94 / 104
ダークエルフの誘惑編
二度目の祝福
しおりを挟む
誕生日の祝いの宴はまるで色とりどりの花が咲き誇るような活気に満ちていた。家の中には笑い声が響き渡り、テーブルには美味しそうな料理が並べられ、楽しげな会話が交わされている。今日の主役のステラはひときわ輝いていた。
成長した彼女の笑顔はいつも以上に無邪気で、心からの喜びが溢れていた。学校の友人たちが集まり、プレゼントを渡しては一緒に笑い合い、時折照れながらも誕生日の祝福を受けるその姿はまさに愛される存在そのものだ。
「おめでとう」
ケルヴィンが大きな袋から人形を取り出し、それをステラに手渡した。その人形は銀色の長い髪を持ち、目はまるで宝石のように赤く輝き、表情はどこか柔らかく穏やかなものであった。ステラはその人形を手に取ると、目を輝かせる。
「わぁ、お姫様みたい! ありがとう、ケルヴィン!」
その嬉しそうな笑顔を見て、ケルヴィンも穏やかな微笑みを浮かべる。
「妹が欲しいって言っていたからね」
「あ、本当に『妹』を買ってきたんだ」
息子を抱いているカレンが軽く笑いながら、他の参加者たちと共にその微笑ましいやりとりを見守っていた。
「あらら、ケルヴィンさんと被っちゃいました」
次にキャロラインが美しい箱から金髪の人形を取り出し、ステラに手渡す。その人形は輝く金色の髪を持ち、澄んだ青い瞳が印象的だ。金色の髪が、まるで太陽のように眩しく輝いている。ステラはその人形を両手で受け取ると、顔をほころばせながら言った。
「キャロ、ありがとう! この人形もかわいい!」
その言葉を聞いてキャロラインは満足げに微笑み、ステラが喜ぶ姿に安心した様子でうなずく。二つの美しい人形を大切そうに抱きしめながら、ステラの目はきらきらと輝いていた。
その様子を見守るアステルはしばし立ち尽くしていた。ステラに愛情を注がれ、笑顔でいるその姿を見て、心からの幸せが自分の中にも広がっていくのを感じていた。
どんなに辛くても、どんな困難が待っていようとも、こうした瞬間があるからこそ希望を失わずに前に進めるのだ。
◆
誕生日の宴が終わり、招待客たちが帰った後、家の中は静けさを取り戻していた。空気が冷たく感じられる夜、アステルはひとり庭に出て、満天の星空を見上げていた。彼女の周りには、柔らかな月明かりが降り注ぎ、まるで世界全体が静かに息を呑んでいるかのような穏やかなひとときが広がっていた。
庭の木々の間にひときわ目立つ枝があり、そこにはフクロウのヴァンが静かに止まっている。アステルはその姿を見上げながら、優しく声をかけた。
「ヴァン、おいで」
すると、ヴァンは羽を広げると、静かにその身を空に浮かせ、音もなくアステルの足元に降り立った。その動きはまるで、夜の風のように滑らかで神秘的だ。
「最初に報告するならやっぱりあなたがいいのかしら、それとも……」
アステルは静かに呟きながら、ヴァンの頭を撫でていた。彼女の心に浮かぶ思いはまだ整理できていないのだろう、言葉が静かに漏れる。それに答えるように背後から声が響いた。
「アステル」
その声に振り返るとシリウスが立っていた。彼の顔にはほんの少しの不安が浮かんでいたが、すぐにその表情は柔らかなものに変わる。
「何かあったの?」
「いや、ステラを寝かしつけた後、アステルがいないことに気がついただけだ」
心配をするシリウスに微笑みかけ、アステルはゆっくりと立ち上がった。彼女の目には穏やかな気持ちが宿っている。
「少しだけ、空を見て落ち着きたかっただけよ。まだ緊張しているの?」
アステルの言葉に、シリウスはほんの少し照れたように笑うと、彼女の隣に静かに立った。その姿は、すでに安堵と安心の色を帯びていた。
だが、シリウスはしばらく黙っていた後、思いを込めるように口を開いた。
