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第21話:限界勇者と日常生活
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季節が春から夏へと移り変わり始めた頃。クウト達の水路工事はだいたい完了した。
その日は、水路に設ける水門設置作業と確認のため、クウトは帰りが遅くなる予定だった。まだ水路に水は引かれておらず、その水門を設置することで初めて農業用水が確保される。
作業中、何度か役人が来て詳しく打ち合わせが行われ、ホヨラに住むドワーフ鍛冶による品が作られた。ちなみに、その打ち合わせの大半はエンネが行った。得意分野なので。
「ねぇ、エンネさんが行かなくて良かったの? 水門設置」
「ちゃんとした業者が来て、見守るだけじゃ。ちょっと運ぶのを手伝うだけならどっちが行っても変わらんよ。それに、作業の大半はクウトがやったしのう」
北の城門を出て家に帰りながら、エンネとマイサはそんな話をしていた。
今日は二人は休日だった。学校もなく、神殿の奉仕活動もなく、冒険者組合の依頼も急ぎのものはない。クウトには悪いと思いつつ、思い切って休ませてもらったのだ。
一応、マイサが来てから、彼らはしっかりと定期的に休みを設けている。さすがに四十八時間連続労働のような無茶はもうしていない。三人まとめての休みでないのは珍しかった。
こういう休みの日にするのは買い出しだ。食料や日用品、その他気になるものを買いに町に行く。せっかく女二人で出かけたのだからと、普段入らない店なども見てみたりもした。
魔族へのあからさまの差別も、あのエルフの騎士以来起きていない。元々、バリオンのように魔族の末裔が珍しくない町ということもあるだろう。
色んな店を覗いて、買い物をして、軽く昼食をとってからの帰宅。これは二人にとって中々満足感の高いお出かけだった。
「いいのかな。クウトさんがいないのに、ちょっと良いもの食べちゃって」
「構わんのじゃ。あいつ、この前バリオン達と仕事した後にこっそり美味いもの食っておったからな」
「じゃ、じゃあ、いいよね」
「うむ。このくらい気にする男ではないしのう」
そもそもあの男は食事に対する興味自体が薄い。いや、むしろ生きるという行動全般に能動的ではない所がある。少なくとも、エンネはそう考えていた。
魔王を倒したことも、百二十年間戦い続けたことも、その精神性のために出来てしまったのだろう。
「いっそ、こういうのに文句を言うくらいになればいいんじゃがのう」
初めて会った時、殺してくれと頼み込んだ時のことを思い出す。
あの時、クウトは笑っていた。少なくとも、笑おうとしていた。もう自分が何をしたいのかよくわからないと言いながら。
望めばそれこそ何でも望める立場にありながら、何も出来ない空虚な心を持ってしまった勇者。
自分が死ぬよりも、この男を何とかしなければならない。
あの時ほど、強く思ったことはない。運命の女神ユーネルマが手厚く援助したのも納得がいく。恐らく、あのままクウトが天界に昇ったら、良くないことになったのではないかとも思う。
「ボクらが勝手に美味しいご飯を食べて文句を言うクウトさんか。想像つかないな」
「そうじゃのう。そのうちとびきり美味いものでも食って自慢してみるかの」
あれから二人で暮らし、マイサが加わり、クウトの様子も少しずつ変わってきた。
彼は笑えない。本人は笑っているつもりだろうが、その時見せる表情は酷いものだ。
それが最近、ほんの少しだけだが、笑顔らしきものができるようになってきた。
「罪滅ぼしではないが、今日は良い食材にした。気合を入れて料理をするのじゃ」
「うん! ボクも手伝うよ!」
マイサが楽しそうに飛び跳ねる。見た目は歳よりも大人びて見えるが、こうした反応はむしろ子供っぽい。
