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第二部
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ふたりで卒業アルバムを隈なくチェックしたけれども、山崎洋子らしい人物はみつからなかった。
「どうも、山崎洋子には裏があるようね」
と栞が言った。
「そういえば、紹介予定派遣って、履歴書と職務経歴書提出しないの?」
唯香が栞に問い掛けた。栞は『ビジネスパートナー』という大手の派遣会社の営業の仕事をしている。
「通常の派遣社員の場合は提出しないけど、紹介予定派遣の場合は提出してもらうよ」
「それ、見ることって不可能だよねえ?」
「アンタ、私を無職にしたいの?」
そう言って、栞は大笑いした。
「ごめん、ごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだけど……そういえば、和樹くんはいつ帰ってくるの?」
時計の針はもうすぐ二十一時を指し示すところだった。
「ああ、かずくんの勤務先、個人経営のメンタルクリニックだからさ、患者さんのカウンセリングが終わった後も事務作業がけっこうな量あるみたいで、どうしても帰り遅くなっちゃうんだよねえ。そろそろ帰ってくるとは思うけど」
栞の彼氏の“かずくん”こと、水島和樹くんは臨床心理士だ。
「和樹くんって、院卒なんだよね?」
「うん。『明日葉大学大学院 心理学研究科』卒だよ」
「すごいよねえ。自分が目指す職業に就くって難しいことじゃない? 私なんか、志望大学に合格することしか考えてなくて、卒業したらどんな仕事をしたいとか考えてなかったもんなあ」
「まあ、ほとんどが、そんなもんじゃない? 私もそうだったし……」
ちょうどその時、玄関ドアが開く音がきこえてきた。
「ただいまあ! あれ? 唯香ちゃん、いらっしゃい! お久しぶり! 相変わらず綺麗だねえ」
唯香が和樹くんと会うのは、唯香がタケルにポイ捨てされたとき以来だから、約五年ぶりということになる。唯香が独りになった頃、栞は、高校の同窓会で和樹くんと再会し意気投合し付き合うこととなった。五年ぶりに再会した和樹くんは、昔よりも貫禄が増していた。
「どうも、山崎洋子には裏があるようね」
と栞が言った。
「そういえば、紹介予定派遣って、履歴書と職務経歴書提出しないの?」
唯香が栞に問い掛けた。栞は『ビジネスパートナー』という大手の派遣会社の営業の仕事をしている。
「通常の派遣社員の場合は提出しないけど、紹介予定派遣の場合は提出してもらうよ」
「それ、見ることって不可能だよねえ?」
「アンタ、私を無職にしたいの?」
そう言って、栞は大笑いした。
「ごめん、ごめん。そんなつもりで言ったんじゃないんだけど……そういえば、和樹くんはいつ帰ってくるの?」
時計の針はもうすぐ二十一時を指し示すところだった。
「ああ、かずくんの勤務先、個人経営のメンタルクリニックだからさ、患者さんのカウンセリングが終わった後も事務作業がけっこうな量あるみたいで、どうしても帰り遅くなっちゃうんだよねえ。そろそろ帰ってくるとは思うけど」
栞の彼氏の“かずくん”こと、水島和樹くんは臨床心理士だ。
「和樹くんって、院卒なんだよね?」
「うん。『明日葉大学大学院 心理学研究科』卒だよ」
「すごいよねえ。自分が目指す職業に就くって難しいことじゃない? 私なんか、志望大学に合格することしか考えてなくて、卒業したらどんな仕事をしたいとか考えてなかったもんなあ」
「まあ、ほとんどが、そんなもんじゃない? 私もそうだったし……」
ちょうどその時、玄関ドアが開く音がきこえてきた。
「ただいまあ! あれ? 唯香ちゃん、いらっしゃい! お久しぶり! 相変わらず綺麗だねえ」
唯香が和樹くんと会うのは、唯香がタケルにポイ捨てされたとき以来だから、約五年ぶりということになる。唯香が独りになった頃、栞は、高校の同窓会で和樹くんと再会し意気投合し付き合うこととなった。五年ぶりに再会した和樹くんは、昔よりも貫禄が増していた。
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