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第三部
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追いかけてくる岡崎遼を躱した唯香が、チャペルの駐車場でスタンバイしていた白のミニバンの助手席に滑り込むようにして乗り込んだのを確認すると同時に、車は急発進した。息を切らしながら唯香を睨みつける彼の姿がぐんぐん小さくなり、やがて、唯香の視界から消え去った。運転席のドレッドヘアのグラサン男が唯香に、
「はあ……もう、本当に悪い女だねえ、唯香ちゃんは。もう、俺、心臓破裂しそうだよお」
と言った。
「ていうか……その変装センス……もうちょっとどうにかならなかったの?」
そう言って、唯香は大笑いした。
「えっ? この変装、イケてない?」
ドレッドのウィッグを外し後部座席に放り投げながら、タケルが言った。
「そんなことより、本当にこれで良かったの? まあ、その、岡崎さんは女癖とかいろいろ問題があるっぽいけど……それ言ったら、俺なんか、もっと難ありだし……」
タケルが心配そうな顔をして尋いてきた。
「まあね。完璧な男、っていうか完璧な人間なんて、この世に存在しないだろうし、そんなのはお互い様のことであって、お互いパートナーの悪いところも含めて妥協するのが結婚ってもんだと思うのよね」
「そう思っても、唯香ちゃんは、岡崎さんの悪いところを受け入れようとは思わなかったの?」
「もうっ! ごちゃごちゃうるさいなあっ! 私は私の心の声に素直に従っただけよ。親とか、お世話になってきた人たちに大迷惑掛けちゃったのは本当に申し訳ないと思ってる……でもさ、やっちまったもんはしょうがないじゃんっ! それより、タケル、お願いした荷物は持って来てくれた?」
「うん。トランクの中に入ってるよ!」
トランクには、唯香の着替え用の洋服とスーツケースと、財布やパスポートなどが入った機内持ち込みバッグが置いてあった。唯香がマンションに置いておいたものを、タケルに持って来させたのだ。
「ありがと! 申し訳ないんだけど、ちょっと、適当な場所に車停めてくれる? ちょっと、これ、着替えたいから」
全力疾走したために、あちこちがほつれたウェディングドレスを指差しながら唯香が言った。
「はい、はい。かしこまりー。まったく、唯香ちゃんは人使いが荒いんだから」
呆れたようにタケルが言った。
「何言ってんのよ? タケルは、私を裏切って他の女と結婚したんだから、これくらいの償いは当然でしょ?」
「はあ……唯香ちゃんには適わないなあ」
タケルは、参ったなあという顔をして力なく笑った。
「はあ……もう、本当に悪い女だねえ、唯香ちゃんは。もう、俺、心臓破裂しそうだよお」
と言った。
「ていうか……その変装センス……もうちょっとどうにかならなかったの?」
そう言って、唯香は大笑いした。
「えっ? この変装、イケてない?」
ドレッドのウィッグを外し後部座席に放り投げながら、タケルが言った。
「そんなことより、本当にこれで良かったの? まあ、その、岡崎さんは女癖とかいろいろ問題があるっぽいけど……それ言ったら、俺なんか、もっと難ありだし……」
タケルが心配そうな顔をして尋いてきた。
「まあね。完璧な男、っていうか完璧な人間なんて、この世に存在しないだろうし、そんなのはお互い様のことであって、お互いパートナーの悪いところも含めて妥協するのが結婚ってもんだと思うのよね」
「そう思っても、唯香ちゃんは、岡崎さんの悪いところを受け入れようとは思わなかったの?」
「もうっ! ごちゃごちゃうるさいなあっ! 私は私の心の声に素直に従っただけよ。親とか、お世話になってきた人たちに大迷惑掛けちゃったのは本当に申し訳ないと思ってる……でもさ、やっちまったもんはしょうがないじゃんっ! それより、タケル、お願いした荷物は持って来てくれた?」
「うん。トランクの中に入ってるよ!」
トランクには、唯香の着替え用の洋服とスーツケースと、財布やパスポートなどが入った機内持ち込みバッグが置いてあった。唯香がマンションに置いておいたものを、タケルに持って来させたのだ。
「ありがと! 申し訳ないんだけど、ちょっと、適当な場所に車停めてくれる? ちょっと、これ、着替えたいから」
全力疾走したために、あちこちがほつれたウェディングドレスを指差しながら唯香が言った。
「はい、はい。かしこまりー。まったく、唯香ちゃんは人使いが荒いんだから」
呆れたようにタケルが言った。
「何言ってんのよ? タケルは、私を裏切って他の女と結婚したんだから、これくらいの償いは当然でしょ?」
「はあ……唯香ちゃんには適わないなあ」
タケルは、参ったなあという顔をして力なく笑った。
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