すぐにワシより大きくなってしまうんじゃろうな。
元気な姿を、エンネは眩しく感じる。
自宅が見えてきた。女神の不思議な力で守られた小さな家は快適だ。家の前の家庭菜園も含め、その佇まいを、エンネはとても気に入っていた。
「では、ちょっと気合を入れた料理をこしらえて……」
そう話しながら室内に入った瞬間だった。
室内に、女神が居た。
「あら、おかえりなさい。今晩御飯作ってるから待っていてね。今日はハンバーグよ。知ってる? ハンバーグ。異世界の料理なんだけど……」
より詳細に言うと、エプロン姿の運命神ユーネルマが、キッチンに立っていた。しかも、なんだか楽しげに料理している。
「な、お主。め、女神ユーネルマか!?」
「えっ、どういうこと? うわっ、神殿にある神像と同じだ……」
「うわ、とは何ですか。マイサさん。貴方の信仰する神ですよ」
「す、すみません」
女神と言うか年上のお姉さんめいた話し方をしつつ、鼻歌を歌いながら料理を続ける。捏ね上げたハンバーグの種をペシペシと両手で往復させ、空気を抜く運命の女神。間違いなく、異様な光景ではある。
「すぐ出来ますから待っていてくださいね」
「は、はい」
「……なんなんじゃ、これは」
明らかな異常事態に対応できず、二人は素直に従う。ちゃぶ台の周りには座布団が三つ敷かれていた。どうも、これも女神が持ち込んだものらしい。
「はい。できましたよー。女神特製ハンバーグ定食。クウトの分は後で温め……ここ電子レンジとかないのよね。まあ、魔法で何とかなるか」
よくわからないことを呟きながらも、ちゃぶ台の上に次々と皿が並んでいく。
大皿にはソースのかかったハンバーグ。一緒にサラダとケチャップパスタがしっかりとついている。更に、炊いた米のよそわれた茶碗と、味噌汁まで用意されている。
箸の代わりにナイフとフォークが置かれているが、形としては地球の食堂で提供される、ハンバーグ定食がそこにあった。
「なんじゃこれは? どこの世界の料理じゃ? 天界か?」
当然、エンネ達にその意味は伝わらない。ユーネルマも説明が面倒なのか、「異世界です」としか話すつもりはないようだ。
「美味しそうに見えるけど。これは……なに?」
「米じゃのう。異国の食べ物じゃ。この辺だとあまり入ってこん」
「ちょっと遠くの定番ご飯よ。せっかくだから食べちゃって。はい、いただきます」
「い、いただきます」
勢いに押されるまま、食事が始まった。
困惑しながらハンバーグを口に入れたマイサの表情が変わった。
「なにこれ、凄く美味しい!」
「米って美味かったんじゃのう」
「ふふふ。その顔が見たかったの。何を作ろうか悩んだんだけど、どうせなら珍しい料理がいいかと思ったのよ」
女神がドヤ顔でそう言った。
それからしばらくの間、全員が無言で食事を楽しんだ。マイサはご飯をおかわりした。気に入ったらしい。
「それで、何をしにきたんじゃ? クウトなら仕事でおらんぞ?」
食後のお茶を出しながら、エンネが言う。
「存じております。まずはマイサ。貴方にお礼を。おかげで、こうして現界できました」
「え、ボ、ボクですか?」
「ここは私の作った家で、後は祭壇があれば限定的にですが顕現できるようになるのです。条件は信徒が設置すること。しかし、彼には祭壇を置くという発想がなかったようですから……」
「あいつ、本当に運命神の勇者なのかのう……」
実際、ユーネルマに対する信仰が深いようには見えない。マイサの方が熱心に祈っているほどだ。
「私とあの子は色々とありましたから。信仰心がないわけではありませんよ。むしろ、相当あるほうです。ただ、一般的な神官や信者とは違いますしね」
なんだか本人的には問題ないらしい。
「今日ここに来た理由は他でもない。生活環境の改善のためです。まさか、この短期間に三人暮らしになるとは思わなかったので」
