【完結】前代未聞の婚約破棄~なぜあなたが言うの?~

暖夢 由

文字の大きさ
16 / 39

16

しおりを挟む
「サリー・ナシェルカ嬢、私と踊って頂けますか?」

そう手を差し伸べてこられます。
エスコートして頂いて来たのに受けないわけにはいきません…

「喜んで…」

差し出された手に手を重ねてホールに進み出ます。
そして踊りだすとフレッド様が伺うように「怒ってる?」とおっしゃいますが、怒っているなどとんでもありません。

「ただ事実に驚いているだけでございます」

「ごめんね。出来れば普通に話して見たかったんだ。デイヴのいうサリーって女の子とね」

困ったように微笑みながら話してくれたのは従弟のデイヴとは仲が良く、アイシャや私の話しをよくしていたということ。特にナシェルカ伯爵領の織物について、一度デイブが興奮して話していたのだそう。それを教えてくれた子がサリーという子で、第2王子殿下としてではなく普通に話してみたかったと謝って頂きました。

そんなことを話し終えるとちょうどダンス曲が終わり、後ろには第2王子殿下と踊りたいと未婚女性の列が出来ておりました。

私は一礼をし、アイシャたちのところへ戻ります。
そして、ドレスの売り込みの為にいろんな方達とお話をさせて頂くのです。

なんだか驚きが多いパーティでしたが、入場もダンスも楽しいお話もして頂き、7年間も婚約していた元婚約者にはして頂いたことのない完璧なエスコートでした。

私は売り込みをするのに必要な、主要人物には話しかけたのでそろそろお暇しようかと思います。

その前にアイシャたちに声をかけに行きましょう。
そうして私は幸せそうに話しをしているアイシャとデイブのところへお邪魔するのです。

「アイシャ、デイヴ、私そろそろ失礼しようと思うの。悪いけれどフレッド様にも伝えて頂ける?」

「え?サリー帰るの?でもフレッド様は…」

視線をうつすと未だフレッド様の周りの女性の群れが出来ております。

「エスコートしていただいて申し訳ないけれど、帰りは必要ないし。それにせっかくの機会をつぶしてしまうのも嫌だわ。だから出来ればお声をかけないで帰らせてもらいたいの。」

フレッド様は婚約者がいないということもあり大人気で、こんな機会は女性からしたら絶対に逃したくないに違いないのです。そんな時にただの伯爵令嬢でしかない私が邪魔をしに行ったりしたら、今後の私の営業活動にも差し障りますわ。

「うーん、まぁあの状態だとこっちに来るのは難しそうだから仕方ないね。わかった。伝えておくよ。それではサリー嬢また来週学校で」

「ふふっ、デイヴィッド様ありがとうございます。それでは来週学校でまたアイシャと仲の良い姿を見れるのを楽しみにしておりますわ。それじゃあね、アイシャ」

デイヴはたまに、わざとこうやって「サリー嬢」と呼び仰々しく話しかけて楽しむことがあります。私も楽しみながら同じように返すのです。

公爵家なのに驕らず、こうやって接してくれる二人は尊敬すべき人です。

そうして私は馬車で家に帰り、ドレスを脱ぐとやっと一息つくことが出来ました。やはり年に一度の一番大きな催しは人が多く、疲れてしまいます。

この日は寝支度をするとそのままベッドに吸い込まれるように眠ってしまいました。
しおりを挟む
感想 118

あなたにおすすめの小説

復縁は絶対に受け入れません ~婚約破棄された有能令嬢は、幸せな日々を満喫しています~

水空 葵
恋愛
伯爵令嬢のクラリスは、婚約者のネイサンを支えるため、幼い頃から血の滲むような努力を重ねてきた。社交はもちろん、本来ならしなくても良い執務の補佐まで。 ネイサンは跡継ぎとして期待されているが、そこには必ずと言っていいほどクラリスの尽力があった。 しかし、クラリスはネイサンから婚約破棄を告げられてしまう。 彼の隣には妹エリノアが寄り添っていて、潔く離縁した方が良いと思える状況だった。 「俺は真実の愛を見つけた。だから邪魔しないで欲しい」 「分かりました。二度と貴方には関わりません」 何もかもを諦めて自由になったクラリスは、その時間を満喫することにする。 そんな中、彼女を見つめる者が居て―― ◇5/2 HOTランキング1位になりました。お読みいただきありがとうございます。 ※他サイトでも連載しています

