5 / 15
鍵とネオンサイン
しおりを挟む
みどりの部屋で夕食を済ませひと息ついていると、突然携帯電話が鳴った。トラオさんからの呼び出しだった。「ブラインド・レモンで飲んでるからおまえも来い、いいな」そのひと言だけで電話が切れる、相変わらず強引な誘い方だった。断ろうと思えば断ることもできるのだろうけど、うちのバンドの元ドラマーが先月のライブをどう観たか、その辺りの話を聞けるのではないかと思うと会いに行きたかった。
電話のやり取りを不安そうに見ていたみどりに、先輩からの誘いでこれから出かけなければならない旨を伝えると彼女は瞬時に膨れっ面になった。
「はいはい、結構でございますですよ。行ってらっしゃいませ。ふたりで借りたDVDでございますけど、ひとりで寂しく観ておりますから!」
今夜見る予定だったドイツ映画『バンディッツ』のDVDケースを抱きしめて、そっぽを向く。彼女のおすすめ映画で僕も楽しみにしていた。
「ごめんね。また、見ようよ。あと、今日は遅くなりそうだから自分の家に帰るね」
明日も仕事のある彼女を夜中に起こしてしまいたくなかった。
「遅くなってもいいのよ。はい、これこの部屋のスペアキー、渡しておくね。来れる時はいつでも来ていいけど、来れない時は連絡してね。寂しくなっちゃうから」
彼女は鞄から取り出したスペアキーを僕に手渡した。小さなピンクの鈴がつけられている。あらかじめ用意してあったのかも知れない。少し驚いたが、丁寧にお礼をいった。彼女は鍵を渡すタイミングがよく分からなかったそうだ。渡すのが遅くなってしまったことを反対に謝られた。
「それじゃあ行ってくるね」
「行ってらっしゃーい! あんま飲み過ぎてぶっ倒れて、他の女に拾われたりするんじゃねーぞー!」
彼女はそういいながらも笑顔を見せ、手を振って玄関まで送り出してくれた。
部屋を出ると夜の空気をどこか新鮮に感じた。十月も半ばを過ぎて気温が下がってきたせいかもしれない。
夜の九時を過ぎたばかりの街は賑わいを見せていた。サラリーマン風の二人組。片方はスーツの上着を手に持って肩にかけている。向こうからは女性三人組がこちらの方に歩いてくる。一人で歩く年配の男性。若い男女の後ろ姿。それからやはり三人組のサラリーマン。さまざまな人々がきっとそれぞれの想いを胸に歩いている。笑ったり、何かを伝えようと一生懸命に話しかけたり、伝えてはならないことを笑顔の底に隠していたり。
人々の歩く流れに乗りスペアキーを手にしてぶら下げてみた。付けられている小さなピンクの鈴をぼんやりと見ながら、みどりとのひと月ちょっとの半同棲生活を思い返してみる。一日泊まって三日帰り、二日泊まって二日帰り、三日泊まって一日帰りと、確かに部屋にいる時間が長くなっている。ふたりでいる時はいいのだけれど、彼女に用事が出来た時には少し不便さを感じることはあった。彼女が出かけるのであれば部屋を出ないといけないし、部屋を出ないのであれば、彼女の帰りを待つ他ない。そんな状況を、知らないところで気に掛けてくれていたのかもしれない。
それでも僕がみどりの部屋に通い詰めたのは彼女がそれを望んだから、という理由だけではなかった。正直なところふたりでいる時間が楽しかった。近所のレンタルショップで今夜見る映画を選んだり、食事を作ったり作ってもらったり、たまには彼女と出会ったときに行ったあの居酒屋に飲みに行ったり。
みどりが選んだ映画はどれも面白かったし、用意してくれた料理は美味しかった。反対に僕が作った料理を褒めてくれたし、あの居酒屋でお互いに飲む、ほどほどの量の酒は楽しい時間をくれた。
みどりと過ごした穏やかで楽しい時間。そんな中、彼女がスペアキーを渡してくれたということは、彼女も僕と同じように感じてくれていたということだろう。そして僕を信頼し必要としてくれている。そうやって考えると素直に嬉しかった。けれども「嬉しい」という気持ちが募れば募る程「それでおまえはいいのか?」という声が頭の中で大きくなる。おまえにそんな資格なんかないじゃないか、と。そして募った想いは鍵を貰ったという事実に呼応して、こころの奥深くに溜まったままの澱を掻き回した。意識が濁るような感覚。少し落ち着こうと思い、立ち止まってスペアキーをポケットにしまった。
——恋人に振られた女の寂しさにつけ込んでもう彼氏気取りなの? いいご身分ね——
また、頭の中で声が再生される。あかねの声だ。勿論、分かっている。これは幻聴などではなく、自らが頭の中で作り出しているものだと。一度、深呼吸をする。
