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第2章
どのような精霊だったのか
私がいい加減冷めた視線で王女を見てしまったとき、大きな声が室内に響いた。
「ティラー!!
話しの途中だ!おとなしくできないのなら外に出ていろ」
びりびりっと空気が震えた気がする。
それまでは堂々と捕らえろといっていたティラース様が青い顔をして俯いている。
その体はかすかに震えている気がする。
「フレッド殿、サリー殿
息子と娘が失礼な態度を取って申し訳ない。
いつまでも甘えてばかりで、一人前の対応もできないなど恥ずかしい限りだよ。うちの子にも君たちのような気品が身につくようにこの国にいる間だけでも親しくやってくれると嬉しいんだが。
して、サリー殿が精霊と言葉を交わしたというのは本当か。本当ならば素晴らしいことだ。最近わが国では精霊を見れるものが少なくなってしまって残念に思っていたのだよ。それを他国の元王子の妻が精霊と言葉を交わせるなど羨ましい限りだよ。もしよければどのような精霊だったのか教えて貰えないだろうか」
王はにこにことしながら話しはしているが、先ほどまでとは異なり、明らかに目が笑っていない。その目はまるでなにかに狙いを定めた肉食動物のような視線で私を見る。
その視線にゾクッと悪寒が走るも、必死に冷静を装うしかできない。
そしてそんな視線は王からだけ注がれるものではないことがわかる。表情は変わらないようにも見えるが、品定めをするかのように刺さる第1王子の視線のほか、様々な思惑を抱えていそうな視線が私たちを探るように見てくる。
「そのような事は。どこの王族も国の名に恥じないようしっかりとした教育をされているはずです。それを他国の一介の貴族が超えられようがございません。
大変ありがたい申し出ではございますが、謹んで辞退させて頂きます。
サリーが言葉を交わした精霊ですがそれは蜘蛛の姿をしておりました」
フレッドがその言葉をはいた途端、場は一瞬静まり返り、その後クスクスといやな笑い声が聞こえてくる。
「蜘蛛って」「蜘蛛の精霊などいるかよ」
そして、目の前の王子と王女も愉悦にゆがんだ笑みを見せた。
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