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無関係の当事者
しおりを挟むそう思っていると、
「第3皇子殿下、私たち夫婦は無関係です。相続は妹と結婚するダレンにすると聞いただけで私たちは何ら関係しておりません!!」
今度はクワッド伯爵がこのようにおっしゃっております。
「そうですか。では、外で『息子がカシミール侯爵当主となる。ミカリーナ嬢と結婚して相続をするためシャロン嬢は家から出されることになった』と言って回っていたのも関係していないと?」
そう、クワッド伯爵夫妻はこのようにお茶会や交流の場でも言って回っていたのです。外堀を埋める気でいらしたのでしょうが、これが証拠の一つになるだなんて思っても見なかったのでしょう。
「そ、それは…そのようにカシミール侯爵から聞いていたため…「なかでも許されない行為が店でもこのように吹聴し、カシミール侯爵家のツケとしてドレスや宝飾品を購入していたらしいですね?これはれっきとした詐欺行為にあたります。もちろん同様の行いを行っていた夫人にも適用されることはお分かりですね」」
「「そ…そんな…」」
なぜカシミール侯爵家から伯爵家へ十分以上の援助を行っていたのに、それだけでは足りなかったのでしょう。今日夫人が身につけていらっしゃる大きな宝石もツケで購入したものだそうです。身の丈に合わない宝石などはたから見ても分かってしまうというのに…
「わ、私は…乗っ取りだなんて考えておりません。ミカリーナとカシミール侯爵夫妻にのせられてしまっただけで、そんな恐ろしいこと…それに愛されていることが分かった以上、私はシャロンと今後添い遂げたいと思っております。なので私への連行命令はおやめください」
今まで何も言えなかったダレン様が息を吹き返したようにジョージ様を見上げながら世迷い事をおっしゃっております。
そんな事をおっしゃるダレン様を見て、その後私の方をみるジョージ様。
その目はまるで『こいつマジなの?』とおっしゃっているようです。
そう、そうなのです…
愛されていることが分かった?添い遂げる???もうこのなめくじ頭いや…
「クワッド伯爵令息。いや、婚姻の義は終わっているのでもう伯爵籍にはないな。ダレン氏、まず貴方はミカリーナと結婚しており、その離縁は許されていない。そして今後も許されることはないでしょう。そのため、シャロン嬢との婚姻は認められない。そして、何度も繰り返されたシャロン嬢への暴言は許されるものではない。それなのになぜ愛されているなどと戯言が言えるのか教えて頂けるか?」
その質問はジョージ様の純粋な疑問だったのでしょう。いえ、その場にいる皆様同じような顔をしていらっしゃるので、その発言自体がもう疑問なのでしょうね…
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