「誕生日が苦手だったんだ」
「え……?」
その言葉にアステルは驚き、シリウスを見つめた。シリウスは一瞬、言葉に詰まりながら、静かに空を見上げる。そこには大きな満月が輝き、彼の顔に憂いを帯びた影を落としていた。
「俺の誕生日を祝っていた時に……両親が殺された」
その言葉にアステルは目を見開いて息を呑んだ。思いもよらない過去の痛みがシリウスの言葉の中に感じられ、アステルも辛くなる。彼の表情はどこか遠くを見つめるようで過去に縛られたように感じられた。
「ごめんなさい、気づかなくて……」
思い返すと昔からシリウスの誕生日を祝う度に彼は遠慮している様子があった。今までは恥ずかしがっているのかと思っていたが、悲しい過去を聞いてしまったアステルは己の無神経さに今さら後悔をする。
「俺が黙っていただけだ。アステルは何も悪くない」
シリウスはふう……と息をついた。満月の輝きが彼の肩に優しくかかる。しばらくの沈黙の後、シリウスは静かに話を続けた。
「今日は嬉しい日だった。ステラが喜んでくれて、誰かに祝ってもらえる姿を見られたことが本当に嬉しかった」
シリウスの表情には間違いなく喜びが浮かんでいた。ステラがこの世に生を受け、無事に成長していることを共に祝える。それだけでシリウスは心から幸せになれた。
アステルはしばらくその顔を見つめた後、ゆっくりと静かな声で話しかけた。
「私も言わないといけないことがあるの」
シリウスはその言葉に反応し、アステルの方をじっと見つめた。彼女は深く息を吸い、そして、決意を固めたように言葉を続けた。
「妊娠、したの」
シリウスはその言葉に驚き、目を大きく見開いた。しばらくその場に立ち尽くし、言葉を探すようにアステルの顔を見つめていた。
やがて、彼の顔に驚きとともに、嬉しさが広がり始める。そして、アステルを優しく抱きしめながら、柔らかな笑みを浮かべた。
「ありがとう……」
その言葉に込められた喜びと安堵は、シリウスの胸をいっぱいにしていた。ステラを授かったことを知ったとき、彼はアステルの隣にはいなかった。もし知っていれば、片時も離れずにアステルの傍にい続けたかったと、彼は深く航海をしていた。
しかし、今は違う、今度は常にアステルの傍で、支え、守ることができる。
そして何よりも子供が授かったことを聞かされることはこんなにも嬉しいことなのかと改めて実感したのだった。
しばらくそのままお互いに寄り添った後、シリウスは静かに体を離し、アステルのお腹を優しく撫でた。その手のひらに伝わる温もりにアステルも微笑んだ。これから新しい命が育まれるのだと思うとシリウスの胸の中には幸せが溢れ、全身が満たされていくようだった。
「これからも、一緒に頑張っていきましょうね」
アステルがその言葉を柔らかな笑顔で告げるとシリウスは何も言わずに頷いた。二人は再び肩を寄せ、並んで夜空を見上げた。
満天の星々が輝く中、彼らの未来にもまた、たくさんの希望の光が差し込んでいるように感じられた。
成長した彼女の笑顔はいつも以上に無邪気で、心からの喜びが溢れていた。学校の友人たちが集まり、プレゼントを渡しては一緒に笑い合い、時折照れながらも誕生日の祝福を受けるその姿はまさに愛される存在そのものだ。
「おめでとう」
ケルヴィンが大きな袋から人形を取り出し、それをステラに手渡した。その人形は銀色の長い髪を持ち、目はまるで宝石のように赤く輝き、表情はどこか柔らかく穏やかなものであった。ステラはその人形を手に取ると、目を輝かせる。
「わぁ、お姫様みたい! ありがとう、ケルヴィン!」
その嬉しそうな笑顔を見て、ケルヴィンも穏やかな微笑みを浮かべる。
「妹が欲しいって言っていたからね」
「あ、本当に『妹』を買ってきたんだ」
