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海底軍艦の新型爆撃機
ロケット爆撃機の完成
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4発プロペラ機がニューヨーク飛行場で人々の歓迎の嵐のなか、総理は4発ジェット機でこっそり帰国した。 官邸の赤電話を取る。 「ハイ、交換です。」 「海底軍艦本部を。」 「つなぎます。」 「総理、海底軍艦本部の・・・」 「まあ、それよりアレは完成したか。」 「アレですか、まだ試験の段階ですが。」 「早急に実戦配備を頼む、独逸帝国のレイの場所がわかった。」 「了解です。」 総理のアレとは、超音速ロケット爆撃機のことだ。 当然、海底軍艦の切り札的兵器だ。 高度2万メートルを音速の3倍で飛行する。 そして誘導ロケット爆弾を2発投擲できるのだ。 現在、高度2万から誘導するロケット爆弾の調整が難しくて、試行錯誤している段階だ。 海底軍艦にはVTOLがあるが、欠点は速度が遅いのだ。 遅いといっても諸外国の航空機からすれば十分な速度だが。 亜音速が精一杯なのだ。 ターボプロップジェットエンジンだが、プロペラの限界でもあるのだ。 やはり衛星を打ち上げるロケットには勝てない。 しかしロケットの加速は人間の体がもたない。 爆発の危険も大きい。 それで、無線誘導を考えた。 しかし、欠点がある。 目標に誘導電波発信機を置かないといけないのだ。 とうぜん、隠さなければならない。 誰が、どうやって海岸から遙か遠くの山の中まで持っていくのか。 海軍作戦室の超高速演算機がうなり、高熱を発して計算する。 現在の日本軍の装備で、海岸から夜間の内に、内密で潜入できるのか、今度は半島のケンチャナヨ精神の人間が相手ではない。 ゲルマンの誇り高き独逸帝国ゲシュタポが相手だ。 よほどフンドシを締めてかからないと、全滅もありえるのだ。 万一発覚すれば、戦争の言い訳を相手に与えてしまうのだ。 今度ばかりは、総理は今上陛下の裁可を得るつもりであった。 しかし、出来ない、それをやれば責任が陛下に・・・・ 総理は自身の首を賭けることにした。 すでに60を過ぎた、腹を切っても惜しくはない。 数日して作戦が出来上がる。 目標まではレンジャーが誘導装置を運び、そこにロケット爆弾を高度2万から直角に落とし込む。 でないとコンクリート壁を打ち抜けないからだ。 幸いにダム工事現場だ。 山崩れから災害に見せかけるのは日本軍のおハコだ。 衛星写真から山脈の切れ目を確認できた。 ここを破壊すれば連鎖的に山崩れが起きる。 この山崩れがダム工事を破壊して、そのオツリが原爆工場破壊だ。 今回はロケット爆弾の誘導装置を仕掛けるのがレンジャーで、ロケット爆弾は山の地層の破砕帯に撃ち込む。 破砕帯が崩壊して、巨大な山崩れが起こり、ダム工事を破壊、そのあおりで、原爆工場を吞み込むのだ。 最大の問題は誘導装置の運搬だ。 やはりアレの世話になるが、電池がギリだ。 ステルスのVTOLでも限界に近い。 総理は実験を具体的にやることにした。 米国のネバダ砂漠実験場を使うのだ。 米軍が全面的に協力をしてくれた。 軍による軍事演習があるからと関係者以外立ち入り禁止だ。 実験開始だ。・・・・
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