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宇宙人現る…
しおりを挟む「第3皇子はまだ婚約者もいらっしゃらないと伺っております。大変失礼ではございますが、まだ男女の機微というのが分かっていないのでしょう。シャロンは今までも私の為に勉学に励み、私を支えるためにと淑女の嗜みを身につけてきました。それはどれも私を愛するがためです。今回私が少しばかり間違ってしまいましたが、シャロンがいればこそのこと。今回のことは真摯に受け止めシャロンと生涯を共にする覚悟です!」
俺かっこいいだろ!ばりの視線をよこしてきますが、ただただ宇宙人にしか見えません。いえ、宇宙人にも失礼かもしれませんが…
なにが、どこが、『シャロンがいればこそのこと』なのでしょうか?まったくわからないのです…
「ジョージア殿下、一言失礼してもよろしいでしょうか?」
「あっ...あぁ、どうぞ。心置きなく話してください」
絶対今訳が分からな過ぎて心がどこかへ行ってしまわれていましたね。
まぁ、とりあえずジョージ様の許可は得ましたので、きちんと反論させていただきましょう。
「それでは失礼いたします。
ダレン様、先ほどの発言につきましてですが、私は貴方様の為に勉学に励んだことは一度もございません。私は私の為、延いてはカシミール侯爵家の為に勉学に励んでおりました。婚約者であった頃は不本意な婚約者であってもお互いを協調できるような関係になれればとは考えておりましたが、それは侯爵家の為であって、貴方様のためなどではございません。まして不貞行為の末に婚約破棄をした相手など道端に転がる石ころよりも愛着はございません。夢であれ、戯言であれ、そのような事を考えるのは2度とお止めください」
「シャロンこのような場で本心をいうのが躊躇われてしまうのが淑女の嗜みなのだろうが、この場で私への愛を語ってくれなければ私は連行されてしまうかもしれないのだよ?恥ずかしがらずに私への愛を語ってごらん」
あああぁぁぁぁぁぁ…………気持ち悪い!!!!!
その吐き気を催すような気持ち悪さに後ずさりすると背中にジョージ様が手を回してくださいました。
ジョージ様のお顔を見上げるとなにかを諦めたような顔で頭を横に振ってらっしゃいます。
そう、どんなに努力してもこの世の中には相容れない方はいらっしゃるのですね。分かって頂けるなど驕りでしかありませんでした。その表情になんだかひどく安心させられました。
「そうですね…私が愛を語らなければ連行されてしまいますね。では、すぐにでも連行されてくださいまし!!」
「なっ!シャロン!!私を裏切るのか!?」
「まずシャロン嬢はお前の婚約者でもなんでもないのだから裏切るわけではないだろう!元々なぜ伯爵家のお前が侯爵家のシャロン嬢に上から目線で話しかけるのかそこから不可解だ!
衛兵、この男を拘束し猿轡を。こんなに不愉快な気分は初めてだ… 合わせて他4名も逃亡阻止のため拘束するように」
なんだかジョージ様がどっと疲れていらっしゃいます。
こんな内輪なことに付き合わせてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいなのですが、これは一人では収集がつけられなかったのでジョージ様たちに来ていただけて、本当によかったですわ。
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