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あなたを守る名誉を
しおりを挟む「なっ…」
花言葉を言っているだけだと分かっているのに、私の目を見つめながら乞うように言われてしまうと勘違いしてしまいそうになるのです。いえ、勘違いしたいのです。私の為に言われているのだと…
「ペチュニアは『あなたと一緒なら心がやわらぐ』これは僕の事と思ってもいいのかな?」
ジョージ様はなんてことをおっしゃるのでしょう。ご自身はそんなことおっしゃられないのに私にだけ言葉を望むだなんて…ずるい人……
ずるい……そう思うのに、その瞳で見つめられると嘘をつくことはできません……
その瞳を見つめながら、頭をコクンと縦に振ります。
「ははっ、ははっ、ほんとに?ほんとに?」
そういいながらジョージ様が俯きながら笑っていらっしゃいます。
なのに次の瞬間には私の右手を自身の右手で握るとお顔を上げ、おっしゃられるのです。
「シャロン・カシミール嬢、どうか私と婚約して頂けませんか?
そしてこれからの人生をあなたの隣で生き、笑い、あなたを守る名誉を私にくださいませんか?」
………………………
「…………は?………」
想像よりも低い声が私の口から漏れました。
この方なんとおっしゃいました?婚約と聞こえましたが……
「あれ?違った?え、でももういいや。シャロン嬢、僕は君のことが好きなんだ。
学生時代から図書館で勉強し、女性では珍しいほど治世の事にも詳しくて、商売のセンスまである。
家族からは多くの愛を受けられなかったかもしれないけど、そうとは思えないほど他人への愛情は深く、親切だ。
そしてどんな事があっても前を向き突き進んでいく姿は輝いていた。
学生時代から『僕は君のとりこ』なんだ。婚約者がいたから学生時代にアプローチすることはできなかった。
でも今なら誰の目を気にすることなく君に愛を伝えられる。
でも君に拒絶されるのは恐くて……だから花を送っていたんだ…僕の気持ちにいつか気づいてと願いを込めてね……
でも花を送っても花言葉を知っている素振りはなくって、違う方向からも攻めようかと思っていたらペチュニアをもらって……
今すぐに僕を好きじゃなくてもいい。僕には君以上の人は現れない。だからそれまで君の近くで愛を囁くことを許してほしい。そして…願わくばいつか僕の愛を受け入れてくれると嬉しいけど………」
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