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第一部
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地下鉄銀座線「銀座駅」で下車し、A4出口から地上に出ると、雨はだいぶ小雨になっていた。銀座四丁目の交差点には、色とりどりの傘の花が所狭しと咲いていた。人々が放出する熱量が雨の湿気と相俟って、不快指数の数値を高めていた。紺色の生地に小花がプリントされたノースリーブのワンピースを身に纏った唯香は、べとべとする肌を頻りに気にしていた。銀座中央通り沿いを京橋方面へ歩いて行き、銀座三丁目、二丁目……と数字が小さくなるに連れ、人影も少し疎らになっていった。銀座一丁目の交差点を左折し少し奥に入ったところに、岡崎さんと待ち合わせしたトラットリアがあった。煉瓦造りのこぢんまりとした瀟洒なお店だ。約束した十九時まで、まだ十五分ほどある。大通りに出てでウィンドウショッピングでもして少し時間を潰そうかどうしようか迷っていると、丁度、こちらへ向かってくる人影が見えた。
「ごめんねっ! 待たせちゃったかな?」
急いで来てくれたのだろう。雨粒に晒された岡崎さんの髪は、整髪料が溶けて無造作な感じになっていた。それが、逆に、唯香の女心をくすぐった。
「大丈夫です! 私も今着いたばかりなので。お忙しいところ、お時間作ってくださってありがとうございます」
「ごめんね。なんか、余計なお世話だったかなあ、なんて思ったんだけど。迷惑じゃなかった?」
「いえ、迷惑だなんてとんでもないです! こうして、私のことを気に掛けてくれる方、他にいないので、すごく嬉しいです!」
「そっか。なら、良かった。風邪引いちゃったら大変だから、とりあえず中に入ろうか?」
「はい!」
「ごめんねっ! 待たせちゃったかな?」
急いで来てくれたのだろう。雨粒に晒された岡崎さんの髪は、整髪料が溶けて無造作な感じになっていた。それが、逆に、唯香の女心をくすぐった。
「大丈夫です! 私も今着いたばかりなので。お忙しいところ、お時間作ってくださってありがとうございます」
「ごめんね。なんか、余計なお世話だったかなあ、なんて思ったんだけど。迷惑じゃなかった?」
「いえ、迷惑だなんてとんでもないです! こうして、私のことを気に掛けてくれる方、他にいないので、すごく嬉しいです!」
「そっか。なら、良かった。風邪引いちゃったら大変だから、とりあえず中に入ろうか?」
「はい!」
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