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第三部
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想定外の出来事に、唯香以外の全員が氷漬けにされた魚みたいにカチコチに固まった。
「ちょっ、オマエ、どういうつもりだよ? 正気か? 俺様に恥をかかせるんじゃねえよっ!」
岡崎が唯香の腕を掴んで引き寄せ、激しい怒りでわなわなと震えながら言った。
「俺様? 何人もの女を誑かしておいて何偉そうに言ってんのよっ? アンタみたいな不誠実な男と結婚したら、墓に入るまで、苦労するのが目に見えてるのよ」
「誰に唆されたのか知らねえけど、オマエは、俺のことより、バカな女たちの話を信じるのか?」
「はっ? 私、“女”に唆されたなんて、一言も言ってないわよ?」
「じゃっ! そういうわけで! アナタとの結婚の話はなかったってことでっ!」
純白のウェディングドレスの裾をたくし上げながら、バージンロードを走り去ろうとする唯香に向かって、岡崎は、
「ちょっ! 待てよっ!」
と、今まで見たこともないような間抜けな顔をして叫んだ。
漸く、事の重大さを理解したゲストたちや、ブライダルスタッフ一同は、ウェディングドレスを身に纏っている花嫁とは思えないほど軽快に走る新婦を止めることができなかった。新婦が不在となったチャペル内には笑い声やら怒号が飛び交っていた。
「ちょっ……こ……これは、ドッキリというやつかね? 高部さん」
宇野沢課長がおろおろしながら高部に問い掛けた。
「さすがに、ドッキリじゃないと思いますよ」
そう言いながら、高部は、冷静に答えた。宇野沢課長と高部のひとつ後ろの席では、栞が爆笑していた。
「いやあ、随分とまあ、思い切ったことしたよなあ、唯香」
「何? 栞、このこと知ってたの?」
歩美と遥が深刻な顔をして栞に尋いてきた。
「いや……ちょっと、新郎のことでいろいろあって悩んでいるのは知ってたけど……まさか、こんなドラマみたいなことやらかすとは思わなかったわ。まあ、唯香なりに考え抜いて出した結論なんだろうから、私は、唯香を信じるよ」
開け放たれたチャペルのドアから秋陽が入り込み、ステンドグラスに描かれた聖母マリア、幼少期のイエスキリスト、イエスキリストの義理の父であるジョセフをひと際輝かせていた。
「ちょっ、オマエ、どういうつもりだよ? 正気か? 俺様に恥をかかせるんじゃねえよっ!」
岡崎が唯香の腕を掴んで引き寄せ、激しい怒りでわなわなと震えながら言った。
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「はっ? 私、“女”に唆されたなんて、一言も言ってないわよ?」
「じゃっ! そういうわけで! アナタとの結婚の話はなかったってことでっ!」
純白のウェディングドレスの裾をたくし上げながら、バージンロードを走り去ろうとする唯香に向かって、岡崎は、
「ちょっ! 待てよっ!」
と、今まで見たこともないような間抜けな顔をして叫んだ。
漸く、事の重大さを理解したゲストたちや、ブライダルスタッフ一同は、ウェディングドレスを身に纏っている花嫁とは思えないほど軽快に走る新婦を止めることができなかった。新婦が不在となったチャペル内には笑い声やら怒号が飛び交っていた。
「ちょっ……こ……これは、ドッキリというやつかね? 高部さん」
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「さすがに、ドッキリじゃないと思いますよ」
そう言いながら、高部は、冷静に答えた。宇野沢課長と高部のひとつ後ろの席では、栞が爆笑していた。
「いやあ、随分とまあ、思い切ったことしたよなあ、唯香」
「何? 栞、このこと知ってたの?」
歩美と遥が深刻な顔をして栞に尋いてきた。
「いや……ちょっと、新郎のことでいろいろあって悩んでいるのは知ってたけど……まさか、こんなドラマみたいなことやらかすとは思わなかったわ。まあ、唯香なりに考え抜いて出した結論なんだろうから、私は、唯香を信じるよ」
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