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反抗期編
ちょっと縮まる距離
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詰所を出るとヴァンがシリウスの肩に止まり、シリウスに頬擦りをしてくる。ヴァンを撫でながらステラの様子を窺っていると彼女は不貞腐れているが、その姿はあまりにも可愛らしい。
「今頃アステルが探しているだろう……ヴァン、伝えてくれ」
シリウスが懐から紙とペンを取り出し、文字を書くとそれを受け取ったヴァンは飛び立つ。これでステラがここにいて保護をしたことはアステルの耳にも入るだろうと一つ不安を解消をしてからステラを連れて家まで戻ることにした。
家に帰るには城下町の大通りを通らなければならない。今日の城下町の様子は普段よりも賑わっていた。その理由はもうすぐ年に一回行われるお祭りの日だから。そして昼頃は一番混む時間だ。
シリウスは人混みの中をかき分けて進んで行こうとすると、ステラがシリウスの服を掴んで怯えた表情を浮かべていることに気づいた。ここまで歩いてきたのだから疲れていたのもあるだろう。
「……抱き上げてもいいか?」
「…………」
ステラは無言だったが、小さくうなずくとシリウスは彼女を抱き上げた。手を繋ぐよりも歩きやすい。
初めて抱いたステラは軽い……いや、重い。命の重さを感じる。こんなに大きくなるまで育てるのは時間と愛情を一身に受けたからだ。アステルが一人でステラを育て上げてきたことに感謝をしながら、ステラが怖がらないようにゆっくり歩くことにした。
「…………」
シリウスにしがみつきながらステラはいつもと違う景色を見て驚いていた。もっと小さい頃は母が抱き上げて散歩や買い物に連れて行ってくれたのだが、いつの間にか自らの足で歩くようになっていた。それでも手を繋いで歩いてはいた。
「見てる……」
それと周りの人の視線が気になる。シリウスは整った顔立ちをしている。それに加えて長身で体格も良く、鍛えられた筋肉質で男らしく頼りがいがあった。
そんな彼が小さな女の子を抱いている姿はとても目立つようだ。しかも、彼はダークエルフでこの国で一番強い騎士でもあるのだから。ステラは恥ずかしくなり、シリウスの肩に顔を埋めた。
「どうした?」
「なんでもない……」
シリウスは優しく尋ねるとステラは首を横に振った。その様子からなんでもない、と言うことはなさそうだと感じたが何も聞かずにただ彼女の背中を撫でていた。
「あら、シリウス様」
突然声をかけられたのでシリウスが振り返ると、そこには三人の人間の若い女達が立っていた。買い物をしていたようで彼女達は大きな荷物を持っている。おそらくシリウスとは知り合いなのだろうと思い、ステラは彼の腕の中で大人しくしていた。
「そちらの子供は?」
「お元気そうですね」
「今日は何を買いに来たんですか?」
彼女たちはシリウスに挨拶をし、口々に話しかけてきた。皆シリウスのことが好きなようで、目がキラキラしている。シリウスは困ったような笑みを浮かべてステラに目を向けるとステラはシリウスの顔を見上げて見つめ返す。
「俺の娘だ」
「あ……」
それを聞いてステラはドキッとしてしまう。自分が娘だと紹介されることになんだかくすぐったい気持ちになったのだ。
「訳あって離れ離れだったが、今は一緒に暮らしている」
「えっ?」
「あの……」
「嘘……」
シリウスの言葉を聞いて彼女達は絶句する。まるで信じたくないという表情だった。しかしそれは当然の反応かもしれない。今まで憧れていた人にいきなり子供がいたと知れば誰だって驚くはずだ。
「すまない……急ぐから失礼する」
