小動物生活も悪くない!

ミルクティ

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転生?

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「わー、やっぱりかわいーね」
声が聞こえる。
と同時に、真っ黒だった視界にぼやけた灯が入ってくる。
頭が…痛い
朦朧とする意識の中、恐る恐る目を開けると、そこにあったものはリアルではありえないようなものだった。
人の顔がそこにある。それもただの顔じゃない。でかいんだ。
ゆっくりと視線を下に向ける。
足場は柔らかく白い感色で、暖かい。
そしてそこからは5本の棒状のものが伸びている。俺はこのフォルムに見覚えがあった。まさか…人の掌?
え?え?え?え?え? どゆこと?
周りを見渡すと、人だけでなく全てがでかい。テレビや、空気洗浄機のようなものがあるのを見ると家かなにかだろう。しかしそんなことはどうでもいい。いきなり自分だけが小さくなってしまう、ガリバー旅行記の逆バージョンのような感覚だ。ありえない…
ぼやけた意識は瞬く間に正常に戻り、現状を受け入れがたいと唸っている。
これは別に俺が臆病だからではないはずだ。
うん、一旦落ち着こう、深呼吸しよう。
目を閉じ目、すぅーと鼻で息を吸い込み、口から吐きだす。
期待と緊張を交えてまぶたを開けるが、そこにあったものはさっきと同じ、何もかもが大きな空間だけだった。
え?どゆこと?は?
上を見上げると、そこには一人の少女がいた。さっきの顔もこの子なのだろう。俺の頭を愛おしげに撫でながら微笑んでいる。
逃げようとしたが、その子の手の感触が予想以上に心地よい。
彼女は微笑みながらこう囁いた。
「今日からここがネロちゃんのおうちだよ」
ネロちゃん?
俺は恐る恐る自分の掌へ視線を移した。
そして目を疑った。だって、そこに写っていたものはとても人間のものとは思えない、猫の肉球だったのだから。
頭が真っ白になって、そして意識を失った。フローリングの床がやけに冷たかったのを覚えている。
直前、その少女が「ネロちゃんが、ネロちゃんが」と叫んでいたことが気がかりだった。

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