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偵察にきたシナ潜水艦
思わぬ拾い物だ。
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日本軍、米軍や亜細亜諸国のハワイ沖の大規模な訓練は、民間船や民間航空機のため全世界に公開されている。 迷い込んでマトになったら大変だ。 いちおう、大まかな範囲の基準には警戒の船舶が巡回している。 まあ軍艦ではない。 海の警察である、アメリカ沿岸警備隊や日本の海上保安庁が受け持つ。 軍艦ではないから聴音器やソナーなどの軍備は積んでいない。 まあ艦砲や機銃くらいのものだ。 その海の下を、こそこそ動く不審潜水艦があった。 ジャスパックをスパイして西側の軍備などを盗もうと入り込んだシナの潜水艦だ。 シナ潜水艦の艦長は「いいか、写真を漏らさずに撮影することだ、失敗したら明日はないものと知れ。」 「了解です、潜望鏡にフィルムを間違いなく取り付けました。」 「そうか、日本軍や米軍の船には用心しろ。」 聴音器係りは「了解です、スクリュー音が近づいたら、すぐ知らせます。」 「絶対に音を聞き逃さないようにしろよ、でないと首チョンだからな。」 シナの怖いところは、この首チョンパが冗談ではないところだ。 軍隊の裁判なぞ検証も弁護などもないからだ。・・・・ こちらは、正規の敵役の潜水艦だ。 とうぜん、日本海軍の超精鋭だ。 艦長が「音出し装置は点検したか。」 士官のひとりが、「点検して、でかい音を出しています。」 「まあ、わざと音を出さなきゃならんとは。」 「まあ、でないと上の連中が発見できずに終わりますから。」 「まあ、そうだが、では盛大に音を出しますか。」 「了解です、騒音装置入れます。」 同時に艦内にグワン、グワン、グワンと騒音が発生した。 ・・・・・ 訓練には、日本からの援助の駆逐艦を操船するインドネシア海軍の艦長、「水中聴音員に聴いた音を、漏らさずに報告するよう伝えろ。」 「各、受け持ちの相互連携を忘れるな。」 となかなか厳しい司令が飛ぶ。 なんせ、夢にまで見たインドネシア初の駆逐艦だ。 気概は日本海軍に負けてはいなかった。 その下をノコノコ水中速度8ノットのシナの潜水艦だ。 インドネシアの駆逐艦ソナー員(水中聴音員)、「なんか音が下からするぞ。」 「スピーカーに拡大して出せ。」 艦長が司令する。 「グワングワン、ガ、ガ、ガ、ガ、スプン、スプン。」 なんだ、この音は、事前に聞かされた潜水艦音とは違い、まさに騒音だ。 艦長は、「音の録音と位置の特定だ。」 潜水艦の種類が違うが潜水艦であることは間違いない。 「すぐに、情報を共有をしろ。」 「亜細亜諸国連合艦隊に連絡だ。」 「ソナー員は音を外すな。」 と次々と司令が飛ぶ、模擬訓練にしては熱が入る。 ・・・・・・そのころ米海軍駆逐艦、「艦長、ソナーに感あり。」 「そうか、やっと見つけたか、逃すなよ。」 「了解です、かなり深いですが逃がしません。」 米海軍駆逐艦の下を、正規の敵役潜水艦が15ノットで航行している。 それも300メートル余り下だ。 ジャスパックは実戦さながらに熱を帯びてきた。
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