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第三部
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「そうだったんですね……」
これ以上訊いてはいけないと察知したのか、若村は、それ以上、唯香の過去に触れることはしなかった。
「そうなの。私の話は、またの機会があったらにしましょう。今日は、あなたと岡崎さんの話を聞かせて」
唯香が若村に話を促すと、彼女は、込み上げてくる感情を押し殺すように淡々と話を続けた。
「私は都内の短大卒で八角重工に入社しました。美希……小川美希とは同期で、新人社員研修でいちばん最初に私に声を掛けてくれたのが美希だったんです。それがきっかけで、美希とはプライベートでもつるむようになりました。以前も成瀬さんにお話ししたかもしれませんが……美希も私も結婚願望が強くて、なるたけ早く寿退社するのが目標でした。美希は、私と違って社交的な性格で、社内外問わず人脈をつくっては合コンのセッティングをしてくれて、いつも私を誘ってくれました。私は美希が幹事をしてくれた合コンで知り合った人と結婚するつもりでお付き合いしていましたが、私に先を越されるのが面白くなかったのか、美希は彼を強引に奪ったんです」
「ええ。その話ならよく覚えているわ。美希……小川さんに反省の色がないのをずっと恨んでいて、いつか痛い目に遭わせてやろうと思っていたって話していたわよね? ちょっと疑問に思ったんだけど……若村さん、ずっと岡崎さんに憧れてたのよね? それに、私の記憶違いでなければ、岡崎さんが国際営業課の同僚に頼まれて幹事を任された合コンに若村さんも参加していたのよね? 彼にアプローチしようとは考えていなかったの?」
「そんな恐れ多いこと考えてもみませんでした。その合コンに参加していた女性陣全員が岡崎さん狙いでしたし、その時はまだ彼もいちおう既婚者でしたし……私は彼と一言も話すことはできませんでした」
これ以上訊いてはいけないと察知したのか、若村は、それ以上、唯香の過去に触れることはしなかった。
「そうなの。私の話は、またの機会があったらにしましょう。今日は、あなたと岡崎さんの話を聞かせて」
唯香が若村に話を促すと、彼女は、込み上げてくる感情を押し殺すように淡々と話を続けた。
「私は都内の短大卒で八角重工に入社しました。美希……小川美希とは同期で、新人社員研修でいちばん最初に私に声を掛けてくれたのが美希だったんです。それがきっかけで、美希とはプライベートでもつるむようになりました。以前も成瀬さんにお話ししたかもしれませんが……美希も私も結婚願望が強くて、なるたけ早く寿退社するのが目標でした。美希は、私と違って社交的な性格で、社内外問わず人脈をつくっては合コンのセッティングをしてくれて、いつも私を誘ってくれました。私は美希が幹事をしてくれた合コンで知り合った人と結婚するつもりでお付き合いしていましたが、私に先を越されるのが面白くなかったのか、美希は彼を強引に奪ったんです」
「ええ。その話ならよく覚えているわ。美希……小川さんに反省の色がないのをずっと恨んでいて、いつか痛い目に遭わせてやろうと思っていたって話していたわよね? ちょっと疑問に思ったんだけど……若村さん、ずっと岡崎さんに憧れてたのよね? それに、私の記憶違いでなければ、岡崎さんが国際営業課の同僚に頼まれて幹事を任された合コンに若村さんも参加していたのよね? 彼にアプローチしようとは考えていなかったの?」
「そんな恐れ多いこと考えてもみませんでした。その合コンに参加していた女性陣全員が岡崎さん狙いでしたし、その時はまだ彼もいちおう既婚者でしたし……私は彼と一言も話すことはできませんでした」
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