積極的子供部屋おばさん ~親の介護を見据えて実家に戻り、人生の棚卸を始めました~-Third stage-

国府知里

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-2nd stage- NHKドラマ「ひとりでしにたい」ご覧になりましたか?

時流によって変わりすぎる女性たちの境遇とその生き方-2 女という病

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 時代時流によって女性の生き方は、大きく左右されてしまうようです。それはドラマ「ひとりでしにたい」でもそうですし、ドラマ以前も個人的に年上の先輩方をみて、あるいは自分自身の体験を通して、肌で感じてきました。今回は「フェミニズム」の観点も合わせて、すこし掘り下げて今の自分の考えを残しておこうと思います。



1、日本の家族の約80%が機能不全家族
2、女という病
3、男という病
4、人から人へ連鎖する、母という病、父という病
5、生まれつき生命力には絶対的な個体差がある
6、女の生き方は時流・メディアによって左右され過ぎる
7、ロールモデル・メンターの意義の有無について
8、自分と向き合うことこそが答え



 読んだ方それぞれがいろいろな意見や感想をお持ちになると思いますが、すべてうのみになさらずに、リソースとなる本やサイトをご自身でお確かめください。同じリソースから全く別の視点や観点をえることもあるに違いありません。確認されたい方は、ぜひ原書をご覧になってみてください。きっとたくさんのヒントが得られると思います。最後に、全ての作品をまとめてありますのでご参考ください。





2、女という病

 まずは、子どもの立場から。男女平等の先進国と思われる欧米でさえ、今も女性への性暴力やミソジニー(女性に対する嫌悪や蔑視)はまだまだ当たり前のようにあります。

 【女という病】という本があります。

 1冊目。「女という病」はエッセイスト・小説家の中村うさぎさんが、2005年に出された本です。その後、中村さんは「私という病」「愛という病」「他者という病」というエッセイも書かれています。昔、私がこの本を手に取ったのは、女性としての生きづらさに対して何かヒントを得られそうと思ったからでした。内容は、女性が自らに抱く自意識を発端とし、実際に起こった複数の事件についてが書かれています。女性が女性であるということに心を病んで、社会的に衝撃をもたらすような悲劇をたどったことが紹介されています。読む人にとっては、これは自分だと思う人もいれば、女である自分も一寸先のこの闇にひょっとしたら足を突っ込むかもしれないと感じる人もいるかもしれません。中村さんが、様々な事例を通して女とは何なのかを掴もうと思考されていることが感じられました。社会的に成功を掴んでいる有名な作家先生ですら、こんなに悩み苦しんでいるんだなとも感じました。

 2冊目。「母親はなぜ生きづらいか」という本があります。精神科医で評論家の香山リカさんが2010年に出された本です。この本自体は日本における母親中心の子育ての歴史と、「少子化解消のために子どもを産む」「出産後は仕事に復帰」など両立不可能な期待に燃え尽きていく母親のことが書かれています。子どものことが書かれた本ではないと思われるかもしれません。しかし、お気づきでしょうか? 女児は子どものころから男児に比べ早い段階で、女として(性的にも)見られるようになり、ひいては、母になることを期待されて育つことに。男は高校・大学・ひょっとすると社会人になるまで子どもでいられます。あるいは社会に出ても場合によっては結婚してもなお、子どもっぽい。明らかに女児は男児よりも早く、女になれ、妻や母という役に嵌まれ、そしてその仕事を果たせと、社会からじわじわと刷り込まれます。女性であれば確かにとうなづける記憶がどなたにも一度はあるのではないでしょうか。女の生きづらさは、社会から与えられる役割とプレッシャーによるものなのでは?と考えることができますよね。

 3冊目。「家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平」という本があります。 社会学者でフェミニストの上野千鶴子さんが、1990年に出された本です。ちょっととっつきにくいタイトルかも知れませんが、ざっくりいうと、「昔から続いてきた家族制度が女性を苦しめてきたんですよ」と書かれた本です。古代日本はいざ知らず、儒学や朱子学、武家制度などの歴史を辿って来た日本の家庭は、父親が家長という考えがとても強い。男は長い歴史に乗っ取って「妻・母・娘という役割を女たちを擦り込む」ことによって自分の財産とし、「女たちを囲い込み」ました。つまり女という生き物を使って、家父長制と資本制に「自分の血を受け継いだ子を産んで増やすシステム」をうまく組み込んだ社会を作ってきたのです。これが今日の女性の生きづらさや苦しみに続いていると本書はときます。しかもそれは長い歴史の中で男同士の結託・徒党を組んでガッチリとスクラムされているので、ひとりひとりの女性が泣いたり喚いたりするくらいでは、まったくどうにもならないのです。