シリウスはステラを抱いたまま足早に立ち去ろうとすると、一人の女性が我に返って追いかけようとし、他の二人が止めるも振り切ってシリウスとステラの目の前に回り込む。
「ほ、本当の娘なんですか?血の繋がりとかは……だって肌の色とか全然……」
「やめなさいって」
確かに昼間はエルフの姿のステラは金髪に青い瞳で顔立ちはアステル似、更に長い耳も隠している。銀髪で褐色のシリウスとは親子に見えないだろう。だが、それをわざわざ本人の目の前で尋ねるのはデリカシーがないにも程がある行為だ。そして言われていることがわからないほどステラは幼くはなかった。
「間違いなく俺の娘だ。子供の前で余計な詮索はしないでくれ」
シリウスができるだけ感情を込めずに言うと、女性は黙ってしまった。そして少しすると、頭を下げて謝罪をする。
「す、すみません」
「いや……この子の名前はステラと言うんだ。よろしく頼む」
「はい!」
女性の返事を聞くとシリウスは再び歩き出した。
それからしばらく進むとステラが何か言いたげにシリウスを見つめていることに気づく。
「どうした?疲れたか?」
「別に……あ」
するとステラのお腹の音が鳴った。朝食を抜いていたからだ。その様子にシリウスはフッと笑うと、ステラは自分の顔を赤くさせた。
「そうだな……何か食べたいものはあるか?」
「平気だもん、いらないよ……あ」
ステラは否定をするが、お腹は正直に音を出す。ステラは顔を真っ赤にして俯くと、シリウスは苦笑いをした。
「好きな物を言ってくれ、なんでも食べてもいいぞ」
「うぅ……アレ……」
恥ずかしそうな顔でステラが見ているのは屋台のホットドッグだった。さっそくシリウスはマスタード抜きのそれを買うと、ステラに手渡してあげた。
「あ、ありがと」
嬉しそうに受け取ると、ステラは小さな口で一心不乱に頬張る。シリウスはその姿を見ているだけで幸せを感じた。
歩いたまま食べるのは行儀が悪いとアステルに言われてしまいそうなのでステラを近くのベンチに座らせて、その隣にシリウスは腰を下ろした。
夢中で食べているステラはとても可愛いらしい。そう考えながらシリウスはそれを眺めているとステラの食べるスピードが落ちていき、ついには七割まで食べた所でピタりと止まってしまった。
「お腹いっぱい……」
幼いステラには一人で全部は食べられなかったようだ。自分が子供の頃は次はいつ食べられるのかわからないからとにかく胃袋に詰め込んでいたなと懐かしい気持ちになり、いつでも美味しいものを腹いっぱい食べられるステラを見て安心をした。
「……あげる」
ステラは手に持っている残りのホットドッグを食べようとせず、じっと見つめているとシリウスに差し出してきた。幼いながらも捨てるのは勿体ないと感じ取ったらしい。
「いいのか?」
「美味しいよ」
「ありがとう」
「うん」
シリウスはそれを受け取ると、ホットドッグを自分の口に運んだ。口の中に広がるケチャップとソーセージの食べ慣れた味がいつもよりも美味しく感じる。
あっという間に完食をするとステラはその様子をじーっと見ていた。
「どうした?」
「ステラ、ずっといじわる言っていたのにどうしておじさんは怒らないの?」
「ん?」
ステラは今までシリウスに対して冷たく接していた。それはシリウスが嫌いだからではなく、母を奪われてしまった寂しさからなのは理解していた。
シリウスはそんなことは気にしていない。長年、何もしていないのにダークエルフなだけで迫害を受けていたことに比べればステラが拒絶をする理由なんて可愛らしいものだ。むしろ嫌われても当たり前と思っている。だから好かれようと努力をしているのだ。
(俺はもっと酷かったからな)
アステルと出会った頃、彼女の首を絞めて殺そうとしたことがある。もちろん威嚇で本気ではなかったが、それでも許せることではないのにアステルは許してくれた。
「……大人だからな」
