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第二部
山崎洋子1
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夏季休暇明けの職場は、雨気を多分に含んだ雲みたいにどんよりとしている。昼休み5分前を知らせる予鈴が、統括営業部のフロアに鳴り響くと、欠伸をする者や、チャイムと同時に社員食堂に向かうための持ち物の準備をする者など、皆、緊張から解き放たれたような表情をしていた。
仕事中は鬼の形相をしていると恐れられている唯香も、さすがに10日も休んだ後だとなかなか仕事モードのスイッチが入らないし、終始なんとなく落ち着かない。
というのは、小川 美希の後任として、派遣社員の山崎 洋子がこの日から入社したので、社内の案内や、担当してもらう仕事内容の説明などで午前中の業務が終了してしまったからだ。
「山崎さん、今日はお昼持ってきてます?」
「あっ、いえっ。今日は何も持ってきていないんです」
「それじゃ、もしよろしかったら、お昼ご一緒しませんか? ここの社食けっこう美味しいって評判なんですよ」
「わあっ! 嬉しいです! ぜひ、ご一緒させてくださいっ!」
よほど緊張していたのだろう。山崎洋子は嬉しそうに微笑んだ。彼女は、派手な身なりの小川美希とは真逆といっていいほど地味な印象を纏っている。化粧も薄く染色していない肩甲骨あたりまで伸びた髪を後ろで一つに束ねている。勤務初日ということで様子見をしているのかもしれないが、服装も落ち着いている。
本音を言えば、唯香はお昼はひとりで自由に過ごすのが好きなのだが、短期間で辞められでもしたら、成瀬さんは小川美希だけじゃなくて誰ともうまくコミュニケーションをとれないという悪い評価につながってしまう。そんなわけで、朝から、唯香は彼女に対して、なけなしの気を遣いまくっているのだ。
仕事中は鬼の形相をしていると恐れられている唯香も、さすがに10日も休んだ後だとなかなか仕事モードのスイッチが入らないし、終始なんとなく落ち着かない。
というのは、小川 美希の後任として、派遣社員の山崎 洋子がこの日から入社したので、社内の案内や、担当してもらう仕事内容の説明などで午前中の業務が終了してしまったからだ。
「山崎さん、今日はお昼持ってきてます?」
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よほど緊張していたのだろう。山崎洋子は嬉しそうに微笑んだ。彼女は、派手な身なりの小川美希とは真逆といっていいほど地味な印象を纏っている。化粧も薄く染色していない肩甲骨あたりまで伸びた髪を後ろで一つに束ねている。勤務初日ということで様子見をしているのかもしれないが、服装も落ち着いている。
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