 男が作った社会(ブラザーフッドやホモソーシャルを基盤とした男性優位主義的な社会)の中では、男は本質的に女を救いません。女性を虐げてでも、男同士の主従や関係性を守ることで、地位や利益を得て豊かになることのほうが大事で、その仕組みや機会を決して男は手放さないからです。そのいい例が、 精神科医ユングと精神分析医フロイトです。彼らは女性患者が幼少期に親からうけた性的トラウマが原因で精神疾患を発現していることを突き止めます。しかし、彼らはその事実を公にはしませんでした。なぜなら、精神を研究する彼らの主たる顧客は患者たちの親、つまり権威と階級を持つ男性たちだからです。その男たちの罪であり犯罪をつまびらかにすることは、患者(顧客)を失うことをと同じ。この隠蔽によって精神分野の中でも特に女性の心に関わる分野は発展が遅れたといわれているとのことです。この話を知ったのはNHKの番組だったのですが、残念ながら今回番組を見つけられませんでした。代わりに、2011年に公開された映画「危険なメソッド」がありましたので、詳細とリソースとしてはこちらを参考にして下さい。

 さらに、社会ではなく野生においても、すなわち本能的にも男は女を救いません。自然界で生きるチーター。オスはメスを追いかけまわし、メスのいた場所を丹念に匂いを嗅ぎます。メスが妊娠可能かどうかを嗅ぎ分けるのです。そしてオスは自分が交配の目的を果たすためなら、メスが子育て中であろうと必要に追いかけまわします。そしてメスが疲れたり、子の危険を感じて服従しあきらめたところ(受け入れたという言い方もするが)で目的を果たします。子育て中のメスの状況や子の状況などお構いなし。

 あるいは、アメンボのオス。メスの上に飛び乗り交尾を要求し、メスにその気がないと、オスはわざと脚を水面でバシャバシャと波立たせる。アメンボの天敵である魚を呼び寄せるのです。上から押さえつけられたメスは捕食されることを恐れ、オスの要求に応じるのだそうです。こうした内容はNHKの動物番組などで知ったように思いましたが、リソースとなるものが見つけられませんでした。あしからず。

 とにもかくにも、そこで生き残るため、子孫を残すためなら卑劣なこと(平和かつ成熟した良心的・性善説的な社会を源とした場合に言える、卑劣な行為)を行うのが男・オスです。それは本能であり、かつ社会的に備わった素養です。

 そして女性はと言うと、ここが面白い。(というと語弊がありますが。)こうした男のつくった社会に反発するかと思いきや、進んでその仕組みに順応し組していこうとする女が現れるのです。

 「女ぎらい ニッポンのミソジニー」という上野千鶴子さんの2010年出版の本があります。女を低く見て「セクハラ」「性加害」「DV」を正当化する男、その根底にあるのがミソジニー:女性嫌悪です。一方、女にとってのミソジニーは「自己嫌悪」「こじらせ女子」など。そして、「いつまでも女でいたい」といった男から女としての評価を得たいという気持ちや、あの女はイタイ。けど私はイケてるといった、今でいう「マウンティング」もこれに当てはまると、思います。男に選ばれるために進んで男の枠に嵌って行こうとする女性たちは、女同士でいがみ合ったり、生存確率を上げるためにライバルを蹴落としたりします。その一方で、男社会における自分の存在や女であることに違和感や孤独を感じて苦しみ、自分を蔑んだり女であることを憎んだりして、自ら苦しめてしまう女性がいるのです。ドラマ「ひとりでしにたいの」雅子と伯母さんのマウント合戦はこの、ミソジニーに端を発しています。

 このように、女であること、女に生まれたことから発する悩みや苦しみ、すなわち「女という病」は、長い長い社会の歴史の上に成り立っているものであり、一人で解決できることではなく、また根本からすっかりきれいに解消ということ自体、極めて難しい問題だとわかりますよね。



 次は、「男という病」について。 
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