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11 光さす上を目指して
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穴の通り道は暗く狭く、細長い四角い空間にはかすかに生臭さが沁みついている。
だが、斜め上の方にほのかに明るい部分があり、近くの内壁を浮かび上がらせていた。
通路はありがたいことに、すとんと垂直に落ちているのではなく、ほんのわずかに傾斜がついている。
滑り台に腰かけるように構え、カナは小刻みに手足を動かして固定させ、身体を引き上げていく。
下の様子は、音でしか伝わってこない。
鋭い悲鳴が鼓膜をつんざき、叫び声が耳を刺す。
少し静まったかと思ったら、なぜか、みんなで声をそろえて叫んでいるらしいのが耳に届いた。
―― マー、ユ、ウ、マー、ユ、ウ、
名前を連呼しているようにも聞こえる。そう思うことにして、自らも心の中で声を揃え、
「ユ、ウ、マ! ユ、ウ、マ!」
くり返し唱えながら、止まることなく上だけをみて身体を引き上げていった。
上に行くことだけに集中していたが、かなり行ったあたりで手元の輪郭が見えるのに気づき、カナは少し態勢を整え、できるだけ顔を上げてみた。
射し降りる光で、壁の様子もうっすらとみえ始めていた。
視界のすぐ上に、短く太い杭のようなものが脇の壁からまっすぐ横向きにつき出しているのが見えて、焦らず体を引き上げ、近づいてみた。
太いボルトの頭が、壁から8センチほどつき出していたのだった。
掴んで揺さぶるが、深く刺さっているのか全く動くことがなかった。
カナは上りながら、ずり落ちないよう用心して片足を掛けてみた。
やはりびくともしない。
「はあ、ひとやすみできる……」
最初から全部、こんな杭があちこち出ていれば楽だったのに……と思いながらも急にぞっとする。
サクとケイジとが転落した時、この杭にまともに接触していたら、少なくともケガはしていただろう。頭や顔が当たり、皮膚がえぐれる様子がふと脳裏に浮かんでしまい、カナは身震いする。
運が良かったとしか言いようがない。
妄想を振り払うように頭を動かし、カナはまた上に向かうる
杭から2メートルも上がらないうちに、ついに、ぽかりと白い光の窓が頭上に現れた。
少し下まで伸びる銀色の内壁が外の光に照らされてきらめき、あたかも天上界への入り口かと思われた。
「……」
はるか足元から、まだ何か叫んでいるのが分かった。
がんがんと響くばかりで何と叫んでいるのかは分からない、しかし一度
「カナ!」
と呼びかけられた気がして身を固くする。
それでも、ようやく出口だ。カナは息を大きく吸い込んだ、その時
「ミツケタ」
すぐ足元にしわがれた囁きがして、ぐい、と態勢が崩れた。
負荷のかかる方、ショルダーのあたりに黄色い霞のようなものがかかっている。
下から伸びているようだ。
霞がかった黄色い霞は蛇のように、ショルダーの周りをくるりとうかがって、それから這い上がって体に沿って上まで伸びて来た。
触れられた感触はなかったが、通った脇から首にかけて冷たい空気が当たり、思わず悲鳴が上がる。
「オマエ、サキニ、シヌ」
黄色い霞が急に細い指の生えた手を形作り、カナの喉首を掴んだ。
「やだ!」
思わず片手が離れ、がん、と身体が下がる。
とっさに肩で支えたが仰向けの状態で肩と足だけで、穴にぶら下がった形になった。
手のひらが壁から離れてしまったが、壁につき直す余裕もない。
黄色みを帯びた半透明の手は、いったんカナの顔を確認するように手のひらをカナの上にかざしてわずかな間、止まっていた。
それと目が合って、カナはまた短い悲鳴を上げる。
手のひらの真ん中にまぶたのない眼がはまっていた。
手首から下は消えている、だがはそこから先端ははっきりと認められた。
恐ろしいくらい指が長く、赤く血走った目がひとつこちらを凝視している。
目のすぐ下まぶたにあたる場所がくい、と裂けた。
目玉の下に直接、唇のない口が開く。
びっしりと細かい歯が生えているのが、そして紫の尖った舌まで見える。
その口から、先ほどの声が告げた。
「シヌ」
手がカナの喉元を掴んだ。
今度は悲鳴を上げる暇もなく、カナは息を詰まらせる。
ひっしに外そうと、伸びる方の手でようやく触れるが、冷たい金属のようにそれは首を固く締め付けていた。
支えていたはずの足から力が抜け、身体がまた落ちかかる。
今度は前のめりになり、とっさにつこうとした手がコンクリートの壁すれすれに滑る。
いっしゅん、ふわり、と身体がどこにもつかない状態になり、カナは本能的に両手を首元を締め付ける手に戻す。
――落ちる!