——「寂しさを埋めてあげられるなら彼女が望むだけ一緒にいよう」とか何とか綺麗なこと言っちゃってさ、いい人ぶっておいて自分が楽しくなっちゃてるの。なんだかなぁって感じね。この偽善者が——
良くない傾向だ。答えてはいけない。何も考えないようにしよう。何も……
——あなたはいい人振りたいだけなの。分かってる? あなたは人に親切にできることが無いか卑しく嗅ぎ回ってるだけなの。腹を空かせた野良犬みたいに。親切にすることで自分の存在を確認したいだけなのよね、きっと。親切にして感謝されることをあなたが存在してもいい免罪符にしてるの。でもね、あなたは人に善意を向けておいて抱えきれなくなったら途中で捨ててしまうじゃない。申し訳なさそうに謝まりながら、何度も何度も謝まりながら、結局は捨ててしまうの。ずるいよね。知ってた? 「ごめん」っていうのは拒絶なの。もうしわけない、許してください、その言葉だけで全てを終わりにしようとする。言われた方はどうすればいいの? 許せない人はどうすれば? 親切を自己肯定の道具にしておいて抱えきれなくなったらもう要らないやって。謝りさえすれば、いい人のままでいられるとでも?——
何も考えるな、もう、何も考えるな。声に出して呟く。
——私が一番よく知ってるんだから。分かってるでしょ? あなたの悪意が——
「大丈夫ですか?」という声にハッとして顔を上げると、目の前に若い警官が立っていた。少し離れたところで中年の警官がことの成り行きを見守っている。
「大丈夫ですか? どこか具合でも?」
警官は顔を覗き込むようにしてこちらを見ている。
「大丈夫です。ちょっと考えごとをしていただけで……」
「それならいいですけど。ここ、往来がけっこうありますからね。考えごとならもう少し端に寄ってくれないと。長いこと歩道の真ん中で立ち止まられると危ないですからね」
若い警官はため息混じりにいった。確かに繁華街の往来の中で立ち止まったままでいれば、邪魔だのぶつかっただののトラブルが起きても不思議ではない。そしてそれは彼らにとって余計な仕事が増える事以外のなにものでもないのだ。すみませんでした、と軽く頭を下げて、足早にその場を去った。
暫く歩いたところで今度は邪魔にならないよう歩道の脇に立ち止まる。ガードレールにもたれ掛かり携帯電話を取り出す。みどりに、やはり今日は自分の家に帰る、という旨を伝え通話を切った。その判断が正しいのかどうかは分からない。けれども自分の意に反していることは確かだ。だから、これでいい。
近くでクラクションが一度だけ鳴り、我にかえった。辺りを見渡してみるとネオンサイに色付けられた人々が、楽しそうにしているのが目に入った。僕はポケットからもう一度スペアキーを取り出してネオンの光に当ててみる。スペアキーに付けられた小さなピンクの鈴は、赤に染まり黄に染まり青に染まり、一瞬だけ闇に染まって、また赤に染まり直し、風に揺られてチリチリという小さな音を鳴らしていた。
電話のやり取りを不安そうに見ていたみどりに、先輩からの誘いでこれから出かけなければならない旨を伝えると彼女は瞬時に膨れっ面になった。
「はいはい、結構でございますですよ。行ってらっしゃいませ。ふたりで借りたDVDでございますけど、ひとりで寂しく観ておりますから!」
今夜見る予定だったドイツ映画『バンディッツ』のDVDケースを抱きしめて、そっぽを向く。彼女のおすすめ映画で僕も楽しみにしていた。
「ごめんね。また、見ようよ。あと、今日は遅くなりそうだから自分の家に帰るね」
明日も仕事のある彼女を夜中に起こしてしまいたくなかった。
「遅くなってもいいのよ。はい、これこの部屋のスペアキー、渡しておくね。来れる時はいつでも来ていいけど、来れない時は連絡してね。寂しくなっちゃうから」
彼女は鞄から取り出したスペアキーを僕に手渡した。小さなピンクの鈴がつけられている。あらかじめ用意してあったのかも知れない。少し驚いたが、丁寧にお礼をいった。彼女は鍵を渡すタイミングがよく分からなかったそうだ。渡すのが遅くなってしまったことを反対に謝られた。
「それじゃあ行ってくるね」
「行ってらっしゃーい! あんま飲み過ぎてぶっ倒れて、他の女に拾われたりするんじゃねーぞー!」
彼女はそういいながらも笑顔を見せ、手を振って玄関まで送り出してくれた。
部屋を出ると夜の空気をどこか新鮮に感じた。十月も半ばを過ぎて気温が下がってきたせいかもしれない。