「ふーん……ステラだったら怒ってたのに」
「ああ、嫌なものは嫌だと言っていいんだ」
子供の頃のシリウスは「嫌」だと言えない立場だった。ステラは違う、「嫌」だと言えばいつでも逃げられる。守ってやれる。だからこそ、自分とは違って自由に生きて欲しいと思う。
「今頃アステルが探しているだろう……ヴァン、伝えてくれ」
シリウスが懐から紙とペンを取り出し、文字を書くとそれを受け取ったヴァンは飛び立つ。これでステラがここにいて保護をしたことはアステルの耳にも入るだろうと一つ不安を解消をしてからステラを連れて家まで戻ることにした。
家に帰るには城下町の大通りを通らなければならない。今日の城下町の様子は普段よりも賑わっていた。その理由はもうすぐ年に一回行われるお祭りの日だから。そして昼頃は一番混む時間だ。
シリウスは人混みの中をかき分けて進んで行こうとすると、ステラがシリウスの服を掴んで怯えた表情を浮かべていることに気づいた。ここまで歩いてきたのだから疲れていたのもあるだろう。
「……抱き上げてもいいか?」
「…………」
ステラは無言だったが、小さくうなずくとシリウスは彼女を抱き上げた。手を繋ぐよりも歩きやすい。
初めて抱いたステラは軽い……いや、重い。命の重さを感じる。こんなに大きくなるまで育てるのは時間と愛情を一身に受けたからだ。アステルが一人でステラを育て上げてきたことに感謝をしながら、ステラが怖がらないようにゆっくり歩くことにした。
「…………」
シリウスにしがみつきながらステラはいつもと違う景色を見て驚いていた。もっと小さい頃は母が抱き上げて散歩や買い物に連れて行ってくれたのだが、いつの間にか自らの足で歩くようになっていた。それでも手を繋いで歩いてはいた。
「見てる……」
それと周りの人の視線が気になる。シリウスは整った顔立ちをしている。それに加えて長身で体格も良く、鍛えられた筋肉質で男らしく頼りがいがあった。
そんな彼が小さな女の子を抱いている姿はとても目立つようだ。しかも、彼はダークエルフでこの国で一番強い騎士でもあるのだから。ステラは恥ずかしくなり、シリウスの肩に顔を埋めた。
「どうした?」
「なんでもない……」
シリウスは優しく尋ねるとステラは首を横に振った。その様子からなんでもない、と言うことはなさそうだと感じたが何も聞かずにただ彼女の背中を撫でていた。
「あら、シリウス様」
突然声をかけられたのでシリウスが振り返ると、そこには三人の人間の若い女達が立っていた。買い物をしていたようで彼女達は大きな荷物を持っている。おそらくシリウスとは知り合いなのだろうと思い、ステラは彼の腕の中で大人しくしていた。
「そちらの子供は?」
「お元気そうですね」
「今日は何を買いに来たんですか?」
彼女たちはシリウスに挨拶をし、口々に話しかけてきた。皆シリウスのことが好きなようで、目がキラキラしている。シリウスは困ったような笑みを浮かべてステラに目を向けるとステラはシリウスの顔を見上げて見つめ返す。
「俺の娘だ」
「あ……」
それを聞いてステラはドキッとしてしまう。自分が娘だと紹介されることになんだかくすぐったい気持ちになったのだ。
「訳あって離れ離れだったが、今は一緒に暮らしている」
「えっ?」
「あの……」
「嘘……」
シリウスの言葉を聞いて彼女達は絶句する。まるで信じたくないという表情だった。しかしそれは当然の反応かもしれない。今まで憧れていた人にいきなり子供がいたと知れば誰だって驚くはずだ。
「すまない……急ぐから失礼する」
シリウスはステラを抱いたまま足早に立ち去ろうとすると、一人の女性が我に返って追いかけようとし、他の二人が止めるも振り切ってシリウスとステラの目の前に回り込む。
「ほ、本当の娘なんですか?血の繋がりとかは……だって肌の色とか全然……」
「やめなさいって」
