大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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新型Uボート!

UボートVSイ号潜水艦

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 英国沖の海中だ。 謎の潜水艦を追尾しているイ号潜水艦の話だ。 「速度を追尾潜水艦と同じ15ノットにしろ。」 「以外と速いですね。」 副官がいう。「うむ、侮れないぞ。」 と艦長。 山下技官は「あまり無理はしないでください。」と副官にノミの心臓がバレる。 まだ、彼女もいない山下技官だ。 副官が「わかってますよ、しかし新しい聴音器を試す絶好の機会とも思いますが。」 そうだ、マイクが2個の、それも艦の前、中、後ろに計6個付いた新型聴音器を試す絶好の機会だ。 山下技官は新型水中聴音器のスイッチを入れてヘッドフォンを交換した。 三次元レバーを操作して謎の潜水艦の位置を特定した。 「位置は右30度、上に20度、距離約600メートル。」 「速度、現在14ノットです。」 「ほう、かなり詳しくわかるのだな。」 艦長が感心する。 「現在の間隔を維持しろ。」 艦長が指令する。 方角的にはフランス共和国沖方面だ。 「相手に気取られないように、間隔を維持しろ。」 艦長が指示を繰り返す。 おそらく独逸帝国の潜水艦だ。 互いに仮想敵国であるが、紛争は避けたい両国である。 山下技官は謎の潜水艦のスクリュー音を記録して今後に備える。 「艦長、相手が浮上します。」 山下技官は謎の潜水艦がベントを開き、海水を排出する音を聴いた。 徐々に浮上していくようだ。  「ここは、どの辺だ。」艦長が航海士に聞いた。 「フランスのブレストの沖です。」 「ブレストといえば軍港があるが。」 「ワケありかもしれません。」  山下技官が「相手は潜望鏡深度で停止しました。」 艦長が「ははーん、フランス軍港のブレストの偵察だな。」 そして、「おそらく、スクリュー音から、新型と思われる。」と艦長。 「あ、魚雷発射菅の開く音です。」山下技官が叫んだ。 艦内が緊張する。「まさか、戦時でもないのに。」 「アクテブソナーを打て。」 艦長が指令した。 山下技官はアクテブソナーを即座に打った。 ・・・・こちらは謎の潜水艦だ。 「ピッキーン。」 音が跳ね返る。 「まて、発射やめだ。」 「なんだ、近くに潜水艦がいるぞ。」 「ソナーを打ちやがった。」 「感づかれている、ヤバイ。」 「潜航しろ、限界深度300だ。」 謎の潜水艦は速度15ノットで限界深度300をめざす。 ・・・・こちらは、イ号だ。 「相手は急速潜航して逃げていきますが。」 「追跡はヤメだ。」艦長がさらに「なにかやろうとしていた、まあ魚雷は撃たせなかった、それで良しとするか。」 山下技官は内心、ホットした。 あまり関わらないほうが得策だ。 艦長もその辺はわきまえていた。 しばらくしてイ号潜水艦は英国のポーツマス海軍基地をめざした。 採集した潜水艦の音紋は3隻だ。 初回にしては、まずまずの収穫であった。
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