婚約破棄されました。

まるねこ
恋愛
私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。 本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約者のお披露目会を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。 ド定番的な婚約破棄からの恋愛物です。 習作なので短めの話となります。 恋愛大賞に応募してみました。内容は変わっていませんが、少し文を整えています。 ふんわり設定で気軽に読んでいただければ幸いです。 Copyright©︎2020-まるねこ

お前との婚約は、ここで破棄する!

ねむたん
恋愛
「公爵令嬢レティシア・フォン・エーデルシュタイン! お前との婚約は、ここで破棄する!」  華やかな舞踏会の中心で、第三王子アレクシス・ローゼンベルクがそう高らかに宣言した。  一瞬の静寂の後、会場がどよめく。  私は心の中でため息をついた。

聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思うので、第二の人生を始めたい! P.S.逆ハーがついてきました。

三月べに
恋愛
 聖女の座を奪われてしまったけど、私が真の聖女だと思う。だって、高校時代まで若返っているのだもの。  帰れないだって? じゃあ、このまま第二の人生スタートしよう!  衣食住を確保してもらっている城で、魔法の勉強をしていたら、あらら?  何故、逆ハーが出来上がったの?

王子に婚約破棄されて国を追放「魔法が使えない女は必要ない!」彼女の隠された能力と本来の姿がわかり誰もが泣き叫ぶ。

佐藤 美奈
恋愛
クロエ・エルフェシウス公爵令嬢とガブリエル・フォートグランデ王太子殿下は婚約が内定する。まだ公の場で発表してないだけで、王家と公爵家の間で約束を取り交わしていた。 だが帝立魔法学園の創立記念パーティーで婚約破棄を宣言されてしまった。ガブリエルは魔法の才能がある幼馴染のアンジェリカ男爵令嬢を溺愛して結婚を決めたのです。 その理由は、ディオール帝国は魔法至上主義で魔法帝国と称される。クロエは魔法が一番大切な国で一人だけ魔法が全然使えない女性だった。 クロエは魔法が使えないことに、特に気にしていませんでしたが、日常的に家族から無能と言われて、赤の他人までに冷たい目で見られてしまう。 ところがクロエは魔法帝国に、なくてはならない女性でした。絶対に必要な隠された能力を持っていた。彼女の真の姿が明らかになると、誰もが彼女に泣いて謝罪を繰り返し助けてと悲鳴を上げ続けた。

婚約者様、勝手に婚約破棄させていただきますが、妹とお幸せにどうぞ?

青杉春香
恋愛
フラメル家の長男であるライダと婚約をしていたアマンダは、今までの数々ののライダからの仕打ちに嫌気がさし、ついに婚約破棄を持ちかける。 各話、500文字ほどの更新です。 更新頻度が遅くてすみませんorz

婚約破棄!?なんですって??その後ろでほくそ笑む女をナデてやりたい位には感謝してる!

まと
恋愛
私、イヴリンは第一王子に婚約破棄された。 笑ってはダメ、喜んでは駄目なのよイヴリン! でも後ろでほくそ笑むあなたは私の救世主!

従姉妹に婚約者を奪われました。どうやら玉の輿婚がゆるせないようです

hikari
恋愛
公爵ご令息アルフレッドに婚約破棄を言い渡された男爵令嬢カトリーヌ。なんと、アルフレッドは従姉のルイーズと婚約していたのだ。 ルイーズは伯爵家。 「お前に侯爵夫人なんて分不相応だわ。お前なんか平民と結婚すればいいんだ!」 と言われてしまう。 その出来事に学園時代の同級生でラーマ王国の第五王子オスカルが心を痛める。 そしてオスカルはカトリーヌに惚れていく。

処理中です...