息子を抱いているカレンが軽く笑いながら、他の参加者たちと共にその微笑ましいやりとりを見守っていた。
「あらら、ケルヴィンさんと被っちゃいました」
次にキャロラインが美しい箱から金髪の人形を取り出し、ステラに手渡す。その人形は輝く金色の髪を持ち、澄んだ青い瞳が印象的だ。金色の髪が、まるで太陽のように眩しく輝いている。ステラはその人形を両手で受け取ると、顔をほころばせながら言った。
「キャロ、ありがとう! この人形もかわいい!」
その言葉を聞いてキャロラインは満足げに微笑み、ステラが喜ぶ姿に安心した様子でうなずく。二つの美しい人形を大切そうに抱きしめながら、ステラの目はきらきらと輝いていた。
その様子を見守るアステルはしばし立ち尽くしていた。ステラに愛情を注がれ、笑顔でいるその姿を見て、心からの幸せが自分の中にも広がっていくのを感じていた。
どんなに辛くても、どんな困難が待っていようとも、こうした瞬間があるからこそ希望を失わずに前に進めるのだ。
◆
誕生日の宴が終わり、招待客たちが帰った後、家の中は静けさを取り戻していた。空気が冷たく感じられる夜、アステルはひとり庭に出て、満天の星空を見上げていた。彼女の周りには、柔らかな月明かりが降り注ぎ、まるで世界全体が静かに息を呑んでいるかのような穏やかなひとときが広がっていた。
庭の木々の間にひときわ目立つ枝があり、そこにはフクロウのヴァンが静かに止まっている。アステルはその姿を見上げながら、優しく声をかけた。
「ヴァン、おいで」
すると、ヴァンは羽を広げると、静かにその身を空に浮かせ、音もなくアステルの足元に降り立った。その動きはまるで、夜の風のように滑らかで神秘的だ。
「最初に報告するならやっぱりあなたがいいのかしら、それとも……」
アステルは静かに呟きながら、ヴァンの頭を撫でていた。彼女の心に浮かぶ思いはまだ整理できていないのだろう、言葉が静かに漏れる。それに答えるように背後から声が響いた。
「アステル」
その声に振り返るとシリウスが立っていた。彼の顔にはほんの少しの不安が浮かんでいたが、すぐにその表情は柔らかなものに変わる。
「何かあったの?」
「いや、ステラを寝かしつけた後、アステルがいないことに気がついただけだ」
心配をするシリウスに微笑みかけ、アステルはゆっくりと立ち上がった。彼女の目には穏やかな気持ちが宿っている。
「少しだけ、空を見て落ち着きたかっただけよ。まだ緊張しているの?」
アステルの言葉に、シリウスはほんの少し照れたように笑うと、彼女の隣に静かに立った。その姿は、すでに安堵と安心の色を帯びていた。
だが、シリウスはしばらく黙っていた後、思いを込めるように口を開いた。
「誕生日が苦手だったんだ」
「え……?」
その言葉にアステルは驚き、シリウスを見つめた。シリウスは一瞬、言葉に詰まりながら、静かに空を見上げる。そこには大きな満月が輝き、彼の顔に憂いを帯びた影を落としていた。
「俺の誕生日を祝っていた時に……両親が殺された」
その言葉にアステルは目を見開いて息を呑んだ。思いもよらない過去の痛みがシリウスの言葉の中に感じられ、アステルも辛くなる。彼の表情はどこか遠くを見つめるようで過去に縛られたように感じられた。
「ごめんなさい、気づかなくて……」
思い返すと昔からシリウスの誕生日を祝う度に彼は遠慮している様子があった。今までは恥ずかしがっているのかと思っていたが、悲しい過去を聞いてしまったアステルは己の無神経さに今さら後悔をする。
「俺が黙っていただけだ。アステルは何も悪くない」
シリウスはふう……と息をついた。満月の輝きが彼の肩に優しくかかる。しばらくの沈黙の後、シリウスは静かに話を続けた。
「今日は嬉しい日だった。ステラが喜んでくれて、誰かに祝ってもらえる姿を見られたことが本当に嬉しかった」
