大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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本当の犯人

黒人ではなかった。

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 FBIは犯人の黒人元兵から事情を聞く。 まあ定番の捜査だ。 金を黒人に渡したのは、名前が偽名と思われた。 当然だ。 そして、暗殺に使ったライフルの検証だ。 FBIは銃に関しては世界一の検分知識を持っている。 パレードの車の正確な位置、大統領そっくりの人形を座らせて、銃弾が背中に入る角度や方向を測定する。 当然、ミリ単位だ。 「あのビルだ。」 一人のFBIが特定した。 「おい、あのビルは犯人が証言したビルの隣じゃないか。」 もう一人が驚く。 「そんな、はずは。」 「おい再検証が必要だ。」 もう一度やるが、やはり隣のビルだ。 その3階のあの窓だ、と狙った窓まで特定された。 「とにかく行くぞ。」 FBIは隣のビルの3階の例の窓の部屋に急ぐ。 神はFBIに味方したのか、ちょうど部屋から出てくるオトコと出くわした。 FBIはオトコのギョとした眼を見のがさなかった。 「FBIだ、手をあげろ。」と警告する。 同時に自動拳銃でオトコが抵抗してきた。 オトコは拳銃を撃ちながら部屋に戻る。 二人のFBI職員は両方に別れて部屋のドアに近づく。 ドコーン 部屋から爆発音だ。 ドアが爆風で消し飛ぶ。 FBIは互いに合図して一人が部屋に飛び込む。 オトコは爆死していた。 その部屋から白人優位主義者の秘密結社の機関誌の燃えカスが見つかる。 ブラックに鉄槌をのスローガンで過激な地下活動の団体、W・H・B(ホワイト ハンター ブラック)の機関誌だった。 手がかりだ、FBIは、やっと捜査の入り口が見えてきたことを確信した。 すぐに捕かまった、黒人元兵はオトリであったのだ。 モノホンの犯人は、隣のビルの同じ高さの窓から狙撃したのだ。 犯人も狡猾であった。 しかしFBIの弾道検証の技術までは、想像できなかったのだ。 大統領の日本との同盟に反対する政治家から、背後の過激思想の団体とのつながりから、すべてが白日にさらされた。 オトリの黒人元兵は暗殺犯から、参考人に格下げだ。 彼は釈放されてから、クロも学ぶべし、との犯人に仕立てられた反省本を書いた。 これは、黒人に学ぶべし、の警鐘を鳴らしたのだ。 災い転じて福となった。 黒人は犯人ではなかった。 このことは黒人社会に大きな安堵をもたらした。 有色人種との同盟はとうぜん黒人団体も望んでいたのだ。 仕立てられた犯人の黒人元兵への判決は禁固2年、執行猶予3年と軽いものだった。 この件にはサプライズがあった。 黒人元兵と大統領が面会し、元兵が謝罪したが大統領は、それをミズに流し、米国の国益に貢献するよう元気づけたのだ。 もとより黒人兵の撃った弾丸は大統領には当たらず、道路にめり込んでいたのが発見されたのだ。 過激団体も爆死したオトコにすべての罪をなすりつけた。 まあ定番だ、死人に口無しだ。 しかしこのサプライズで黒人社会が大統領指示となる。 2期目が確実となった大統領だ。(黒人にも選挙権はある、でないと日本は同盟などしない。) 黒人投票権は、開放されたのは以外と最近なのだ。 (1870年に認められたが、形ばかりで、1960年代に平等となる。なんと戦後だ。)   
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