確かに昼間はエルフの姿のステラは金髪に青い瞳で顔立ちはアステル似、更に長い耳も隠している。銀髪で褐色のシリウスとは親子に見えないだろう。だが、それをわざわざ本人の目の前で尋ねるのはデリカシーがないにも程がある行為だ。そして言われていることがわからないほどステラは幼くはなかった。
「間違いなく俺の娘だ。子供の前で余計な詮索はしないでくれ」
シリウスができるだけ感情を込めずに言うと、女性は黙ってしまった。そして少しすると、頭を下げて謝罪をする。
「す、すみません」
「いや……この子の名前はステラと言うんだ。よろしく頼む」
「はい!」
女性の返事を聞くとシリウスは再び歩き出した。
それからしばらく進むとステラが何か言いたげにシリウスを見つめていることに気づく。
「どうした?疲れたか?」
「別に……あ」
するとステラのお腹の音が鳴った。朝食を抜いていたからだ。その様子にシリウスはフッと笑うと、ステラは自分の顔を赤くさせた。
「そうだな……何か食べたいものはあるか?」
「平気だもん、いらないよ……あ」
ステラは否定をするが、お腹は正直に音を出す。ステラは顔を真っ赤にして俯くと、シリウスは苦笑いをした。
「好きな物を言ってくれ、なんでも食べてもいいぞ」
「うぅ……アレ……」
恥ずかしそうな顔でステラが見ているのは屋台のホットドッグだった。さっそくシリウスはマスタード抜きのそれを買うと、ステラに手渡してあげた。
「あ、ありがと」
嬉しそうに受け取ると、ステラは小さな口で一心不乱に頬張る。シリウスはその姿を見ているだけで幸せを感じた。
歩いたまま食べるのは行儀が悪いとアステルに言われてしまいそうなのでステラを近くのベンチに座らせて、その隣にシリウスは腰を下ろした。
夢中で食べているステラはとても可愛いらしい。そう考えながらシリウスはそれを眺めているとステラの食べるスピードが落ちていき、ついには七割まで食べた所でピタりと止まってしまった。
「お腹いっぱい……」
幼いステラには一人で全部は食べられなかったようだ。自分が子供の頃は次はいつ食べられるのかわからないからとにかく胃袋に詰め込んでいたなと懐かしい気持ちになり、いつでも美味しいものを腹いっぱい食べられるステラを見て安心をした。
「……あげる」
ステラは手に持っている残りのホットドッグを食べようとせず、じっと見つめているとシリウスに差し出してきた。幼いながらも捨てるのは勿体ないと感じ取ったらしい。
「いいのか?」
「美味しいよ」
「ありがとう」
「うん」
シリウスはそれを受け取ると、ホットドッグを自分の口に運んだ。口の中に広がるケチャップとソーセージの食べ慣れた味がいつもよりも美味しく感じる。
あっという間に完食をするとステラはその様子をじーっと見ていた。
「どうした?」
「ステラ、ずっといじわる言っていたのにどうしておじさんは怒らないの?」
「ん?」
ステラは今までシリウスに対して冷たく接していた。それはシリウスが嫌いだからではなく、母を奪われてしまった寂しさからなのは理解していた。
シリウスはそんなことは気にしていない。長年、何もしていないのにダークエルフなだけで迫害を受けていたことに比べればステラが拒絶をする理由なんて可愛らしいものだ。むしろ嫌われても当たり前と思っている。だから好かれようと努力をしているのだ。
(俺はもっと酷かったからな)
アステルと出会った頃、彼女の首を絞めて殺そうとしたことがある。もちろん威嚇で本気ではなかったが、それでも許せることではないのにアステルは許してくれた。
「……大人だからな」
「ふーん……ステラだったら怒ってたのに」
「ああ、嫌なものは嫌だと言っていいんだ」
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