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出向
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「エイヌからぼくに、召喚状ですか? 母上からですか?」
リーゲルトが行方不明になってから二日後。
ディルマュラとオリヴィアはイルミナの私室に呼び出されていた。
リーゲルトの捜索に六人は関わっておらず、初日に事情聴取を受けた程度。
かといって組み手の修練には戻れないため、五人だけで修練に励んでいた。余った一人が誰でなにをやっていたかは察してほしい。
「いいえ。ディルマュラだけじゃなく、あなたたち六人に、エイヌ枝部≪しぶ≫からです。リーゲルトさんの行方に関してなにか情報を掴んだとも報告を受けています」
里帰りができる、と口角をあげるディルマュラとは対照的に、オリヴィアは怪訝な目つきで返す。
「情報だけなら、データなり文書なりで送ってもらえないんですか?」
「わたしも確認しましたが、それらを使えないほどに切迫した情報、と聞いています」
「だったら、情報ってなんです」
イルミナは目を丸くして、なんどかまばたきをして。
「……そういえば子細は聞いていませんね。でもエイヌからの情報なので有益なものでしょう」
「行くのはあたしたちです。不確かな情報を頼りに行って空振りなんていやです」
「空振りになることはないと思います。大人を信じてください」
また、あの目だ。
これ以上逆らっても無駄だと察し、浅くため息をついて。
「……わかりました。いつですか」
「リーゲルトさんのことを考えればいまから、と言いたいところですが、準備もあります。明日の朝一番の定期便に乗るようにしてください」
うぐ、とオリヴィアがうめく。
朝一番の定期便。
それは、日が昇るのと同時に出発する便のこと。
「あ、座学の授業は戻ってから補講を行いますから、そのつもりで」
さぼってやろうかと、本気で思った。
* * *
「というわけで、明日までに準備をすることになったよ」
部屋に戻ったふたりは、ディルマュラは揚々と、オリヴィアはげんなりと四人に事情を説明した。
「ったく、こんどは出張かよ。ヒマだからってこき使うなっての」
「へぇ、あんたにしちゃ珍しく反抗的ね」
「べつに反抗するつもりはねぇよ。いいように使われてるのがいやだってだけだ」
ふぅんと返して自分のベッドに倒れ込む。
「出発は明日の朝一の便。出向期間は、神殿長の見立てだと、情報もらって帰るだけだから五日あれば帰ってこれるだろうけど、あたしは絶対それ以上かかるって思うから準備ちゃんとしといて」
「エイヌ枝部が重要な部分を添付しなかったことはぼくも気になっているから、みんなも注意してほしい」
はぁい、とユーコが返して四人はそれぞれ支度をはじめる。
「あ、じゃあ冷蔵庫の中身はできるだけ使っておいたほうがいいですね。ユーコ、手が空いたら手伝って」
今日の料理当番のシーナが言うと、オリヴィアがやおら起き上がって言う。
「あたし手伝うよ」
「オリヴィアが?」
「なによ。あたしだってそういう気分の時ぐらいあるわよ」
「そうじゃなくて、準備はいいのです?」
「あたしの持ち物なんて電書本とバッテリーぐらいよ。引っ越すわけじゃないし、昨日の買い出しはあたしがやったから、ってだけ」
「そ、そうですか。だったらお願いします」
ん、と返して起き上がってキッチンへ向かう。
その途中でミューナが裾をつまみ、少し照れたように、
「オリヴィア、わたしオムライス食べたい」
「んー。あとリクエストあるひとは?」
「あ、わたしもオムライスお願いします」
「ん。ユーコとミューナはオムライスね、あとは?」
残りの三人を見回したが、三人とも任せると首を振った。
「ん。じゃあ今日は全員オムライスとスープね。冷蔵庫の中身全部使うから、なにが入ってても文句言わないでよね」
わかってるよ、とライカが返してオリヴィアはキッチンに消えた。
「じゃ、ぼくたちは荷造りといこう。長旅になりそうだから洗剤も忘れないようにしないと」
実は、精霊術である程度からだや衣服の汚れは落とせるが、行うものは少ない。
やはり衣服は洗濯、からだは風呂で、という考えが主流だ。
「なあディル、エイヌってどんなとこだ?」
ライカの唐突な問いかけに内心面喰らいながらもディルマュラは落ち着いて返す。
「ここと大差ないよ。あ、でも夏は海風がきてこちらより涼しかったりはするけど」
「へぇ、夏涼しいのはいいな」
「でも急にどういう風の吹き回しだい? 無礼な聞き方だが、きみが修練以外のことに興味をもつだなんて」
「いや、あたし神殿から出るのってガキの時以来だからな。最初は面倒だと思ったけど、なんか楽しくなってきてな」
「そうかい。気に入ってもらえるといいけど」
「おまえ見てたらいい国だってのは分かるよ」
今度こそ包み隠さず驚いてみせるディルマュラ。
「そういうところがきみの強さに繋がっているんだろうね」
「なんだよそれ」
「わからないならいいさ」
首を傾げるだけで追求はせず、ライカは荷造りをはじめる。
ごはんできたから、とやや疲れた表情のオリヴィアの呼びかけた頃には全員の作業が終了していた。
その後はそれぞれに過ごし、翌朝の出発に備えた。
初めての遠出に、ライカは子供っぽく想いつつもなかなか寝付けなかった。
* * *
「……妙だな」
誰も寝坊することもなく朝一番の馬車便に同乗し、一同はエイヌへ向かった。
神殿からエイヌへは、六人乗りの幌馬車便が日に数本出ているのでそれを使うのが一般的だ。ただファルス山脈を越える必要があるために、直線的な距離以上に時間がかかり、最低でも道中で一泊する必要がある。
なので主な利用目的は手紙や小包などの運送。
曳くのは体重一トンを超す重種が二頭。サラブレッドの細い脚では、例え整備されていても山道は過酷なのだ。御者は神殿に籍を置いているが、戦闘能力はない。万が一を考慮して維穏院からふたりほど護衛兼荷物運びに付くのが通例だが、今回はライカたちがそれをつとめる。
今朝はいつもより荷物の数が多かったので、六人は膝に荷を乗せたりして窮屈そうに座っていた。
風の神殿とエイヌを隔てるファルス山脈。
街道こそ整備されているが、一歩外れればそこは深い深い森が広がっている。
当然多様な動植物が暮らしており、迷い込んだ人間が捕食されることも珍しくはない。
ライカが感じ取った違和感。
大型動物の姿を見ないのは当然として、小型動物や昆虫類、植物たちさえも息をひそめているよう。
変わりに森を支配しているのは、敵意。
だが発しているのは人間とは言い切れない存在だと感じている。
「野盗が出るような治政を、我が王家はしていないはずだけどね」
冗談めかして返すディルだが、表情は険しい。なにかを感じ取った馬たちも鼻息を荒くし、歩調も乱れはじめる。
オリヴィアが御者に耳打ちすると六人は一斉に馬車から飛び出し、馬車は一目散に街道を走り去っていく。落ち着いたら術を使って追いかければいい。
誰が号令をかけたわけでもなく、六人は背中合わせに円陣を組み、死角を無くす。
「ぼくたちは、風の神殿維穏院所属の修練生です。御用があるなら直接顔を見せていただけないでしょうか」
全員が左腕を掲げて自身の腕輪を見せる。
しかし、反応はない。
一陣の風が吹き、木々の葉を揺らす。
耐えかねたようにライカが口を開く。
「なあ。あたしらはエイヌに行かなくちゃならないんだ。自衛のためとか、神殿の理念に反するやつをとっちめるって理由があるなら戦闘の許可は貰ってある。だから、ケンカしたいならさっさと出てきてくれ」
今度は反応があった。
「おまえが、エイヌの王女か」
しかし声だけ。
森の木々に幾重にも反響し、年齢はおろか性別すらも判別がつかなかった。
「ぼくがそうです」
「ならば、ここで絶えてもらう」
木々の影から躍り出たのは三人。
全員が女性。
三人が三人とも全身に、複雑な紋様を入れ墨として施し、手に武器らしきものは見当たらない。
なにより目を引いたのは、その身にまとうのは、わずかな布きれのみ。
三人は六人を取り囲み、獣のようにうなり声をあげながら鋭く睨み付けてくる。
なにでどう割っても、こんな者たちがファルスの森に存在していたなんて、六人の誰ひとり脳から出てこなかった。
「なんだ、あんたたちは」
答えるとは思っていない。
六人全員が臨戦態勢に入る。
「我らはラグリォス。森のヌシ、エルガートさまの眷属」
ちょうどディルマュラの正面にいた、長い碧髪の女が言う。
「初耳だよ。美しい淑女」
軽口を叩くディルマュラの頬を、脂汗が落ちた。
リーゲルトが行方不明になってから二日後。
ディルマュラとオリヴィアはイルミナの私室に呼び出されていた。
リーゲルトの捜索に六人は関わっておらず、初日に事情聴取を受けた程度。
かといって組み手の修練には戻れないため、五人だけで修練に励んでいた。余った一人が誰でなにをやっていたかは察してほしい。
「いいえ。ディルマュラだけじゃなく、あなたたち六人に、エイヌ枝部≪しぶ≫からです。リーゲルトさんの行方に関してなにか情報を掴んだとも報告を受けています」
里帰りができる、と口角をあげるディルマュラとは対照的に、オリヴィアは怪訝な目つきで返す。
「情報だけなら、データなり文書なりで送ってもらえないんですか?」
「わたしも確認しましたが、それらを使えないほどに切迫した情報、と聞いています」
「だったら、情報ってなんです」
イルミナは目を丸くして、なんどかまばたきをして。
「……そういえば子細は聞いていませんね。でもエイヌからの情報なので有益なものでしょう」
「行くのはあたしたちです。不確かな情報を頼りに行って空振りなんていやです」
「空振りになることはないと思います。大人を信じてください」
また、あの目だ。
これ以上逆らっても無駄だと察し、浅くため息をついて。
「……わかりました。いつですか」
「リーゲルトさんのことを考えればいまから、と言いたいところですが、準備もあります。明日の朝一番の定期便に乗るようにしてください」
うぐ、とオリヴィアがうめく。
朝一番の定期便。
それは、日が昇るのと同時に出発する便のこと。
「あ、座学の授業は戻ってから補講を行いますから、そのつもりで」
さぼってやろうかと、本気で思った。
* * *
「というわけで、明日までに準備をすることになったよ」
部屋に戻ったふたりは、ディルマュラは揚々と、オリヴィアはげんなりと四人に事情を説明した。
「ったく、こんどは出張かよ。ヒマだからってこき使うなっての」
「へぇ、あんたにしちゃ珍しく反抗的ね」
「べつに反抗するつもりはねぇよ。いいように使われてるのがいやだってだけだ」
ふぅんと返して自分のベッドに倒れ込む。
「出発は明日の朝一の便。出向期間は、神殿長の見立てだと、情報もらって帰るだけだから五日あれば帰ってこれるだろうけど、あたしは絶対それ以上かかるって思うから準備ちゃんとしといて」
「エイヌ枝部が重要な部分を添付しなかったことはぼくも気になっているから、みんなも注意してほしい」
はぁい、とユーコが返して四人はそれぞれ支度をはじめる。
「あ、じゃあ冷蔵庫の中身はできるだけ使っておいたほうがいいですね。ユーコ、手が空いたら手伝って」
今日の料理当番のシーナが言うと、オリヴィアがやおら起き上がって言う。
「あたし手伝うよ」
「オリヴィアが?」
「なによ。あたしだってそういう気分の時ぐらいあるわよ」
「そうじゃなくて、準備はいいのです?」
「あたしの持ち物なんて電書本とバッテリーぐらいよ。引っ越すわけじゃないし、昨日の買い出しはあたしがやったから、ってだけ」
「そ、そうですか。だったらお願いします」
ん、と返して起き上がってキッチンへ向かう。
その途中でミューナが裾をつまみ、少し照れたように、
「オリヴィア、わたしオムライス食べたい」
「んー。あとリクエストあるひとは?」
「あ、わたしもオムライスお願いします」
「ん。ユーコとミューナはオムライスね、あとは?」
残りの三人を見回したが、三人とも任せると首を振った。
「ん。じゃあ今日は全員オムライスとスープね。冷蔵庫の中身全部使うから、なにが入ってても文句言わないでよね」
わかってるよ、とライカが返してオリヴィアはキッチンに消えた。
「じゃ、ぼくたちは荷造りといこう。長旅になりそうだから洗剤も忘れないようにしないと」
実は、精霊術である程度からだや衣服の汚れは落とせるが、行うものは少ない。
やはり衣服は洗濯、からだは風呂で、という考えが主流だ。
「なあディル、エイヌってどんなとこだ?」
ライカの唐突な問いかけに内心面喰らいながらもディルマュラは落ち着いて返す。