夜の九時を過ぎたばかりの街は賑わいを見せていた。サラリーマン風の二人組。片方はスーツの上着を手に持って肩にかけている。向こうからは女性三人組がこちらの方に歩いてくる。一人で歩く年配の男性。若い男女の後ろ姿。それからやはり三人組のサラリーマン。さまざまな人々がきっとそれぞれの想いを胸に歩いている。笑ったり、何かを伝えようと一生懸命に話しかけたり、伝えてはならないことを笑顔の底に隠していたり。
人々の歩く流れに乗りスペアキーを手にしてぶら下げてみた。付けられている小さなピンクの鈴をぼんやりと見ながら、みどりとのひと月ちょっとの半同棲生活を思い返してみる。一日泊まって三日帰り、二日泊まって二日帰り、三日泊まって一日帰りと、確かに部屋にいる時間が長くなっている。ふたりでいる時はいいのだけれど、彼女に用事が出来た時には少し不便さを感じることはあった。彼女が出かけるのであれば部屋を出ないといけないし、部屋を出ないのであれば、彼女の帰りを待つ他ない。そんな状況を、知らないところで気に掛けてくれていたのかもしれない。
それでも僕がみどりの部屋に通い詰めたのは彼女がそれを望んだから、という理由だけではなかった。正直なところふたりでいる時間が楽しかった。近所のレンタルショップで今夜見る映画を選んだり、食事を作ったり作ってもらったり、たまには彼女と出会ったときに行ったあの居酒屋に飲みに行ったり。
みどりが選んだ映画はどれも面白かったし、用意してくれた料理は美味しかった。反対に僕が作った料理を褒めてくれたし、あの居酒屋でお互いに飲む、ほどほどの量の酒は楽しい時間をくれた。
みどりと過ごした穏やかで楽しい時間。そんな中、彼女がスペアキーを渡してくれたということは、彼女も僕と同じように感じてくれていたということだろう。そして僕を信頼し必要としてくれている。そうやって考えると素直に嬉しかった。けれども「嬉しい」という気持ちが募れば募る程「それでおまえはいいのか?」という声が頭の中で大きくなる。おまえにそんな資格なんかないじゃないか、と。そして募った想いは鍵を貰ったという事実に呼応して、こころの奥深くに溜まったままの澱を掻き回した。意識が濁るような感覚。少し落ち着こうと思い、立ち止まってスペアキーをポケットにしまった。
——恋人に振られた女の寂しさにつけ込んでもう彼氏気取りなの? いいご身分ね——
また、頭の中で声が再生される。あかねの声だ。勿論、分かっている。これは幻聴などではなく、自らが頭の中で作り出しているものだと。一度、深呼吸をする。
——「寂しさを埋めてあげられるなら彼女が望むだけ一緒にいよう」とか何とか綺麗なこと言っちゃってさ、いい人ぶっておいて自分が楽しくなっちゃてるの。なんだかなぁって感じね。この偽善者が——
良くない傾向だ。答えてはいけない。何も考えないようにしよう。何も……
——あなたはいい人振りたいだけなの。分かってる? あなたは人に親切にできることが無いか卑しく嗅ぎ回ってるだけなの。腹を空かせた野良犬みたいに。親切にすることで自分の存在を確認したいだけなのよね、きっと。親切にして感謝されることをあなたが存在してもいい免罪符にしてるの。でもね、あなたは人に善意を向けておいて抱えきれなくなったら途中で捨ててしまうじゃない。申し訳なさそうに謝まりながら、何度も何度も謝まりながら、結局は捨ててしまうの。ずるいよね。知ってた? 「ごめん」っていうのは拒絶なの。もうしわけない、許してください、その言葉だけで全てを終わりにしようとする。言われた方はどうすればいいの? 許せない人はどうすれば? 親切を自己肯定の道具にしておいて抱えきれなくなったらもう要らないやって。謝りさえすれば、いい人のままでいられるとでも?——
何も考えるな、もう、何も考えるな。声に出して呟く。
——私が一番よく知ってるんだから。分かってるでしょ? あなたの悪意が——
「大丈夫ですか?」という声にハッとして顔を上げると、目の前に若い警官が立っていた。少し離れたところで中年の警官がことの成り行きを見守っている。
「大丈夫ですか? どこか具合でも?」
警官は顔を覗き込むようにしてこちらを見ている。
「大丈夫です。ちょっと考えごとをしていただけで……」
「それならいいですけど。ここ、往来がけっこうありますからね。考えごとならもう少し端に寄ってくれないと。長いこと歩道の真ん中で立ち止まられると危ないですからね」
若い警官はため息混じりにいった。確かに繁華街の往来の中で立ち止まったままでいれば、邪魔だのぶつかっただののトラブルが起きても不思議ではない。そしてそれは彼らにとって余計な仕事が増える事以外のなにものでもないのだ。すみませんでした、と軽く頭を下げて、足早にその場を去った。
