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リベンジマリッジ
【第三話 愛してるけど、浮気は罰金5000万円です】
しおりを挟む翌朝。希美は、洗濯物を畳みながら「もし私が国なら、夫は余裕で関税対象ね」と口ずさむ。
ベランダでは、干されたシャツの間に手作りの標語プレートが揺れている。
《誠実第一。裏切り二級品。返品不可。》
「風通しのいい関係って、こういうことでしょ?」と満足げ。
和真はというと、朝食の味噌汁をすすりながら、そわそわしている。
「なあ希美、この間の弁当、部長にめっちゃ見られてさ……」
「“誠実”の文字、見やすかったでしょ?」
「見やすすぎたわ!しかも“NO浮気”の卵焼き、部長が写メ撮ってたぞ」
「SNS映え狙ったの♡」
(やっぱり……絶対バレてるよな……でも笑ってるし……いや、でも……)
そんな中、希美は書類を一枚、和真の前に差し出す。
「ねえ、ちょっと見てくれる?」
「なにこれ……?えっ、これって……“浮気に関する罰金契約書”?」
タイトル:『愛と誠実の約束書(違反時ペナルティ:5000万円)』
本文:
1.浮気をした場合、希美に対し五千万円を支払うこと。
2.浮気の定義は、心身いずれかの接触を含む親密行為。
3.言い訳は禁止。泣いても無効。
「ちょ、ちょっと待て……これは冗談だよな!?」
「もちろんよ~、冗談に決まってるじゃない。ねえ、印鑑持ってきて♡」
冗談……だよな?いや、でも、朱肉の位置がリアルすぎる……!
(怖い!怖すぎる!なのに……笑ってるのが逆に怖い!)
希美はフフッと微笑みながら続ける。
「大丈夫よ、やましいことがなければ、書けるでしょ?」
「えっ……う、うん……ないよ!ないってば!」
(やばい、手が震えて印鑑押せない……!)
その夜。
希美は久々に大学時代の友人とオンライン飲み会。画面越しの友人たちに、今の様子を話す。
「でね、この間“浮気封じ弁当”に“罰金契約書”。もう、楽しくて仕方ないの!」
「いや、あんたサイコパスの陽キャか!」「え、てか旦那逃げないの?」
「逃げる?あの人、今や私の機嫌を取ることで手一杯。寿司屋の皿回すより必死よ」
和真はリビングで、スマホにこっそり“夫 浮気 誤魔化し方”と打ち込む手を止め、画面を盗み見る。
「……笑ってる。俺の話で……盛り上がってる……」
それを背中で感じながら、希美はひとりごちる。
「次はどんな“冗談”にしようかしら~。お楽しみに♪」
そして復讐ノートには、こう記された。
《第三フェーズ:笑顔で罰金契約。夫、震えながら自白準備中》
次回、「愛の賞味期限、切れかけてます」──バレないように笑いながら、お楽しみに!
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