そう言うなり、ユーネルマは右手を上げると指を鳴らした。
一瞬、家全体が光に包まれた。恐怖は感じない、淡い輝きだ。
「……なんじゃ? なにをした……むおっ、部屋が広くなっておる!」
「それだけじゃないよ! ドアが増えてる。あ、部屋だ!」
立ち上がって扉を空けたマイサが戸惑いつつも喜びの声をあげている。
「増改築が必要でしょう? とりあえず二部屋増やしておきました。将来の子供部屋にするなり、寝室にするなり。お好きに使ってください」
「い、いいのか? 随分手厚いんじゃが」
「私はあの子の働きに報いたいと思っていますから。二代目魔王エンネ。貴方も似たようなことを考えたのでは?」
「む……そうじゃな。あやつに報酬が必要じゃ」
女神の指摘にエンネは静かに肯定する。最初にクウトの事情を聞いた時、ユーネルマの気持ちがわかったのも事実だ。
「さて、それではもう一つ、これを置いておきますね」
「なんじゃこれは? 野菜の作り方?」
ユーネルマがちゃぶ台に置いたのは、一冊の本だった。重箱世界の言葉で書かれているが、装丁や中にある絵などは現実そのもので、ただならぬ技術で作られているのは一目瞭然。
「貴方達、家庭菜園とはいえ全然なっていません。キュウリにトマトはちゃんと支柱を立てる。それと追肥。これを読んでしっかり世話をするように。道具は倉庫に置いておきましたから!」
「お、おう……」
「す、すみません」
ちゃぶ台に戻ってきたマイサともども、よくわからない説教が始まった。
「また、収穫の時期が来たら遊びに来ますからね。……クウトは良い感じに生活に馴染んでいるようです。今後も宜しくお願いします」
最後に穏やかな笑みを浮かべると、唐突に女神は光の粒になって消えていった。
「な、なんだったんじゃ……」
呆然と呟くエンネの横で、マイサがわからないとばかりにかぶりを振った。
ちょうどその時、玄関が開いた。
見慣れた顔、この家の主、クウトが室内に入ってくる。
彼は開口一番、こういった。
「なんか。家でかくなってない?」
説明した後、クウトは祭壇に三十分ほど不満を述べていた。会って話したかったらしい。
その日は、水路に設ける水門設置作業と確認のため、クウトは帰りが遅くなる予定だった。まだ水路に水は引かれておらず、その水門を設置することで初めて農業用水が確保される。
作業中、何度か役人が来て詳しく打ち合わせが行われ、ホヨラに住むドワーフ鍛冶による品が作られた。ちなみに、その打ち合わせの大半はエンネが行った。得意分野なので。
「ねぇ、エンネさんが行かなくて良かったの? 水門設置」
「ちゃんとした業者が来て、見守るだけじゃ。ちょっと運ぶのを手伝うだけならどっちが行っても変わらんよ。それに、作業の大半はクウトがやったしのう」
北の城門を出て家に帰りながら、エンネとマイサはそんな話をしていた。
今日は二人は休日だった。学校もなく、神殿の奉仕活動もなく、冒険者組合の依頼も急ぎのものはない。クウトには悪いと思いつつ、思い切って休ませてもらったのだ。
一応、マイサが来てから、彼らはしっかりと定期的に休みを設けている。さすがに四十八時間連続労働のような無茶はもうしていない。三人まとめての休みでないのは珍しかった。
こういう休みの日にするのは買い出しだ。食料や日用品、その他気になるものを買いに町に行く。せっかく女二人で出かけたのだからと、普段入らない店なども見てみたりもした。
魔族へのあからさまの差別も、あのエルフの騎士以来起きていない。元々、バリオンのように魔族の末裔が珍しくない町ということもあるだろう。
色んな店を覗いて、買い物をして、軽く昼食をとってからの帰宅。これは二人にとって中々満足感の高いお出かけだった。
「いいのかな。クウトさんがいないのに、ちょっと良いもの食べちゃって」
「構わんのじゃ。あいつ、この前バリオン達と仕事した後にこっそり美味いもの食っておったからな」
