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第三部
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唯香は、若村沙織の「いちおう既婚者」という発言に引っ掛かりを感じた。
「いちおう既婚者ってどういうこと?」
唯香がそう言うと、若村はバツの悪い顔をした。
「あの……ごめんなさい……てっきりご存じかと思って……」
なんだか、たかが“遊び相手の女”の若村にマウントをとられたみたいで唯香はイラっとした。と同時に、これから結婚しようとしている相手の隠し事が次々に判明していって不信感も募っていった。
「岡崎さんと元・奥さんは結婚後約2年後には別居状態だったらしいんです。お互いに不倫していたし、岡崎さんは、早く正式に離婚したかったらしいんですけど、元・奥さんが強く拒んでいたみたいで……離婚調停でも解決しなくて、正式に離婚するまでに5年くらいかかったって、彼、話していました。私がそのことを知ったのは、その……彼と、そういう関係になってからでして……」
「なるほどね。でも、何かきっかけがあって、若村さんは、岡崎さんと男女の仲になったのよね?」
唯香は、胸中に渦巻くもやもやした感情を若村に読み取られないように、つとめて、冷静な態度をとった。
「はい。美希に彼氏を盗られたショックで、私、しばらく落ち込んでしまった時期があって……その時、総務部に岡崎さんが来たんですよ」
「正式に離婚したことを報告に来たってこと?」
「はい。そうなんです。離婚すると社会保険とか諸々の手続きが必要になりますので。岡崎さんに、たまたま声を掛けられたのが私だったんです。このチャンスを逃すわけにはいかないって、私、思ったんです。勇気を振り絞って『以前合コンでご一緒させていただいたことがあるのですが、私のこと憶えていますか?』って尋いたら、岡崎さん、私のこと憶えていてくれて……それがきっかけで、彼と付き合うことになったんです」
その時のことを思い出しているのだろう。若村の頬がオカメインコみたいに赤く染まった。感情が昂ぶってきたのか、彼女はそのままの勢いで話を続けた。
「あの頃は本当に幸せでした。私みたいな目立たない女が憧れの岡崎さんの彼女に成れるなんて! 一生分の運と幸せを手に入れたといっても過言じゃなかったんです。岡崎さんに告白してOKの返事を貰えた時は、美希が前の彼を奪ってくれたことに感謝したくらいです……でも、その幸せも長くは続きませんでした」
若村のオカメインコチークが消え去り、また、元の血色の悪い顔色に戻った。
「何があったの?」
早く事の真相を知りたい唯香にとって、一喜一憂する度に変化する若村の顔色などどうでも良かったので、先に先にと話を促した。
「いちおう既婚者ってどういうこと?」
唯香がそう言うと、若村はバツの悪い顔をした。
「あの……ごめんなさい……てっきりご存じかと思って……」
なんだか、たかが“遊び相手の女”の若村にマウントをとられたみたいで唯香はイラっとした。と同時に、これから結婚しようとしている相手の隠し事が次々に判明していって不信感も募っていった。
「岡崎さんと元・奥さんは結婚後約2年後には別居状態だったらしいんです。お互いに不倫していたし、岡崎さんは、早く正式に離婚したかったらしいんですけど、元・奥さんが強く拒んでいたみたいで……離婚調停でも解決しなくて、正式に離婚するまでに5年くらいかかったって、彼、話していました。私がそのことを知ったのは、その……彼と、そういう関係になってからでして……」
「なるほどね。でも、何かきっかけがあって、若村さんは、岡崎さんと男女の仲になったのよね?」
唯香は、胸中に渦巻くもやもやした感情を若村に読み取られないように、つとめて、冷静な態度をとった。
「はい。美希に彼氏を盗られたショックで、私、しばらく落ち込んでしまった時期があって……その時、総務部に岡崎さんが来たんですよ」
「正式に離婚したことを報告に来たってこと?」
「はい。そうなんです。離婚すると社会保険とか諸々の手続きが必要になりますので。岡崎さんに、たまたま声を掛けられたのが私だったんです。このチャンスを逃すわけにはいかないって、私、思ったんです。勇気を振り絞って『以前合コンでご一緒させていただいたことがあるのですが、私のこと憶えていますか?』って尋いたら、岡崎さん、私のこと憶えていてくれて……それがきっかけで、彼と付き合うことになったんです」
その時のことを思い出しているのだろう。若村の頬がオカメインコみたいに赤く染まった。感情が昂ぶってきたのか、彼女はそのままの勢いで話を続けた。
「あの頃は本当に幸せでした。私みたいな目立たない女が憧れの岡崎さんの彼女に成れるなんて! 一生分の運と幸せを手に入れたといっても過言じゃなかったんです。岡崎さんに告白してOKの返事を貰えた時は、美希が前の彼を奪ってくれたことに感謝したくらいです……でも、その幸せも長くは続きませんでした」
若村のオカメインコチークが消え去り、また、元の血色の悪い顔色に戻った。
「何があったの?」
早く事の真相を知りたい唯香にとって、一喜一憂する度に変化する若村の顔色などどうでも良かったので、先に先にと話を促した。
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