シリウスの表情には間違いなく喜びが浮かんでいた。ステラがこの世に生を受け、無事に成長していることを共に祝える。それだけでシリウスは心から幸せになれた。
アステルはしばらくその顔を見つめた後、ゆっくりと静かな声で話しかけた。
「私も言わないといけないことがあるの」
シリウスはその言葉に反応し、アステルの方をじっと見つめた。彼女は深く息を吸い、そして、決意を固めたように言葉を続けた。
「妊娠、したの」
シリウスはその言葉に驚き、目を大きく見開いた。しばらくその場に立ち尽くし、言葉を探すようにアステルの顔を見つめていた。
やがて、彼の顔に驚きとともに、嬉しさが広がり始める。そして、アステルを優しく抱きしめながら、柔らかな笑みを浮かべた。
「ありがとう……」
その言葉に込められた喜びと安堵は、シリウスの胸をいっぱいにしていた。ステラを授かったことを知ったとき、彼はアステルの隣にはいなかった。もし知っていれば、片時も離れずにアステルの傍にい続けたかったと、彼は深く航海をしていた。
しかし、今は違う、今度は常にアステルの傍で、支え、守ることができる。
そして何よりも子供が授かったことを聞かされることはこんなにも嬉しいことなのかと改めて実感したのだった。
しばらくそのままお互いに寄り添った後、シリウスは静かに体を離し、アステルのお腹を優しく撫でた。その手のひらに伝わる温もりにアステルも微笑んだ。これから新しい命が育まれるのだと思うとシリウスの胸の中には幸せが溢れ、全身が満たされていくようだった。
「これからも、一緒に頑張っていきましょうね」
アステルがその言葉を柔らかな笑顔で告げるとシリウスは何も言わずに頷いた。二人は再び肩を寄せ、並んで夜空を見上げた。
満天の星々が輝く中、彼らの未来にもまた、たくさんの希望の光が差し込んでいるように感じられた。
76
あなたにおすすめの小説
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】番(つがい)でした ~美しき竜人の王様の元を去った番の私が、再び彼に囚われるまでのお話~
tea
恋愛
かつて私を妻として番として乞い願ってくれたのは、宝石の様に美しい青い目をし冒険者に扮した、美しき竜人の王様でした。
番に選ばれたものの、一度は辛くて彼の元を去ったレーアが、番であるエーヴェルトラーシュと再び結ばれるまでのお話です。
ヒーローは普段穏やかですが、スイッチ入るとややドS。
そして安定のヤンデレさん☆
ちょっぴり切ない、でもちょっとした剣と魔法の冒険ありの(私とヒロイン的には)ハッピーエンド(執着心むき出しのヒーローに囚われてしまったので、見ようによってはメリバ?)のお話です。
別サイトに公開済の小説を編集し直して掲載しています。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
英雄魔術師様とのシークレットベビーが天才で隠し通すのが大変です
氷雨そら
恋愛
――この魔石の意味がわからないほど子どもじゃない。
英雄魔術師カナンが遠征する直前、フィアーナと交わした一夜で授かった愛娘シェリア。フィアーナは、シェリアがカナンの娘であることを隠し、守るために王都を離れ遠い北の地で魔石を鑑定しながら暮らしていた。けれど、シェリアが三歳を迎えた日、彼女を取り囲む全ての属性の魔石が光る。彼女は父と同じ、全属性の魔力持ちだったのだ。これは、シークレットベビーを育てながら、健気に逞しく生きてきたヒロインが、天才魔術師様と天才愛娘に翻弄されながらも溺愛される幸せいっぱいハートフルストーリー。小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる