やり直し少女は幸せを目指す

香山

文字の大きさ
4 / 5

チャンス

しおりを挟む
 
 あれから一週間。
 いくつかわかったことがある。

 まずひとつ。
 私は今三才で、なぜだか時間が巻き戻ってるということ。
 あの日は私の三才のお誕生日で、女の人がお母さん、私が意識を失う前に部屋に飛び込んできたのがお父さんで間違いなかった。

 それから、前回とは違って、私の体が弱くなってること。
 あの日、パニックで過呼吸を起こした私は、そのまま病院に運ばれて、昨日まで入院してた。
 なぜかと言うと、過呼吸が落ち着いた頃に、今度は高熱が出て意識がなかったから。
 前回は病院のお世話になるようなことなんてほとんどなかったから、熱でこんなに体が辛くなるなんて知らなかった。

 それから最後に、一番重要なこと。
 それは、お父さんとお母さんがまだ離婚していないってこと。
 熱で意識がなかったりしたから、数日しか見てないけど、今の二人に離婚の兆しは見られない。つまり、未来を変えるなら今がチャンスだ。

 お父さんとお母さんがどうして離婚したのかはわからないけど、お父さんが出ていって荒れていくお母さんは、もう見たくない。
 それに、もう一度あんな人生を歩むのはイヤだ。

 お父さんがいて、お母さんがいて。みんなでご飯を食べたり、お話ししたり、お出掛けしたり。
 そんな、当たり前の生活を送りたい。

 友達だって欲しい。一緒に学校に行ったり、遊んだり、ケンカしたり。
 キラキラした、青春時代を送りたい。

 なんでかはわからないけど、せっかく時間が巻き戻ったんだもん。今度は後悔しないように、幸せになるために生きたい。

 その為にはまず、お父さんとお母さんの離婚を阻止しなくちゃ。
 このままだと、来年辺りに二人は離婚することになる。タイムリミットは一年。
 なんとしてでも、未来を変えないと。

 とりあえず、愛嬌を振り撒いて、二人に好かれることから始めようと思う。
 前回、クラスの中心になっていた子や、家族の仲がすごくいい子は、いつも笑顔でみんなに好かれていた。
 だから、その子達の真似をしてお父さんとお母さんに好かれれば、二人は離婚しないかもしれない。

 前回は、表情を動かすのが苦手で、いつも一人だったから笑うこともなくて。だから“暗い子”って言われてたけど。
 今回は、“愛嬌のある子”って言われるように、たくさん笑って、明るい子になるんだ。
 大丈夫。まだ三才だし。今から表情を動かす練習をすれば、ロボットみたいにはならないから。


 
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

うっかり結婚を承諾したら……。

翠月るるな
恋愛
「結婚しようよ」 なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。 相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。 白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。 実際は思った感じではなくて──?

孤児ですが、神獣の声を担当しています~ただし身バレ禁止のため、王子様から逃走中~

鬼ヶ咲あちたん
恋愛
タヌキにそっくりな孤児のマーヤと、お疲れ気味な王子さまとの物語

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

溺愛ダーリンと逆シークレットベビー

吉野葉月
恋愛
同棲している婚約者のモラハラに悩む優月は、ある日、通院している病院で大学時代の同級生の頼久と再会する。 立派な社会人となっていた彼に見惚れる優月だったが、彼は一児の父になっていた。しかも優月との子どもを一人で育てるシングルファザー。 優月はモラハラから抜け出すことができるのか、そして子どもっていったいどういうことなのか!?

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

【完結】離婚を切り出したら私に不干渉だったはずの夫が激甘に豹変しました

雨宮羽那
恋愛
 結婚して5年。リディアは悩んでいた。  夫のレナードが仕事で忙しく、夫婦らしいことが何一つないことに。  ある日「私、離婚しようと思うの」と義妹に相談すると、とある薬を渡される。  どうやらそれは、『ちょーっとだけ本音がでちゃう薬』のよう。  そうしてやってきた離婚の話を告げる場で、リディアはつい好奇心に負けて、夫へ薬を飲ませてしまう。  すると、あら不思議。  いつもは浮ついた言葉なんて口にしない夫が、とんでもなく甘い言葉を口にしはじめたのだ。 「どうか離婚だなんて言わないでください。私のスイートハニーは君だけなんです」 (誰ですかあなた) ◇◇◇◇ ※全3話。 ※コメディ重視のお話です。深く考えちゃダメです!少しでも笑っていただけますと幸いです(*_ _))*゜

処理中です...