ぐん、と衝撃がかかり身体が止まった、げっ、と息が漏れるがそれで喉から先の空気が全て抜けた感じだった。
完全に空気がない状態だ。
そして、なぜか身体は宙ぶらりんになっている。
ぼやける視界に、ふと赤い靄が映り込んだ。カナは涙の幕の向こうに、顔を見た気がして、唇だけで名を呼ぶ。
「……ユウマ」
赤いもやが、先ほどの黄色いものと同じようにカナの周りを取り巻き、やはりカナの喉元に迫り、そして、黄色い手を覆った。
黄色い手は化学反応を起こしたくらいの反応で、みるみるうちにまた実態を失い、不定形のもやに戻った。
急に空気を取り戻し、カナがはげしく咳き込む。
咳き込みながら気づいた。
先ほどの杭に、何かが引っかかって落下せずにすんだのだ。
赤いもやと黄色いもやはカナの足下あたりでぐるぐると絡み合い、混じり合う、しかし徐々に黄色い方は『食われて』いるようだった。
白波の泡が消えるように、黄色いもやはつぷつぷとかすかな音と共に消えていく、だが、赤い方も徐々に、薄まっているようだ。
「待って!」
赤いもやの最後のひとすじが消えゆく時、思わずカナは叫んでいた。
「行かないで!」
しばらく動けずにいたが、急にやるべきことを思い出し、カナは涙を拭く。
まだ顎の下に強い上向きの圧迫感があったが、触れてみると、ケイジのショルダーが肩から外れかかり、一部が斜めに首にひっかかっていた。
そっと見上げると、思った通り先ほどのボルトに、ショルダーのベルトがかかっていた。
重みのせいで、ボルトが下向きに傾いている。
しかも、ベルトに傷が入って、そこから千切れそうだ。
みし、といっしゅん身体が下がるが、息を静かに整え、カナは足を踏ん張り直した。
片手を壁に固定させ、少し体を持ち上げ、もう片手でベルトを掴んでゆっくりと片腕を抜いてからボルトの所まで身体を引き上げる。
目に入ったとたん、ボルトはぽろりと壁から抜け落ち、からからと螺旋を描きながら奈落の底へと転がり落ちていった。
「……抜けるんだ」
つぶやいて、カナはまた涙を拭き直し、今度こそ上へまっすぐと向かって行った。
玄関先の景色はつい先ほどまでそこにいたはずなのに、すっかり違う世界のようだった。
陽光が降り注ぎ、木々の緑はちらちらと鮮やかに踊り、不気味だと思って近づいたはずの郵便受けあたりも、今までになく牧歌的に目に移った。
カナはビー玉の袋を赤い防火バケツに傾け、中身をざらざらとあける。
赤が互いにぶつかりあい、その中に青と白との玉がぶつかり転がり、何かのゲームみたいだな、とカナはぼんやりと見守った。
ビリヤードの玉が真ん中に陣取り、まるで王様だ、いっしゅん、なんだか妙に可笑しく思えたが、風が背中に当たって我に返った。
少しぼおっとしていたらしい。
「……みんな」
一緒に見守るはずの仲間がまだ誰もいないことに急に思い至り、慌てて104に駆けだした。
だが、斜め上の方にほのかに明るい部分があり、近くの内壁を浮かび上がらせていた。
通路はありがたいことに、すとんと垂直に落ちているのではなく、ほんのわずかに傾斜がついている。
滑り台に腰かけるように構え、カナは小刻みに手足を動かして固定させ、身体を引き上げていく。
下の様子は、音でしか伝わってこない。
鋭い悲鳴が鼓膜をつんざき、叫び声が耳を刺す。
少し静まったかと思ったら、なぜか、みんなで声をそろえて叫んでいるらしいのが耳に届いた。
―― マー、ユ、ウ、マー、ユ、ウ、
名前を連呼しているようにも聞こえる。そう思うことにして、自らも心の中で声を揃え、
「ユ、ウ、マ! ユ、ウ、マ!」