「ここと大差ないよ。あ、でも夏は海風がきてこちらより涼しかったりはするけど」
「へぇ、夏涼しいのはいいな」
「でも急にどういう風の吹き回しだい? 無礼な聞き方だが、きみが修練以外のことに興味をもつだなんて」
「いや、あたし神殿から出るのってガキの時以来だからな。最初は面倒だと思ったけど、なんか楽しくなってきてな」
「そうかい。気に入ってもらえるといいけど」
「おまえ見てたらいい国だってのは分かるよ」
今度こそ包み隠さず驚いてみせるディルマュラ。
「そういうところがきみの強さに繋がっているんだろうね」
「なんだよそれ」
「わからないならいいさ」
首を傾げるだけで追求はせず、ライカは荷造りをはじめる。
ごはんできたから、とやや疲れた表情のオリヴィアの呼びかけた頃には全員の作業が終了していた。
その後はそれぞれに過ごし、翌朝の出発に備えた。
初めての遠出に、ライカは子供っぽく想いつつもなかなか寝付けなかった。
* * *
「……妙だな」
誰も寝坊することもなく朝一番の馬車便に同乗し、一同はエイヌへ向かった。
神殿からエイヌへは、六人乗りの幌馬車便が日に数本出ているのでそれを使うのが一般的だ。ただファルス山脈を越える必要があるために、直線的な距離以上に時間がかかり、最低でも道中で一泊する必要がある。
なので主な利用目的は手紙や小包などの運送。
曳くのは体重一トンを超す重種が二頭。サラブレッドの細い脚では、例え整備されていても山道は過酷なのだ。御者は神殿に籍を置いているが、戦闘能力はない。万が一を考慮して維穏院からふたりほど護衛兼荷物運びに付くのが通例だが、今回はライカたちがそれをつとめる。
今朝はいつもより荷物の数が多かったので、六人は膝に荷を乗せたりして窮屈そうに座っていた。
風の神殿とエイヌを隔てるファルス山脈。
街道こそ整備されているが、一歩外れればそこは深い深い森が広がっている。
当然多様な動植物が暮らしており、迷い込んだ人間が捕食されることも珍しくはない。
ライカが感じ取った違和感。
大型動物の姿を見ないのは当然として、小型動物や昆虫類、植物たちさえも息をひそめているよう。
変わりに森を支配しているのは、敵意。
だが発しているのは人間とは言い切れない存在だと感じている。
「野盗が出るような治政を、我が王家はしていないはずだけどね」
冗談めかして返すディルだが、表情は険しい。なにかを感じ取った馬たちも鼻息を荒くし、歩調も乱れはじめる。
オリヴィアが御者に耳打ちすると六人は一斉に馬車から飛び出し、馬車は一目散に街道を走り去っていく。落ち着いたら術を使って追いかければいい。
誰が号令をかけたわけでもなく、六人は背中合わせに円陣を組み、死角を無くす。
「ぼくたちは、風の神殿維穏院所属の修練生です。御用があるなら直接顔を見せていただけないでしょうか」
全員が左腕を掲げて自身の腕輪を見せる。
しかし、反応はない。
一陣の風が吹き、木々の葉を揺らす。
耐えかねたようにライカが口を開く。
「なあ。あたしらはエイヌに行かなくちゃならないんだ。自衛のためとか、神殿の理念に反するやつをとっちめるって理由があるなら戦闘の許可は貰ってある。だから、ケンカしたいならさっさと出てきてくれ」
今度は反応があった。
「おまえが、エイヌの王女か」
しかし声だけ。
森の木々に幾重にも反響し、年齢はおろか性別すらも判別がつかなかった。
「ぼくがそうです」
「ならば、ここで絶えてもらう」
木々の影から躍り出たのは三人。
全員が女性。
三人が三人とも全身に、複雑な紋様を入れ墨として施し、手に武器らしきものは見当たらない。
なにより目を引いたのは、その身にまとうのは、わずかな布きれのみ。
三人は六人を取り囲み、獣のようにうなり声をあげながら鋭く睨み付けてくる。
なにでどう割っても、こんな者たちがファルスの森に存在していたなんて、六人の誰ひとり脳から出てこなかった。
「なんだ、あんたたちは」
答えるとは思っていない。
六人全員が臨戦態勢に入る。
「我らはラグリォス。森のヌシ、エルガートさまの眷属」
ちょうどディルマュラの正面にいた、長い碧髪の女が言う。
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