「じゃ、じゃあ、いいよね」
「うむ。このくらい気にする男ではないしのう」
そもそもあの男は食事に対する興味自体が薄い。いや、むしろ生きるという行動全般に能動的ではない所がある。少なくとも、エンネはそう考えていた。
魔王を倒したことも、百二十年間戦い続けたことも、その精神性のために出来てしまったのだろう。
「いっそ、こういうのに文句を言うくらいになればいいんじゃがのう」
初めて会った時、殺してくれと頼み込んだ時のことを思い出す。
あの時、クウトは笑っていた。少なくとも、笑おうとしていた。もう自分が何をしたいのかよくわからないと言いながら。
望めばそれこそ何でも望める立場にありながら、何も出来ない空虚な心を持ってしまった勇者。
自分が死ぬよりも、この男を何とかしなければならない。
あの時ほど、強く思ったことはない。運命の女神ユーネルマが手厚く援助したのも納得がいく。恐らく、あのままクウトが天界に昇ったら、良くないことになったのではないかとも思う。
「ボクらが勝手に美味しいご飯を食べて文句を言うクウトさんか。想像つかないな」
「そうじゃのう。そのうちとびきり美味いものでも食って自慢してみるかの」
あれから二人で暮らし、マイサが加わり、クウトの様子も少しずつ変わってきた。
彼は笑えない。本人は笑っているつもりだろうが、その時見せる表情は酷いものだ。
それが最近、ほんの少しだけだが、笑顔らしきものができるようになってきた。
「罪滅ぼしではないが、今日は良い食材にした。気合を入れて料理をするのじゃ」
「うん! ボクも手伝うよ!」
マイサが楽しそうに飛び跳ねる。見た目は歳よりも大人びて見えるが、こうした反応はむしろ子供っぽい。
すぐにワシより大きくなってしまうんじゃろうな。
元気な姿を、エンネは眩しく感じる。
自宅が見えてきた。女神の不思議な力で守られた小さな家は快適だ。家の前の家庭菜園も含め、その佇まいを、エンネはとても気に入っていた。
「では、ちょっと気合を入れた料理をこしらえて……」
そう話しながら室内に入った瞬間だった。
室内に、女神が居た。
「あら、おかえりなさい。今晩御飯作ってるから待っていてね。今日はハンバーグよ。知ってる? ハンバーグ。異世界の料理なんだけど……」
より詳細に言うと、エプロン姿の運命神ユーネルマが、キッチンに立っていた。しかも、なんだか楽しげに料理している。
「な、お主。め、女神ユーネルマか!?」
「えっ、どういうこと? うわっ、神殿にある神像と同じだ……」
「うわ、とは何ですか。マイサさん。貴方の信仰する神ですよ」
「す、すみません」
女神と言うか年上のお姉さんめいた話し方をしつつ、鼻歌を歌いながら料理を続ける。捏ね上げたハンバーグの種をペシペシと両手で往復させ、空気を抜く運命の女神。間違いなく、異様な光景ではある。
「すぐ出来ますから待っていてくださいね」
「は、はい」
「……なんなんじゃ、これは」
明らかな異常事態に対応できず、二人は素直に従う。ちゃぶ台の周りには座布団が三つ敷かれていた。どうも、これも女神が持ち込んだものらしい。
「はい。できましたよー。女神特製ハンバーグ定食。クウトの分は後で温め……ここ電子レンジとかないのよね。まあ、魔法で何とかなるか」
よくわからないことを呟きながらも、ちゃぶ台の上に次々と皿が並んでいく。
大皿にはソースのかかったハンバーグ。一緒にサラダとケチャップパスタがしっかりとついている。更に、炊いた米のよそわれた茶碗と、味噌汁まで用意されている。
箸の代わりにナイフとフォークが置かれているが、形としては地球の食堂で提供される、ハンバーグ定食がそこにあった。
「なんじゃこれは? どこの世界の料理じゃ? 天界か?」
当然、エンネ達にその意味は伝わらない。ユーネルマも説明が面倒なのか、「異世界です」としか話すつもりはないようだ。
「美味しそうに見えるけど。これは……なに?」
「米じゃのう。異国の食べ物じゃ。この辺だとあまり入ってこん」
「ちょっと遠くの定番ご飯よ。せっかくだから食べちゃって。はい、いただきます」
「い、いただきます」
勢いに押されるまま、食事が始まった。
困惑しながらハンバーグを口に入れたマイサの表情が変わった。
「なにこれ、凄く美味しい!」
「米って美味かったんじゃのう」
「ふふふ。その顔が見たかったの。何を作ろうか悩んだんだけど、どうせなら珍しい料理がいいかと思ったのよ」
女神がドヤ顔でそう言った。
それからしばらくの間、全員が無言で食事を楽しんだ。マイサはご飯をおかわりした。気に入ったらしい。
「それで、何をしにきたんじゃ? クウトなら仕事でおらんぞ?」
食後のお茶を出しながら、エンネが言う。
「存じております。まずはマイサ。貴方にお礼を。おかげで、こうして現界できました」
「え、ボ、ボクですか?」
「ここは私の作った家で、後は祭壇があれば限定的にですが顕現できるようになるのです。条件は信徒が設置すること。しかし、彼には祭壇を置くという発想がなかったようですから……」
「あいつ、本当に運命神の勇者なのかのう……」
実際、ユーネルマに対する信仰が深いようには見えない。マイサの方が熱心に祈っているほどだ。
「私とあの子は色々とありましたから。信仰心がないわけではありませんよ。むしろ、相当あるほうです。ただ、一般的な神官や信者とは違いますしね」
なんだか本人的には問題ないらしい。
「今日ここに来た理由は他でもない。生活環境の改善のためです。まさか、この短期間に三人暮らしになるとは思わなかったので」
そう言うなり、ユーネルマは右手を上げると指を鳴らした。
一瞬、家全体が光に包まれた。恐怖は感じない、淡い輝きだ。
「……なんじゃ? なにをした……むおっ、部屋が広くなっておる!」
「それだけじゃないよ! ドアが増えてる。あ、部屋だ!」
立ち上がって扉を空けたマイサが戸惑いつつも喜びの声をあげている。
「増改築が必要でしょう? とりあえず二部屋増やしておきました。将来の子供部屋にするなり、寝室にするなり。お好きに使ってください」
「い、いいのか? 随分手厚いんじゃが」
「私はあの子の働きに報いたいと思っていますから。二代目魔王エンネ。貴方も似たようなことを考えたのでは?」
「む……そうじゃな。あやつに報酬が必要じゃ」
女神の指摘にエンネは静かに肯定する。最初にクウトの事情を聞いた時、ユーネルマの気持ちがわかったのも事実だ。
「さて、それではもう一つ、これを置いておきますね」
「なんじゃこれは? 野菜の作り方?」
ユーネルマがちゃぶ台に置いたのは、一冊の本だった。重箱世界の言葉で書かれているが、装丁や中にある絵などは現実そのもので、ただならぬ技術で作られているのは一目瞭然。
「貴方達、家庭菜園とはいえ全然なっていません。キュウリにトマトはちゃんと支柱を立てる。それと追肥。これを読んでしっかり世話をするように。道具は倉庫に置いておきましたから!」
「お、おう……」
「す、すみません」
ちゃぶ台に戻ってきたマイサともども、よくわからない説教が始まった。
「また、収穫の時期が来たら遊びに来ますからね。……クウトは良い感じに生活に馴染んでいるようです。今後も宜しくお願いします」
最後に穏やかな笑みを浮かべると、唐突に女神は光の粒になって消えていった。
「な、なんだったんじゃ……」
呆然と呟くエンネの横で、マイサがわからないとばかりにかぶりを振った。
ちょうどその時、玄関が開いた。
見慣れた顔、この家の主、クウトが室内に入ってくる。
彼は開口一番、こういった。
「なんか。家でかくなってない?」
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