くり返し唱えながら、止まることなく上だけをみて身体を引き上げていった。
上に行くことだけに集中していたが、かなり行ったあたりで手元の輪郭が見えるのに気づき、カナは少し態勢を整え、できるだけ顔を上げてみた。
射し降りる光で、壁の様子もうっすらとみえ始めていた。
視界のすぐ上に、短く太い杭のようなものが脇の壁からまっすぐ横向きにつき出しているのが見えて、焦らず体を引き上げ、近づいてみた。
太いボルトの頭が、壁から8センチほどつき出していたのだった。
掴んで揺さぶるが、深く刺さっているのか全く動くことがなかった。
カナは上りながら、ずり落ちないよう用心して片足を掛けてみた。
やはりびくともしない。
「はあ、ひとやすみできる……」
最初から全部、こんな杭があちこち出ていれば楽だったのに……と思いながらも急にぞっとする。
サクとケイジとが転落した時、この杭にまともに接触していたら、少なくともケガはしていただろう。頭や顔が当たり、皮膚がえぐれる様子がふと脳裏に浮かんでしまい、カナは身震いする。
運が良かったとしか言いようがない。
妄想を振り払うように頭を動かし、カナはまた上に向かうる
杭から2メートルも上がらないうちに、ついに、ぽかりと白い光の窓が頭上に現れた。
少し下まで伸びる銀色の内壁が外の光に照らされてきらめき、あたかも天上界への入り口かと思われた。
「……」
はるか足元から、まだ何か叫んでいるのが分かった。
がんがんと響くばかりで何と叫んでいるのかは分からない、しかし一度
「カナ!」
と呼びかけられた気がして身を固くする。
それでも、ようやく出口だ。カナは息を大きく吸い込んだ、その時
「ミツケタ」
すぐ足元にしわがれた囁きがして、ぐい、と態勢が崩れた。
負荷のかかる方、ショルダーのあたりに黄色い霞のようなものがかかっている。
下から伸びているようだ。
霞がかった黄色い霞は蛇のように、ショルダーの周りをくるりとうかがって、それから這い上がって体に沿って上まで伸びて来た。
触れられた感触はなかったが、通った脇から首にかけて冷たい空気が当たり、思わず悲鳴が上がる。
「オマエ、サキニ、シヌ」
黄色い霞が急に細い指の生えた手を形作り、カナの喉首を掴んだ。
「やだ!」
思わず片手が離れ、がん、と身体が下がる。
とっさに肩で支えたが仰向けの状態で肩と足だけで、穴にぶら下がった形になった。
手のひらが壁から離れてしまったが、壁につき直す余裕もない。
黄色みを帯びた半透明の手は、いったんカナの顔を確認するように手のひらをカナの上にかざしてわずかな間、止まっていた。
それと目が合って、カナはまた短い悲鳴を上げる。
手のひらの真ん中にまぶたのない眼がはまっていた。
手首から下は消えている、だがはそこから先端ははっきりと認められた。
恐ろしいくらい指が長く、赤く血走った目がひとつこちらを凝視している。
目のすぐ下まぶたにあたる場所がくい、と裂けた。
目玉の下に直接、唇のない口が開く。
びっしりと細かい歯が生えているのが、そして紫の尖った舌まで見える。
その口から、先ほどの声が告げた。
「シヌ」
手がカナの喉元を掴んだ。
今度は悲鳴を上げる暇もなく、カナは息を詰まらせる。
ひっしに外そうと、伸びる方の手でようやく触れるが、冷たい金属のようにそれは首を固く締め付けていた。
支えていたはずの足から力が抜け、身体がまた落ちかかる。
今度は前のめりになり、とっさにつこうとした手がコンクリートの壁すれすれに滑る。
いっしゅん、ふわり、と身体がどこにもつかない状態になり、カナは本能的に両手を首元を締め付ける手に戻す。
――落ちる!
ぐん、と衝撃がかかり身体が止まった、げっ、と息が漏れるがそれで喉から先の空気が全て抜けた感じだった。
完全に空気がない状態だ。
そして、なぜか身体は宙ぶらりんになっている。
ぼやける視界に、ふと赤い靄が映り込んだ。カナは涙の幕の向こうに、顔を見た気がして、唇だけで名を呼ぶ。
「……ユウマ」
赤いもやが、先ほどの黄色いものと同じようにカナの周りを取り巻き、やはりカナの喉元に迫り、そして、黄色い手を覆った。
黄色い手は化学反応を起こしたくらいの反応で、みるみるうちにまた実態を失い、不定形のもやに戻った。
急に空気を取り戻し、カナがはげしく咳き込む。
咳き込みながら気づいた。
先ほどの杭に、何かが引っかかって落下せずにすんだのだ。
赤いもやと黄色いもやはカナの足下あたりでぐるぐると絡み合い、混じり合う、しかし徐々に黄色い方は『食われて』いるようだった。
白波の泡が消えるように、黄色いもやはつぷつぷとかすかな音と共に消えていく、だが、赤い方も徐々に、薄まっているようだ。
「待って!」
赤いもやの最後のひとすじが消えゆく時、思わずカナは叫んでいた。
「行かないで!」
しばらく動けずにいたが、急にやるべきことを思い出し、カナは涙を拭く。
まだ顎の下に強い上向きの圧迫感があったが、触れてみると、ケイジのショルダーが肩から外れかかり、一部が斜めに首にひっかかっていた。
そっと見上げると、思った通り先ほどのボルトに、ショルダーのベルトがかかっていた。
重みのせいで、ボルトが下向きに傾いている。
しかも、ベルトに傷が入って、そこから千切れそうだ。
みし、といっしゅん身体が下がるが、息を静かに整え、カナは足を踏ん張り直した。
片手を壁に固定させ、少し体を持ち上げ、もう片手でベルトを掴んでゆっくりと片腕を抜いてからボルトの所まで身体を引き上げる。
目に入ったとたん、ボルトはぽろりと壁から抜け落ち、からからと螺旋を描きながら奈落の底へと転がり落ちていった。
「……抜けるんだ」
つぶやいて、カナはまた涙を拭き直し、今度こそ上へまっすぐと向かって行った。
玄関先の景色はつい先ほどまでそこにいたはずなのに、すっかり違う世界のようだった。
陽光が降り注ぎ、木々の緑はちらちらと鮮やかに踊り、不気味だと思って近づいたはずの郵便受けあたりも、今までになく牧歌的に目に移った。
カナはビー玉の袋を赤い防火バケツに傾け、中身をざらざらとあける。
赤が互いにぶつかりあい、その中に青と白との玉がぶつかり転がり、何かのゲームみたいだな、とカナはぼんやりと見守った。
ビリヤードの玉が真ん中に陣取り、まるで王様だ、いっしゅん、なんだか妙に可笑しく思えたが、風が背中に当たって我に返った。
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