引用(ここから)―
(1)39才、×婚活 ○終活、はじめました
初回放送日:2025年6月21日(土)
山口鳴海(綾瀬はるか)は仕事に趣味の推し活に、独身生活を謳歌していた。しかし、憧れていたキャリアウーマンの伯母が思いもよらない孤独死をしたことをきっかけに、焦って婚活を始めるが年齢の壁によってあえなく撃沈。さらに年下の同僚・那須田優弥(佐野勇斗)から「結婚すれば安心って昭和の発想ですよね?」とバッサリ切り捨てられる。そこで鳴海は「婚活」から180度方針転換して「終活」について考え始めるが…。
―引用(ここまで)―
もはやいろんな人が「ひとりでしにたい」についてレビューしているので、改めて詳しくあらすじをなぞることもないですね。事前にコミックスを読んだことのある方は、ドラマのギャグテイストもすんなり入っていけてたことでしょう。ただ、やはり昨今のテレビ不況の中でもここまで美術館やコメディの演出に力を入れられるのはさすが。他のテレビ局にはなかなか出来ない芸当じゃないでしょうか。麿赤兒さんが白塗りで孤独の化身を演じて出てきた時には思わず、うわ~と声が出ました。
個人的にはNHKはドラマよりも、海外みたいにニュースと天気予報だけの24時間チャンネルを作っておいて欲しいけど、なんだかんだ社会的意義のあるドラマづくりはやっぱり支持が強いのでしょうか。前クールのTBSテレビ『対岸の家事~これが、私の生きる道!~』は、わりかし女性のライフスタイルについて話題になっていたようですが、NHK社会派ドラマに比べると、一定のレベルを超えては来ないというか。使えるコネや資金、あとかけられる時間が違うんですかね、知らないですけど。私は見てませんが、これまでも『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(2023)や、『一橋桐子の犯罪日記』(2022)といった社会問題とコメディを織り交ぜたタイトルは評判がいいらしいです。余談でした。
というわけでコメディ要素たっぷりの「ひとりでしにたい」は、孤独死・介護・終活というヘビーなテーマを扱っていますが、重い気持ちにならずにテンポよく楽しめます。綾瀬はるかさんのコミカルな演技も相変わらず素敵ですし、いろいろな演出に斬新さはあまり感じられず手垢ついてる感はありつつも、それはそれで楽しめます。
さて、ここからが本題。
ここに残しておきたいことの【ひとつ】め。
1話の中で我に返って納得してしまったのは、やはり鳴海(綾瀬はるか)と那須田(佐野勇斗)のやりとり。
ひとことでいうなら、【鳴海の価値観の古さ】です。
昭和ど真ん中世代の親を持つ鳴海は、父・和夫(國村隼)が、「やっぱり、女ひとりの老後ってのは、みじめだな」「結婚もせず、子どもも産まず、ひとりでずっと好き勝手してきたから、最後にバチが当たったってことか」と言う言葉にもやもやしつつも、「ひとりで死にたくないから婚活をする!」と言い出したりと、まさに昭和と令和の価値観のはざまにいます。
年下のリアリスト那須田から見ると、頭のゆるいアプデが間に合ってないアラフォー女性、と映っているようです。
鳴海は鳴海で推し活やタワマン住まいなど、日々を楽しんでいるのでそれはそれで良いのですが、彼女は那須田にこう言われて撃沈します。
「令和になって、もう7年って知ってます? 結婚すれば安心って、昭和の発想ですよね?」
那須田いわく、鳴海は「微妙に古い」。この古さ。わかる~。すごくわかる。
もはや結婚が安泰じゃないとわかっている。けど、鳴海が思い込んでいた結婚という形式から醸される謎の安心感みたいなものは、遠い憧れとか幻想と言い換えてもいいかもしれない。もはや昭和型の幸せな結婚はファンタジーの中にしかなく、映画化された「わたしの幸せな結婚」(原作小説著者 顎木あくみ)やとドラマ化された「波うららかに、めおと日和 」(原作漫画著者 西香はち)なんかが、その幻想を懐古主義の中で表現しています。
それくらい親の世代からの刷り込みや影響が、なんだかんだ大きいのがこの鳴海の世代なんじゃないかと思います。さらに言えば、親世代にしてきてもらったことを、自分は子どもにしてあげられなくて苦しいというふうに考える人も居ると思う。親にウェディングドレスを見せてあげられなくて、孫の顔を見せてあげられなくて申し訳ないと心苦しく思う人も。個人的な肌感覚ですが、それなりに親から教育にお金をかけてもらって自由にさせてもらった女性ほど、特にそう感じる人が多いんじゃないでしょうか。
男女雇用均等法以降の社会に出て、それなりに社会的地位や経済力を掴むことのできた女性は、結婚しなくてもお金や仕事に寄りベがある。一方で、就職氷河期で非正規を転々としお金もキャリアも築けなかった女性も多い。結婚したくても相手の男性にも安定がないし、この世代の男は家事を均等にはやってくれない。田舎では特に。結婚しても理想のそれとはまったく違っていて、モラハラ夫や家族に耐え続けるか、離婚してシンママとして困窮するか。「ひとりでしにたい」の鳴海は前者ですが、後者の女性たちが「懐古的結婚ファンタジー」や「復讐もの」を支持する理由は明らかだと思います。
若い世代はもうだいぶ前からとっくに気づいているようです。自分たちよりセンパイ方が大失敗しているのを見て、頭のいい若い子たちは早々と結婚し子どもを産み育てた後にようやくキャリアを積み始めることにシフトチェンジ。大手企業より公務員や、食うに困らず親世代の支援を受けやすい農家の嫁。安定して子どもを産み育てられるタイミングと場所を見極めています。とはいえ、全員が公務員や農家の嫁になれるわけでもないので、そこからあぶれた若者は、とてもクールに現代日本を見据えているのでしょう。
そんな若い世代の代弁者が那須田です。微妙に古い鳴海をバッサバッサと切っていく様は、ああまさにと思います。わかっちゃいるけど、なぜかまとわりついて切り離せなかった価値観や思い込みの残滓。「その考え、このさきいる? いらんでしょ」とばかりにあっさり切り落としてくれます。「うん、そうしよう」もしくは、「あれ、やばいじゃん自分」と、鳴海と同じように那須田に切られて(ある意味)身軽になり、背中を押されて、足踏み状態から前に進む気力をもらったという人もいるのではないでしょうか。
那須田にはこのあとも、もっとバサバサと令和切りをしてほしいですね。
次に、残しておきたいことの【ふたつ】め。
ひと言でいうと、【死を意識して生まれた鳴海の気づき】。
孤独や不安が人をバカにする、ということです。
確実にやってくる介護や死を意識して、鳴海は強い不安に苛まれ、いつもならしないようなことを弟夫妻に対してしでかしてしまいます。自分が死んだとき世話になるだろうことが先に立ち、義理の妹に子育てに関係する不安煽り系のメッセージを連投で送りつけてしまうのです。
「私って、こんなにバカだった…?」
自分を見失っていると、変なことをしてしまうのは誰もが経験があることですが、本当にそうです。不安になっているときほど、周りとのバランスや距離感が見えなくなってしまいます。そして鳴海は気付きます。宗教にはまり、家はゴミ屋敷と化し、孤独死を迎えた叔母。ひとりで自由を謳歌していた叔母が、最後には正常な判断ができず、誰にも「助けて」といえずこの世を去って行ってしまった。
「自由と思っていたものは、年を取ると孤独と不安に変わってしまうんだ」
これは普遍的な気づきですが、今不自由を感じていないことに気づく、というのはやはり難しいことです。今ある自由を愛し楽しんでいればいるほど、将来の影は見えにくいでしょう。とはいえ、「そんなこといわれなくてもわかっているから、婚活にはげんどるんじゃ」とか「それはもうわかっているから、具体的になにをすりゃいいか教えて」という人もいるわけです。
というわけで、それに対するアンサーは次回のドラマで鳴海と那須田が示してくれていますので、次のログへ。
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