暫く歩いたところで今度は邪魔にならないよう歩道の脇に立ち止まる。ガードレールにもたれ掛かり携帯電話を取り出す。みどりに、やはり今日は自分の家に帰る、という旨を伝え通話を切った。その判断が正しいのかどうかは分からない。けれども自分の意に反していることは確かだ。だから、これでいい。
近くでクラクションが一度だけ鳴り、我にかえった。辺りを見渡してみるとネオンサイに色付けられた人々が、楽しそうにしているのが目に入った。僕はポケットからもう一度スペアキーを取り出してネオンの光に当ててみる。スペアキーに付けられた小さなピンクの鈴は、赤に染まり黄に染まり青に染まり、一瞬だけ闇に染まって、また赤に染まり直し、風に揺られてチリチリという小さな音を鳴らしていた。
0
あなたにおすすめの小説
届かぬ温もり
HARUKA
恋愛
夫には忘れられない人がいた。それを知りながら、私は彼のそばにいたかった。愛することで自分を捨て、夫の隣にいることを選んだ私。だけど、その恋に答えはなかった。すべてを失いかけた私が選んだのは、彼から離れ、自分自身の人生を取り戻す道だった·····
◆◇◆◇◆◇◆
読んでくださり感謝いたします。
すべてフィクションです。不快に思われた方は読むのを止めて下さい。
ゆっくり更新していきます。
誤字脱字も見つけ次第直していきます。
よろしくお願いします。
片想い婚〜今日、姉の婚約者と結婚します〜
橘しづき
恋愛
姉には幼い頃から婚約者がいた。両家が決めた相手だった。お互いの家の繁栄のための結婚だという。
私はその彼に、幼い頃からずっと恋心を抱いていた。叶わぬ恋に辟易し、秘めた想いは誰に言わず、二人の結婚式にのぞんだ。
だが当日、姉は結婚式に来なかった。 パニックに陥る両親たち、悲しげな愛しい人。そこで自分の口から声が出た。
「私が……蒼一さんと結婚します」
姉の身代わりに結婚した咲良。好きな人と夫婦になれるも、心も体も通じ合えない片想い。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
繰り返す夜と嘘 〜【実録】既婚の僕と後輩の彼女、あの夜のキスから始まった13年の秘密〜
まさき
恋愛
結婚して半年の僕と、同じ職場の彼女。
出会った頃は、ただの先輩と新入社員だった。
互いに意識しながらも、
数年間、距離を保ち続けた。
ただ見つめるだけの関係。
けれど――
ある夏の夜。
納涼会の帰り道。
僕が彼女の手を握った瞬間、
すべてが変わった。
これは恋でも、友情でもない。
けれど理性では止められない、
名前のない関係。
13年続いた秘密。
誓約書。
そして、5年の沈黙。
これは――
実際にあった「夜」の記録。
冷徹公爵の誤解された花嫁
柴田はつみ
恋愛
片思いしていた冷徹公爵から求婚された令嬢。幸せの絶頂にあった彼女を打ち砕いたのは、舞踏会で耳にした「地味女…」という言葉だった。望まれぬ花嫁としての結婚に、彼女は一年だけ妻を務めた後、離縁する決意を固める。
冷たくも美しい公爵。誤解とすれ違いを繰り返す日々の中、令嬢は揺れる心を抑え込もうとするが――。
一年後、彼女が選ぶのは別れか、それとも永遠の契約か。
夫は私を愛してくれない
はくまいキャベツ
恋愛
「今までお世話になりました」
「…ああ。ご苦労様」
彼はまるで長年勤めて退職する部下を労うかのように、妻である私にそう言った。いや、妻で“あった”私に。
二十数年間すれ違い続けた夫婦が別れを決めて、もう一度向き合う話。
【完結】婚約破棄はお受けいたしましょう~踏みにじられた恋を抱えて
ゆうぎり
恋愛
「この子がクラーラの婚約者になるんだよ」
お父様に連れられたお茶会で私は一つ年上のナディオ様に恋をした。
綺麗なお顔のナディオ様。優しく笑うナディオ様。
今はもう、私に微笑みかける事はありません。
貴方の笑顔は別の方のもの。
私には忌々しげな顔で、視線を向けても貰えません。
私は厭われ者の婚約者。社交界では評判ですよね。
ねぇナディオ様、恋は花と同じだと思いませんか?
―――水をやらなければ枯れてしまうのですよ。
※ゆるゆる設定です。
※名前変更しました。元「踏みにじられた恋ならば、婚約破棄はお受けいたしましょう」
※多分誰かの視点から見たらハッピーエンド
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる