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誓約書
しおりを挟む私を抱きしめながら頭を優しく撫でるダグラス。
昔から私を大切に思ってくれているのは知っていました。
でも置いていかれて、妹のように思われていただけなんだと思っていました。
でも大切なものを愛おしそうに撫でるような手の感覚に、胸が温かくなってきます。
「………勝手にどこかに行ってしまうような人はいや……」
「二度としない!!約束する!!」
「置手紙を残すような人はいや………」
「二度としない!誓うよ!」
「………浮気するような人もいや………」
「ありえないよ!!君以外僕にはいらない!」
「よそに子どもがいるような人もいや………」
「絶対にありえないよ!君以外との子なんか欲しいとも思わない!!」
「……ダグラスじゃなきゃいや……」
「ありえない!!
………あ、ありえる!!!僕もステフじゃなきゃいやだ!!!!!
やった!!!前言撤回はダメだよ!!認められないからね!!!
やばい!誓約書が必要だった!!!
きょう!!今日の夜には作るからサインして!絶対だよ!!なしはなし!!
あぁぁぁ!!!!ステフ、愛してる!!!」
何度も何度も私が言う言葉に、即座に応えてくれていたダグラス。
確かにダグラスが浮気するだなんて思えません。
よそに子どもを作るとも思えません。
そんな心配はしていないのです……
でもこの喜びよう、これを見ただけで私も嬉しくなってしまいます。
こんなにも喜んでくれる人がいるだなんて……
それが私がずっと側にいてほしい人であることがこんなにも嬉しく、心が熱くなるだなんて。
「ダグラス……約束して……もう置いていかないで……」
私は少しだけ素直に言葉に出してみることにしました。
あんな思いは二度とごめんです。
だから約束してほしいのです。
彼なら約束したことはきっと守ってくれると思うから。
「約束する!!絶対に置いて行ったりしない!!!!
だから、一緒に出かけよう。領地の街を歩いたり、川にも行こう。隣国にもステフを連れていきたいんだ。
でもその前に結婚式の計画を立てよう。
僕の隣に立つ白いドレスのステフが見たい。他の人に見せたくないなら二人きりでもいい。
他の人に見せてもいいなら盛大にしてもいい。僕のために白いドレスを着るステフの隣を僕が歩きたいんだ」
そう興奮しながらぎゅーっと私を抱きしめたまま結婚式の話をするダグラス。
確かに私は一度元夫と結婚式をしました。
だから2度目を盛大にするかと言われると、躊躇してしまうのが正直な所……
でも彼の隣を白いドレスを着て歩く…それはやりたいですね……
盛大にやるかは両親とも相談して決めましょう。
でも今は………
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