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リベンジマリッジ
【第二話 うす皮一枚のプライド】
しおりを挟む翌朝、希美はキッチンでフルーツヨーグルトを丁寧に盛りながら、鼻歌まじりに思う。
「人生って、スイーツの下にワサビが隠れてるときがあるよね~」
昨夜、ニンニク臭でダウン寸前の和真は、寝言で「もうしません」を3回唱えていた。もちろん録音済み。
「ボイスメモって、時に法より強いのよ」
そんな妻の内心を知る由もなく、和真は出勤準備中。ネクタイが見つからないと騒いでいる。
「希美~!ネクタイどこ~?」
「タンスの左の引き出し、いや、あなたのプライドの下よ♡」
「どこやねん!ってかそれ、探しにくいにも程があるわ!」
言いつつ、和真は笑ってる。
(なーんだ、ギャグか……やっぱバレてないよな)
バレてない、と思い込んでくれる。それが今は大事。希美はニコッと微笑んで、朝食を差し出す。
「はい、特製!“浮気封じ弁当”」
「なにそれ怖っ!てか、マジでネーミングやばくない?」
中を開けると、ご飯の上に刻んだ昆布で“誠実”の文字。ハート型の卵焼きには「NO浮気」とケチャップ。
「これ、会社で開けるの恥ずかしいからやめて……」
「うふふ、愛のこもった冗談よ♪」
(え、ギャグだよね?……だよな?)
希美は「いってらっしゃい」の笑顔で送り出し、そのままPC前へ。画面には、浮気調査ファイルとアクセス履歴。
「さて、次は“パソコン履歴で夫の心を読む”って回よ」
夫の検索履歴:
・「不倫 バレた 兆候」
・「にんにく 消臭方法」
・「バレてる 寝言 怖い」
「うん、バレてるって自覚あるじゃない。素直なところは評価する」
希美、紅茶をすする。
「問題は、自覚しても浮気をやめないところね……って、続ける気かーい!」
自分で突っ込みながら、思わず笑ってしまう。
その日の夕方。
玄関で待ち構えていた希美は、帰宅した和真に紙袋を手渡す。
「これ、新しいスーツ。着てみて!」
和真が戸惑いながら試着室に入ると、スーツの内ポケットには小さな札が。
《うす皮一枚のプライド、剥がれかけ注意。》
「うおお、呪いのタグか!?っていうかまた怖いジョークきたー!」
和真の背後から、にっこり微笑む希美の声。
「そのうす皮、どこで剥がれるかは……運次第よ♡」
(だ、だよな……ギャグだよな……?)
希美はその夜、胎教BGMの『戦場のメリークリスマス』を流しながら、復讐ノートにこう記した。
《第二フェーズ『うす皮一枚攻撃』進行中。対象、自滅モード突入済み》
次回、「愛してるけど、浮気は罰金五千万円です」──ご期待ください!
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