【完結】ご結婚おめでとうございます~早く家から出て行ってくださいまし~

暖夢 由

文字の大きさ
23 / 41

どうしてこんなことに【ミカリーナ】②

しおりを挟む
ダレン様との結婚式までは本当に夢のような時間だった。

お姉様は貴族の嗜みとか小難しいことを言わなくなって、勉強をって言われることもなくなって、お姉様を追い出すことも決まっていて、ドレス選びだって楽しかった。
結婚式のドレスはお姫様にも負けないほどの豪華さにして、ネックレスの宝石だって見せびらかすように大きいのを付けたわ。

それに負けないようにってお母様も、ダレン様のお母様も大きい宝石を注文してた。

みんなで仲良く話して、今流行りの服飾店も今度からは私の服を優先して作らせるようにできるってお父様も言っていたのに…


それなのに……


楽しかった結婚式でお姉様にみんなの前で私に謝らせて、ちょっと恥をかかせてやろうって思っただけなのに…


結婚式が終わったら私は貴族ではなくなっていた。
いや、第1種取締課の人がいうには私はもともと貴族ではなかったらしい。

平民が貴族の家族になるには当主が申請を出し、それが許可されないと貴族にはなれないんだそう。
お父様はずっと当主代理だったからお父様の書類にはなんの権限もなくって、その書類は返されることなく処分されていたんだって。

でも私はそんなこと知らなくて、ずっと貴族だと思っていた。
それなのに結婚式ですべてが終わってしまった。

結婚式の途中で拘束され、全員そのまま第1種取締課へ連行された。

せっかく豪華に準備したドレスは連行されたその場で脱がされ、召使のような服に着替えされてしまった。

「やめて!!そのドレスは私のよ!泥棒!」   
そう訴えても全く取り合ってもらえず、ドレスは持っていかれてしまった。

そこからは罪状の内容を聴かされ、事実かどうか確認されたけど、話している内容がよくわからないわ。
だって、乗っ取りって、侯爵家は我が家でしょう?
お父様のものであって、いえ、お姉様のものだったかな。

でもそれって私のものってことでしょう。
どうして乗っ取ることになるの。

それにダレン様と私が侯爵家当主になるって言っていたのが詐欺って、だってそうなんだから詐欺なんかじゃないわ!

そんなことを説明してあげているのに、取締課の人は頭が悪くって理解できないみたい。

もう、こんなこと話すぐらいならエヴァンズ様を連れてきてよ。

あの人は私の救世主なのよ。

第3皇子も綺麗な顔をしていたけど、私はエヴァンズ様みたいな少し冷たそうな顔のほうが好き。

ダレン様と結婚したかもしれないけど、ダレン様は犯罪者になってしまうなら離婚してもらって、エヴァンズ様のところに行かなくちゃ。


((そのころエヴァンズ様は耐えられない悪寒に襲われ、皇室での職を辞して、カシミール家の執事となりました))


それなのに取締課の人は私のことを離したくなくってここから出してくれない。
だったらもっと丁寧に扱えばいいのにご飯だって美味しくないし、いつまでたっても召使のような服から着替えられない。

もう早く出してよ!!!!
しおりを挟む
感想 61

あなたにおすすめの小説

私ではありませんから

三木谷夜宵
ファンタジー
とある王立学園の卒業パーティーで、カスティージョ公爵令嬢が第一王子から婚約破棄を言い渡される。理由は、王子が懇意にしている男爵令嬢への嫌がらせだった。カスティージョ公爵令嬢は冷静な態度で言った。「お話は判りました。婚約破棄の件、父と妹に報告させていただきます」「待て。父親は判るが、なぜ妹にも報告する必要があるのだ?」「だって、陛下の婚約者は私ではありませんから」 はじめて書いた婚約破棄もの。 カクヨムでも公開しています。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

私、お母様の言うとおりにお見合いをしただけですわ。

いさき遊雨
恋愛
お母様にお見合いの定石?を教わり、初めてのお見合いに臨んだ私にその方は言いました。 「僕には想い合う相手いる!」 初めてのお見合いのお相手には、真実に愛する人がいるそうです。 小説家になろうさまにも登録しています。

婚約者の姉に薬品をかけられた聖女は婚約破棄されました。戻る訳ないでしょー。

十条沙良
恋愛
いくら謝っても無理です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

結婚式をボイコットした王女

椿森
恋愛
請われて隣国の王太子の元に嫁ぐこととなった、王女のナルシア。 しかし、婚姻の儀の直前に王太子が不貞とも言える行動をしたためにボイコットすることにした。もちろん、婚約は解消させていただきます。 ※初投稿のため生暖か目で見てくださると幸いです※ 1/9:一応、本編完結です。今後、このお話に至るまでを書いていこうと思います。 1/17:王太子の名前を修正しました!申し訳ございませんでした···( ´ཫ`)

ヴェルセット公爵家令嬢クラリッサはどこへ消えた?

ルーシャオ
恋愛
完璧な令嬢であれとヴェルセット公爵家令嬢クラリッサは期待を一身に受けて育ったが、婚約相手のイアムス王国デルバート王子はそんなクラリッサを嫌っていた。挙げ句の果てに、隣国の皇女を巻き込んで婚約破棄事件まで起こしてしまう。長年の王子からの嫌がらせに、ついにクラリッサは心が折れて行方不明に——そして約十二年後、王城の古井戸でその白骨遺体が発見されたのだった。 一方、隣国の法医学者エルネスト・クロードはロロベスキ侯爵夫人ことマダム・マーガリーの要請でイアムス王国にやってきて、白骨死体のスケッチを見てクラリッサではないと看破する。クラリッサは行方不明になって、どこへ消えた? 今はどこにいる? 本当に死んだのか? イアムス王国の人々が彼女を惜しみ、探そうとしている中、クロードは情報収集を進めていくうちに重要参考人たちと話をして——?

処理中です...